平ヶ岳(2,141m) 越後駒ケ岳(2,003m)・・・延期 平ヶ岳は錆鉄人の評価では「最低最悪の百名山」であった。 平ヶ岳自体に罪はない。 アプローチの道路が狭くてジグザクで延々と長い (運転していても酔いそうになる) 登山口にまともなトイレがない (簡易トイレのみ/今回はそれさえ無かった!) 長いルートの途中にも頂上にも何処にもトイレがない 長いルートなので幕営者が多いにもかかわらずである。 (避難小屋もない) 一般登山者には解放されない裏ルート(皇太子の道の存在) (そこからしか平ヶ岳に登れない人もいるので 存在自体は有益としても・・・) そこから登る登山者のマナーの悪さ (頂上標柱の後は糞がゴロゴロ) ぬかるむ登山道と超滑り易い木道・・・ 枚挙すればこんな所であろうか・・・ 姫池や地塘、玉子岩など見所もあって 平ヶ岳自体はいい山なんです! 登山後に作った錆鉄人の名句? 長坂を 天女と登り 姫の池 |
どうやって行くの | ||
福井から行く場合、北陸道から関越道に乗り換えて小出ICで下り、2車線とはいえ狭い曲がりくねったトンネルの中を延々と30分ほど走り、出たと思ったら今度は奥只見湖沿いのジグザグの狭い道路を眠い目をこすりながら1時間余り走り続けるやっと登山口の鷹の巣に到着です。 |
東京方面からは檜枝岐経由で鷹ノ巣に来る事になると思いますが、檜枝岐から鷹ノ巣の間も一部道路の狭い部分や曲がりくねった所があり、錆鉄人は06年に平ヶ岳に登った後、会津駒ケ岳も登ってしまおうと走っていて、カーブをオーバーランしてきた車に当てられ、証拠写真を撮ろうとした時に逃げられました。(免許証見せてと言って預かっていたので、警察に届け出して何カ月後に別件で捕まったという連絡がありました。) こういう事件もあって、錆鉄人の平ヶ岳に対するイメージは非常に悪かったのでありました。 しかし・・・ |
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平ヶ岳 |
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鯖江ICから小出ICまでは377km、4時間程度なので、高速1,000円乗り放題の為に途中のSA(越後川口)で車中泊。4時間ほど寝て、3時に出発し、鷹の巣には5時頃に到着の見込でした。しかしながら、何故か目が覚めて時計を見るとまだ午後11時台! もう一度寝ようとしましたが、寝たのかどうか分からないうちに午前0時を回ったので、SAを出発。高速代7,900円が「利用料金は1,000円です!」と言われてゲートを通過するのは楽しい気分になります。 という事で、道の駅前のコンビニで食糧を買い、シルバーラインから錆鉄人の一番嫌いなルートを鷹ノ巣へと走りました。後で寝ている天女が気持ちが悪くならないようにと少し抑え目で走ったためかもしれませんが、錆鉄人のイメージとは違って、道路幅もほぼ1.5車線はあり、毛嫌いしていたけれど案外走り易いなぁと再認識したのでありました。 鷹ノ巣の駐車場に入る前に、公衆トイレで用を足して駐車場へ。そして、もう一度寝ましたが・・・結局、ほとんど眠れずに時間が来てしまったのでありました。 |
下山後は銀山平温泉にゆっくりと入り、夕食も食べてから枝折峠に行って車中泊の予定です。枝折峠にはきれいなトイレがあるとの事なので安心ですが、「手洗いの水はない」との情報で、朝早く枝折峠に上がることにしました。清潔好きの錆鉄人でありました。 |
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鷹ノ巣の駐車場 | ||
お隣さんは何と北海道のナンバーでしたが、錆鉄人が出発の準備をしていると車が出て行ったので、登山を終えて車中泊していたのかと思っていましたが、数キロ離れた公衆トイレに行って来たと言って戻ってきました。 登山口の駐車場には、3年前にはあった簡易トイレさえなくなっていたのでありました。 という事で、この頃は朝は食欲がないという天女は結局何も食べずに4:04 出発。錆鉄人はステーキがあったら食べて出発するのですが・・・ |
戻ってきた時の駐車場 全部で20台位あったでしょうか。 この手前、登山口側にも舗装無しの駐車場があり、道路の向こう側と合わせて約30台分位でしょうか。それも満杯になると路上に並ぶらしいです・ |
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登山道 | ||
10分ほど林道を歩きますが、途中に渡渉ポイントがあり、そこから数分で登山口になります。渡渉ポイントからすぐに右側に入る林道がありますが、そのまま進んで平ヶ岳の標識がある所まで真っすぐに林道を進みます。 |
左手には見覚えのある燧ケ岳の相耳峰 |
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台倉尾根 | ||
痩せ尾根が延々と続きますが・・・平ヶ岳は見えません |
振り返ると御来光 |
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下台倉山 | ||
こんなロープのある岩場が数か所 こんな所があるって聞いていないわよ! 聞かないから言わなかったのじゃなく 覚えていなかっただけですが・・・ |
下台倉山 5:36 やっと下台倉山に到着 |
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平ヶ岳は遠く・・・ | ||
コブシが咲き乱れていました |
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台倉山 | ||
3年前はおバカな木道と笑っていましたが 今回は横桟が付けてありました。 進歩してるじゃないですか、平ヶ岳君! (この辺りで食事をしました) |
6:26 台倉山到着 |
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台倉清水 | ||
水はたっぷり持ってきたので 台倉清水には寄りません |
やがて雪が現われてきました |
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白沢清水 | ||
7:00ちょうど、白沢清水に到着 |
時々空気を吹きながら水が湧いていました。3年前は整備されていなくて、汚い水溜まりでしたが、今回は木道が作られ、湧いた水が流れ出るように排水路が作られていました。 という事で、マグカップですくって飲みました。冷たくておいしかったですが、若干ゴミが入ります。もうちょっとだよ、白沢清水君! |
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平ヶ岳を望む | ||
あんなに遠いの! 「遠くに見えても山頂は近い」 錆鉄人のおバカ登山の法則です |
写真ではなだらかに見えますが 天女の姿勢で分かるように 結構急な登りです |
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姫の池 | ||
という事で、きつい登りを終えて姫の池に7:51 到着。 |
え〜!下りがあるの! 百名山山あり谷ありなのです それは人生! |
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頂上へ | ||
ここの鞍部にはかなり残雪がありました |
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平ヶ岳 | ||
8:10 山頂の標識に到着 |
今日は平ヶ岳だけなので時間が余ります という事で珍しくコンビニのおにぎり・パンではありません。 天女は言いました。「豪華な食事ね!」 って、98円のカップラーメンなんですが! 今、うどんも作っているからね。 |
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平らな頂上 | ||
ふ〜ん、そうなんだ。 |
求道心にあふれた錆鉄人は 木道の先まで行ってみました (ポールが立っている所まで) |
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行きどまり | ||
行きどまりって書いてあるのに、踏み跡が続くのは何故でしょう? |
右上が暗いのは3回の落下でレンズカバーがうまく拡がらない事があるからです。 |
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ハクサンコザクラ | ||
群落 |
アップ 何故か錆鉄人のパナはピンク色が出ません |
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続お花 | ||
うまくピントが合いました! |
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花 | ||
コバイケイソウの開花はまだまだ先のようです |
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玉子石分岐 | ||
左 玉子石に向かいます |
天女は花に見とれていますが 前方に巨大な雪の壁が・・・ |
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水場 | ||
お花畑はまだまだこれからです |
この辺りがシーズンは天場のようですが 水場はまだ雪の下でした |
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雪の壁 | ||
遠目では登られるのかしら?と思う程の雪の壁です |
ここに木道が出ていたので、 ここに向かって来ましたが・・・ |
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間違える | ||
雪の壁の所で左に行くべき所を右に来てしまったので、姫の池のすぐそばまで行ってしまい、戻る事にしました。 |
天女は私は行かなくていいわと言いましたが、ちょうどそこへ来た登山者が「平ヶ岳に登って玉子石に行かなければ勿体ないですよ。」と言ってくれたので、天女もしぶしぶ行く事になりましたが、「え〜!あんな遠く?」と驚いていました。 |
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玉子石 | ||
天女も玉子石をみてビックリ 本当に自然にこの形になったのでしょうか? |
向こうには地塘が拡がっています |
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玉子石の裏側 | ||
表の肩力は想像出来ない後姿です |
と言う事で向こうの山の上まで戻ります |
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皇太子の道分岐 | ||
右上から下りた所に皇太子の道の分岐があります。(通り過ぎた所から撮影しています)かなり古ぼけていますが木道になっています。(標柱から右方向) |
本当にピンクが出ないカメラです |
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姫の池に戻る | ||
尾瀬の水芭蕉の写真の再現を狙いましたが 池には虫などが多く波紋が収まりませんでした |
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気持良い姫の池 | ||
お花が咲き、涼風が流れる姫の池 |
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下山 | ||
姫の池からちょっと急な下りが待っています |
天女はこんな滑りやすい所が苦手です それにしても、ここからはまだ台倉尾根が見えません |
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またしても花 | ||
シャクナゲは終わりかけていましたが なんとか生きのいい花を見つけました |
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白沢清水 | ||
白沢清水を飲んでみようと左に入って行きました。 水場はどうやらこの谷のようですが 雪で埋まっていたので諦めました。 |
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台倉尾根 | ||
ようやく長いながい台倉尾根が姿を表しました |
天女も下りは得意です |
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痩せ尾根 | ||
でも怖がりの天女なので こういう所はそろそろ下ります |
こんな所で落ちる人はいないよ と言うのですが、慎重な天女です |
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林道に戻る | ||
12:32 やっと林道に戻ったわ |
渡渉ポイント ここで顔を洗って頭から水をかぶってサッパリ |
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登山口 | ||
という事で、今回はのんびりゆっくり 12:44 登山口に戻ってきました 実際に歩いていた時間は7時間半位だと思います |
駐車場もほぼ満杯 但し手前の舗装されていない駐車場は3台のみ |
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銀山平温泉 | ||
錆鉄人の嫌いな酷道352号線を戻り銀山平へ。 来る時に錆鉄人の記憶より広いなと感じていたように、ほぼ1.5車線あって、すれ違いでバックしなければならないという所はなく、天女が酔わないようにゆっくり走った事もあって、それ程の悪路ではないと認識を改めました。鷹の巣の公衆トイレから銀山平まで31kmの間で対向車は20台位でした。 と言う事で、案外すんなりと銀山平へ。寝不足の錆鉄人は木陰を探して少し寝てから温泉に入ろうと思いましたが、お昼なので日陰がほとんどありません。この建物の横の日陰に入って寝ようとしましたが、結局寝られず、温泉に入る事にしました。 |
温泉は2階です 入浴料は650円(訂正です) 入浴時間は20:00まで 午後3時でしたが次々と入浴客が来ます 左の写真の2階の部分は露天風呂 狭くてややぬるめの浴槽は源泉のようで 若干析出物が付着していました。 |
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名水 | ||
荒川岳の名水がコンコンと湧き出ていたので ペットボトルの何本も汲みました |
これが越後駒ケ岳 北斜面だからでしょうがまだ相当の雪です |
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豪華な夕食 | ||
ニジマス定食 2,000円 ニジマスは横の生簀から取ってきて焼きました! 銀山平では食事を食べられる所がなかったので、シルバーラインの橋の所にあった食堂へ行きました。明日は町内の壮年会で京都の川床料理を食べに行く旅行があったのですが、断ってこちらにきたので、その分の会費を考えると、豪華な食事をしようよと言って一番高い定食を注文しました。 |
イワナ定食2,500円 錆鉄人と天女はいつも半分ずつ食べるのですが 魚以外はほとんど同じだったので 違うものにすれば良かったと反省 でも、天女は頂上に続いての (カップラーメンでしたが?) 豪華な食事に大満足でした |
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越後駒ケ岳 | ||
錆鉄人は駒の湯から登ったので、枝折峠からは登った事はありません。小さなアップダウンが続くようですが、天女も先週の黒部五郎で慣れているので、へっちゃら!コースタイムも黒部五郎の2/3位ですから。 という事で、昼前には駐車場に戻り、夕方までには自宅に戻ってプランターの花々と畑の野菜に水やりをしようと思っていたのでありました。 という事で銀山平温泉に入り、食堂で豪華な夕食を食べた後、超寝不足だった錆鉄人は、食堂の前の公衆トイレの広場で車中泊しました。(ここは渓流釣りの人達の駐車場になっているようで、寝ようとした頃に車に戻ってきました) 午後7時には眠りに就いたのですが、11時に目が覚めてしまい、空を見ると星さえ認められました。天気予報では、曇り時々雨という予報が良い方に外れたに違いないと思って、枝折峠に上がる事にしました。 |
国道352号線はすれ違い出来ない狭い道路なので、深夜の上がったのですが、思った程狭い所ばかりではなくこれなら昼でも大丈夫だと思いながら枝折峠に着くと、駐車していた車は1台のみ。車を出しやすい場所に駐車して再度眠りにつきましたが、3時前、屋根をたたく激しい雨音で目を覚ましました。しばらく様子を伺っていましたが、空は真っ黒で(って、新月で夜明けにはまだかなりあったからでもありますが・・・)収まる気配はありません。 出発してから降りだしたら仕方がありませんが、降っている中を登山開始する気にはなりません。諦めて枝折峠から下りる事にしました。 小出方面への下りは、銀山平からの上がりよりも道路は狭い所が多いように感じました。こんな天気の中、登山に上がってくる車はないとは思いながら、慎重に下って行きましたが、何と駒の湯の分岐の辺りでは雨が止んでいました。 未連の残る錆鉄人は、少し先の道路の広い場所で車を停めて明るくなるのを待つ事にしました。薄明の空は一部明るい部分も見えて天気は回復するのかもしれないと期待しながら・・・ しかしながら、20分もたたないうちに再び屋根をたたく雨音に、錆鉄人の未練も霧散し、たとえ雨が降らなくてもぬかるむ道はますますぬかるんでいるだろうし、展望もないに違いないから、もっと天気の良い日に登ろうと決め、車を再スタートしたのでありました。 |
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帰途 | ||
昔は車に乗っている間中眠っている眠り姫状態でしたが、最近は余り眠らなくなった天女は、地球の文化研究の為に(暇つぶしに)何と俳句を始めたのでありました。 何やらモゴモゴと唱えたり、指を折って字数を数えたりして、「出来たわ!」と誇らしげに錆鉄人に披露します。 しかしながら、地球文化の習熟度が今一歩の天女の俳句です。錆鉄人はすぐに得意の本歌取りで別の俳句を唱えます。 天女は負けじと次の俳句を考えます・・・ という事で、何回目かに錆鉄人の名句が完成! 長坂を 天女と越えて 姫の池 |
【解説】 余りにも味わい深い名句なので解説を付けんとする錆鉄人であります。(解説しないと分かってもらえないという事でありますが・・・) 表面的には、「はるばると長い坂、険しい坂を、天女と一生に歩いてきて、やっと涼風が流れ、お花が咲き誇る気持の良い姫の池に到着したよ」という句でありますが、よく登山は人生に例えられるように、「結婚以来、苦しい事や辛い事も一緒に乗り越えてきて、平安で幸せな生活を送る今があるんだよ」という深い意味があるのでありました。(錆鉄人は苦しい事も辛い事もあまりなかったように思うのでありますが・・・) |