人が降って来た 武尊山

撮影 04年5月29日

武尊山(2,158m)

赤城山を登ったら普通は少し北の皇海山であるが、
登山口までの栗原川林道は通行止めで名高い。
インターネットで調べたら案の定、通行止めになっている。
従って、近くにある百名山は?と捜して武尊山に登ることにした。
赤城山からはやや遠いが、新潟に近くなって帰るには近く好都合であった。
問題はこの時期の残雪の量であった。
しかしながら、行ってみたら案外大したことはなかった。

どうやって行くの?
福井からは関越道で谷川で下り、裏見の滝駐車場を目指します。
裏見の滝の駐車場は40〜50台駐車可能です。滝とは反対側は舗装された駐車場でトイレもあります。
駐車場には数台が駐車していたので、その横に車を止め、トイレに行ったとき、1台の車が登っていきました。「あれ、行けるの?」と思って妻がトイレに入っている間に車を走らせて100mほど先の武尊神社の所まで行くと。その先も通行止めにはなっていません。駐車場に戻ってトイレに行ってから妻を乗せて再度車を走らせました。
林道終点の駐車場
2kmほど走ると路肩に1台の車が駐車していて、さらに100m程進むと10台ほどの車が狭いスペースに駐車していて、戻るにもUターンさえ出来ません。そのまま、バックで先ほどの車の所まで戻り、その車の後に駐車しました。ここは比較的広いすれ違いスペースなので、自分が駐車してもまだすれ違い出来る充分なスペースがありました。
ここでまずは腹ごしらえ、とパンを食べていると、林道で追い越した夫婦連れが横を歩いていきました。10分程遅れて出発しました。
林道終点の駐車場に行っても、登山口が何処かは書いてありません。まあ、この林道をさらに進むのだろうと思い進みました。ここからは、林道も荒れていて四輪駆動車でも難儀しそうな悪路なので、ここに停めてある理由がわかりました。

右のほうが駐車場でさらに7〜8台駐車。
これだけ登山者がいるなら心強いと思いましたが・・・
登山口は何処?
さて、珍しく地図を出してみましたが、林道最終点からすぐ左側の尾根に取り付くようになっていますが、駐車場にはそれらしき標識も登山道もありません。林道最終点だからとりあえずあれた林道を進みました。先行の夫婦連れは見当たりません。しかし、よく見ると林道に足跡が見えたので、これでいいのだろうと進みました。
やがて、林道を谷川が横切って小さな渡渉ポイントになっていました。谷川にはたくさんの缶ビールが冷やしてありました。再度地図を見ると谷川沿いに登山道があるように書いてあり、谷川の手前には踏み分け道が見えたので、数歩歩き出しましたが、どうも違うと思って、渡渉してその先の林道を進みました。100mほど進むとちゃんと登山口の標識がありました。

登山口の標識
懺悔坂
登山道は針葉樹の林の中を快適に登って行きます。落葉した針葉が積み重なってじゅうたんの上を歩いているようでした。
先ほどの夫婦連れが見えました。我々が追いついて来たので、ご主人がスピードを上げて奥さんを引っ張っていましたが、やがて諦めて道を譲ってくれました。
あまり険しい所はないのですが、懺悔坂と書かれた所がありました。何か謂れがあるのでしょうか。


尾根
やがて尾根に出ました。ここまではどうってことのない登山でした。
避難小屋
尾根の分岐から100m程進むと避難小屋の標識があります。

尾根から数十m下に避難小屋
鉄製のかまぼこ型です
周囲には雪渓がありました
愚痴尾根
懺悔坂の次は愚痴尾根です。でも、愚痴をこぼしたくなるほどの長さでも険しさでもありません。
でも、いろいろ書いてあると気分が紛れて良いものです。

ビールの冷却
避難小屋の分岐から少し歩いた頃から登山道の脇に残雪が出てきました。昨日買ったビールを冷却するために、ビニール袋を取り出して雪を入れビールを入れ、ザックの横に取り付けました。
コンビニでくれた袋は丈夫ではないので、水が漏れてズボンがびしょ濡れになってしまいました。コンビニの袋は取り付けるのには便利ですが、雪を入れるしっかりした袋を中に入れて二重にすると万全だと思いましたが、次回登山の時もしっかり忘れていました。

ハシゴ場
林越しに頂上が迫っているのが見えましたが、進んでいくと広い雪渓があり、その向こうは思いもよらぬハシゴ場です。雪渓の前で数人の人が休憩していました。雪渓には古い足跡しかなく、今日の先頭になったのかもしれません。
さて、ハシゴは結構急なうえに上の部分はとても細くて頼りなさげに見えました。しかし、妻は覚悟を決めているのか、文句も言わずに登っていきます。(時間もお金も勿体ないので、ここまで来て戻るとは言うはずがありません。)

クサリ場
   
クサリ場も妻は黙々と登ります。


こちらはロープ場
ここは段差があってちょっと登りにくい

登り詰めると頂上ははるか向こうでした。
救いはほとんど登りがない事でした。
ということで間もなく頂上へ。
頂上

頂上に着くと、思いのほかたくさんの登山者がいました。その数約20人。

冷え冷えのビールを手に撮影
雪と同じ温度のビールは最高の味でした
武尊牧場からのルート
登ってきた人に話を聞くと、武尊牧場から登ってきたが、途中は雪渓続きだと言っていました。武尊牧場までバスで来たようですが、こういう人のほうがマイカー登山よりはるかに多いという事が分かりました。

ここからは雪渓が多いとは分からなかった
下山
雨が心配なので昼食を食べると、すぐに下山しました。クサリ場などの下りはどうなるかと心配しましたが、妻は案外スムーズに下りて行きました。それなりに技術が身に付いたのでしょうか。
途中で同じ年代の夫婦連れに追いつきました。なぜかこのダンナも我々を意識してしばらくスピードを上げて下っていましたが、やがて道を譲ってくれました。「有難うございます。」と言って脇を通って十数mタタタッと駆け下りていると、ドドドドッとすごい音がしたので振り返ると、道を譲ってくれたダンナが笹原を転がり落ちてきて、同じ高さ位の所まできて止まりました。ちょうど愚痴尾根の辺りだったかもしれません。
我々に対抗してペースを上げたので、足がヘロヘロになっていたのかもしれません。びっくりして「大丈夫ですか、傷テープならありますよ。」と声を掛けましたが、「大丈夫です、怪我はありません。」と言うので良かったと思いながら直ぐに下りましたが、ちょっと様子を見てあげるべきだったかもしれません。

駐車場へ戻る
林道の登山口の所に戻ると7〜8人の若い登山者がその回りで休憩していました。時間をメモしようとカメラを構えたら、気が付いた人が超えをかけて退いてくれました。中年の似非登山者より余程マナーが良いと思いました。
林道を下って駐車場に戻ると、登る時はぎっしりだった車は半分以下になっていました。大半は山菜採りの人だったのでしょう。

武尊神社
裏見の滝の駐車場戻ってトイレに行き、また車で戻って武尊神社にお参りして、無事下山を感謝しました。
この左手に2台程の駐車スペースがあります。下の駐車場から200mもありませんので歩いてもすぐですが・・・。

裏見の滝
別称 ほうらいの滝
   
滝へは急な坂道でスリッパでは歩きにくかった。かならずちゃんとした靴で行ってください。想像以上に立派な滝で、マイナスイオンが大量に発生していると書いた看板があった。
古来よりこの滝裏の祠は不老不死の聖地とされ、滝裏を往くものの願い事が叶うといわれ、途中の2つの滴りは、<知泉>;頭に付けると頭が良くなり、<美泉>;顔に付けると心身共に美化されると言われているとの事であるが、残念ながら崩壊などの安全対策として通行が禁止されていたので、滝裏に行き「ボケた頭をよみがえらせる事」も、「薄くなった頭髪を再生させる事」も、ましてや水も滴るいい男になることも出来ませんでした。残念!

  マイナスイオンに包まれてリフレッシュ
テルメ谷川
後は帰るだけであり、Webで調べておいたテルメ谷川へ行きました。水上インターに戻る途中、右のほうに2km程登った所にあり、露天風呂等設備が良いが村営なので料金が安い(500円)と書いてあったのが決め手でした。

駐車場はほぼ満杯で、中も大混雑していましたが、階段を下りた所の露天風呂は結構大きく、前に広がる新緑も気持ちが良かったです。
妻は日光が当たっていたので、日焼けを恐れて露天風呂には入らなかったらしいです、勿体ない。
結構長く入っていたつもりでしたが、上がっても妻が来ないのでゲータロードを買って飲みながら15分位待っていました。福井では売っているのを見たことがありませんが、ポカリと比べて嫌な甘さがないので良いと思います。

   (駐車場にあった谷川岳の碑)

       谷川岳(俎ー)

     白眉の麗峰天空に聳え
     千尋の懸崖雪を粧いて屹つ
     夕日は雲に浮びて翳る俎ー
     幽谷深沈として人煙を絶す

テルメ谷川の印象としては、こんなに混雑する所には来たくないと思いました。今後、谷川岳の登山・観光シーズンとなるともっと混雑すると思われますので、ここは避ける事をお勧めします。

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