静かな名山塩見岳
(撮影6月 9日)

インターネットで塩見岳を検索すると数百もあった。
そのうちのいくつかを覗いてみると「いい山だ」と書いてあった。
6月のこの時期は雪が多くて3000メートル級の知らない山の登山は困難と思ったが
塩見岳は登山道は南斜面だし雪もないのでは・・・と想像して行った。
塩見岳(3047m)
鳥倉林道を利用すれば、三伏峠まで約3時間、さらに頂上まで約4時間半、往復約14時間
インターネットで検索した登山記の中にも日帰りの報告があった。
三角点のある頂上は西峰で3047mであるが
わずか50mほど離れた東峰は3052mで西峰より高い。
どうやって行くの?
中央高速松川インターを降りて、西の大鹿村へ向かう。この道路はヘヤピンカーブの連続であり、信号もなく車も少なく20km程であるが30分以上かかります。
大鹿村役場前の橋を右折して大河原まで進み、ちょっと分かりにくいのですが「鳥倉林道」の看板を探して、集落内の狭い道路を上り、標識に従って進みます。大河原から登山口までは15km程あり、時間は45分程度かかります。
登山口の手前約2kmに一般車通行止めのゲートがあります。(この時はゲートの鎖が降ろしてあったので登山口まで車で進めました。)林道は至る所にソフトボールから枕程度の落石がありましたが、通行は可能でした。

登山口の駐車場(9日11時40分)
登山口
8日午後9時半頃、駐車場に着いた時は、車が1台もなく、真っ暗な中見逃して通り過ぎるところだった。
ビールを2本飲んですぐに車の中で仮眠したが1時に目が覚めてしまった。うつらうつらして3時に腕時計のアラームがなり、パンを食べながらクーラーボックスからペットボトルをザックに移す。右の小屋のような所で登山届を書いて、午前3時35分、携帯蛍光灯を手に登り始めた。
月が出ていたが森の中を歩くので暗い。熊に出会わないように祈りながら歩いた。ラジオを持ってくれば良かったと思った。

下山;11時40分
尾根道から御来光を望む
山と渓谷付録の登山手帳によれば、塩見岳の御来光は4時32分頃であり、2時頃出発も考えていたが寝るほうを選んでしまった。
ところが、三伏峠に向かう尾根道からちょうど塩見岳から昇る御来光に遭遇した。ラッキー!

(4時50分頃)
三伏峠からの2回目の御来光
日本一高い峠の標識のある三伏峠に到着すると、何とふたたび塩見岳から今まさに御来光が昇ろうとしているではないか!ラッキー!
キャンプ場の仕切の木の上に座って御来光を待った。
 
       5時02分頃

5時01分頃
本谷山
本谷山に到着。
8日のお昼に
、インターネットで飯田市の天気予報で午前中晴れ降水確率0%に好転したのを確認して、最終的に登山を決意したのであったが、予報通りであった。
 
         午前5時35分
塩見小屋
塩見小屋はガイドブックなどで読んでいたが、その小ささに驚いてしまった。
小屋の人が雪掘りの最中であった。
初めて人に出会ったのでうれしくて、お話を聞きに近寄った。
今年の南アルプスは雪が多いとの事で、塩見岳は今年になって上った人はまだ少ないので、浮き石に注意するように言われた。
小屋からの塩見岳はダイナミックな岩山で、まだかなりの歯ごたえがありそうに思えた。
7時20分に小屋を出発。
   

7時10分
頂上から戻ってきた時には、4人の人が作業をしていた。急いでいたので止まらずに「有り難うございました。」と言って通り過ぎようとしたら、「気を付けて帰って下さい。」と言われた。それだけで何かうれしい気分であった。
(戻りは8時45分頃と思われるが、ここで写真を撮らなかったので、正確な時間はわかりません。)

塩見小屋からの農鳥岳・間ノ岳(と思う)
塩見岳頂上
小屋と頂上とのちょうど昼間あたりに天狗岩がある。
ここから少し下ってトラバース気味に頂上へ向かう。
所々、三点確保で登らなければならないような岩場があるが、そんなに危険な場所はない。つまり、難所はなかった。   
      天狗岩から赤石岳(?)方面

天狗岩より頂上へ(7時40分)
天狗岩が7時40分だったので、8時までには頂上に着こうと少し急いだ。
結果、7時59分に塩見岳頂上に到着。
ここでも写真を撮ったつもりであったが、なぜかメモリーの中にはなかった。

東峰から三角点のある西峰を望む
三角点のある西峰から東峰はわずか50m程で、どうせ一服するなら一番高いところで、ということでそのまま東峰に進んだ。
(馬鹿と煙は・・・)
風は少しあるが帽子を飛ばされる程ではない。冷蔵庫で凍らせたビールを8日朝にクーラーボックスに入れて、朝ポリ袋にくるんでザックに詰めてきたが、まだ充分に冷たく、とても満足した。8日の昼にスーパーで買っておいた安倍川餅を食べた。(朝食?)もう一パック、ヨモギ餅も持ってきていたが、これは賞味期限が10日ほどあるので、一応非常食と考えていたので、手を付けなかった。

東峰からの農鳥・間ノ岳を望む
富士山が見えるはずだと、探したらあった!
オートまかせではなく、デジカメの撮影技術を少し身につけておくべきであったと左の写真を見て反省した。
この後徐々にガスがひろがり、塩見小屋を過ぎた辺りから眺望はなくなった。

画面中央上部のやや黒っぽい所が富士山
立ち枯れの登山道
塩見小屋からの樹林帯は何度も道に迷った所で、慎重に足跡をたどって戻った。
尾根道に戻ると倒木はあるが歩きにくいことはない。本谷山の直少し前で単独の登山者2人に、数分間隔で出会った。この先、雪が多くて道に迷ったので戻ってくる足跡をたどって下さいと言ったが、道を間違えた所も戻ってきているので、あまり役に立たなかったかもしれない。本谷山には9時55分に到着。
 本谷山に戻る登山道(午前9時23分)
三伏峠からの下り
三伏峠からの下りは一部ハシゴなどもあるが、総じて歩きやすい道である。
写真のような苔むした木が多く、登山道も枯れ葉が敷き詰められていてクッションが良い。
駐車場まで10分位の所で、鹿に出会った。
駐車場に戻ったのは11時40分で、写真を撮って
ジュースなどを飲んで、すぐに車で戻った。この夜の芦原での宴会でのビールを楽しみにして。

塩見岳は、今回は道に迷ったが、特に苦しいところもなく登りやすく、それでいて頂上付近の岩場はそれなりに高山に登った気分を味あわせてくれた。森の中は小鳥のさえずりがやむことはなく心がなごんだ。出会う人も少なく山を独り占めした気分だった。

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