はるばる来たぜ 開聞岳

平成15年12月27日撮影

開聞岳(924m)

開聞岳は高さは1,000mに満たない。
しかし、海上からきれいな円錐形で起立したその姿は
百名山にふさわしい風格がある。
高校の修学旅行で開聞岳を訪れ登った記憶はあるが
頂上までは登ったかどうか覚えていない。
妻の修学旅行では鹿児島には来なかったとの事だった。

登山の為に高速に乗る度に
5万円のハイカがなくなって損をしている気分だったので
車にETCを付けた後で道路公団のHPを見たら
1月18日まで期間限定で長距離割引をしているという事がわかった。
もともと「特価」とか「残り・・個」等というのに非常に弱い自分であり、
俄然「これは今行くしかない。」と思って計画を立てた。
一気に鹿児島までというのも自己最長記録になると思った。
(それまでは阿蘇山に車で登って福岡まで戻ったのが最長)

という経緯で九州の百名山5つに登ろうと言う計画が出来上がった。

ルート
武生インターから鹿児島インターまで1,060km余りあり、さらに指宿スカイラインを走り、その後一般道を経由して開聞岳ふれあい公園まで一気に走る計画で自宅からは約1,140km。アクシデントがなく順調に走っても12時間以上はかかる計算であった。
出発は12月26日(金)。愛車のステップワゴンは全前日の内にフルフラットにして布団も敷いておいた。仕事が終わって帰宅後、荷物を詰め込んで午後7時ちょうどに自宅を出発した。
天気予報は雪の予報で、本格的な降りにならない間に木之本に出てしまおうという計画だった。さしたる雪ではなかったが、刀根PAのところでワンボックスカーがひっくり返っていた。雪を避けて中国道ではなく山陽道を走ったが、広島付近では前がよく見えない位の吹雪で、九州に入っても時折雪が舞っていた。(中国道はアップダウンやカーブが多く、雪がなくても時間がかかるのではないかと思います。)
妻に運転を代わるのは怖いので、本当は自分が全部運転して、眠くなったら途中で少し寝て鹿児島まで行こうと思っていたが、少しでも早く着きたかったので「高速を真っ直ぐ走るだけなら大丈夫だろう」と途中2回合計2時間半位妻に代わってもらって(山口県と熊本県にて)後ろの布団の上に横になった。
初めて走行中の車に寝たが、結構跳ねる上に、妻は小刻みにブレーキを踏んで車間を調整するのでスピードの変化が激しく、とても寝られないと思っていたが、案外すぐに寝たようであった。
最初はきっかり1時間で目が覚めた。そして、2回目は結構疲れていたのか、鹿児島ICの手前で、妻が「何処に入るの」と叫んだ(ETCだから)ので目が覚めた。「青い所だよ」と言ったが、妻は普通の出口に向かって突進する。「青、青だよ。」と言うが突進する。すんでのところで「ブレーキ」と言って停まらせて、ETCレーンに行かせた。(車が少ない夜明け前の時間帯で良かった!)妻は「青じゃないわよ、あれは紫よ。」と文句を言った。通過した所で運転を代わった。
ふれあい公園駐車場
指宿スカイライン(310円+620円)から一般道と開聞岳目指して走っていると、池田湖では菜の花が咲いている。さらに走り、目の前に開聞岳が拡がる開門十町の交差点を直進して上り坂となる。大きく右に曲がる所に登山口の表示があり、そのまま進んだら登山者が一人歩いていた。車はそのまま進める道路幅ではあったが、この先進んでも駐車場がないのだと思い、ちょうどトイレの入口の所に車が入るところがあったのでUターンしてふれあい公園の駐車場に行った。駐車場は50台は楽に駐車できる広さがあり、他にも駐車スペースはあるようだった。駐車料は無料だった。
到着は27日午前7時45分、所要時間12時間45分、自宅からの距離は1,139kmだった。
着替えをして装備をチェックしているうちにトイレに行きたくなった。大急ぎで準備を終わり先ほどあったトイレへ向かった。駐車場からは階段を下って200mほど歩くとトイレがあった。トイレはきれいで紙もあった。
ここで顔も洗ってすっきりして再出発。(8時5分頃)
少し歩く(100m位)と右手に駐車場があり、入口も開放されているが、グラススキー専用駐車場と書いてあった。
帰ってくると、この駐車場に3台駐車していて、少し損をした気分だった。
登山口
グラススキー専用駐車場から少し登った所が登山口であった。車道はここで左に曲がってさらに先へと続いている。
8:10登山開始。登山道は鬱蒼とした森林の中に続き薄暗い。かなりえぐれている所が多いが、特に石や土嚢を積んで補修はされていない。ただし、途中から石が積み重なった登山道となる。
6合目を越えた辺りで先行していた人を追い越した。その後、登山道に融雪剤を撒き散らしたように雪が現れたが、足跡がないので先頭だと分かった。階段の上などはほぼ一面に積もった状態であり、珍しい(と思われる)開聞岳の新雪を最初に踏んで登っていくと思うと気分が良かった。

8:09 撮影
九州の登山中に感じたのは
ストックを持っている人が少ない事である。
何故であろうか?
仙人洞

登る時に案内板の中身を読まなかったので、洞の前にたくさんの木があるのは何故かと思っていたが、下る時に本文を読んで納得した。

9:05
この穴の手前にたくさんの木がある。
最初は薪が置いてあるのかと思った。
頂上
ご存知のように開聞岳の登山道は、山腹をグルグルとらせん状に登っていく。といってもちょうど1周する程度ではあるが・・・。(ワンゲル部の娘が昨年3月に宮之浦岳に登った後、開聞岳にも登っていて、「登山道はグルグルッと・・・」と言ったので、「グル」だけだろうと言って笑った。ちなみに娘はここから青春18切符で京都まで帰ったと言っていたが何時間かかったのだろう?)
登山口はほぼ真北で、登り始めたのが早朝だったので、ある程度木漏れ日が差してくる辺り(5合目位だったろうか)は真東で、影が進行方向の右に出来ていたが、進むにつれて前に移動してやがて山影に入っていった。この辺りは結構な岩が折り重なった登山道となっている。そして間もなく頂上だった。
夕方の天気予報では、鹿児島枕崎の天気予報は午前中曇りで午後晴れだったが、この時点で水平線や地平線付近に雲があるが、上空は快晴だった。
水平線に雲があるという事は、残念ながら宮之浦岳(屋久島)も見えないということであり、ちょっぴり残念であった。

9:34
頂上にある2m程の岩の上から撮影
急がさないでのんびり登ったので
妻もご満悦であった
右上は池田湖
頂上
上の写真と同じように北の方向ではあるが、少し東よりの写真である。
手前の半島が長崎鼻である。(下山後、ここからの開聞岳の写真を撮るために出かけたが、駐車場は無料だったが海岸へは有料の公園に入る必要があったので、結局入場料をけちって入らなかった。)
その向こう弓形の海岸の先にもう一つ半島があるが、この半島の手前に「山川天然砂蒸し温泉」があり、それが今回の九州旅行のもう一つの大きな目的であった。

雲の名残でやや視界が悪く
まだ桜島も見えなかった。
鳥居
登山道とはほんの少し離れているが、頂上の脇に鳥居があった。いつも足元しか見ていなくてしょっちゅう道を間違える妻は、鳥居が目に入らなかったのか(普段は信心深い妻ではあるが)そのまま下山したが、自分はゲンをかついでお参りし、道中の無事を祈った。
下山途中にたくさんのパーティに会った。家族連れや学生さん、職場のパーティと思われる方々など30人以上いたと思われる。
最初に出会った方は、東京に住んでいるという地元の人で、とても話好きで近くの温泉のことなどいろいろと教えてくださった。(とは言ってもWebで調査済みで知っていたのではあるが、福井から来たと言ったらご親切に教えて下さったので、付き合って聞くのがマナーだと思った。)
そんな事もあったが、予定より早く登山開始した余裕で、のんびりと下りた。
登山口到着10:56
これより、長崎鼻経由で山川砂蒸し温泉へ向かった。


9:41

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