もう我慢できない 天誅!ムジナ捕獲作戦



ムジナ

一般にムジナと呼ばれているが
地域によってはタヌキと混同しているところもあるらしい。
そういう自分もタヌキとムジナの区別が良く分からない。

子供の頃から父親が蔵にムジナが入って・・・
などと言っていたのを記憶しているから
相当昔から近所付き合いをしていたに違いない。

しかし、中学生のころからはムジナの話を聞かなかったように思う。
この頃までは植林など森林開発も盛んで
棲息地域が山奥へと追いやられた為ではないかと思う。

10年ほど前から我が家の畑の作物が食い荒らされるようになった。
夜、部屋の外に毎日のように夫婦のタヌキがいるのを子供が目撃していた。
これに対して
こういう動物の食べるものがなくなったから人里まで下りてきたのだろう
といまだだに短絡的に言う人がほとんどである。
実態を知らない人たちだと思う。
高度成長と木材価格の大暴落、追い討ちをかけた56豪雪によって
森林の管理・世話をする人はほとんどいなくなってしまった。
従って彼らの
棲息地域と個体数は以前よりも拡大して
再び我々の領域に侵入するようになってきたというのが実態である。

両親がいるときはせっせと畑もしてくれていたので
彼らが取っていく分もさして気にはならなかった。
そして数年前からは自分がするようになったが
技術・智識が足りない上に時間もないので世話もしない。
おまけに自分が食べるものだから農薬は使わない事にしている。
当然、収穫はわずかである。
その
わずかな収穫を横取りされるのである。

自分はもう
我慢の限界に達していた
インターネットの検索を駆使して、この天敵を捕獲する罠を探した。
案外安いので早速購入して仕掛けた。
(以下の内容は動物愛護団体からクレームがきそうですが・・・)

検索
罠、檻、捕獲・・・などの言葉で検索を繰り返した。捕獲檻が案外いくつも出てきたが、檻は結構高い。一応、5,000円位は出しても良いと思っていたが、小さなものでも1万円以上であり、タヌキが捕まえられそうなものは数万円はした。数万円出しても捕まえられる保障はなく、檻ではなく罠はないかと検索のフレーズを変えたりして、遂に見つけ出した。
【有限会社チハラ金物店】
探し出したのは、この店であった。
商品名はアニマルトラップであった。
(一銭ももらっていませんが、同じように悩んでいる人もたくさんいるのではないかと思い、ご紹介します。)
アニマルトラップ11/2
「ムジナ、タヌキ等の中動物を退治」と書いてあるのは片バネタイプと両バネタイプがあるが、トラップ部は110mm×110 mmで共通である。安い方(1,350円)を購入した。

【構造】
右側の黒い部分がバネでその先の外側の円形の部分が閉じられて足を挟む構造であるが、それは中央の円盤とその先の爪によって開いた上体を保持している。中央の円盤をムジナやタヌキが踏むことによって爪が外れ一瞬のうちに罠が閉じることになる。
クサリの先にはクサビがあって、それを木などに打ち付けておくことによって、捕獲した動物が逃げて行かないようにする。
 
爪をセットする場合は黒いバネの部分を足で踏んでバネが閉じた状態でセットするのであるが、誤って足を踏み外したら指が千切れるのではないかとヒヤヒヤであった。
購入
5,000円位は出費する予定だったし、1つだけ仕掛けてもうまく掛かるとは思えなかったので3個注文。ついでに「ねずみとりバッタン(9006)」550円を2個注文した。これは我が家の畑はカラスの攻撃も多いので、これでカラスが捕まえられないかと思った訳である。(エサは取られたがカラスは捕まらなかった。やはりカラスは賢いのか?いいえ、自分が浅はかでした。)
代引き送料960円を含めて6,367円だった。
注文をしたらメールで買い物のお礼が来て、その翌日だったか翌々日だったかに早々と郵送されてきた。(共稼ぎなので夜間配達を指定して妻に代金を支払ってもらった。)
梱包は1つづつ新聞紙で包んであってダンボールの中に入れられていた。新聞紙というのが珍しく、包装に無駄な資源と費用をかけないところに好感を抱いた。
侵入径路
我が家の後は急傾斜危険地域の指定地域で、10年近く前に高さ3〜4mのコンクリート擁壁が出来ていた。我が家の南側に畑があり、隣の家の畑は石垣で1mほど高くなっていて(廃屋で畑作はしていない)、擁壁はなかったが、昨年擁壁が延長された。となると、山への往き来が困難になるので、新しく延長した部分との間に1mほどの通路が作られ、我が家の畑からは階段が作られた。


右側の灰色部分は10年ほど前に出来た擁壁
左側の白い部分は新しく出来た擁壁
斜めの線がある部分が擁壁間の通路
擁壁通路への階段
可変側溝の右側が通路になっている

 (早朝撮影の為光量不足でブレている)

このような環境なので、彼らが我が家の畑に入ってくるルートはこの階段をおいて考えられなかった。
事実、この階段から畑作をしている所まで10m程ミョウガが生えているが、その中にケモノ道が出来ていた。
設置
しかも都合の良いことに、階段の下にはかなり大きな杉の木があって、ミョウガの葉の中の獣道まではこの杉の木の石垣側を通ることは間違いないように思われた。
従ってクサビをこの柿の木に打ち込み、アニマルトラップをこの部分に仕掛けた。1個より2個のほうがかかりやすいだろうと2個取り付けた。
一応、枯れ葉などをかけて罠を隠しておいた。


  アニマルトラップを設置した写真
引っ掛かって暴れまわった後なので土が露出している。写真では分かりにくいが棒の先がケモノ道になっている。幅30cmほどで畑へと続いている。
捕獲 その1
翌日、楽しみに柿の木の下を見に行ったが、掛かってはいなかった。だが、足をチェーンに引っ掛けたのか、罠は位置がずれたところにむき出しになっていて、やはりここを通っていることが分かった。位置を変えてもう少し木に近づけて枯れ葉で隠した。何日か様子を見に行ったが、位置がずれてはいるが・・・という状態の繰り返しであった。罠が閉じていた時もあったが何故か分からなかった。
通路を狭くするなどして、もっと罠を踏む確率を高くしようかとも考えてはいたが、やはり奴らも馬鹿ではないなと半ば諦めながらも、1週間に1回位様子を見て、閉じていたらまたセットして枯れ葉を無造作に掛けておいた。
ある日、会合を終えて夜の10時過ぎに帰ってきたら、妻がチャラチャラと音がするので何かが捕まったのではないかと言う。確かに柿の木のほうからクサリの音がしていたが、鳴声がしないのが不思議だった。
登山用のヘッドランプをして、台所からスリッパ履きで様子を見に行くと、白いLEDの光の中に太ったムジナがいた。(首が長いように感じたのでタヌキではなかったと思う。)何とか罠を外そうと転げまわっていたらしく、辺りは降り積もった枯れ葉もなく土がむき出しになっていた。
近づくと歯をむき出しにして威嚇体制を取って唸った。もし罠が外れて襲ってきたらスリッパでは逃げようがないと思った。後ずさりしながら少し戻ると、ムジナはまた罠を外そうと動き回り始めた。
台所に戻って妻に「ムジナが掛かっていた。逃げられる前に叩いて殺してしまおうか。」と言ったら、「殺すのはかわいそうだからそのままにしておいて。死んでしまうのはしかたがないから。」と禅問答のようなことを言う。自分も殺すのは何となく気が引けたのでそのままにしておく事にした。
それから30分位、クサリの音が続いていたが、パッタリと止んだ。逃げたのかもしれないと思って、もう一度見に行ったら、果たして姿は消えていた。罠には血が付いていた。
痛かっただろうに、敵ながらいい根性をしていると思った。(別に友情は感じなかったが・・・)
捕獲 その2
罠に掛かることは分かったが、また逃げられることも分かった。これは値段の安い片バネにしたためにバネの力が弱いためではないかと思われる。
しかし、あれだけ痛い思いをしたのだから、もう我が家の畑には近づかないだろうと安心した。
従って、今度は枯れ葉で隠そうともせず、罠をセットするだけで無造作にその辺りに転がしておくだけにしておいた。
その後も1週間に1回程見に行くと、位置が変わっていたりする。学習効果がないというより、違った個体が来ているのではないかと思った。
が、まさか又引っ掛かるとは思っていなかった。しかし、お盆過ぎのある夜中、ケモノの鳴声で目を覚ました。妻が気づいたのが早かったかもしれない。「捕まったのかな。前はぜんぜん鳴かなんだのに。」と言いながら、逃げられる前に見ようと又ヘッドランプを点けて野次馬根性で見に行った。やはりムジナのようで、鳴きながら転げまわっていた。

罠に引っ掛かったムジナ
今回は根性レスのムジナだった
捕獲 その2経過編
そのうち逃げ出すだろうと思っってベッドに戻ったが、鳴声は止まず(という事は罠が外れず)結局2時半ごろから寝られないまま明るくなってきた。
しかたなく、また様子を見に行った。やはり捕まったままで鳴きながら転げまわっていた。
逃がしてやろうと思っても、気絶でもしていなければ外しようがない。事実、罠に掛かったケモノを逃がしてやろうとして噛まれた談話も多く出ている。
3時間以上も鳴きながら暴れまわっても外れないのだから、恐らくもう外れることはないと思った。従って「苦しい思いを続けさせるよりは一気に殺してやろう」と思い、家の後に立てかけてあった3mほどの杉の丸太を持って戻ると、木の後ろに回りこみながら威嚇態勢を取る。クサリでつながっていると分かっていても逃げ腰になってしまう。

威嚇態勢のムジナ
捕獲 その2格闘編
へっぴり腰で丸太を構えて、急所であろうと思って鼻先めがけて振り下ろした瞬間、丸太が中ほどでクシャリと折れた。何年も前から立てかけてあった丸太なので腐っていたのであった。
折れた丸太の長いほうをもって再び構え、振り下ろした。うまく鼻先辺りに命中したら、声もなくパタリと倒れこんだ。「もしかして自分は狩猟の名人かも」と思いながら意気揚々と戻ろうとしたとたん、ピクピクと動いたと思うと起き上がって、以前と同じように鳴きながら罠を外そうと動き回った。
再び丸太を構えたが、敵もさるもの、動き回るのでなかなか鼻先を狙えない。
1発目は背中に当たった。しっかりした手ごたえがあったが、ぜんぜん応えた様子はなかった。2発目、3発目もほぼ同様だったが、逃げようという態勢を取るようになったので、逆にスキが出来てきた。
何発目か忘れたが、うまく鼻先に命中した。またパタリと倒れこんだ。見ているとシッポがブルブルと震えてしばらくしてやんだ。罠のところを良く見ると、足首ではなく指の部分が挟まっていた。
もしかしたら死んだのかな、でも息を吹き返して昼の間に逃げてもいいやと思ってそのまま家に戻った。
夜8時過ぎに家に戻ると、そのままの姿でいた。すぐに始末しようと思ったら、妻が「気持ち悪くなって、後ではご飯が食べられなくなるかもしれないから。」と言うので、先にご飯を食べてから始末した。
まだ死臭はなかったが、ケモノの臭いがした。
イノシシ
丹南ではイノシシが暴れまわっているようである。
今庄・南条(南朝の哀史を秘めた )から棲息地域が拡大してきて、味真野もかなりの被害があるらしい。山からかなり離れている真柄町にも出没していると聞いた。
私の集落の畑や田んぼに出てきたという話はまだ聞かないが、集落の上の山の中はイノシシが掘り返した跡でクチャクチャであるという話を聞いた。我が家の山もかなりひどいらしいが、もう何年も行ったことがない(森林の管理をしていない)ので分からない。
この谷の一番奥の西河内集落ではイノシシがじゃがいも畑を荒らした等という話を聞いている。
お盆に池田のかずら橋に行ったが、イノシシ避けの電線が張り巡らされていた。もしかしたらイノシシの人口(獣口:ジュウコウかな?)のほうが多いのかもしれない。
他人から聞いた話ではイノシシは相当かしこいらしい。ジャンプ力は1.2mもあって、低い囲いは簡単に飛び越えるとの事である。
高圧電線が有効なのは、獲物を探して嗅ぎまわっているときに最も敏感な鼻がビリビリくるかららしい。従って電線の高さも20cmと40cm位にする必要があるとの事だった。
アニマルトラップにはイノシシ用もあるが、被害を防ぐためには、最終的には一帯に電線が張り巡らされるようになるのかもしれない。
もしイノシシが引っ掛かっても簡単には殺せないだろうし、あんなものが吠えまくっていたらうるさいだろうと思う。(足首を引きちぎってでも逃げるらしい。)恐らく猟友会にでも連絡して殺してもらうことになるのだろうと思う。
とはいえ、お困りの方は罠を試してみてください。(決して悪用しないで下さい。また人間には分かるようにして危害が及ばないようにしないと大変です。)
罠を仕掛ける場合に重要なことは
(1)ケモノ道を探し出してそこに仕掛ける
(2)罠のところを通るように誘導する
(3)捕まったときの対応を考えておく

事だと思います。

重要な注意
イノシシの罠にカモシカが捕まった場合はかなり問題です。なにせ特別天然記念物ですから。殺せば間違いなく処分されますので、絶対に殺さずに役場などに連絡して対応してもらってください。

番外 タヌキ汁・シシ鍋
うまいということで伝説的なタヌキ汁であるが、タヌキは臭くてとても食べられなくて、実際はこのムジナを煮たものをタヌキ汁と呼ぶらしい。
滅多に肉など食べられなかった頃の話なので、本当にうまいかどうかも分からないと思います。もちろん、自分はムジナをさばく腕がないのでそのまま処分しましたが。
シシ鍋は、最近ではいろんなところで食べることが出来るようである。それだけ個体数が多くなってハンターに殺される数も増えているのだと思われる。食べる量より捕る量のほうが増えてシシ肉が暴落したら、ハンターがやる気をなくしてイノシシの増加に拍車がかからないとも限りませんので、皆様年に1回は食してみましょう。

といいながらも、私はまだ正式にシシ鍋を食べたことはありません。ただ、丹波篠山の篠山ABCマラソン(3月3日)では途中に「シシ鍋」と書いた旗が立ったテントがあって婦人会の他人がふるまってくれていたので、タイムよりも「参加料金の分食べまくるぞ」と思いながらお代わりをした経験があります。

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