千曲川源流をたどって 甲武信岳

04.12.12

甲武信岳(1,982m)

富士山をバックに写真を撮って年賀状にしようと
鳳凰三山を青木鉱泉からドンドコ沢を登って中道で下りる計画を立てた。
コースタイムは13時間程度であり
日中の短いこの時期であるが我々の足なら日帰り可能だと思った。
従って次の日に登る山は?という事で
近くにある未踏の百名山である甲武信岳が候補に挙がった。
「千曲川源流」という響きが錆鉄人のロマンをかきたてた。
(天女は現実派なのでどこがロマンチックなの?とおっしゃる)
毛木平からコースタイム6時間程度
午前中に下りてきて観光も出来ると計算した。


どうやって行くの?
鳳凰三山から下山した後は、ゆーぷる韮崎で温泉に入って、道の駅南清里で車中泊の計画を立てていた。
本来は瑞垣山の西の信州峠を越えればすごく近いのであるが、標高1,400m程の峠をこの時期に越えられるか心配だったので、国道141号線を進み、野辺山駅で右折して川上村に入る事にした。
川上村から毛木平までは、Webで案内のページがあったので、うろ覚えに川上駅を目指したのが失敗であった。最初の分岐で川上駅を目指したので、駅の近くの自販機で紅茶を買ったのはいいが、そのまま進んだら、また国道141号線まで戻ってしまった。引き返して村の奥に向かう。(この頃は明るくなって来ていたので、谷の奥がどちらか分かったので間違いようがなかった。)
「千曲川源流→」の道路標識に従って走るが、さすがに内陸部の川上村、道路が凍結している所があり、慎重なスピードで進んだ。勿論、天女はそんなことは知らずに寝ていた。

ここを右に登って1km進むと狭い未舗装の道路になり、約500m程で毛木平の駐車場に到着する。
駐車場
駐車場に着いた時、2台の車があった。1台はエンジンをかけっぱなしで中年の男性が外に出てなにかをしていた。怪しいな、車上荒らしではないかと思った。
登山準備をしながら近づいて挨拶したら、どちらへ登るのですかと聞かれた。そして、「女性陣がこたつから出てこないので・・・」と言い訳をした。
登山準備をして、何処が登山口かなとウロウロしていたら、「ここが登山口で、少し行って右に行けば甲武信ですよ」と教えてくれた。車上荒らしかと疑ってごめんなさい。

駐車場には立派なトイレがありますが、冬季使用中止の張り紙があって、鍵がかかっていました。

登山を終えて戻ってきた所
登山口
という事で、登山口は駐車場奥の左側にある林道(一応、車止めがしてある)であった。
横には立派な案内板が立っている。



4km標識
林道を500m程進むと「千曲川源流4km」の案内標識があります。その後もなだらかな道が続くので、4kmだから1時間位で源流に到着するのかと思いましたが、案外時間がかかりました。やはり、昨日の薬師岳からの中道を2時間で駆け下りたダメージがあったのかもしれません。
何れにしても今日は時間的には余裕があるので、急ぐ必要はありません。のんびりと進みました。


大山祇神社の祠
4km標識から少し進むと大山祇神社の祠があります。ここで、帽子と手袋を取り、ていねいにお参りしました。お賽銭は100円しましたが、10円や1円ばかりだったので、いい気分になりました。きっとご利益があるに違いありません。

戻って来た時に撮影
岩穴
横を流れる川音は高く、源流が遠くにあることを想像させてくれます。川沿いなので登山道の傾斜はほとんどありません。
右側の岩に何人も入れる大きさの岩穴がありました。熊でも潜んでいないかとちょっと恐々見ながら通過しましたが、人通りの多いここに入る可能性はないと思います。
やがて、崩壊した斜面を右に登って行くようになったので、「やれやれ、やっと登山道になるか」と思いましたが、すぐに傾斜の少ない登山道になってしまいました。「遊歩道」という標識がありましたが、間違いありません。

(戻り時に撮影)
なめ滝
このコースの見所はなめ滝と知っていましたが、登るときは気付かずに通過してしまった。案内標識が立ち木に釣り下がったチャチなものだったのと、想像していたほど立派ではなかったからである。
来るまではここを通過するのだろうと思っていたが、川は渡らずに横を通るだけだった。長さは結構あるが高さは少なく、水は岩の表面をまさしくなめるように流れている。夏なら滑って遊ぶのも良いかもしれない。
なめ滝は水量の多い所を除いて氷っていた。

千曲川源流はまだ?
さて、遊歩道は行けども行けども横の川の水量は多く水音も高い。

幾度か橋を渡って進み、流れが2つに分かれて、左側の流れに沿って登る。まだまだ水量が多く、水音もしている。従ってまだまだ先だろうと思って歩いていると、唐突に源流に到着した。
千曲川信濃川水源地標

ここは直径10mほどの広場になっているが、ベンチのようなものはない。ここで休憩しようと話していたので、休憩してパンを食べた。

中央の木の根元から最初の水が流れ出ている。方々から湧き出ているとみえて、5mも下では結構な水量となっている。帰りにこの源流の水をペットボトルに汲んで、家でコーヒーを飲んだ。妻はおいしかったわよと言ったが、ホームページ作業に追われていた錆鉄人は味わう暇もなく流し込んでいた。
遊歩道から登山道へ
上の写真とほとんど同じであるが、ここからは谷川から離れ(水源から上は単なる谷でしかない)尾根目指してまっしぐらに登ります。
いままでの遊歩道に慣れてしまった天女は、昨日の疲労が残っていてハーハー息をしながら登っていきます。

尾根道
水源からは10分ほどで尾根に出て、標識に従って左に進みます。ここからしばらくはなだらかな時には下りもある尾根道を進みます。尾根に出ると風が強いかと思っていましたが、風はあまりありませんでした。

帰りに天女は真っ直ぐ進んでしまった
頂上直下
やがて岩だらけになると頂上は近い。岩屑が多いが、それほど滑ることはない。標高差は100m位であろうか。天女は結構疲れているようであった。
(下山時撮影)
頂上
やがて頂上の標柱が見えた。もう少しだよと声を掛けたら頂上から声が聞こえてきた。今到着したばかりで「誰もいない」と言っていた。
頂上に着いてみるとアベックだった。男性は60過ぎに見えた。挨拶をして天女が「きれいな奥さんですね」と言ったら「奥さんじゃないです、彼女は20代ですよ。」と言われた。錆鉄人は奥さんにしては若すぎると思っていたが、アベック=夫婦と短絡的に考える所はいかにも天女らしい。
お互いに写真を撮り合って、少し雑談をした。彼らはすぐに下山したが、我々はここで食事(といっても昨日の残りのパン)を食べた。テルモスに入れた紅茶はまだ温かさが残っていた。下りではいらないだろうと全部飲んだ。

以下、続く

山並みの向こうに真っ白な山が見えた
北アルプスだろうと思ったが・・・

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