天空の幕営 槍ヶ岳 1日目

2012年7月28日〜29日

槍で幕営
(槍で生ビール)



天女の百名山全山日帰りの為に御来光登山した時は
時間が早すぎて槍ヶ岳山荘のキッチン槍は開いていませんでした。

今年の5月に槍ヶ岳山荘に泊まった時は
時期が早すぎたのか、
客が少ないので準備していなかったのか・・・

生ビールが飲めませんでした。

という事で、
槍ヶ岳山荘の生ビールを飲みに行こうと考えました。
槍は何度も登っているので違った形態で・・・
という事で、今度は幕営にしたのでありました。

果たして
槍の生ビールの味は?
(錆鉄人が一人で日帰りした時には飲んでいます)






どうやって行くの?
いつも通り、大野市から油坂トンネル道路、高山、平湯と経由して新穂高に行きます。
奥飛騨の混浴温泉巡りも含め、何十回も通っています。


計画
さて、今年は早く明けましたが、例年の梅雨明けは7月20日過ぎ、
という事で、7月28日〜29日の土日の登山を計画している人が一番多いと思われ、何処の小屋も超々満員になる事は間違いありませんが、我々はテントでのんびりゆったり!

と考えたのですが、問題は駐車場。
夏の時期、金曜日の仕事が終わってから速攻で新穂高に走っていっても、いつも無料駐車場の空きはギリギリでした。従って、この時期の新穂高は避けていたのでありましたが、今回は行かねばなりません。
この最混雑日の27日に、普通に終業後に飛んで行っても、駐車場は満杯の可能性が非常に高いと思われました。
が、金無し錆鉄人は6時間毎に500円も取られる有料駐車場に駐車する贅沢は出来ません。もう1箇所、無料駐車場があるのですが、そこは登山口からはうんと離れていて、合理家の錆鉄人は、いえ、愛妻家の錆鉄人は天女の為に選択出来ません。


という事で、
27日の午後は有給をもらって、夕方になる前に新穂高に到着する、
という働き者の錆鉄人にしては大胆な手段を取る事にしたのでありました。
まあ、来年定年の錆鉄人は窓際族でありまして、先輩の退職を見ていると、退職前は有給休暇を消費するため、ずーっと休んでいて退職しているので、そんな無駄な有給の使い方をせずに、したいことの為に有給を使うという合理的な錆鉄人でありました。
という事で、午後0時40分頃には自宅を出発する計画を立てましたが、折角有給を取ったのに着いたら満杯だったというのは悔しいので、出来るだけ早く到着する為に高速代には目をつぶろうと考えていました。(たったの700円ですが・・・)
出発前に3日連続でスピード違反の現場に遭遇していたので(ここ数年、半年に1回位しか遭遇していなかったのですが、取り締まり方針が変わったのでしょうか?庶民を苦しめず、凶悪犯の逮捕に精を出して欲しいものです)出来るだけ下道は避けようと意識もありました。

新穂高へ
さて、いつも通り、出発前日の木曜日にはエブリイで出勤し、帰りにガソリンを満タンにしてきて、帰宅後はベッドを組み立てました。登山靴とストック、車中泊用の寝袋は積み込んでおき、残りの食料や着替えとザッグは出発前に積み込むいつもの手はずでした。
という事で、27日は12時30分頃に帰宅し、暑い中で最後の積み込みをして12時45分頃に自宅を出発。行くついでに、田圃の水を見て回る合理的な錆鉄人でありました。
勿論いつもと違って、スピード違反に捕まらないように慎重に制限速度+10km以下を維持して走行して行きました。暑いのでクーラー嫌いの天女も納得のクーラー走行でしたが、実に快適。天女は即座にお休みになられました。


そして、目が覚めると、錆鉄人におにぎりや飲み物を渡し、錆鉄人は運転しながら食べるいつものパターンです。(エブリイはギヤチェンジなので、若干腕が1本足りなく感じる事がありますが・・・)
という事で、大野を越えて奥越の山間部を走行している時に、考えが変わりました。
錆鉄人のような考えの人間は少ないから、夕方に着いたって駐車場はガラガラに違いなく、下道をゆっくり走って行っても大丈夫に違いないと思い、高速代700円を浮かす事にしたのでありました。
夏の新穂高無料駐車場であわや凍傷
という事で、慎重に走って、新穂高の無料駐車場に16時45分頃に到着。
下のほうは思いのほか混雑していましたが、最上段は今日下山して帰った車が多いようで、半分近く空いていました。
という事で、近道の横に駐車したのですが、しょっちゅう登山者やトイレに行く人が通って睡眠が妨げられるのも嫌だな・・・という事で、最上段でもその下の段との境の所に駐車し直して一段落。
さて、もう運転は終わりだから、まずはビールを飲んで・・・と思って、クーラーボックスを開けましたが、何と!あるのは凍ったビールのみ。
「御免なさい、すっかり忘れていたわ。私、シングルタスクなので駄目なのよ」と謝る天女でした。
しかしながら、愛妻家の錆鉄人は怒りません。
別に、トイレがてらバスターミナルに行って買ってくれば良いだけですから。

という事で、近道を天女と歩いて行きましたが・・・
ガーン!バスターミナルがありません。トイレは残っていましたが・・・

かくなる上は、ケーブルカー駅しかない!と大またで急ぐ錆鉄人。
しかしながら、汗だくで着いたケーブル駅は、5時を回って中は店仕舞い。入口の自動販売機にはジュース類しかありません。

万事窮すかと思いましたが、こういうときに悪知恵が働く錆鉄人。いえいえ、登山同様に決して諦めない事が大事なのです。
日帰り温泉の中崎荘なら、自動販売機があるのではないかとひらめきました。
残念ながら入口には自動販売機がありませんが、受付の女性が出てきたので尋ねると、どうぞ!との事で、少し入った所の自動販売機でスーパードライのロング缶を2本無事に購入出来ました。1本400円とちょっと高めでしたが・・・

という事で、ニコニコ顔で車に戻る単純な錆鉄人でありました。
しかしながら、長い道中、少しでも体温で暖かくなるのを防ごうと、両方の手の親指と中指の先だけでつまんで歩いたので、夏の新穂高で凍傷になるかと思いました。が、それでもそのまま持って車に戻る我慢強い錆鉄人でありました。




バスターミナル跡地
(この写真は下山時撮影)
宴会ぜよ!

という事で、早めの宴会が始まりました!

いつもはおにぎりを食べながら駐車場に着いて
後は寝るだけ!でしたから
今回は豪華な食事です。
(我々にとっては・・・)


天女と一緒なら
狭いながらも楽しい車中泊です。

夕方の駐車場

エブリイの車内です。
寝る時はこの棚にほとんどの荷物を載せられるので
ベッドは広々、快適に寝られます。

今回、初めてハッチゲート開放装置を使用しました。


夕暮れの無料駐車場
(上から2段目)

まだかなり空きがあります。
午後11時頃目覚めた時もまだ若干の空きがありました。
錆鉄人は折角午後有給を取って早出したというのに・・・
出発

3時起床の3時半出発の計画でしたが、遠足病の錆鉄人は2時半には目覚めてしまい、少しでも早く出発して幕営場を確保する為に出発の準備をする事にしました。
出発の準備をしていると、百名山全山日帰りを目指していると言うヨッシーさんが声を掛けて下さいました。(あれ?顔が見えないのに何で分かったのかな?ランパン姿かな?)

2時半に起きて正解でした。何故か1時間もかかってやっと出発です。
写真も頭もボケボケでした。

3:33 登山指導センター?に登山届けを提出して出発する律儀な錆鉄人。
これまでに数回しか出した事がない錆鉄人ですが・・・
(前日ビールを買いに行った時に用紙をもらってきて、天女に書いてもらいながらビールを飲んでいたので中身は知りません)


3:48 ゲートに到着

幕営装備なので心配していましたが、
天女の調子はまあまあの様子。
(起きてから1時間もかかったのが良かったのかも?)
近道

朝露でぬれるのではないかと考え
どうしようか迷いましたが、近道を選択しました。
(草が刈ってあって大丈夫でした)
新しいカメラ(TZ-30)の威力か、遠くまで写っています。


4:17 穂高平避難小屋に到着
横を走り去る卑怯者の車・・・
白出沢

穂高への分岐です。

天女は暑いと言ってズボンを折りあげています。
錆鉄人はランパンですが、
新しいアシックスのランパンです。
(と言っても10年位前のものですが・・・)


白出沢 4:53

ここまで来たら、上流のほうから男性が下ってきました。
どちらからですか?と声を掛けると
道を間違えてかなり上まで登っちゃったとの事でした。
白出沢の休憩所

卑怯者の車から登山者が出発しようとしています。
何と、福井ナンバー!
福井の評価を貶めた狼藉者達です。

白出沢の手前にはテントの休憩所が出来ていて
簡易トイレが設置されていました。


滝谷 5:50

いつもは河原の手前に橋がかかっているのですが
今年は小川になっていて跨いで渡ります。
滝谷

いつもながら慎重な天女

さっさと渡ったほうがふらつかないので
安全だと思うのですが・・・
橋は向こう岸に近い所に架かっていました。

天女のザックにぶら下がっているのは
2つともパンです。(合計8個!)
おにぎりは錆鉄人のザックの中です。


対岸に渡ってしまってから、少し戻って滝谷を撮影

ヨッシーさん

対岸で食事をしていると、駐車場を出発する時に声を掛けて下さったヨッシーさん(その時は暗くて顔も見えませんでしたが・・・)が到着。
鷲羽水晶の日帰りもなさった強者です。
奥様ともう一人の男性と3人でした。



槍平小屋

6:46 到着

槍沢の下り以来、笑顔を心がけるようになった天女です。
槍平小屋さんはHPで詳細な登山情報を
頻繁にアップして下さってるので感謝です。

ここでパンとおにぎりを食べながら
小松市の桜さんとしばらくおしゃべりしてました。
桜さんのヤマレコ


槍平小屋出発 7:02

水が冷たくておいしかったです。
でも、水汲みは一部にして
最終水場で幕営分を汲みます。
最終水場

涼しい風が吹いていました。


上流に雪渓が残っていたからでした。

最終水場はこの先、標高2250m位の所でしたが
水汲みに一生懸命で撮影するのを忘れました。

千丈分岐 8:35

なんとヨッシーさんとまたお逢いしました。
奥様は槍平日帰りのつもりだったのに・・・
とか言いながらも楽しそうでした。


8:46 出発
飛騨乗越 9:52

さわやかな天女の笑顔

苦しい登りは終えましたから。

飛騨乗越分岐から天場はすぐ先です。
予想に反して天場はガラガラ。普通、この時間だと幕営した人は出発していて、この日にテントを張る人はまだ到着していない時間のはずで、それを狙って早く出発したのでしたから。(夕方には満杯になったようです)
ここでトイレに行きたいといって千丈乗越分岐と飛騨乗越の中間辺りから急いで登っていた天女のザックを下ろさせ、トイレに行ったあと、テントの受付をしてきてもらう事にして、錆鉄人もザックを下ろして待機。
実はザックが重いので天女に付いて行くのがやっとで、ヘトヘトだったのでありました。
という事で、まずは1本!

やがて天女が戻ってきました。
「槍ヶ岳が見えるいい場所があたったわ!」
「テントの大きさを聞かれたけど分からないから2人ですって言ったんだけど・・・」
という事で、ザックを担いで進みました。トイレの前から右に進んで、割り当てられた天場に到着。
天女はまだトイレに行っていないというので、ここでやっとトイレに行きました。その間に錆鉄人はテントを設営。
天場

テントを立てたのは
テントの中から槍が見える絶好の場所です。
穂先には人並みが続いていました。


という事で、
渋滞の穂先に登るのはイヤなので様子を見る事にして
暑さの苦手な錆鉄人は日陰で飲んでました。

間ビールは4本しか荷揚げしなかったので
心細くなってきましたが・・・





登山者の人並みは途絶えません!
(でもこの時に登るべきでした・・・)



小屋から天場を見る



我々のテントは
黄色いテントとオレンジのテントの間というより、
オレンジのテントのすぐ右上に見えているグリーンのテントです。
草と同じ色なので分かり辛いですが・・・
目的達成
    
愛妻家の錆鉄人は、5月に山荘に泊まった時に天女が在庫切れで買えなかったピンクのTシャツを買うために、重いザックを担いではるばると登ってきたのでありまして、この生ビールはそのお駄賃なのであります。決して、生ビールが目的で登ってきたのではありません。



5月とは打って変わった斜面、
烈風の直登の辛さを思い出しました。
始まるぜよ!



まだ半分凍っています。
これで天女梅酒の水割り!
サイコーぜよ。
槍にカンパーイ!


って、もう十分飲んでいたのですが・・・


始まりました!
料理中




出来上がり!




槍にはスキヤキが似合うぜよ!




槍には天女が似合うぜよ!



ご飯はα米!
再び晴れました!

まだまだ続々と登山者の群れが山荘に到着しています。


という事で、
この状況が変わりません。
天場周辺のお花畑




お花




お花




夕暮れ迫る



さあ、じっくり飲むぞー!
って、飲んでばかりみたいですが、
飲む事以外にすることがありませんから!
計算間違い

ガーン!
この時点で水はまだ4.5リットルも・・・
(外に手洗い用の「水がまだ1本)

ザックに最初に2本入れておいたのを忘れていましたが、
それを抜いても多過ぎたです。
千丈乗越分岐からの登りが苦しかった筈です。

という事で、
錆鉄人と天女は幸せに眠りましたとさ。


ところが、まだまだ続きがあるのでした。
しばらくすると、パラパラと隣のテントをたたく雨音が・・・
何故、隣かと言うと
我々のテントは天女効果のおかげで
覆いかぶさった岩が雨避けになって
全く雨が落ちてこないのでした。

雨が上がって天女はトイレに行ったのですが、
すぐにガラガラと岩の崩れる音がして
錆鉄人は心配していたのですが
天女は無事に戻って着ました。

足元も見えないガスでヘッドランプを外して
足元を照らして歩いたんだけど
ズルズルと滑り落ちてもう戻れないかと思ったわ・・・

という事で、一眠り。
夜中に今度は錆鉄人がトイレに行きました。
もうガスは上がっていました。
天女が落としたのはお隣のテントのすぐ下の岩で
もともとぐらついていたのでしたが、
トイレにはそこを左に曲がるのですが
天女は下に降りてしまったのでしょう。
戻って来ると、
天女が、私も行きたいけれど道が分からない
というので、愛妻家の錆鉄人は一緒に外に出て
帰って来るまで待っていたのでありました。

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