錆鉄人のウルトラレースの極意

【ウルトラレースとは】
ウルトラマラソンとは、一般にフルマラソンを超える距離のレースを指すが、場合によっては富士登山競走のように距離が短くても過酷なレースの場合にもそう呼ばれることがある。
特に普通の道路などを走るレースと違って、登山道などがコースになっていて、制限時間が10時間以上あるものをウルトラレースと呼ぶことにする。

【極意 序の口(当たり前)】
ウルトラレースの極意は、簡単に言えば「たくさん練習すること」である。
一般的には100kmのウルトラマラソンに参加して完走しようと思うなら、
月間走行距離300km以上で、月に1回以上は50km程度の長距離走を行っておく必用があると思われる。
制限時間が10時間以上のレースとは、即ち100kmウルトラマラソンに匹敵するものであり、これ位の練習は当然となる。

錆鉄人のウルトラレースの極意】

「極意」というからには、当たり前の事ではいけない。
こうすれば、練習しなくても100kmが完走出来ますよ!というものが本当の極意?である。
以下は、錆鉄人が体重分ほどの汗を流して会得した奥義であるが、
(変人である錆鉄人には可能でも)
フツーの人が真似た場合の保障は出来ません。というより、「死ぬ」と思ってください。

錆鉄人のウルトラレースの極意 その1
  大切な事は決して諦めない事
青年時代に見た「Love story」を思い出してしまうが・・・
(確か、「愛とは決して諦めない事」というキャッチフレーズだったと記憶する)
さて、どんなに練習をしたとしても、50kmも走ると体のあちこちが痛くなるものである。
従って練習していない者でも、そこまで頑張れば練習を充分重ねた人と同じ立場に立てるのである。
そこまでは、半分も走らずにリタイヤしたら男(女)がすたると思ってただ我慢する事である。
半分まで来たら、
自分の痛みや苦しみはレースをしているみんなが耐えているのだから、自分も耐えられると考えることである。
ゴールの瞬間の感激とリタイヤした場合のプライドの失墜を常に考えながら、
「諦めない、諦めない、決して諦めない・・・」と繰り返し唱えながらモチベーションを高める事
これが錆鉄人のウルトラマラソンの極意 その1 である。

錆鉄人のウルトラレースの極意 その2
  ある程度以上の勾配は走らずに速歩で登る
エッ!走らないの?と思われるかもしれないが、

ウルトラマラソンを最初から最後まで走り通す人は、ほんの一握りのトップランナーだけである。
一般の参加者は食料・水分の補給以外にもエイドステーション毎に停まって休憩し、やおら走り出すものである。
そして残り1/3くらいになると、制限時間を計算しながら歩きと走りを繰り返しながらゴールを目指すものである。
従って、
歩く行為は「悪」ではないのである。
錆鉄人が1kmで300m登るコースで実験した限りでは
走った場合8分、速歩で登った場合9分。その差はたった1分でしかなかった。
しかるに、その疲労度はかたや息も絶え絶え、かたや息がやや苦しい程度と大きな差であった。
体感的には3〜5倍程度の負荷の差があるように感じた。
それならば、エネルギー消費効率や疲労を考え、登り坂では最初から走らない事に決め、
過負荷を避け平均したエネルギー消費を行い超長距離走に対応すべきである。
ただし、スタート直後などは混雑しているので、いくら坂があっても歩いてはいけません。

錆鉄人のウルトラレースの極意 その3
  
スタートからの20kmくらいが重要
一握りのトップランナーを除き、普通は数時間も走った後ではそれ程スピードの差は出ないものである。
(充分な走力がある人がセーブしていた場合は除きます)
一般のウルトラレース参加者は長いレースの行程を考えて相当スピードを落として走っているので、
練習していなくても20〜30km位までは、一般のウルトラマラソン参加者と同等以上のスピードで走れるものである。
練習していないから30kmも走れば体のあちこちが痛くなるのは当たり前、もうスピードも上がりません。
ゴールまで気の遠くなるようなじかんとの競走が始まります。
この時、この最初の20〜30kmを頑張って作った貯金が活きるのです。
さらに、山岳レースの場合は、最初の登山道では大渋滞、
走りたいのに走れないので歩いている間にモチベーションが下がってしまい、遂にはリタイヤとなりかねません。
その良い例が駅伝です。
有力チームが一人の不調で下位になってしまった場合、
他のメンバーが自分の実力を発揮すれば充分上位に食い込めるはずなのに
ほとんどの場合下位に沈んでしまうことが多いですね。

錆鉄人のウルトラレースの極意 その4
  
トイレ(小)を計画的に利用し腎臓がやられるのを防ぐ
レース中は異常な興奮・高揚感と大量の汗によって、ほとんど尿意は感じないものである。
仮にトイレに入っても大して出ないものである。
それでレース中はトイレには行かなくても良いと思ったら大変なことになる。
レースコンディションにもよるが10時間のレースの間に飲む水分量は4〜5リットルになるだろう。
それは体温を下げるための汗としてほとんど消費される。
生理的なメカニズムはわからないが、大量のエネルギーを消費する運動を行っているのであるから
また大量の老廃物が発生しているはずであり、尿意がないからとそのままでいると
その濃度が高まり腎臓の機能を阻害するようである。
レース終了後トイレに行ったが局部に激痛を感じ、その後3日間オシッコが出なかった経験がある。
従って、尿意はなくても定期的にトイレに行き、わずか数滴でも出すことに努める必要がある。
上記の経験をしたレースに2度目の挑戦をした時にはトイレに定期的に行くようにした所、
後半では尿量も回復気味となり、翌日以降も何の後遺症も出なかった。
このように、定期的なトイレの利用はウルトラレースの隠れた極意である。

錆鉄人のウルトラレースの極意 その5
  
ウルトラレースは頭で走る
ウルトラレースを走るのは、勿論足を使って走るのであるが、
練習をしていない限られた体力・持久力の中で時間内に完走をしなければならない。
そのためには以下の対応が必用である。
1.自分のポジション・経過時間・現在の平均スピードを把握し、時間内完走の青写真を作成し、修正する。
2.常に自分の体力の限界を把握しながら、それを超えないように走る。(休む)
3.リタイヤの誘惑に負けない強い完走へのモチベーションを保ち続ける。
これらを考えた場合、まさにウルトラレースは頭で走るという事が分かる。
頭がウルトラレースの燃料であると言える。
自分の意思がウルトラレースへの参加を決意させ
自分の意思で今足を動かしているのであり、
自分の意思は感激のゴールをするまで諦めない。
自分の意思が自分の体を支配しているという事を認識すれば「死ぬまで」人間は走り続ける事が出来るのである。
悲しいかな、自分は頭が弱いので、感激のゴールが出来ないことも多い。

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