残雪の 金峰山



金峰山(2,595m)

八ヶ岳からさらに南にある金峰山であるが、
この近辺の山を登ろうと決めた時から
ヤマケイの主要山岳情報を毎週チェックしていた。
登山口の瑞垣山荘が情報を発信していたが
山荘付近の雪が消えたと出ていたのが数週間前だった。
11日の情報では、
登山道の雪はほぼ消えたがアイゼン必用との内容だったと記憶する。
当然、妻のザックにも簡易アイゼンを入れた。
自分用は10本爪であり、本当に大変な所があったら妻にはかせるつもりであった。


どうやって行くの
大菩薩嶺を登って、甲府経由で瑞垣山荘に向かうので、国道11号線を北上して、韮崎インター方面の表示で右折して、すぐに左折して国道141号線に入り、途中で須玉町方面に右折して、あとはどんどん山の中に入って行けば良い。
福井方面から来る場合は、須玉インターで下りればほぼ一直線です。登山ガイドには益富ラジウム温泉を経由して瑞牆山荘に至るルートが案内されていますが、Webで調べた所、2002年に全国植樹祭を行った為、黒森方面の道路が良く整備されて早く到着出来ると書いてあったのでこちらのルートを取りました。黒森から瑞牆山荘までの数キロはややすれ違いの困難な道路幅でしたが、急カーブもなく(夜なので対向車もなく)ハイアベレージの走行が可能でした。
瑞牆山荘の左側にトイレがあり、水洗のトイレは水が出るのに、手洗いの水は止めてあって不親切だと思いました。(冷え込んだ場合に凍結の恐れがあるのかもしれませんが)
甲府市を出発する時、妻に地図を渡し、こうこういうルートでここに行くのだと伝えナビゲーションを頼む。妻は早速、交差点の表示を確かめ現在地を確認し、指で押さえて必死の形相で現在地を見失わないようにとナビゲーションを始める。「まだここをずっと走るんだから今はいいよ」と言うが気を緩めない。さすがに少し慣れてきたのか、「次の信号をどちらかに行くのよ」とは言わなくなった。
道路の標識は分かり易く、(妻の完璧な?ナビがなくても)須玉町方面への交差点まですんなりと走れた。コンビニで食料とビールを買わなくてはと思ったが、須玉町にあるだろうと進んだが、道路沿いに町らしい所はなく、人家もまばらになってきた。せめてビールだけでもと、自動販売機の前でスピードを緩めるがビールは売っていない。もう諦めていたが、こんな山奥に?と思う所に何故か農協支所の小さなビルがあり、そこに「ビール」の自動販売機があった!350ミリのスーパードライを2本買った。1本230円か240円だったが、500円でも買っていたかもしれない。とりあえず、メデタシ、メデタシであった。
100台は駐車できると思われる広い駐車場の最奥に1台だけボンゴワゴンが駐車していたので、その少し横に駐車した。
登山口
朝目が覚めたら、ボンゴワゴンが食事の準備をしていた。我が家はコンビニで買えなかったのでカップラーメンの朝食であった。お隣さんにあいさつに行く。茨城の人だが、高速代金がもったいないので瑞垣山だけ登って下道で帰ると言っていた。我々は折角来たので、金峰山と瑞牆山を登って帰りますといった。

駐車場からは瑞垣山荘に戻って、そこから富士見平小屋に向かって出発である。昨日の韓国料理の食べ過ぎの影響で大きく膨らんだ腹の中のものを出してすっきりして出発。

5:42 瑞垣山荘前の登山口
ベンチ
瑞牆山荘からゆるやかな登りを進むと林道を横切る。林道には里宮参道と書いてあるが、横切ってその先の登山道に入る。ここからはジグザグに尾根に登る。登りきった所にはベンチが置いてあり、林越しの瑞牆山が眺められる。
金峰山の後はあそこに登るんだよと妻に告げ、一緒に眺めたがどこから登れるのだろうと思うような岩山であった。

富士見小屋
昨日の韓国料理の影響で、妻はここでもトイレに駆け込む。ここは金峰山と瑞牆山との分岐点である。トイレは小屋の前を通って右に行くとあるが、この樹の手前にも踏み分け道があったので、そちらに行くのかと思っていた。
妻が戻ってきたので出発しようとした所に登山者が現れたので尋ねたら、トイレの横を通って行くのだと分かった。トイレの所まで行くと標識が出ていた。妻に折角トイレに行ったのだからそれ位見てきてよと言ったが、登山者のおかげでロスはなかった。

富士見小屋 6:15
大日小屋
少し歩くと大日小屋に到着。ここでも妻はトイレに行く。一気に便秘が解消して、お腹がすかっりへっこんだと言って喜んでいたが、ここまでのペースは遅々たるものだった。

大日岩
大日小屋から少し進むと大日岩に出くわす。大日岩はものすごく大きな岩で、歩いている時は気が付かなかった、登山道はその根元をぐるりと回りこんでいるのであった。

ここからは樹林帯の登りとなり、半ばアイスバーン状になっていて、妻はへっぴり腰で登れない。怖がっている間にズルズルと滑り落ちる。こんな所ぐらいスイスイ行けるだろうと先に進んで待っていてっもズルズル。それでも文句を言わない優しい夫であった。そんな訳で果てしない時間をかけて金峰山の見える稜線に出た時の感激は大きかった。

大日岩はそれ自体が山であった
千代の吹き上げ
苦労して苦労して時間をかけて樹林帯をどうにか突破。稜線に出たのでお化粧直しならぬ日焼け止めを塗る。

中央左の鋭い隆起が金峰山のシンボル五丈岩。金峰山はその左のなだらかなピークである。

同じ場所から富士山を写す
(心眼!)
この下は恐ろしい断崖絶壁であった
金峰山頂上
稜線でも所々雪はあったが、アイスバーン状ではないので難なく進んで、五丈岩を越えたらすぐに金峰山頂上に到着。


見晴らしがいいので妻もご満悦
頂上からの展望

向こうにみえるのが甲武信岳と説明されたが・・・

南側には五丈岩がそびえる
さらに右手には瑞牆山が見えた。
五丈岩
帰りに五丈岩に登ってみた。
Webで金峰山の登頂記を見たら最後の断が登れなかったと書いてあったが、下から見る限り簡単そうに見えた。しかし、ピョンピョンと飛ぶように登ってみると、上の方の岩の高さが思ったより高く、登るのは困難思えたのであっさり諦めて降りた。


真ん中にいるのが見えますか?
(下山ならぬ下岩中)
軽アイゼン
千代の吹き上げで妻に6本爪の軽アイゼンを着けてやった。今まで持って来ても付けた試しがないので、どうやって装着するのか分からず手間がかかっている間に、一緒に下りてきた東京の単独行の青年は12本爪の本格アイゼンを手馴れた手つきで装着して先に出発した。
軽アイゼンを着けた妻は少し歩くなり「これはいい!」と叫んで、登りにあんなに苦労したアイスバーン状の下りをスイスイこなす。しかし、途中でもう終わったと勘違いして外してしまい、少し進んだ所で現れたアイスバーンできれいに尻餅をついてしまった。妻は痩せているので尾底骨を打ったらしく顔をしかめた。「そういうときはザックで受けるといいんだよ」と言ってもあとの祭りであった。
大日小屋に戻ったら、先に下りた単独行の青年がアイゼンを外していた。妻の簡易アイゼンを苦労して着けている所を見ていたので、「12本爪はかえって引っ掛かるので、6本爪のほうが良かった。」と言った。妻は「早く外してしまったので尻餅を着いてしまいました。」と報告。彼は2つも登る体力がないから、金峰山だけで帰ると言っていた。
この後の瑞牆山に備えて、ここで給水した。水場は小屋のすぐ左手にあり、妻はおいしいと言ってたくさん飲んだ。
この後、富士見小屋まで戻り、瑞牆山に登り福井に帰った。

2日で百名山4山登山
雲取山大菩薩峯金峰山瑞牆山

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