買いたい心書 其の4.耕運機の巻

耕運機とは畑を耕す機械である。
錆鉄人家は農家なので、昔は大きくて重いディーゼルの耕耘機があって、田圃の粗起こしから代掻き、畑を耕すなど活躍したものである。錆鉄人は姉弟で唯一の男だった(姉が4人)ので、中学生時代から耕運機の運転をして、大学を卒業して戻ってきてからも運転していたのであるが、やがて壊れてしまいました。その頃には田圃の作業にはコンバインが使用されるように変わっていましたが、錆鉄人家はわずか5反程度の耕作でしかなく(錆鉄人が中学生の頃に山際の千枚田のような段々になった田圃には過ぎの気を植えたので半分位になったうえに、様々な事情があって実際に錆鉄人が耕作しているのは3反程でしかありません)、高額な(最低でも200万円位する)コンバインを買うよりも作業をしてもらったほうが良いと計算し、それ以来、田圃の粗起こし、代掻きはコンバインを持っている人にしてもらっている。(当然有償です。)
しかしながら、畑が耕せなくなったのは非常に問題であり、父が小型の管理機を買い、それで畑を耕していたのでありました。それもやがて錆鉄人の仕事になりましたが、10年近く前、まだ母が生きている頃に壊れてしまいました。これはそんなに高いものではないので(10万円以下で買える)買っても良かったのですが、その頃の錆鉄人はマラソンを頑張っていて体力維持を大命題としていたので、自ら鍬を持って畑を耕し体力アップを計ることにしたのでありました。まさしく、鍬で耕すという行為は重労働で、体力アップ(維持)には効果的であり、錆鉄人は、購入代金は不要(燃料代も不要)で体力アップにもなるという一石二鳥のこの作業をすごく満足していたのでした。
しかるに、歳とともに何故か時間がなくなってきました。昔は仕事が終わって遅く帰って来てから、さらにマラソンの練習をしていたのでありますが、今はなんのトレーニングもしていないのに、何故か毎日が過ぎて行くのです。登山をするのは月に1〜2日でしかないのですが、なぜか時間が足りなく感じるのです。歳を取ったとはいえ、筋力的にはまだ問題は感じてはいないのですが、腰をかがめて鍬打ち作業をしていると、しばらく腰が伸ばせなくなってきました。やがて腰が曲がる前兆なら、出来るだけそういう作業は控えたいとも考えます。
そんなわけで、耕運機(管理機)を買おうかな〜?と考えるようになったのです。

機種の選定の前に、自分の使用頻度、耕作面積を考えます。
実は錆鉄人家には、家から数百メートル離れた所に数箇所畑があるのですが、耕作する暇もないのでその畑の近所の人に使ってもらっていて、現状では我が家の屋敷にある畑だけしか耕作していないのです。(耕作というレベルにも達しないのではありますが・・・)しかしながら、そういう畑を使ってくれている人は皆お年寄りで、いつまで耕作してもらえるか分かりません。(草が生えないだけでも、耕作してもらえるのは有難いことなのです。)また、錆鉄人もいつ会社をクビになるか分からない歳でもあり、そうしたら再就職出来るとは思えません。天女に頑張って仕事を続けてもらって現金収入を得て、錆鉄人は農作業でもするしかなくなります。そうなると、時間が掛かっても家から800m程離れた転作のそば畑<1反(=1,000u)近く>も自分で耕運したほうが良いという事にもなります。

【我が家の畑面積】
屋敷1:約120u(約6m×20m)
屋敷2:約60u(約6m×10m)
屋敷3:約40u(約2m×20m)  合計220u(常時耕作)≒70坪
県道沿(約300m遠隔地)約50u+荒地約300u(工作しなくなって久しいのでススキが生い茂っている)
向山(約800m遠隔地):約1,000u(転作そば専用)
という事で、小さな管理機にしておくのか、転作のそば畑の耕運も考えた中級グレードのものにするかという問題が起こってきたのであります。
さて、悩んでいるうちにも秋の耕作シーズンが始まりました。
一番大面積なのは大根です。我が家はここ数年双葉が出た辺りで害虫に葉を食べられてほぼ全滅状態が続いていますが、錆鉄人はめげずに今年も鍬で畑を打ちました。という事で、今年は耕運機を買う必要はなくなってしまいました。秋の終わりに特売していたら買うかもしれません。

2月のある日
ホームセンターのチラシに管理機(耕運機の簡易型)の広告が出ていたので、買いたい衝動が再発しました。
上記の続きですが、以前に使っていた簡易型の管理機は、上下に激しく飛び跳ねるので運転が難しい上に疲労が大きく感じます。従って、天女には到底運転は出来ないと思います。(孫が出来た事もあって天女は農作業に張り切っているのです)
当面は屋敷の畑の春と秋の耕作しかしませんが、夏場にも雑草の為に数回耕す必要もあるので、恐らく5〜6回動かすことになると思います。10年は使えるものとすると、5万円の差があっても1年当たりでは5,000円の差でしかなく、作業能率が良くて疲れない(錆鉄人もだんだんお年寄りになりますから・・・)小型耕運機のほうが良いのではないかと考えました。
という事で仕事帰りにホームセンターリサーチをしました。

【コメリ】
アグリップ VFR242F 99,800円
【みつわ】
ホンダ FF300H 120,000円(在庫特価8,000円引き!)
三ツ和の「特価!」には錆鉄人の習性でいたく買いたい心衝を揺り動かされましたが、さすがに年の功で踏みとどまり、帰ってからWebで性能をチェックしましたが、なかなか結論が出ません。比較チェックをしよう思うのですが、各社のHPに車のようにほぼ統一された仕様が出ているわけではないので、比較が困難なのです。

機 種 メーカー 販売店 金額 仕 様 重量 最大馬力/CC 耕運幅 耕運深さ 時間仕事率 備  考
サラダFF300J ホンダ みつわ 120,000円
(142,800円)
L146W46H101 48kg 2.4PS/57cc 45/29cm 〜16cm 不明 ローター内外反転による安定耕運
車載可
サラダFF300L ホンダ 楽天
133,800円
(153,300円)
L146W46H101 50kg 2.4PS/57cc 45/29cm 〜16cm 不明
ローター内外反転による安定耕運
デフ付、車載可前進3速
作業2速
VAR242F アグリップ コメリ 99,800円 L113W46H100 42kg 2.2HP 42cm 〜13cm 60〜90坪 持上げ可(車載容易)
CR400 富士ラーニー コメリ 144,000円 L140W56H93 80kg 3.5PS/143cc 50cm 〜15cm 150坪 持上げ不可
IR80 アグリップ 楽天 188,000円 L130W57H95 81kg 6.0PS/171cc 50/35cm 1.11km/h
200坪
ローター正逆、培土機不要
IR60 アグリップ 楽天 164,000円 L130W57H95 83kg 6.0PS/171cc 50cm 1.11km/h
200坪
1.11km/h
200坪

2月12日
農家組合の仕事が終わって次女を駅まで送った後で、天女とホームセンターに行って実機を再度観察。
【感想】
1.ホンダのサラダFF300のローター内外反転は安定耕運が出来て良さそうに思う。
  VFR242は安いがローターは正転のみであり、耕運深さが13cmというのは問題に感じる。
  (→転作田の耕運を無人で直進させておいて、その間畦などの草刈が出来れば一石二鳥だと考えた)
2.狭い屋敷畑での耕運作業にはデフがあると便利(天女でも使いやすい)
3.休耕田の耕運の為に、耕運機を運転して時速3km程度で歩いて行くのは錆鉄人には耐えられない。
  従ってステップワゴンに積んで行くか、乗せられないなら軽トラックを買う必要がある。
  怪力の錆鉄人にも50kgを超えるものは抱えてステップワゴンには積めないので50kgが限度である。
  (48kgのJタイプを実際に持上げてみた。燃料と土が着くのでもう少し重くなりそうであるが)
4.ホンダの場合、近く(約7km位)にホンダの農機具販売店があるので故障しても修理してもらえそう。
5.錆鉄人の愛車はホンダだ。(関係ないけど)

以上より、ホンダのサラダFF300Lが優先候補となったのでありました。
しかし、こういう書き込みを発見した。
傾斜地の開墾にミニ耕運機を使用出来るかという質問に対して
>2.4馬力では、恐らくすぐに止まってしまうでしょうね。
>私の場合、砂地の畑ですが、雨でぬかるんだだけの状態でも止まることがあります。

・・・・これはかなり深刻かも・・・
天女が希望する県道沿の畑はススキの大株が生えていて太刀打ち出来そうにない。
転作田の耕運も、かなり開墾に近いのではないか。(毎年雑草が茂る・・・)
また、屋敷の畑はどちらかというと水はけが悪い。
といっても、耕運機の為に軽トラックを買う気にはなれないし・・・
(車検切れで姉にやってしまったが、やはり軽トラックが必要ではないかとも考えています)

ところで、このサラダF300Lはどれくらいの作業効率なのかが分からない。
他社のこの程度の馬力の耕運機の前進速度はほぼ時速1km程度なので、その値を採用すると
1時間当たりの耕運面積≒耕運幅0.45m×1,000m=450u
しかし、実際には方向転換があり、耕運面も重ねる必要があるので効率を75%とすると
時間当たり340uとなり、ちょうど100坪となった。
理論上は休耕田の耕運作業も3時間程度で出来ることになる。
休耕田は基本的にソバを蒔くが収穫はしないので、浅く適当に耕運すればすむので
このF300Lでも出来るのではないかと考えています。
実際は、低能率な低速作業を続けることが嫌になりそうではあるが
草刈作業のように自分が汗だくになって機械を振り回す必要はなく
他人にしてもらえば1万円以上かかることを考えると、
暇な時にすればこれだけでも十分「元が取れる」計算が成り立つのでありました。
但し去年からこの休耕田は籾殻の焼却用に貸してほしいと言われ貸しているので耕作していませんが
雑草が生い茂るので年に2回程草刈をしるので、
草刈の代わりに耕運作業で草を取ってしまえば一石二鳥だと思っています。

2月13日、さて、そろそろ決断の時です。
サラダF300Lで検索をかけて、送料込み127,000円の所を発見!
ニッチ・リッチ・キャッチという店です。ただし、トップページから耕運機のページは探せません?
天女と相談しました。
1.県道沿いは当面諦める。(ツルハシで掘り起こしが必要と思われる)
2.転作の田圃は薄く耕運が出来るのではないか。
3.当面は屋敷の畑が中心だから小回りが利き、車に載せられるものが良い。
  (といっても錆鉄人の怪力頼みであるが・・・)
4.サラリーマンを終え転作田の本格的な耕作をする時は、もっと大きな耕運機と軽トラックを買う必要がある。
  当面(5〜6年は小さいもので良いのではないか)
等の話をして、サラダF300Lを買うことに決定し、その場でネット購入しました。
ポイントが少しあったので、450円分利用して、支払いは126,550円
クロネコのコレクト便で注文したので、トヨタカードにポイントが1,265ポイント付きます。
本当は、楽天カードで買い物をするとポイントが2倍になるので楽天カードも申し込んだのですが、
カードが来るのを待ちきれず(まだ雪が1mもあるので急ぐ必要もないのですが・・・)購入しました。
一つには、やっと決断したのに待っている間に迷いが出るのが怖かったからです。

という事で、配達されて来るのが楽しみです。
天女が張り切っているので、小型のビニールハウスを買って苗作りから頑張ろうかと思っています。

翌日、販売店からメールが来ました。
これは大きいのでクロネコでは配達できないので西濃となり、カードは利用できないと言われました。
ポイント分1,265円損した気分ですが、
大人(タイジン)の錆鉄人はガタガタ騒ぐのは止め現金を用意する事にしました。


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