恒例の冬登山 荒島岳

09年1月25日

荒島岳(1,523m)


荒島岳は豪雪地帯の福井の奥越にありながら
冬でも登山者が多いという事は
全国的には知られていないと思います。

しかしながら、
登山口がカドハラスキー場なので駐車場が確保出来る上に
雪崩の危険がなく、登山ルートも分かりやすく
さらにリフトで標高差300mほど楽が出来る利点がありましたが、
08年から登山口まで乗せてくれたリフトは運転中止になったみたいです。

錆鉄人はこの所毎年のように天気の良い冬の日に荒島に登っています。





どうやって行くの
我が家からは清水谷トンネルを抜けて、池田町から美山町(福井市)に入り、国道157号線で大野市街を通りぬけて九頭竜湖方面に向かいます。
我が家からは44km程度、大野市内以外は信号もほとんどないので、1時間足らずで到着です。しかしながら、福井県の信号設置密度は全国一で、しかもほとんどが系統化されていない為、というより無理やり停めさせる為に系統化されているのかもしれませんが、大野市の郊外を迂回するバイパスのたった数キロ区間で、500m置きに5〜6回は停められるのが常です。3回以下なら奇跡的と喜ばなければなりません。大動脈の国道8号線も同じことで、福井県内の平均スピードは石川県や富山県の半分以下ではないかと思われます。夜間でも同じで、通行車両もない路線の信号に再三、再四停められます。
という事で、福井県民は信号によるイライラが募り、走りだすと無理してスピードを上げざるを得ない為に、人口の割に死亡事故が多いのだと思っています。(人口当たりの信号の数は、全国平均と比べて1桁多いのではないかと思われます。)

さて、この日は集落の門徒総会の日で、無宗教の錆鉄人は(神様には一生懸命お祈りしますが)ほとんど欠席していたのですが、何を血迷ったか(って、建前は全員参加でありますが・・・)前日から今回は出なければならないかな・・・と考えていて、出席したのでありました。
朝から福井の冬には珍しい青空が広がっていましたが、この時は門徒総会の事しか頭になく、足のしびれを堪えてお勤めをしていたら、こんないい天気の日にこんな事をしていては勿体ないと気が付きました。という事で、総会の間に天女に山に登る用意をしておいてとメールしました。
9時にお勤めが始まり10時半には終わると思っていたのでしたが、何と門徒委員に選ばれてしまい、総会終了後は委員会・・・
11時20分頃にやっと終わったので、家まで走って帰って、天女が準備していてくれた装備と登山靴、ストックを天女のムーブに積み込んで、速攻で出発。が、手袋を忘れた事に気が付いてユーターン、走りながらも装備を反すうする慎重な錆鉄人でありました。(って、しょっちゅう携帯を忘れて会社に行っているのですが・・・)

登山口
冬は99%の人が、カドハラスキー場からの登山だと思います。
スキー場は2009年も営業しているので、駐車場の除雪がされていますが、ここ数年はやっと営業している感じで、登山者が重宝したスキー場上の登山口までのる事が出来たチャンピオンコースのリフトは運転していません。今年は鉄索も消えていたので今後復活はありえないと思われます。しかたがありません、一昨年なんか登った時も、スキーヤーと登山者(せいぜい20名ほど)が同じ位でしたから・・・
ところが、本日は何か行事でもあったのでしょうか。3つある駐車場は満杯で、場内の道路にも車が連なっています。そういう事もあるかと考えて天女のムーブで来た錆鉄人(4WDで燃費が良いからでもありますが・・・)は、狭いスペースに駐車しました。

トイレのある夏用の駐車場の所から12時35分ゲレンデを歩きだしました。
天女はリフトで楽が出来ると思っていたようですが、右の写真の写っているように、標高差も僅かで距離的にも数百メートルしか楽が出来ず(リフト乗り場は右に100mほど下った所なので、そこまで歩いて切符を買っているうちに着いてしまうと思いました。
【注意】
荒島岳は普通7〜8時間かかる山
なので、錆鉄人を真似て登山しないで下さい。錆鉄人は冬の荒島は5回位登っていて、3時間で往復出来ます。天女も5割増しの4.5時間で往復可能だと計算して出発しています。(天女も甲斐駒黒戸尾根や剣の早月尾根日帰りを簡単にこなす脚力とスタミナを持っています)


下山時に撮影
登山開始 12:35
錆鉄人はタタタタッとゲレンデを歩いて行きましたが、振り返ると天女が離れています。天女はダブルストックなんですが・・・
愛妻家の錆鉄人は天女を待ち、追いついたらまたタタタタッを繰り返して、ようやくリフト降り場に到着。


昔は右の山の上(ここからは見えないもっと上)までリフトで行けたのですが・・・
リフト降り場付近

リフト左側(上から見て)には旗門が設置されていて、スタート地点には計時装置が設置されていて、何かの大会が行われているようでした。出場者の家族も来てスキーをしているから、こんなに混雑していたものと思われます。(とは言ってもゲレンデはスカスカ、20年前は何だったんだろうと思います。)
ゲレンデを下山してくる人から「今から登るんですか!」と非難の目付きで声を掛けられます。「しゃくなげ平のトラバースはありますか?」と聞くと、「しゃくなげ平まで普通は3時間かかりますよ」と言われ、「僕らは1時間半で行きますから」と答えましたが、踏み跡はないとの事。あれば少し楽が出来ると思ったのですが。


という事で、ここからは登山道です。(旧チャンピオンコース)
しっかりトレースがあります。
上の登山口 13:11

チャンピオンコースリフトの降り場、もう鉄索もありません。


1本道なのでいつも通り天女が先に歩きます。天気が良かったので樹氷はなくなっていると思っていましたが、樹氷が残っています。
樹氷

これは高見山よりよっぽど綺麗です!


ブナの巨木の横を通って
樹氷


中が空洞になっています
樹氷


コブの木
白い花
向こうの尾根は白い花が満開状態

その部分のアップ
この中を歩いてみたかった!
樹氷



青空がバックだと樹氷が引き立つのですが、この頃にはほとんど曇ってきました。
えびのシッポ(子供)


14:19 1時間44分でしゃくなげ平に到着
ここまででほぼ2/3、錆鉄人の計算では頂上まで3時間の下り1時間半、合計4時間半でしたから、合格です。

この向こうに白山があるのですが、さすがに心眼でも見えません。

素敵なプレゼント

シャクナゲ平はまっすぐに進んで左に少し下り、急登の餅が壁を登ります。シャクナゲ平から左側にこれから登る尾根が見えています。この時間なので登山者はいません。


ここで宴会をしていた三国の人達。宴会しないの?と言われ時間がないので・・・と言い訳していると、何と「カニ」を頂きました。(持ち帰って食べました。)
餅が壁

一旦僅かに下って餅が壁の登りです。
この辺りも樹氷がとても綺麗でしたが、
天女は登りに必死です。


急登ぶりがうかがえますが、木がはえているので雪崩の危険はない所です。
天女は一応アイゼンを持って来てはいますが、装着していません。錆鉄人は持ってきてもいません。荒島は春になって雪が溶けて凍った時はアイゼンがあったほうが良いかもしれませんが、雪があればアイゼンという風潮は賛成出来ません。
天女は餅が壁の中間で風が強まった所でジャンバーを着用。錆鉄人も上にカッパを着ました。
餅が壁上部

餅が壁もそれほど難渋することもなく登り切り、壁の上部に到達。ここからは樹木がほとんどない稜線歩きとなります。


吹雪で頂上は見えません。左側には雪庇も出来ていますが、ルートは計算して右側を通っています。
天気悪化

天気が悪化してきたので、天女を急がせました。ほとんど平坦なので「もっと、もっと速く」と言っていたらつむじを曲げてしまい、「私、もう登らない!」
ごめんなさーい。



稜線を歩く

急がせず天女を待ちながら歩きました!
(もう遅い!)


それでも雲の切れ間から下界が見えました
荒島岳頂上 15:19

天女はつむじを曲げましたが、そこは長年の付き合い、我慢して中乗まで来てくれました。風で帽子が飛ばされないように押さえていますが、この後、マフラーでぐるぐる巻きにしました。そして長居は無用、すぐに下山しました。


数年前、携帯を無くしたと言って翌日探しに来て滑落死した人は、ここから落ちたのでしょうか。(頂上は広く、少し戻った所の左側の斜面です。)
戻る

天女はトンチンカンな所へ歩きだすクセがあるので、愛妻家の錆鉄人が先導します。強風で登りの足跡も埋まっている所も一部ありましたが、ルートが分からなくなるおそれはありません。


樹林帯に入って休憩。錆鉄人は車を走らせながらおにぎりを2個食べましたが、天女は何も食べらないで登ったので、つむじを曲げたのかもしれません。
テルモスに入れて持ってきたコーヒーも十分熱くておいしかったです。
しゃくなげ平へ

餅が壁途中の樹氷
天女の下りは慎重です。


という事で15:55 しゃくなげ平に到着。天女は小荒島岳のほうへ歩いて行こうとするのを呼び止めます。錆鉄人がいなければ、天女は山で100回は迷っているに違いありません。
リフト降り場へ

しゃくなげ平から天女の足の運びが変化。小走りするように下山を楽しんでいました。錆鉄人は重いので足が何度も潜ってしまいました。



上のリフト降り場に16:27 到着
しゃくなげ平から32分なのでなかなかのタイムかもしれません。
登山口に戻る

    ほぼ無人のゲレンデを下る天女

どうやらリフトの運転も終了のようで、載っている人はいません。そのうちに上の監視員がリフトに乗って下りてきました。


16:40 トイレのある駐車場に戻ると、間もなくスピーカーの音楽も停止。下のメイン駐車場も空っぽです。
錆鉄人の予想よる20分早かったので、天女も頑張りました。予想が大甘だったとも言えますが・・・、天女の体力維持に気を使う愛妻家の錆鉄人の荒島岳登山はこれでお終い。飛ばして歩いて汗をかいたので、帰りも家に直行しました。往復88km、天女のムーブの燃費は平均18km/Lはあるので、5リッター×105円。たったの525円で荒島岳登山が出来たのでありました。

工事中




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