恒例の雪山登山 荒島岳

10年2月21日

荒島岳(1,523m)


荒島岳は福井県で唯一の100名山である。
標高は1,523mと高くなく、
かつては幽霊小屋と電波反射板が立ち並んでいた殺風景な頂上に
(石川県大聖寺生まれだが)学生時代に福井に住んでいた深田久弥が
エコヒイキで無理やり100名山にしたと陰口をたたかれている。


しかしながら
真名川にかかる君が代橋から眺める荒島岳は
優美な姿で登高意欲を掻き立てずにはいられない。
(錆鉄人は大抵朝早く行くので見るのは帰りになりますが・・・)
高山植物はほとんどないけれど見事なブナ林
息を飲むほど素晴らしい白山の眺望
そして天気の良い日は槍穂高・乗鞍・御嶽さえ見える・・・
豪雪地帯にありながら冬でも登れる百名山としても貴重な山であり
決してそのように貶められる事はないと考えます。

地元の百名山なので(と言っても片道50km近いが・・・)
天気予報を見て
滅多にない北アルプスの眺望を期待して登ったのでありました。








どうやって行くの?
我が家からは清水谷トンネルを抜けて池田町に入り、旧美山町経由で国道158号線を走り、大野市街を抜け、山間部を九頭竜ダムに向かって鳩が湯への分岐を過ぎると、間もなくカドハラスキー場に到着です。
よくこれで営業しているなと感心するような閑散たるカドハラスキー場は、昨年までは細々と営業をしていましたが、遂に今年は営業中止。もう再開される事はないでしょう。




スキー場が営業していた時は、リフトに乗ってゲレンデ歩きを短縮出来て楽ちんだったのですが・・・(昨年は登山口までのリフトも運転していなかったので、リフトに乗らず歩きましたが・・・)

それよりも、駐車場の除雪がされなくなったので、それが雪山登山の一番の問題です。荒島岳onlineを見ると、登山口付近の路肩が除雪されて駐車可能だという情報を得ましたが、この日の好天にはたくさんの登山者が押し寄せる可能性があり、早朝に到着するように自宅を6時には出発しました。
リハビリ登山
2月11日から14日迄、四国〜中国の温泉巡りに行ったのですが、1日目の足摺岬での車中泊で、ビールを飲みながら長時間カーナビの音楽を聞いていた為に、朝エンジンを掛けようとするとバッテリーが上がってしまっていたのです。
起きがけでまだ暖気されていない頭の錆鉄人は、ステップワゴンを押し掛けしようとして天女を運転席に乗せ、久しぶりに全身の馬鹿力を出して100m程押したのでした。スピードが付いてからギヤを入れるのが押し掛けの極意ですが、やけに重いと思ったら天女はすでにギヤを入れていたのでした。
という事で、へとへとになって車を押したおかげで、やっと暖気運転された錆鉄人の脳は、ステップワゴンはATだから押し掛けではエンジンがかからないという事にやっと気が付いたのでした。





という事で、全くのくたびれ儲けでしたが、準備運動もせずに(って、登山の時もした事はありませんが)いきなり無茶苦茶な力を出した為に背骨がずれてしまったのかもしれません。
その後3日間も超時間運転を続けたのも悪化の原因かもしれませんが・・・温泉に入りまくったにもかかわらず、錆鉄人には滅多にない腰痛と、左足のふくらはぎがパンパンに張って歩くのも大変な状態となり、それは1週間近く続いたのでありました。

という事で、錆鉄人はこれはリハビリに軽い運動でもして温泉に入るのがいいだろうと判断し、絶好の天気に恵まれた本日(2月21日)荒島岳に登り平成の湯に入る事にしたのでありました。


登山口
駐車スペースはスキー場へのアクセス道路のある直線を曲がった所の道路の両側(銀嶺荘の入り口に当る所)にありましたが、すでに10台程が駐車していて、空きは数台分ほどしかありませんでした。

という事で首尾よく駐車し、登山口のトイレ(使用可能でした)で用を足して、6:57 出発しました。今回は錆鉄人はリハビリ登山なので天女を急がせる事もありません。


ゲレンデを真っ直ぐに登り、右に少し登った所から振り返って撮影。後ろにも登山者がいます。
登山道入り口

去年はまだリフト下り場の痕跡があったと思いましたが、今年はすっかりなくなっていて、ケーブルのローラーと思われるものが雪の中に転がっていました。

7:38 登山道入り口
10台程の車の登山者が歩いた為でしょう、しっかりとトレースがついていて、まさにリハビリ登山には最適の登山となりました。


登山道の木々には、
期待していた樹氷は全くと言って良い程ありません

樹氷が出現

しかしながら、錆鉄人の願いが通じたのか、素晴らしい樹氷が目を楽しませてくれました。
いつもは急がせるので、下しか見ていない天女も「わ〜!きれい!」と感嘆の声を上げていました。


という事で記念撮影

きらめく樹氷


青い空に白い樹氷が輝いて
まさに妖精が現れてもおかしくないような・・・


そこにいたのは天女でした
しゃくなげ平
お腹がすいたという天女に、しゃくなげ平に着いたらおにぎりを食べようと言って歩いて行きましたが、しゃくなげ平へのトレースには雪が積もっていて、踏み跡はしゃくなげ平の少し下をトラバースして続いていました。
という事で、トラバースの横で天女にはおにぎりを食べていてもらい、錆鉄人はしゃくなげ平に上がってみました。
  雲ひとつない青空に樹氷と白山、素晴らしい眺めでした。


反対側、頂上を望む

いつもはここにテントがあるのですが
この日はずっと下に5つもありました。
餅ヶ壁
という事で、鞍部を過ぎて餅ヶ壁にさしかかると、5人程の登山者に追い付きました。何と、その先には足跡がありません。しかも、餅ヶ壁の急斜面はカチカチに凍っていて、錆鉄人でもアイゼンなしでは登れなさそうだったので、ここでアイゼンを付ける事にしました。何と、錆鉄人が自分のアイゼンを付けていると、天女は自分でアイゼンを付けているではありませんか!(って、普通は自分でするものですが・・・)

アイゼンを付けても怖々で、ストックも使わず(我々のストックは先が尖っていないのでささりにくい程、堅い斜面でした)手で斜面に縋りついていた天女は、やっと登った斜面をキャーと言いながらずるずる滑り落ちたので、愛妻家の錆鉄人はステップを掘りながら迎えに行ったのでした。





稜線に出た為に雪の量が多くなっています


追いつく

という事で、ようやく難所を越えて稜線に出ると、アイゼンを付けている間に先行していた2人に追い付いてしまいました。

そして、まだ1時間はかかりそうだとか言いながら先頭を譲られてしまったのです。(あの〜、錆鉄人はリハビリ登山なんですが・・・)
かと言って、愛妻家の錆鉄人はかよわい天女にラッセルさせる訳にはいきません。



先頭に立った直後
ラッセル

という事で久しぶりの本歌取り

僕の前に道はない
僕の後に天女が続く


まっさらな雪の上を先頭で歩くのもいい気分だと発想転換した錆鉄人、稜線をラッセルして進みました。稜線の左は相当に雪庇が発達しているので、迂闊には寄れません、数メートルから10m程右側を進みました。

急に深くなった雪は所によっては腰近くまで潜りますが、いつの間にかリハビリ登山を忘れた錆鉄人はツボ足でガンガン進みました。
シュカブラ

見とれていると一気に数百メートル下まで滑落しそうな斜面



頂上

もう頂上はすぐそこです。信心深い天女の為に稜線から頂上へ行くのではなく、少しだけ顔を出していた祠に向かう愛妻家の錆鉄人でありました。


雪に埋もれる寸前の祠

手を合わせて頂上へと回りこみました
すっご〜い!景色を2人占め

白山!


槍穂高!
(中央が槍ヶ岳)
眺望

乗鞍岳


御嶽山
記念撮影



記念撮影の後は、山よりだんごの天女の為に、祠の横でお湯を沸かしてカップラーメンを作りました。
登山者たち

やがてたくさんの登山者が登頂して歓声をあげています。


食事の後は頂上に戻って撮影
写りの良い写真を探せるように
槍穂を何枚も何枚も撮影しました
再度記念撮影



近くにいた人に撮ってもらいました
錆鉄人が頭を寄せているのに
天女は反対に頭を傾けていますが
お父さんはいつもこっちだからクセになっていたのよ
と言って、もう一度撮り直してもらいました。
相変わらずの天女ぶりでした!
下山
という事で、頂上には40分ほどいて
11時10分頃下山開始

まだまだ登ってくる人がたくさんいました
雲が出て来たけれどこの人達は槍穂が見えたかしら?


恐る恐る下る天女
餅ヶ壁を下った所の鞍部でアイゼンを外しました。
非常識な登山者集団

登山道入り口から僅か15分位の所にあった4張りのテント。関西ナンバーの車がたくさんあったので、その人達だと思うけれど、朝ここを通った時に10人近い人がいて、2回も挨拶の言葉を掛けたのに誰も挨拶しないという非常識な集団は初めてでした。(1人、テントから足を出して昼寝をしていました)


荒島岳にはトトロの木があるとの事で
どれがトトロの木だろうと探しながら下山しました。
登山口

錆鉄人はリハビリ登山が急遽ハードなラッセルになってしまいましたが、12時37分、無事戻ってきました。きっと超回復したに違いありません。


駐車場には約20台
平成の湯に向かって走って行くと
500m程離れたトンネルの前などに
さらに7〜8台駐車していました。
平成の湯

温泉に入ったのは1時05分、まだスキー客の帰る時間には早かった為か、入浴客は3人のみ、露天風呂も独り占めでした。でも1時間の約束で入っていて、出る頃には10人位に増えていました。


天女が先に上がっていましたが・・・
最近、天女は錆鉄人に気を遣い過ぎです。
錆鉄人を待たせないようにと
早めに上がっていたに違いありません。
帰途
早く帰ってビールを飲みたい錆鉄人は、ノンストップで車を走らせて帰宅しました。

本日の走行距離 約100km、ガソリン代約700円、温泉入浴料1,000円(2人)
有意義な1日でした。



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