環境基本計画策定委員会公募委員への応募に関して

                               今立町×× ○○ ○

 環境基本条例の制定懇話会に参画した人間として、当然環境基本計画の策定にも関心を持っていましたが、環境問題は一部の人間が関心を持って行動した所で解決出来ない問題であり、違った人達に基本計画の策定に参画して頂き、環境問題への関心と理解を深めて頂くことが有意義ではないかと考えていました。 しかしながら、私達環境基本条例策定懇話会委員の情熱を環境基本計画策定委員会の委員に伝えると共にその策定に参画することが、環境基本条例の理念・目的に沿った環境基本計画策定のために役立つものと考え、応募致します。

 私は環境基本条例の前文に当初あった「快適な暮らし」という文句は、環境を守っていく上では不適当ではないかと提案し、みんなで審議して訂正しました。便利・快適という言葉に人間は我慢を忘れ怠惰になり、エネルギーを大量に消費し、汚染物質を大量にばら撒いて地球を破壊しつつあります。京都宣言の後も日本人のこのエネルギー浪費の加速度は増大しているように思われます。

 環境問題は突き詰めていくと自己の存在を否定せざるを得ない難しい問題です。我々自身が被害者である以上に、無意識の(あるいは自覚していても対処出来ない)加害者(我々の子孫に対して)であります。そういう意味での自戒が必要であると考え、アメリカ・ナバホインディアンの『自然は祖先から譲り受けたものではなく、子孫からの借り物である』という言葉を紹介し、環境基本条例の前文に入れることになりました。

 かく言う私も23才で登山のゴミ持ち帰り啓蒙活動をして以来、環境問題には常に関心を持ち実践しているつもりですが、車や電気の使用をやめることは出来ず、環境破壊を加速させている一員であります。真冬の登山に出かけての車内泊で、車内にビッシリ霜が着くような寒さの中でも暖房の為のアイドリングはしたことはありませんし、どんな暑い時でも冷房の為にエンジンをかけっぱなしにしたこともありませんが、趣味のマラソン・山登りの為だけでも年間1万km以上走行しているのですから、コンビニでエンジンかけっぱなしの人よりはるかに環境に負荷を与えているのは間違いありません。

 20世紀は人類が欲望にまかせ、地球の環境を急激に悪化させていった世紀と言えます。私が高校生の時(1970年代)にローマクラブが成長の限界を警告しましたが、人類は欲望を増大させただけです。解決の理論はあります。『ファクター4』です。要約すると、「地球と人類社会が生きのびる道は、資源消費量を今の半分に抑えながら、世界中の人たちの平均的な生活水準を今の2倍に引き上げる為に、資源の利用効率を今の4倍にすれば良い」という答案ですが、すでに世界中の人達の平均的な生活水準の数倍、数十倍の生活をしている日本人や、かの傲慢なアメリカがそれに応じるとは考えられません。

 かくして、世界の有識者の80%が人類は100年以内に滅亡すると考えていると言われるように、21世紀を人類破滅の世紀としない為には、有能な子孫に解決策をゆだねるしかありません。人類に残された時間は少ないのです。けれども今立町が環境基本計画を策定した所で大勢には何の影響もありません。1町民の自分が行動し実践した所でどうなるのかと絶望感に襲われます。だからといって何もしないわけにはいかないのです。破滅までの時間を引き延ばし解決の為の時間を確保する上で、私達の今の活動が意味を持つのではないかと考えます。

 そういう意味で、今立町の環境基本計画には、日本中の手本になるような先進的・実践的な計画を盛り込み、しっかりと実行していくプロセスを確立して欲しいと考えます。

 尚、環境基本条例策定委員会の最初の会合でも発言しましたが、命をはぐくみ次代に伝えていく重要な役割を果たしている女性の考え・役割が重用であると考えますので、女性委員の割合を半分にするように希望します。一般の委員さんは、従来のように単なる組織や地域の代表で意識のない人が選出されるのではないかと考えますが、これを契機に意識が改革される事があるかも知れませんので、あながち無意味ではないかもしれません。重要なのはもっと大きな環境活動の流れを作っていく事だと思います。

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