天女伝説が生まれた? 夢想園

(撮影 平成15年12月29日)

夢想園

12月初め頃九州に行こうと考え「るるぶ九州」を買いました。
数ページめくった所に「150畳敷きの大露天風呂」が出ていました。
露天風呂からは由布岳が眺められ
他ホテルの客も「この露天風呂だけは」と入りに来るという。
妻にその写真を見せたらとても喜んで
これが九州行きの決め手になったのかも知れません。
従って、行かずに帰ったら死ぬまで文句を言われないとも限りません。
とまでは言いませんが、
2人の九州旅行最後の楽しみでした。

果たして、
夢想園はとても良い露天風呂でしたが
ここにたどり着く前に
我が家の「天女伝説」が生まれたのでした。

いつも一生懸命なのに、いつも歯車が合わない・・・
そんなドジで愛すべき「天女の部屋」を作りました。

抱腹絶倒!2泊4日九州百名山の旅

どうやって行くの?
牧ノ戸峠から「やまなみハイウェー」を走れば湯布院に到着です。ほとんど信号に止められることもなく湯布院に到着したので、途中で地図を見る暇がなく、標識が出ていてもどちらへ行けばよいか分かりません。とりあえず、湯布院市街へ向けて車を進ませたら狭い道路、あふれる車。とても標識を探したりしている余裕はありません。
ここで心強いナビゲーターの出番です。事前に夢想園の地図上のだいたいの位置は教えてありました。
妻は交差点を通り過ぎてから、「○○方面と出ていた。」とか教えてくれますが、現在地が何処でどちらへ行けば良いかを教えてくれません。
途中で曲がったり戻ったり走っているうちに駅前に出ました。駐車する余裕は無いので右に曲がったら、駐車場の一部が通路として使われている所があり、Uターンしました。
地図上の駅の位置は妻にも分かったようでした。「駅から真っ直ぐにいけばいいのよ。」と言うので、「助かった、これで行ける。」と思い、駅前を真っ直ぐに進みました。「300mほど行くと橋があるから、そこを越えて・・・」心強いナビぶりです。先ほど通った記憶のある五差路も真っ直ぐに走ります。妻のナビ通り橋がありました。
しかし・・・
その先は、最初に曲がってきた見覚えのあるやまなみハイウェーの交差点。車は渋滞、ノロノロ進んでいると、対向車線の車が途切れたのでラーメン屋さんの駐車場に入れて、地図を見ると「駅から真っ直ぐ」は「駅から真っ直ぐにでした。
普通は車の進行を見ていて時々地図を確認するものですが、妻は基準となる駅を見失わないように一生懸命指で押さえて、地図だけを眺めていたのでありました。従って車が今何処にいるかは分からないのでした。妻は「私はこんなことは駄目なのよ。」と弁解しています。

【天女(てんにょ)伝説】
という、あっけに取られるようなナビ振りでしたが、錆鉄人は道順を覚えたのでもう一度駅に戻って、今度は無事「夢想園」にたどり着いたのでした。(12時前)
あ〜ァ、疲れた!
そういえば今回も、サービスエリアでトイレに行って迷子になった。
妻にメールを教えた時は、何回も何回も教えなければならなかった。
未だに一人でビデオ録画も出来ない。
でも携帯のメールは入力だけは出来るようになった。(すごい根気がいるが)
まあ、デジカメのスィッチを入れて渡せばシャッターを押す事は出来る・・・
というように、現代生活への適応力は並外れています。古代神話の世界を訪れたことでもあり、これからはこういう場合は、現代を知らない古代の「天女」だと思って諦めることにしたのでした。(縄文人といっても面白くないので)これ以来「天女だからしかたがない」が自分の口癖になりました。
妻もちゃっかり先回りして「私は天女だから」と言い訳するようになりました。我が家の「天女伝説の始まり」でありました。
夢想園
ちなみに、ちゃんと予め地図を確認していれば、水分峠で右折してそのまま11号線(ここまで来ると、やまなみハイウェーとは言わないのかも知れない。)を走っていれば簡単に着いたのでした。
駅前から「真っ直ぐ」に11号線に出て右折して、少し走った所に「夢想園」の看板が出ています。道路から右折すると標識が駐車場へ導いてくれますので、天女のナビは不要でした。駐車場は2段に分かれていて50台位は駐車出来ると思いますが、ほぼ満杯で、しかもしょっちゅう出入りしています。タオルと着替えと小銭を持って元のほうへ戻ると、入浴券売り場があります。
大人2人1,200円払うと、園内の地図を出して露天風呂の位置などを説明してくれます。

空海の湯!
これが平成8年10月にオープンした新しい露天風呂「空海の湯」。150畳以上の広さと、由布院盆地、由布岳を一望するロケーションは湯布院観光をする人の羨望の的。
しかし、残念な事に空海の湯は女性専用なのでした。いかにも女性主導型の現代らしいと言えますね。
女性向けということで、脱衣室設備、シャワーコーナーも充実しているとの事です。天女はここに入り浸っていたのでした。

(夢想園のHPより流用)
正面が由布岳
手前には湯布院も町が拡がる
御夢想の湯
さて、男性用はというと「御夢想の湯」であります。広さは約100畳と言われています。
しかし、残念なことに工事中で入れなかったのでした。
しかし、温泉を出た後、天女が戻ってこないのでデジカメを取ってきて、工事をしている人に聞いたら、簡単にOKしてくれて横の木戸を開けて入れてくれました。浴客がいたら撮影出来ないでしょうから、これも良かったかなと思いました。
尚、入浴券売り場の人は券をチェックしているわけでもなく、入浴券なしでも入っている人がいるかもしれませんが、ちゃんと払ってくださいね。

あいにく由布岳はガスの中でした
工事中なので温泉の湯も少ない
御夢想温泉の由来
今から約600年の昔、難病に困り果てた一人の僧が時の薬師弘法大師に願をかけたところ、三十七日の満願の暁、大師が夢枕に立たれ、「これより南東山先の当りに奇巖ありこの大岩の下より湧き出る湯にひたれ、さらば難治の難病たちどころにいゆべし」 とのお告げをうけた。
その僧、不審の念にかられつつ夢告の通りに従えば、たちどころに病全快、随喜の涙と共に、この岩を弘法石とあがめ、湧出する温泉を御夢想温泉と名付けた。その後、これを聞き伝えた多くの人々は、この霊泉にひたりてその病を癒したという。げに土地の人呼んで、御夢想温泉といわれている。
       (夢想園HPより)


さて、その御夢想温泉ゆかりの弘法石が祀ってあるのが弘法の湯であり、通常は女性用なのですが、御夢想の湯が工事中の為、本日は男性用なのでありました。
  
  これが弘法石です(HPより)
  後光が射していますね。

弘法の湯の入口
靴箱にもロッカーも鍵付きで安心です。

残念ながら中は狭い。
(写真はHPより)
10人以上の人が入っていて
まだ窮屈という程ではなかったですが
ゆったりという感じでもありませんでした。
錆鉄人は600円の元を取ろうと
何度も入り直したのでありました。
内湯
という事で、露天風呂には未だかってない程長い間入っていたのですが、茹で上がらないうちに上がりました。入湯券売り場のおばさんが「お勧めです。」と言った内湯も入らなければ損だと思ったからでもありました。

渡り廊下を靴をはいたまま通って、ドアを開けたところに御夢想温泉の由来が書いてあった。(上記参照)
飛天の湯

(写真はHPより)
こんなきれいではなかったけど・・・
手前には打たせ湯が5〜6本落ちています。
浴場の下は小石が敷き詰めてあります。
なによりも混んでいないのが良かった。
天女は露天風呂に大満足で長居して
内湯には入らなかったらしい。
九州露天風呂大賞
内湯にも入って戻りましたが、天女は戻って来る気配がありません。写真でも撮ろうとデジカメを持って戻った所、「ピッカピカ」になって天女が戻ってきました。ロッカーに鍵が付いていたのでどうやら「天女の羽衣」は無事だったらしい。
買い物をしたいというので、いいよと言って自分は撮影をしてからロビーの売店に行きました。妻は買い物を終えていましたが、売店の前でまだ思案していました。
「竹炭の石鹸」が露天風呂に置いてあって良かったけれど、締まりやの天女は1,200円もするのでどうしようかと迷っているのでありました。
「ロープウェーで1,500円儲かったんやで買えば。」と言ったら「そうね」と思い出したのかニッコリ笑って買いました。(1回使っただけで大事そうにどこかに片付けました。使わない間にネズミのエサになってしまうかもしれません。)
記念に売店でも写真を撮りました。さあ帰ろうとしたら妻は手ぶらです。写真を撮る時に横に置いて、そのまま玄関に来たのでした。
天女は買ったものには執着しないのかもしれません。あるいはお付の者(自分しかいません)が持って来るものと思っていたのかもしれません。

九州露天風呂の看板
入口
無事、買い物も終えて、夢想園の表玄関から出ました。玄関への通路の両側は木が植えてあり、入口もこじんまりしていて古いホテルの印象がありました。
結局、夢想園にはお昼頃に入って、午後2時過ぎに出ました。



単なる600円の浴客ですが
堂々と記念撮影
長いはるかな旅路
そんなわけで、ルンルン気分で夢想園を出発。経済観念の発達している我々は、湯布院ICから高速に乗って、鳥栖ジャンクションまで戻って北九州に行くという無駄なルート(三角形の2辺を通る感じです)は選択しません。(湯布院IC→小倉東は170.7km4,100円もするのでした。武生まで走った場合でも、高速代の差は3,100円+距離が長い分のガソリン代が余分にかかります。)
ルンルン気分が阿蘇の教訓を忘れさせていました。又しても最短ルートと思われる道路に突入しましたが、途中から行けども行けども人家はあっても1車線の道路です。
T字路にもやはり標識がなく、曲がった方向には牧場しかなくUターンしたりしながらも、どうにか「安心院」の標識を見たときには心底「安心」しました。
こんな時も我が家の天女は「テン(天)」で役に立ちません。

宇佐市に入って国道11号線の標識に従って行ったら有料道路に直結だったので、Uターンさせられたりしましたが、どうにかR11に入りこれで安心。R11に入る前だったと思いますが、小学校のスローガンの看板があって「・・・・・、ビンビン元気、・・・・・」と書いてあったので天女も大笑いでした。
さて、経済観念の発達している我々にとって、後は高速に入る手前で安いスタンドに入って満タンにする事だけでした。宇佐の辺りは95円でしたが、まだ入れるのはちょっと早いと思っていると、中津市辺りのスタンドには料金表示がなく怖くて入れません。さらに進むと95円の表示があったので突入。30リットルも入りませんでしたが、高速で入れるのと比べて(高速は101円)約200円の節約でした。
「これで安心」と思ったのが大間違い。
小倉東はR11から左折と覚えていたのは良かったのですが、もうそろそろかなと思った時に大きな交差点があり、高速入口の表示を見逃したかと思って左折しましたが、どうもそんな気配がない。やはりこの時も妻は「天女」でした。何キロか走ってUターンし、R11の交差点に戻って左折した所で、反対側から道路標識を見ると高速入口の表示があるではないか。何だ、やはりここだったのかと再Uターン。進みますが、行けども行けども高速の入口はありません。
嫌になるほど走ったら何と「小倉南IC」に到着したのでした。この辺り、露天風呂に入りすぎた影響で頭がぼけていたのかも知れません。
そういえば、今日は朝にパンを1つ食べて久住山に登り、戻ってからも1個食べた程度だったことに気が付き、関門橋の手前の「めかりSA」に入りましたが、レストランがなく(どうも気づかなかっただけのような気もします。これも露天風呂の影響か)トイレだけですぐに出発。美東SAでやっと遅い昼食兼夕食をしたのでした。(食券のレシートは17:34でした。)
山陽道経由で来た時と同じルートで走って、自宅到着は24時58分でした。家に戻ってからも大量の布団や装備、食料やおみやげ等を家の中に運び込む仕事が残っていて、やっと一息つきながらビールを飲んだのは2時になっていました。
こうして、総走行距離2,553km、使用ガソリン239リットル(16万km走行のステップワゴンでリッター10.7km走った!)の九州2泊(車中泊)4日百名山の旅は終わりましたが、山も温泉も観光もあって思い出に残る旅となりました。
「こんな馬鹿な旅行はもう出来ないかもしれない。」と思いました。4月になれば錆鉄人は51才となる年の暮れでありました。
翌日は、その翌日に娘夫婦が帰ってくるので、我が家としては珍しく真面目に大掃除の日となりました。掃除が苦手な天女も、いそいそと掃除をしながら、「お父さんは掃除の天才ね」とか言って、おだてながら夫を操縦するのでした。

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