常念岳(2,857m) 常念岳は上高地を流れる梓川をはさんで槍穂と対峙している。 従って、槍穂絶好の展望台であり人気が高い。 登山コースとしては上高地から登るコースや燕岳からのコースもあるが 上高地から入るコースはお金がかかりアクセスに制限もある。 燕岳からのコースは駐車場までが遠くて歩く距離も長い。 日帰り可能なコースとして、一の沢コースと三股コースがある。 (ただし、一般的には1泊2日で登っているコースです。) 一の沢コースは水場が豊富で水筒がいらない位らしく コースタイムも最短で初心者向きと思われる。 今年初めての妻との本格的な登山であり(天城山は引越しのついで) ワンゲル部の次女の今夏の山行は北アルプスとの事なので 1泊2日でどこかでランデブーしようと思うと結構大変でもあり 山岳耐久レース出場のトレーニングを兼ねて 今から少しはハードな山に登っておく必要があると考え 蝶ヶ岳も周って同じ登山口に下りてくる三股コースとした。 |
どうやって行くの? 松本市の北西約10kmの堀金村から山道で登山口の三股に行く。武生インターから松本インターまでは330km余りでありお金(普通車7,350円)に余裕のある人は中央道経由で行かれると楽であろう。 大野・白鳥・高山・安房峠経由では登山口まで250km余りと距離も短く、金欠サラリーマンとしてはこれしか選択肢はない。 去年平湯バスターミナル駐車場に駐車して車中泊し、朝出発しようとしたら安房峠への道路が詰まっていて(実際はアカンダナ駐車場へ入る車の列だったが)時間をロスしたので、今回は少なくとも平湯は越えてから寝ようと考え、道の駅「風穴の里」を探しておいたが、入ってみると駐車所の横が道路でうるさいので先へ進んだ。 |
金曜日の天気予報では21日が晴れ(0%)22日も晴れ時々曇りと梅雨の晴れ間に恵まれそうで決行を決め、土曜日は田んぼの草取りをしていた。 妻は午後6時前に仕事から帰ってきたが、朝取った梅を梅酒にしてから行きたいというので、出発は結局午後7時40分となってしまった。また道の駅「アルプス安曇野ほりがねの里」の場所が分からず迷ったこともあり、寝たのは午前1時過ぎとなってしまった。しかし道の駅の後ろの駐車場は車の動きもなく静かで、午前4時15分に目が覚めるまで、珍しく1回も目を覚まさなかった。遅くなったと思いながらトイレに行き、近くのコンビニへ行き食料を調達し、すぐ三股へ出発した。 【標準コースタイム】 三股P→(0:20)→常念蝶登山道分岐→(5:30)→前常念岳→(1:00)→常念岳→(3:20)→.蝶槍→(0:30)→蝶ヶ岳→(2:50)→常念蝶登山道分岐→(0:20)→三股P |
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三股の駐車場 | ||
インターネットで調べた三股の駐車場は、全舗装で約70台駐車可でトイレ有りと書いてあったが、駐車場までの山道も全て舗装されていてすれ違いできない所も少なく、落石等もほとんどなかった。妻はまた寝たので急カーブでも酔わずに到着した。 駐車場には約40台位が駐車していた。 |
トイレは結構きれいだった。(紙なし) 右手に水が出ている。(非飲用) |
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登山口 | ||
駐車場のゲートをすり抜け出発(5:44) |
10分程林道を歩くと登山口に到着 ここで珍しく登山届けを書いた |
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蝶ヶ岳との分岐 | ||
登山口から山道となるが、すぐに蝶ヶ岳との分岐があり、我々はまず常念をめざして右手に登っていった。 蝶ヶ岳へは川沿いに前進するが、増水時の迂回ルートの標識が出ていた。 |
(写真はブレています) |
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林の中の登山道 | ||
登山道は一般的な林の中を適当な傾斜で登っていく。妻は今年になってからはマラソンのトレーニングもしていないが、一生懸命スピードを上げハーハー荒い息をしながら登っていく。今年初めての本格登山なので慣れていない為か、下ばかり見ているので曲がり角で立ち止まったり、ちょっとした段差の乗り越しに手間取ってばかりいた。 3.1km地点(7:21) |
この頃にはストックにも慣れた |
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石屑の登山道 | ||
登山道はやがて岩を積み上げたようなコースとなるが、短い間隔で岩にマーキングしてあるので通行に迷うようなことはない。 避難小屋にて休憩(8:35) おにぎりを食べ、日焼け止めを塗った。ここで降りてくる若い夫婦連れに会った。 |
避難小屋から10分程登った所から 蝶が岳と蝶槍(中央トゲのように小さい) |
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常念岳への稜線に出る | ||
常念岳の全貌(8:56) |
常念小屋への分岐(9:00) |
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常念岳頂上 | ||
稜線に出てからは気分の良い登山道が続き、小屋への分岐からはちょうど30分で頂上に到着した。 少しガスっているとはいえ槍穂の頂上からの眺めを、さらにガスが濃くならないうちにとデジカメで写真を撮りまくった。 先着していた若者は寝そべって景色に見とれていた。(頂上には4〜5人の人がいた) |
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前穂・奥穂・涸沢岳・北穂・大キレット・・・・槍 | ||
(偶然写真がほぼ繋がっていた) 中央を1cm程カットして繋げて見てください |
1991年家族で槍ヶ岳山荘から南岳まで縦走して槍平に下りたが、結構距離があったのだと思った。 |
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蝶ヶ岳を望む | ||
頂上から蝶ヶ岳方面を見ると、結構アップダウンがあり、しかも遠くに感じる。妻にあそこが蝶ヶ岳でそこまで行って下りるのだと伝えたが、大したことはないと感じたのか、それともあきらめているのか特に反応はなかった。(景色に見とれていたと解釈) 先が長いので、頂上には20分足らずいただけで出発した。常念からの下りはしばらくは結構急な下りであった。 |
(コントラストを強調処理) 中央の3つ目のピークが蝶ヶ岳 |
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鞍部 | ||
頂上ではほぼ高度が合っていたプロトレックの高度計であるが、最初の鞍部で見てみると2,400mだった。450m程下りたことになるが、蝶ヶ岳まで数回登り下りがあるので合計の登高は2,000m以上にはなったと思われる。 | ||
蝶槍をバックに | ||
右のある標識には常念岳から2.3km、蝶ヶ岳2.7kmとあった。結構登ったと思ったら、また相当な下りと登りがある。 蝶槍の奥のやや薄い山が目指す蝶ヶ岳である。 |
蝶槍を背に何故かご機嫌な妻(11:14) |
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カモシカ?の死骸 | ||
妻がキャー!と言って立ち止まった。同時に自分も見つけていたが、最初は毛を羽根かと思ったので大きな鳥かと思ったが、手前に角があり、カモシカであろうと推定。 危険な場所ではなく、何かに襲われたのであろうか? 帰ってきてからせめて角でも持って帰れば良かったと言ったら、妻があんな気持ち悪いものと答えた。 |
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蝶槍と常念岳 | ||
蝶槍の頂上には11:57到着。60過ぎと思われる名古屋の夫婦連れがいて話をした。 今日常念小屋を5時に出発してここまで来たところで、今日は蝶ヶ岳ヒュッテに泊まるという。我々は6時少し前に駐車場を出発して常念・蝶を回って福井に帰ると言ったら驚いていた。「もっとゆっくりと花の写真を撮ったり温泉につかったり楽しまなくては」と言われた。妻が観光施設で働いているので共通の休みが1日しかないことなどを話すと福井のことも良く知っていた。 12:05 蝶槍を出発 |
蝶槍と常念岳 |
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横尾分岐 | ||
蝶槍から10分程で横尾の分岐がった。蝶槍からはなだらかな散歩道という感じである。 | ||
蝶ヶ岳旧頂上 | ||
妻は旧頂上を立ち止まらずに蝶ヶ岳ヒュッテに直行 (12:33)ヒュッテの向こうが頂上のように思われた。 |
方向盤と穂高連峰 | |
新頂上と下山口 | ||
槍〜穂が1枚に 上の写真の小屋の向こうの小高い丘が新頂上と思われたが、一番高い所に標識はなかった。 |
下山路は慎重上とヒュッテの間の天場にある。 この時間なので(あるいは日曜日なので)テントは1張りもなかった。 |
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大滝山分岐 | ||
12:47 下山開始 下山路を数分下ると大滝山の分岐がある。足跡はしっかりついているのでスリップの心配はない。下山途中にこの程度(数十m)の雪渓の下りが数箇所あった。 下山路はほとんど早しの中で、手を使わなければならない所はないが、登りは案外くたびれるかもしれない。 |
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力水 | ||
最後の水場「力水」と書いてあるが、我々には最初の水場であった。合計2.7リットルのアクエリアスとコーヒーに缶ビール・チューハイ各1本を持って登ったが、ここまで残したのは300ml程だった。 |
石の奥から落ちている所でペットボトルに給水し、まず妻に飲ませる。(夫の愛情を感じたはずである)冷たい水をおいしいと言って何口も飲んだ。その後自分が飲んで、駐車場も近いので500ml1本だけ一杯にして下った。 |
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駐車場に到着 | ||
登山口から駐車場までの林道沿いでは、下山する人が何人も蕗(フキ)を取っていた。採っては歩きながら葉をちぎってまた採っている。先頭の女性がみんな待ってるよと声を掛けたがやめる様子はなかった。 ちなみに我が家には屋敷にたくさん生えていますが採ったことはありません。(草取りの対象ではある。) やがて、駐車場に到着(15:08)。車は半分位に減っていた。 |
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帰路 | ||
駐車場では、大勢が腰を下ろして休憩したり食事をしていたりするが、我々の帰りは長いので大急ぎで装備を仕舞い着替えをして出発した。 ガソリンが少なくなったので入れようと思ったが、158号線沿いにあるだろうと途中のスタンドで入れずに走ったら、県道25号線は梓川と平行して上流へさかのぼり、なかなか国道に合流しない。結局入れたのは上高地までの最後のスタンドで何と1リットル107円であった。帰りは安房トンネルを通ろうと思っていたが、すごい損をした気分で安房峠に突入した。おかげで妻は帰るまで気分が悪かったらしい。 途中、高山を過ぎたところの道の駅で少し寝て9時過ぎに自宅に到着。寝不足が堪えた気がした。 |
林道の途中からの「大水沢の滝」 |