日本一遠い温泉 高天原温泉へ 1日目
ガイド付・ポーター付・料理人付?の極楽旅行

2010年7月17日〜19日

高天原温泉


錆鉄人は高天原温泉は知っていましたが
縦走路から外れているので行こうと思っていませんでした。

ところが百名山が終わって温泉にはまった錆鉄人
行かなかった事を後悔していましたが
(実際は遠回りして行く時間的余裕のない山行ばかりでしたが・・・)
去年の「金得」であの内田アナウンサーが入っているのを見て
俄然、行きたくなったのでありました。

ちなみに内田アナウンサーはあの田部井さんと
立山から数え切れない程の日数をかけて
ジャンダルムまで歩いたのでした。

その足取りの危うい事!!!
それでも、ジャンダルムに登ってしまったのですから
錆鉄人も天女とジャンダルムに行きたいと
密かに計画を練っているのでありますが・・・

今回は、高天原温泉であります。






どうやって行くの?
我が家からは、大野、油坂峠トンネルから白鳥、高山、平湯と経由して新穂高に至る通い慣れたルート。最高では4週か5週連続で通った事のあるゴールデンルートです。
6時には会社を出発して帰宅し、6時45分出発で天女おにぎりを食べながら走り、10時頃には新穂高の駐車場に到着する予定です。

最初は露を避けて秋田駒ケ岳など東北の山と温泉の計画をしていましたが、なんと17日には中部は梅雨明けしそうな週間予報の気圧配置、東北は梅雨前線の影響が残ってぐずつきそう、という事で、急遽北アルプスに進路変更する錆鉄人でありました。

最近は山よりも温泉に凝っている錆鉄人ですが、やはり夏は山に行きたいものです。しかしながら山に行っても温泉を忘れない錆鉄人、ここは一番!日本で一番遠い温泉と言われる高天原温泉に行こうではないか、という事になったのであります。
計画は・・・
さて、新穂高の駐車場に到着したら、金麦を飲んで速攻で就寝し、暗いうちに起きだして出発しようと思っています。なにせ錆鉄人は暑さが大の苦手(寒さも代の苦手ですが・・・)、涼しいうちに稜線に上がってしまおうと言う作戦なのであります。

さて、計画好きの錆鉄人ですが、今回は正確な計画が立てられません。
というのは、2006年、2008年と1年置きに起こっている雪解けの遅れが今年も相当らしいのです。

秩父沢は雪渓を高巻きして、その先も雪渓が残っているようで、双六小屋から三俣山荘までの巻き道も錆鉄人が2006年に鷲場水晶の日帰りをした時と同じように、かなり雪渓が残っているのではないかと思われます。

さらには、三俣山荘から雲ノ平への近道、黒部源流を横断するルートが通れるのか・・・、恐怖のスノーブリッジ横断はしたくないのですが・・・

という事で、1日で何処まで行けるのか見当が付きません。
もちろん、どの登山口からでも到着に2日はかかるという高天原温泉に1日で到着したいのはやまやまなのですが・・・
しかも雲ノ平山荘が改装工事か何かで8月10日まで休業という事なので、雲ノ平で幕営してもビールにもありつけないという悲惨さです。対策としてはザックの隙間に忍び込ませた金麦2本と天女梅酒500mL。これだけあれば鬼に金棒ですが・・・

希望としては1日目に高天原温泉に入り、2日目は双六小屋から西鎌尾根経由で槍ヶ岳山荘に行って幕営。槍ヶ岳の天場で幕営するのが錆鉄人の憧れでありますので・・・
しかしながら、去年だったか一昨年だったか、新穂高から笠・槍の日帰りというおバカな登山をした時、西鎌尾根も結構雪があったのでした。まあ、雪で危険というような所はなかったと思うのですが・・・

そして何よりも心配なのが天女の体力(錆鉄人も同じですが・・・)
そんなに無理をさせなくてもいいんじゃないかな、とも思うのであります。天女に言うと、「お父さんがしたいようにすればいい。私はどこまでも歩きます!」と健気にも答えてくれるのですが・・・

という事で、軟弱な場合は三俣山荘の天場で1泊(普通は1日では双六までなので、これでも頑張ったことにはなるのですが・・・)
2日目は高天原温泉に入ってまた三俣山荘の天場、
3日目は新穂高に下山、という事になるかもしれません。
出たとこ勝負、着いたところで幕営の山行きですが、天女と一緒にいれば満足の錆鉄人なのでありました。
結婚30周年記念プレイベント
さて、夫婦揃って百名山全山日帰りという誰も真似の出来ない(しない、する筈もない)おバカな登山を達成してしまった後は、グレードの下がる200名山や300名山を目指さず、ピークハントから温泉ハントに目標を変えた錆鉄人でありますが、今年は錆鉄人がめでたく天女と結婚してから30周年でありまして、これまでにも東北混浴温泉旅行や、結婚以来初めて温泉に入る為だけのためにお金を払って温泉に泊まる(中房温泉)というプレイベント繰り返してきたのでありますが、当然、この高天原温泉行きも「結婚30周年プレイベント」と高らかに宣言するのでありました。

思えば、錆鉄人は金なし暇なしのあまり、天女を過酷な登山に引っ張り出してばかりいました。そういうおバカな登山を繰り返すたびに天女はやせ細ってきて、今では体重が43kgもないのです、身長が161cmあるのにです。
「お母さん、なんかおバカな事をする度に痩せてきて、オッパイも小さくなって鶴の恩返しみたいやな」って言ったら面白そうに笑ってくれましたが、せめて45kgにはなって欲しいと思う愛妻家の錆鉄人なのでありました。(錆鉄人は生前に天女を助ける善行をしていたのかもしれません?)

という事で、「もうおバカな登山には連れまわさないでおこう」と心に誓った錆鉄人ですが、登山者のほとんどが山にl繰り出す海の日の3連休、梅雨でカビの生えたザックを物置から出して日光浴させてやらなければ・・・と思っていた所、梅雨明けしそうな週間予報の天気図を見た錆鉄人は、素敵なアイデアを思いついたのでありました。

愛妻家の錆鉄人は「もう百名山には登らずに山の素敵な景色が楽しめる上に、日本で一番遠い温泉に入ってくる、それもガイド兼ポーター兼コック付きで!」という天女にとって夢のような豪華な温泉旅行をプレイベントとして企画した訳でありました。何と幸せな天女でありましょう!

高天原温泉に行く場合、折立からがもっとも近いのでありますが、富山からの亀谷ルートは今年は通行止め、もう1本のルートは道路が狭く距離も長いと書いてあるので、運転の下手な錆鉄人は敬遠するしかありません。
となると、飛越トンネル口から折立に向かうしかありませんが、その場合は新穂高に行くよりも時間がかかります。(金曜の夜は1,000円ではないので、富山回りから飛越トンネルに向かうという無駄な出費は出来ません)
さらに、この有峰林道経由の場合、6時からしかゲートが開かないので、折立に到着するのは7時ごろになってしまい、それから登山開始です。暑さが大の苦手の錆鉄人は、太陽に焦がされながら太郎小屋まで登り、さらに薬師沢小屋から雲ノ平への登り(一度下っただけですが、滑りやすい岩が延々と続く嫌な登山道でした)をするのは気が進みません。

これに対し、新穂高からのルートはコースタイムは少し長くなりますが、鷲羽水晶の日帰りを楽々こなした天女にとって問題ではありません。好きな時間に出発出来るので、暑くなるころには素敵な景色を眺めながらの快適な稜線歩きが出来るのであります。
という事で、新穂高から高天原温泉を目指す事にしたのでありました。
いざ出発!
16日は終業直後に会社を出て帰宅。ステップワゴンには前日のうちにベッドメイキングを行い、ほとんどのものを載せていたので、冷やした缶ビールや夕食・朝食のおにぎり、サンドイッチなどを積み込み6時半頃には出発。
通り道にある田圃を見ると水がなくなっていたので、もう1箇所の田圃にも回って水をあてて行く律儀な錆鉄人でありました。

大野から油坂トンネルに向かう国道は随所で信号による片側通行があり、通勤半額に間に合うか気が気ではありませんでしたが、ぎりぎりで白鳥の高速ゲートを通過。かいがいしくおにぎりやサンドイッチを渡してくれた天女に少しでも寝るように言うと、例によっていつでも何処でもすぐに寝られる天女はすぐにスヤスヤ。
平湯のバスターミナルでトイレに行った以外はノンストップで、新穂高の駐車場へ10時40分頃に到着。すぐに金麦2本を飲んで11時頃に寝ました。

当初の計画では2時に出発して雲ノ平を目指す予定でしたが、夕方の天気予報では朝方雨が降る予報だったので、PROTREKのアラームを2時にセットして様子を見て出発しようと思っていたのですが、入ってくる車に何度か目が覚め、そろそろ2時かなと思って時計を見たときが1時半、もう一眠りと思いましたが寝られずアラームを待って起きだしました。


トイレに行って明るい所で朝食を食べようと考え、身支度をしてすぐに出発し、バスターミナルへ。この時間でもトイレには数人の登山者がいました。
まさかトイレ前で朝食という訳にはいかないので、ベンチもある明るい登山指導センターの前に行き、朝食を食べました。
という事で、ついでに珍しく登山届けを書きました。

出発は2時35分

急がなくてもいいよと声を掛けるやさしい錆鉄人ですが、天女は全然スピードが上がりません。
今回は「ポーター付の温泉旅行」なので天女のザックはデイパック、入っているものは羽毛の寝袋と今どき珍しいチューブ式のエアーマット、着替えに雨具、それもペットボトル1本、合計で5〜6kgじゃないかと思うのですが・・・、体重43kgの天女にはそれでも堪えるのでしょうか・・・



笠新道取り付きに3時22分到着。
例によって軍手装着の勇ましい天女の姿であります。
ここで小休憩、天女のザックにあるマグカップをとって水を飲みました。
が、19日に戻ってくると水は出ていませんでした。旧登山道の取り付き近くやにある水場やワサビ」平小屋にも水場ががありますが、ここは出ていない事もあると考える必要があります。
小池新道へ
   
わさび平小屋から小池新道の間の林道にに残る雪渓を乗り越えて、林道を流れる川を渡渉する天女。
錆鉄人が4年前に鷲場水晶の日帰りをした時は、ここは高さ5m以上で幅30m位の大雪渓で、しかも足跡も無く何処に進めば良いか分からなかった位でした。






3時51分、小池新道取り付きに到着。
林道の流水やぬかるみで難渋したとはいえ、天女の体力の衰えは隠せず、ゆっくりした到着です。
秩父沢

4:27 秩父沢に到着
3連休に合わせて橋が掛かっているかと思いましたが、無し!
しかし、この亀裂の下のスノーブリッジでもかなりの厚さがあって、乗っても大丈夫な気がしましたが・・・





安全を優先して、少し上を高巻きした臆病な錆鉄人でありました。
秩父小沢

秩父小沢に橋が架かっていることはネットで確認済みでした。
ここでおにぎりを食べて小休憩。



シシウドヶ原手前から、
笠に朝日が当たっています。
ししうどヶ原

天女と何年か前に笠に登った時
鏡平を目指して朽ち掛けた標識に惑わされて
下ったのはこの雪渓だったのかもしれません。




穂高連邦の雄姿

右下のモヤモヤは温泉で撮影ばかりしていた報い
レンズの中に曇りが出来ていたのでありました。
シシウドヶ原

かろうじてベンチが現れていました。

このすぐ先にある水場が鏡平までの最終水場です。


キヌガサソウ
錆鉄人の判別できる数少ない花ですが
天女は知りませんでした。
熊のおどり場




右のほうは感じの良い所なのですが、
写すのを忘れていました。
鏡池

この時間、鏡池は無人でした。
風はほとんどないと思っていたのですが、
「あざ波は立てり」という所でした。



みんな写すのは槍中心ばかりでしょうから・・・
という訳ではなく、
逆光なのでこの辺りに立つしかなかった訳でした。
鏡平山荘

小屋のスタッフが休憩していたので、
お客さんはどれ位でしたかと聞くと、20人位だったけど、
今日はその10倍位になりそうとの答えでした。

工事中

お疲れモードの天女



レンズが曇っていて残念です。
帰ってから大量のシリカゲルの中に入れておきましたが・・・
花見平

鏡平山荘
一度は泊まってみたい所です。


手前側は花は無く、
向こうの斜面にたくさん咲いていました。
双六小屋へ

ようやく鷲羽岳が見えてきました。



クロユリベンチ
双六小屋

本当は花もたくさん撮影しているのですが・・・


双六小屋で大休憩

巻き道分岐





巻き道





初めて出会った登山者

登っていく登山者はたくさん追い越しましたが、向こうから来る登山者には初めて会いました。話を聞くと雨の中水晶に登って小屋に泊まったとの事ですが、水晶小屋の今年最初のお客さんだったそうです。どんな大歓迎を受けた事でしょうか。



その人に写してもらいました。

山荘への下り





軟弱





ばったり





夕食





夕食





夕闇






→2日目

                      HOME

inserted by FC2 system