なぜ九州か 九州まで山登りに行くことなどほとんど考えていなかったが 山登りで何回も県外まで行っていると 50,000円のハイカがなくなってしまったので何か「損をしている気分」だった。 そう思っていたところでオートバックスのスノータイヤのチラシに 「ETC5,000円キャッシュバック」の広告があり衝動的に買った。 12,800円にデータ書き込みが3,000円だった。 50,000円前払いで付く8,000円分と キャッシュバック5,000円でほぼ元が取れる計算だ。 休日に苦労して自分で取り付け(標準取り付け費は5,000円) 、道路公団のETCのページを見ていたら 1月18日まで長距離割引社会実験をしていて長距離になるほど安くなる。 ちなみに横浜町田まで(466km)でみると300円しか安くならないが 鹿児島まで(1,061km)だと「3,650円も」安くなる。 (といっても17,350円、普通なら21,000円) 一気に鹿児島までというのも自己最高記録であり面白いし、お得感が高い。 何と言っても「期間限定」なので、今行くしかないと考えた。 九州の百名山は標高が2,000m以下で、 しかも温暖なので12月でも案外登れるのではないかと思い Webで調べると積雪があってもそれほどでもなく 常時登山が行われているようで、妻に行くぞと告げた。 勿論、妻の触手を動かすために、温泉巡りも計画した。 勿論、全て車中泊である。 ホテル代を浮かす意味もあるが、 早朝から夜遅くまで2倍行動しなければ30日には帰って来れないので 必然的に車中泊になるのであった。 |
鹿児島まで 帰省の渋滞が心配だったのでこれも道路公団のWebページで調べたが、名神・中国道とも特に渋滞が予想されていない。 例によって、25日(木)夜、車の中に布団を敷き詰め、装備品を整え、26日(金)仕事から帰って装備の最終チェックをして19時ごろ出発。 眠くなった所で寝て、28日は開聞岳にだけ登る計画なので、鹿児島には遅くとも2時頃には到着すれば良いという計画であった。しかし、嫁さんが途中2.5時間程運転を代わってくれたのでノンストップで開聞岳まで行けた。従って、27日に開聞岳と韓国岳、28日に祖母山と阿蘇高岳、29日は久住山だけ、と移動を含め理想的な行程で移動出来ることになった。 |
【家庭の事情】 長い年末年始休みではあるが、娘夫婦が31日に帰ってきてくれるというので、「大掃除などどうしてもしなければならないことは出来るだけしないで済ます」というのが我が家の方針ではあるが、30日昼までには家に戻って少しは大掃除もしたかった。従って26日夜に出発して29日の3日間で九州の百名山5つに登って戻って来るという、またしても「カミカゼ旅行・登山計画」を立てることになった。 ただし、天候が悪ければ無理に5つ登ることはしないでおこうと決めたが、せっかくここまで来たのだからと言って登ってしまうのではないかとも思っていた。 結果は天候にも恵まれ5つとも登る事が出来た。運転を交代してノンストップで開聞岳まで行った事で時間的な余裕もあり、祖母山以外は特に急ぐこともなく、ゆったりと登山した。温泉にも4ヶ所に入り、高千穂観光も出来て超満足の旅行であった。 |
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(1)開聞岳922m | ||
開聞岳は高校の修学旅行で訪れ、登ったような気もするが頂上まで登った記憶はない。 27日の天気予報は午前中曇りで午後は晴れの予報だったが、登りだした頃から晴れ間が拡がり始めた。 低山でもあり登りは大したことはなかった。こんな南国の低山なのに雪がうっすらとあった。積もっているというより、融雪剤を撒き散らしたような雪だったが、この日の一番乗りで新雪を踏みしめながら登った。 頂上からの眺めはかなり良かったが、残念ながら宮之浦岳は見えなかった。 |
足元の雪に注目 |
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(2)山川天然砂蒸し温泉 | ||
1992年の年末に家族で九州旅行した時も、鹿児島まで行ったら面白いと考えて、指宿の砂蒸し温泉に興味を持っていた。 HPで調査すると指宿は砂をかけるおばさんの態度が悪いと書いてあった。開聞岳の近くの山川にも砂蒸し温泉はあって、こちらのほうが素朴な感じのところであり、しかも開聞岳も見える場所にあるので、こちらに行くことにした。 温泉に着いたのは11時20分頃だった。砂をかけてくれるおばちゃんが2人と若い男の子がいた。男の子に写真も頼んだ。福井から来たと言ったら「うらやましい。スノボーがしたいから。」と言ったので、サーフィンをしたらと答えた。温泉の外はかなりの大波だった。 |
海岸は波が強いので すぐ横の囲いの中で砂蒸し バックは開聞岳 |
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(3)韓国岳1,574m | ||
道路沿いの駐車場に到着したのは午後3時頃だった。登山客以外にも一般観光客も車を停めて硫黄岳の辺りまで歩いている。 鹿児島辺りからも樹氷で白く見えたが、近づくにつれさらにきれいに見え登山意欲を高めた。はたして素晴らしい樹氷のトンネルの下を歩いての登山で、頂上からの眺めも素晴らしく、妻も「今までで最高」と感動していた。頂上は風もなく我々にとっては珍しく長い間頂上にとどまった。 、 |
一番奥に見えるのが高千穂峰 坂本竜馬とお竜の新婚旅行登山で有名である。 登る時間もなかったが 噴気が観測されて登山禁止だった。 |
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(4)天岩戸温泉 | ||
天岩戸神社に向かって走っていると、天岩戸温泉の表示があり左折したが、すぐにあった表示が小さくて見逃してしまい山の中に迷い込んでしまった。それから天岩戸神社まで行ってもみつからず、しかたがなく温泉は諦めようかと戻る途中、再度標識があったので、今度は右折したら見逃していた案内板を見つけたので、やっと温泉に入る事が出来た。 ちょっとした高台にあって日中は眺めが良いと思われる。 |
(温泉の案内ページより) |
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(5)国見ヶ丘 | ||
天道の駅高千穂で車内伯をしたので、当然翌朝は国見ヶ丘で日の出を見ようと思った。朝目が覚めると窓ガラスは真っ白に霜で覆われていた。カップラーメンを作って食べているうちに東の空が赤く染まりだし、あせって国見ヶ丘へ車を走らせた。道の駅からは3〜4kmだった。広い駐車場に数台の車が停まっていて、何人かの人が東の空を眺めていたので自分も車を停めた。しかし、そこよりも高い所があり、そちらにも狭いが車道が続いていたので、登ってみるとそこにも駐車場があり、また数台の車が停まっていた。そこから階段を登ったところに展望台があり、そこから日の出を眺めた。 写真によく出てくる雲海はなかったが、神様も眺めた日の出を神様になった気分で眺め、家族の無事と健康を祈った。 |
国見ヶ丘からの日の出 これぞ日本の夜明け! |
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(6)天岩戸神社 | ||
自分にとって天岩戸神社は登山の次に大事な目標だった。天岩戸は地震などで壊れてしまっていることは知っていたが、もともと古代史に興味があった上に、Webで調べてみるといろいろと興味深いページがたくさんあった。 天岩戸神社は国見ヶ丘からは10km程戻ることになる。早朝に訪れたのでお守り等の売店は閉まっていたが、天の安河原から戻ってくると宮司さんがいて、尋ねてみると天岩戸の遥拝を案内してくれた。とても興味深いお話しをたくさんしてくださったので感激した。 |
この奥が天岩戸遥拝所になっている |
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(7)高千穂峡 | ||
天岩戸神社で宮司さんに30分位も案内をしてもらったので、かなりの時間が経過していて、高千穂峡はやめようかとも思ったが、数キロ先にあるので、やはり行くことにした。 狭い道を峡谷に下りていくと、有料駐車場があった。他に車を停められそうな所が1ヶ所あったが、あいにく駐車されていたので、有料駐車場に入れた。500円だったが、九州で駐車料を払ったのはここだけだった。 そして、走り回って峡谷の観光をした。 |
高千穂峡お約束の1枚 |
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(8)祖母山 1,756m | ||
祖母山の登山口である五ヶ所への道路は地図を見る限り狭くて時間がかかると思っていたが、ほとんどは広くて快適な道路だった。しかし、五ヶ所の小学校の脇を入った所からは1車線しかない狭い道が登山口まで続いた。しかもすれ違い出来る幅の広い所がほとんどないのであった。これは今まで通った登山口までの道路の中で、間違いなく最悪ではないかと思った。こんなふうに道路を作るお役人の気が知れないと思った。 祖母山の登山道は登るときはまだ凍っていたが、溶けたらぬかるんで大変だろうと思った通りだった。祖母山は雨の後などに登るのは避けたほうが良いと思います。 高千穂で時間を使い過ぎたので、妻を急がせたので怒ってしまい、なだめるのに苦労した。 |
頂上にはほぼ10名の登山者がいた。 ここからの阿蘇の眺めが良かった。 |
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(9)阿蘇高岳 1,592m | ||
祖母山から地図上の最短距離の道路で仙酔峡行こうと車を走らせたが、標識はなく道に迷ってしまった。結局かなり時間をロスして3時少し前に仙酔峡ロープウェーの駐車場に到着。もともとここは最短時間でクリアするためにロープウェーを利用して登る事にしていた。ロープウェーを待つ間、面白いおじさんの夫婦連れと話をした。奥さんは昔山登りをしていたとの事で懐かしそうだった。錆鉄人で検索して見てくださいと伝えた。 ロープウェを出ると硫黄ガスの影響で咳が出て少し息がしにくかった。高岳は案外遠くに見えたが、行ってみると30分位で到着した。帰りはロープウェーを使わずに、ロープウェーと競争して下りたが、勝ったので気分が良かった。 |
本気で急げば往復1時間はかからない |
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(10)坊がづる茶屋と筌の口温泉 | ||
阿蘇から九重へはやまなみハイウェーで快調に走る。途中で何か食べようと思っていたが、なんにもなく牧ノ戸峠への登り口に到着。ここで地図を調べ牧ノ戸峠を越えて進んだ所にレストランや温泉があることを確認し、そこへ向かうことにした。 地図で結構分かり易い場所にあった事と、名前が良いので「坊がづる茶屋」へ行って夕食を食べた。それまでパンやおにぎり、カップラーメンばかりだったので九州へ来て初めての「まともな食事」だった。 その後、筌の口(うけのくち)温泉共同浴場が近くにあったので向かったがよくわからなかった。この当りではないかという所に食料品店が開いていたので、翌日の食料購入をして場所を尋ねた。そこからは数百メートルだった。200円で24時間入れるのは良いが、設備は最低で洗い場のお湯の蛇口のハンドルがなく、出ないのかと思ったがそのまま回して出していた。お湯は泥色に濁っていたが、温泉自体は悪くは無かった。そして牧ノ戸峠に戻って車中泊をした。 |
長者てぼ弁当1,600円 |
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(11)久住山 1,787m | ||
夜、牧ノ戸峠の駐車場で車中泊している間から、時々風の音が聞こえ、薄明るくなる頃には絶え間なく吹き荒れていた。駐車したときには5〜6台だったが、朝には十台以上に増え、どうしようか迷っている間にも車は増えていった。 登山準備をしている人に聞いてみると、「ここはいつも風が強いのですよ。登山道はホワイトアウト状態にならない限り、しっかりと整備されているので迷うことはないですよ。」と言う。すでに何組も登っている事でもあり、自分達も登ることに決めた。風は時に強く、バランスを崩しそうになる時もあったが、無事登頂出来、牧ノ戸峠に戻った時にバンザイをした。 |
これで九州の百名山5つを登頂 |
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(12)湯布院温泉「夢想園」 | ||
九州の温泉といえば、今では湯布院が一番ステータスが高いのではないか。「るるぶ」に出ていた由布岳を眺めながら入るという「夢想園」の大露天風呂を登山後の楽しみにしていた。 妻のナビゲーションがぜんぜん駄目で湯布院の市街で迷ったが、12時頃、やっと夢想園に到着。(妻はこういうことには全く頼りにならないので、これ以降は古代の神々にかけて「天女」だからしかたがないと思うことにした。) 他の宿の宿泊客も「ここの露天風呂だけは」と入りに来るという名物露天風呂なので、広い駐車場は車が一杯で、次々と露天風呂帰りと思われる家族連れなどが戻ってくる。 由布岳は雲に隠れていたが、露天風呂はとても良かった。結局、妻は2時間近くも入っていて大満足だった。女性用の「空海の湯」は150畳もの広さがあるのであった。 |
あいにくと工事中で撮影のみの御夢想の湯 従ってもう一つの空海の湯に入ったが この半分もなかったように思う。 入浴料は600円 ロッカーは鍵付きで安心です。 打たせ湯のある内湯も入れます。 |
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はるかな帰路/総決算 |
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湯布院からは、高速に乗るとかなり遠回りをして北九州に行くことになるので、高速料金とガソリン代を節約するために、国道10号線経由で瀬戸内海側から北上して北九州に戻ることにした。 宇佐へは地図上の最短径路と思われる道路を選択したが、1車線しかないひどい道路で標識も整備されていなくて、迷いながら進んだ。どうにか宇佐に出て、そこからは国道10号線なので安心して走っていたら、高速に乗る直前で違う場所で曲がってしまい、ものすごく遠回りをして乗る予定だった小倉東ではなく小倉南から高速に乗ってしまった。 一般に九州の道路標識は不親切だというのが今回の旅行の感想であった。 |
湯布院を出発してから、給油2回と食事1回(サービスエリアのちゃんとしたレストランで2回目のまともな食事)、トイレ休憩2回(1回数分)以外は、11時間近く走り続け30日午前1時ちょっと前に帰宅出来た。 【総決算】 総走行距離2,553km、ガソリン約239リットル(16万km走行のステップワゴンでリッター10.7km走った!)約25,000円、高速・有料道路等代金36,610円、その他(おみやげ、食事)約2万円、合計約80,000円という結果であった。やはり高速代金が大きいけれど、全部下道を走っていればあと2日は余分にかかると思います。(時は金なり)山も温泉も良かったし、最高の効率で旅行出来た九州百名山の旅でした。 平成15年、新たに百名山を妻は11登って合計25、自分は12(剣山は2回目だったが、高妻、蓼科を一人で登っている)登って合計43となった。そろそろ限界が近い。夫婦合わせて100が我々の百名山で良いかなとも思う。(といっても妻一人で登ることはないだろうから、妻40+自分60位であろうか?) |