富士山を眺めるなら 大菩薩嶺
(04.04.17 撮影)


大菩薩嶺

中里介山の「大菩薩峠」なら読んだ事はなくても
知らない人はいないのではないかと思われる。
大菩薩峠は富士山を眺める絶好のポイントとして有名である。
しかし、そこから1時間程登った所にあるのが大菩薩嶺。
これも百名山である。
都心に近く交通のアクセスも良く有名な大菩薩峠との3点セットであり、
上日川峠に向かう道路を下りてくるたくさんの登山者とすれ違った。


どうやって行くの?
雲取山からはそのまま国道411号線を甲府のほうに走っていけば、大菩薩峠の登山口に達する。そこを東の方に登って行けば良い。ただ、曲がってみると、すぐ三叉路になっていて、どちらへ行くの?と思ったが、真っ直ぐの方からたくさんの登山者が下りてきたので、こちらだろうと進んだら正解だった。
結構急な坂で所々はすれ違い不可能な場所がありますが、注意して進んで行けば上日川峠に到着します。
【ちょっと豆智識?】
「大菩薩峠」は中里介山の20巻からなる未完の大長編であるが、20巻まで書きながら介山は59歳で没してしまった。自分は名前だけは知っているが読んだ事はない。恐ろしいほどの数の登場人物と複雑な物語で、よほどの根気がなければ読み切ることは難しいと言われているので、自分には無理だと最初から相手にもしていない。
駐車場
峠のロッジ長兵衛の前には約20台ほどの駐車スペースがあり、空いていたのでそこに停めて登山の準備をした。(登山靴をはいた。)しかし、その先の道路の横にも駐車場があり、ずらっと車が並んでいた。あの先に停めたら歩く距離が少なくて済むと考えて車を動かして。そこから道路を歩き出した。歩けども登山者に出会わない。
どうも違うと思って地図を良く見るとこれは国道につながる県道のようである。引き返して車もロッジ長兵衛の前戻して再出発した。

登山口は実際はこの道路のはるか向こう
大菩薩峠はこの先かと思って車を持って来て
さらに反対側へ500m以上歩いてしまった。
ちゃんと確かめて出発しましょう。
登山口
ということで、登山口は上日川峠のロッジ長兵衛のすぐ右の舗装されたこの部分です。
ちゃんと登山口と書いてあって、たくさんの登山者が下りてきていたのですが、地図では登山道と福ちゃん荘まで車が走れる道路がほぼ平行してあったので、この登山道を行くより右の車道を行ったほうが楽だと思ったのでした。
実際はこの狭い舗装道路が福ちゃん荘まで行ける車道で、登山道はこの左側にあったのでした。
結局、13:42 再出発

下山時に撮影
福ちゃん荘
福ちゃん荘までは、登山道と幅の狭い舗装された車道が平行してあるが、車道のほうが歩きやすいのではないかと考え、車道を歩いた。数台車が下りてきた。しかし、こんな狭い道路ですれ違う所があるかどうかも分からない所を良く進入したものだと感心する。自分は絶対に行く気にならない。
この時間なので、下ってくる登山者と大勢すれ違ったが、登山道を歩いている人のほうが少ないようだった。
13:55 福ちゃん荘に到着。

福ちゃん荘は営業中
登山道
勝縁荘まではほんの5分程度で、ここまでは舗装されている。勝縁荘は閉鎖されているようで人の気配は感じられなかった。
ここから大菩薩峠までは林道が続いている。林道といっても、普通の林道とは狭く、軽自動車がぎりぎり通れる幅しかない。所々ぬかるんで轍が深くなった所があったので、傍らの直径15cmほどの石を数個投げ込んでやった。
峠の小屋まで資材を運んでいるのは、軽トラックだろうと想像していたが、峠に停めてあったのはジムニーだった。
峠の直前で高年の単独行者に追いついたので、これから頂上まで登るのですかと尋ねたら、峠の小屋までとの返事だった。

この左側には谷川があった。
大菩薩峠
勝縁荘から大菩薩峠までは案外距離がある。傾斜もそれなりに急な所もあり、到着したのは14:25分だった。勿論、妻を急かせばもっと早く到着出来るが、今回は絶対に「もっと早く」などと急がせることは言わないでおこうと思っていた。妻をこれからも登山に連れて来るためには「いい気分」で歩いてもらう必要があるからだ。
先ほどの高年の登山者?は、小屋の人と知り合いらしく、屋根の上の小屋が話しかけていた。どうやら、インターネットの掲示板かなにかで誰かが今日ここに泊まるという事を知った、とかいう内容だった。

残念ながら富士山は見えなかった。
風が強く寒かった
避難小屋
この時間、登る人は見当たらなかったが、下りて来る人は何パーティーかあった。
10分余りで避難小屋に到着。
日本中の笑いもの
これが有名な日本中の笑いもの「標高2000米」の標柱である。後で頂上の標柱も写しているが、それに比べて何と立派な標柱であろうか。馬鹿な市長が西暦2000年を記念して提案し、馬鹿な議会が無駄な予算を付けたという事である。
日本中に標高2000mの地点がある市町村はたくさんあると思われるが、他にこのようなものの設置は聞いていない。ここの市長が余程のアイデアマンだったのか?税金の捨て場所に困っていたとしか考えられない。そういえば、ここから下を眺めるとダムがあって人造湖が見える。普通、ダムといえば短い堰堤で谷を堰き止めて長い谷を貯水に利用するものであるが、このダムはやけに堰堤が長い割に人造湖の奥行きがなく、非効率なダムだと思った。少なくとも数十億円がかかっているのだろうが。

日本中の笑いもの「2000米」標柱
もう誰もこんなものの写真を
撮る者はいないと思われる。
雷岩
Webで知っていたが、2000米標柱は設置したときはもっと立派に光っていたのであろうが、風雪に洗われてみすぼらしくなっていた。
少し進むと雷岩である。ここから頂上まではあと僅かであり、そのまま通過した。
ここから左に下るルートが福ちゃん荘へ一気に下る唐松尾根ルートである。

大菩薩峠からはこの岩を越えてやってくる
頂上
雷岩から頂上までは傾斜もゆるやかであるが、林の中の登山道は踏み固められた雪が薄くわずかに残っていて、解けた部分はぬかるんでいた。しかし、この往きも数日で溶けてしまっただろうと思われる。
頂上は周囲を林に囲まれている直径10mほどの広場になっていて展望はない。やはり一段高い部分なのでぬかるんではいない。

頂上の標柱はかの「2000米標柱」と比べて半分位の大きさでつつましく建っていた。

15:04 頂上にて
唐松尾根の下山
雷岩まで戻って、右に進み唐松尾根コースで下山する。このコースは通称「馬鹿尾根」と呼ばれる登り一本調子のコースで登りには敬遠されていると書いてあるが、それ程の下りではなく、所々平坦な場所もあった。
途中で1人登ってくる人に出会った。この時間からこのコースを登るとは・・・と思ったが、4時ごろには頂上に着いて、上日川峠に5時には戻れるだろう。自分達と同じ百名山コレクターかもしれない。

下りはルンルンの妻
真ん中に白く見えるのが福ちゃん荘
皇太子ご夫妻御休憩所
唐松尾根でダイレクトに福ちゃん荘に到着。15:40、特に急がなかったが雷岩から25分だった。
ここからは、舗装された車道と登山道と2つのコースが選択出来るが、同じ道も芸がないので登山道を下りることにして、福ちゃん荘の横を通ると、妻が皇太子ご夫妻御休憩所の表示板を発見。何もこんな所で休む必要もないが、これもご夫妻のお努めの一つであろう。
登山道の下山を選択したのは正解だった。落ち葉の踏み固められた登山道は、舗装道と比べてフカフカとクッションが良く足に優しかった。
ロッジ長兵衛のアイスクリーム
15:58 歩き易い登山道を下って気分良く上日川峠に到着。妻はトイレに行くというので、ザックを受け取って駐車場に行き、車に仕舞い、登山靴を脱いでスリッパに履き替えた。駐車場にはほとんど車はなくなっていた。
何か買おうとロッジ長兵衛に戻る。本来ならビールでも飲んで・・・という所であるが、これから車で瑞垣山荘まで2時間以上走る必用があるので我慢であった。
店の中にはおばあさんがいて、ストーブが点いていた。女の子が今日のアルバイトを終えて店を出る所で、あいさつを交わしていた。
アイスクリームのメニューに、牧ノ戸峠のアイスクリームを思い出し、妻も食べるだろうとおばあさんにアイスクリーム出来ますかと聞くと、「皿に盛るんだけど」と答えた。注文すると、皿の上にアイスクリームがあって、その上に10個程ぶどうが盛られていた。そのぶどうがアイスクリームの味をさらに引き立てていた。トイレから戻ってきた妻を呼び込んで、ストーブにあたりながらアイスを交互に食べた。このぶどうはここらで取れるものではないが、この店で味付けしているとの事だった。
ストーブの横にはポットが置いてあってお茶も飲ませてもらった。申し訳ないので何か買おうと物色して、アンデスで掘っているというピンク色の岩塩を買った。たった200円なのが妻らしい。さわったら手がニチャニチャになったと言って車に戻る前に手を洗いに行った。
た、大変なことに・・・
とりあえず甲府に出て、どこかで食事をしてそれから瑞垣山荘に行こうと考えたので、適当に走ったら勝沼を通過した。
メルシャンワインの工場とかぶどうの丘とか、家族で富士山に登った翌日に観光に来た所で懐かしかった。ぶどう狩りをしたのはどのぶどう園だろうと思ったが、名前を覚えていない。どこも季節外れでガランとしていた。
この当りから眠かったので駐車できる所を探して走っていたが、国道11号線に出た。道路沿いの複合店の駐車場に潜り込んで横になったが眠気は去っていた。
トイレを兼ねて店に入ってみるとディスカウントショップで、お菓子やアクエリアスを調達することになり、パンも2割引だったので5個買った。レジを出てトイレに行って戻ってくると、妻が向かいの韓国料理店で1割引の件をもらったと言う。どこかで食事をしようと思っていたので、そこに入ることにした。
本物の韓国人が経営している店で、テーブルには韓国人の家族が食事をしていて、ウエイターも片言の日本語であった。メニューを見て焼肉セットが2,500円位だったので店員に聞いたら3〜4人分ですと答えたが、それ程多いとは思わなかったので注文。さらにご飯が必用だと本場のビビンバをそれぞれ注文、さらに野菜も必要だとサラダを注文した。(注:ビールは飲んでません)
運ばれてきてビックリ。焼肉セットは写真になかった大量のキムチと生野菜の皿が2つも付いている。ビビンバも今まで食べたビビンバの1.5倍はあるように見えた。さらに味噌汁も付いている。
覚悟を決めて食べ出したが、半分位食べた所で腹が苦痛を訴え出した。時間をかけてでも食べるぞと焼肉の火力を弱めた。遂に自分の分は完全に平らげた。当然、肉やキムチも妻の1.5倍は食べたはずである。
妻は音を上げて、韓国衣装の女性に聞いたら片言の日本語で答えて、茶碗ごと持って行ってパックに詰めてくれた。親切なだけではなく美人だった。妻は店を出る時にその女性に韓国語でさよならを教えてもらったが、自分が尋ねた時にはもう忘れていた。
店を出て何とか車に戻ったがもう動けない。1時間程横になっていた。娘に山は2つ登ってきたけど大変なことになったと電話したら、ビックリした後、真相を聞いて笑った。今秋の登山で一番苦しい体験だった。

2日で百名山4山登山
雲取山大菩薩峯金峰山瑞牆山

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