1才10ヶ月で登った 乗鞍岳

83年8月
(メグ1才10ヶ月)

乗鞍岳

自分は5人兄弟の末っ子で姉が4人である。
つまり末っ子長男であり、
毎年お盆には姉達が子供を連れて里帰りして来た。
みんなで何処かへ行こうと計画したのが
車で3,000m近い別天地に行ける乗鞍岳であった。
そこからは往復2〜3時間なのでみんなで頂上に登る計画であった。
この時長女のメグは1才10ヶ月。
登山は無理だろうからとベビーキャリアを買った。
次女は生後3ヶ月弱だったので
おばあちゃんに見てもらってお留守番だった。

夫婦共働きだったので普段子供は両親に見てもらっていた。
這った、立ったと喜んで、次は何とか歩かせようとしていたせいか
長女は何と8ヶ月の終わりにで歩いたのであった。
そのせいか、こんな年齢なのに頂上まで自分で歩いたのであった。


どうやって行くの?
現在(平成15年以降)はマイカー禁止となりましたが、それまでは乗鞍スカイラインで畳平(2,702m)まで車で行けたのでした。
午前3時半に自宅を出発。油坂を越えて白鳥、ひるがの高原、高山市内を抜け、さらに走ってようやく有料道路の進入路に着いた頃には、乗鞍に向かう車の列が続いていました。
駐車場
乗鞍スカイラインに入ると、さすがに普段経験した事のないような急な上り坂の連続です。自分の後に妻、その後に姉と3台で走っていましたが、妻は普段と同じようにギヤチェンジをするのですぐに失速してしまいました。一旦車を停めて、上りが急だから低速ギヤで回転を上げて走るように言いました。 そうして走っていると、係員が誘導していました。畳平は満杯だからここで駐車するようにとの事でした。
車を停めて、みんなで歩き始めました。ようやく畳平に着いた時に、軽い高山病になったのか2番目の姉が気持ちが悪いから登らないと言って、そこで待つ事になりました。
登山開始
畳平までの道路は舗装もしてあるし、平坦に近いのでどうってことはありませんでしたが、登山道に入ってからも一応歩ける間は歩かせようと手を引いて歩きました。姉の子供たちも「メグちゃん、ガンバレ」と応援してくれます。
こんなちっちゃな足で・・・
頑張るメグ
メグは姉の子供たちの掛け声に合わせて「ヨイチョ、ヨイチョ」と言いながら懸命に歩きました。幸いに乗鞍岳は岩場などはないので、こんな小さな子供でも歩いて登れるのでした。
本当はとても辛かったのかもしれませんが、そんな事を表現する能力はまだなく、みんなが行くから一緒に歩いていたのだと思います。
結局、頂上まで歩いてしまったのでした。

ヨイチョ!ヨイチョ!
頂上まで歩く
頂上まで何時間かかったのかは覚えていない。でもコースタイムよりは時間が掛かったとは思います。
頂上から下りるときは危険なのでベビーキャリアで担いで下りました。

帰りの車の中で、九頭竜湖の辺りまで来たらメグが急に大声で泣き出した。車を停めて妻を呼び寄せましたがどうしても泣き止まなかったので、運転を代わらせて姉達には先に帰ってもらった。子供には消化出来ない過酷な体験だったのだろうか。それでも途中で花火大会があった為か、疲れ果てたのか、おとなしくなった。

今考えても奇跡的なメグの頑張りだった。そして、これが我が家の子供たちのものすごい頑張りの数々の始まりとなったのであった。

何故か何人かは写っていない

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