日本最古の霊峰 石鎚山

04.11.06

石鎚山(1,982m)

百名山夫婦合計100山登頂を今年の目標としてきたが
7月の強烈捻挫の後は雑用が多かった事もあって登山機会が激減してしまった。
9月に雨飾山を登って遂にリーチとなったが
10月に2回しかない天女との共通休日は旅行計画だったので
11月に登らなければ越年しそうな雲行きとなってしまった。
そこで、11月の休みは月初めの土日を希望するように言った所、
希望通り6日(土)7日(日)が連休でもらえた。
そこで記念すべき100山としてふさわしい山を捜した。
そして石鎚山または甲武信を候補とした。
これだけ離れていればどちらかは登れる天気だろうという計算だった。
第一希望は石鎚山であった。
前から行きたかった
大山祇神社観光と
道後温泉・しまなみ街道を組み合わせた計画を作成した。
11月からはETC夜間割引が始まる事も計算して
充分観光して、帰りも途中で寝て0時過ぎに高速を下りて
高速料金の深夜30%割引を利用するつもりであった。

どうやって行くの?
福井からはの最短ルートは、明石大橋から淡路島経由で四国に上がり、一旦高速を下りて数キロ下道を走って徳島ICから高速に乗っていよ西条まで行くルートが最短です。
しかし、ETC深夜割引は一旦高速を下りるとクリアされるので、淡路島で午前0時を過ぎる必要がある事になります。どうせ車中泊なのでどこで寝ても同じなのですが、淡路島で車中泊した場合、残りの距離が長いので次の日が大変です。そこで、ちょっと距離が長い分料金も数百円高くなるのですが、鳴門で高速を下りずに高松回りで行く事にしました。
しかし、実際は四国に入ると眠くなってしまったので、少し走った所にあったパーキングに車を停めて車中泊しました。
じつは、四国まで来ればかなり近いと思っていたのですが、いよ西条ICまではまだ1時間半もかかったのです。何度も目が覚めては寝るの繰り返しをして、ようやく空が薄明るくなった5時半頃に起きて、トイレに行って出発しました。東の空に金星と木星が、明るく2つ並んで輝いていましたが、天女は相変わらず寝ていました。
西条の手前のサービスエリアに入って食事をしましたが、ここで食べたものが当ったのか、天女は登山を始める前までに4回もトイレに行く事になりました。また高速を下りた後にガソリンスタンドがないと困るので、、ガソリンを給油しましたが、525km(家を出発してからは460km位)で42リットルという空前絶後の高燃費(12.5km/L)を記録しました。1リットル119円でした。
今回は、全般に100km/hを越えないように走った事と、オイル交換後5,000km近くなってオイルの粘度が低下していたためと思われます。(次の日曜に交換する予定)
西条〜土小屋
西条で下りるとたくさんスタンドがあって、116円でした。なかには現金113円というスタンドもあり、大損をした気分になりました。左折して国道196号線に入り、しばらくすると「右折・石鎚山」の標識がありますが、これはロープウェー乗り場への道路です。(一般的にはこれがルート)ちなみに、この道路も先の台風の被害で11月1日に解除されるまで通行止めだったので、ロープウェーの客が来ないので運休していたそうです。
道路の脇にはいたるところに、土石流など台風の爪跡が残っていました。圧巻は国道をふさいだ土石流で、もとの国道の10m以上上に作られた仮道を交互通行する所もありました。
長さ5,000mを越える寒風山トンネルを過ぎて、10kmほど走ってから右折して土小屋を目指します。標識には「石鎚公園」としか出ていなくて、土小屋(石鎚スカイライン)に行けるのか心配でしたが、地図ではここしかないので入りました。(寒風山トンネルの手前に石鎚林道でも行けるようですが、台風の影響で通行止めとなっている可能性があると思っていました。)
この道路にはビックリです。まるで南アルプス公園線の広河原までの道路のように、岩を削った所に道路を造ったような感じです。しかももっと曲がりくねっているので、視界は悪い、スピードは出せない、しかも数キロ走るとそんな所に集落が点在している・・・
ノロノロと、いえいえ、かなり一生懸命走っているのですが、時速30kmがやっと、ブラインドカーブの連続ですぐにブレーキです。恐らく1時間半ほどこの道路が続いたように思います。
土小屋遥拝殿
苦労に苦労して(といっても前に横浜ナンバーのセルシオがいたので前方注意の必要がなく、一人で走っているのではないのでオーバースピードとなる事もなく、安全に走れたのではありますが・・・)稜線に出て、石鎚山スカイラインと合流、ここは土小屋で30台程停められる駐車場がありますが、ほぼ満杯でした。ちょうど、バスを下りた40人程の団体さんが歩き出していました。
国民宿舎の所に大きな駐車場があると書いてあったので、そちらに進みました。500mほど先に国民宿舎への入口があり、その分岐の所に数台車が停まっていました。

土小屋遥拝殿
登山者はここで参拝してから
この神社の左側を通り階段を下りて
登山道に入るようになっていました。
国民宿舎
道路から100m程登ると、国民宿舎で宿泊客用の駐車場があるだけでしたが、天女がこの日早くも4回目のトイレに行きたいというのでトイレを借りている間、辺りを歩いて登山口はこの建物の奥にある事がわかりました。下に300台程駐車できるのではないかと思われる大駐車場があり、10台程駐車していましたが、そこから国民宿舎までは結構あるように(4〜500m)見えたので、分岐の所の道路わきの駐車場に車を止めました。横浜のセルシオも一緒に国民宿舎まで上がってきましたが、戻ってここに駐車して準備していました。30代前半と思われるアベックで、ちゃんとした装備でした。天女は登山用の服装をしていたのに、出発の準備は自分のほうが早く済んで、アクエリアスを500mlペットボトル3本に移し変えて10:00ちょうど出発。隣のセルシオ組はなぜかまだ出発しません。
空いているので駐車しても良いかと聞いたが
今日は一杯なので駄目だと言われた。
戻ってきてもガラガラだった。
国民宿舎分岐
国民宿舎から5分も歩くと父小屋からの登山道に合流します。標識には国民宿舎まで150mと出ていました。
写真のように、なだらかな稜線歩きです。
登山道
登山道はよく整備されていて、写真のような木の階段や通路が整備されています。

石鎚山
登山道は所々階段があったりしますが、総じてきつい登りのないやさしいルートだと思いますが、天女のピッチは上がりません。
しかし、「速く!速く!」と言うと天女のご機嫌斜めとなる事を知っている錆鉄人は決して口に出しません。でも、小さな階段が続く所で1段づつ登る天女に、「大股に段を飛ばして登ったほうが楽だよ。」と助言する錆鉄人はそれを実行しているので、前を歩く天女の足を蹴飛ばす勢いでした。
すると天女は「お父さんが速く!速くと言っているのをテレパシーで感じるけど、私はこれで精一杯ですからね。」と言うのでありました。「出来るだけでいいよ。」と言う錆鉄人に「「優しいのね」という天女でした。錆鉄人は心の中で「出来る限りというのは、ヒーヒーハーハーで登り続けるという意味もあるんだけど・・・」と思いながらも言葉には出さないのでありました。いずれにしても今日は頂上でラーメンを作って食べるつもりだし急ぐ必要はありません。

初めて石鎚山の全景が見えた場所で撮影
カッコイイ山です。
台風の影響
途中にも土石流があって登山道を修理したような痕跡がありましたが、ここには大きな木が根こそぎ倒れていました。何故かこの場所だけ数本の大木が倒れていました。
成就ルートとの合流
ほとんど無風でポカポカ陽気の中、気持ちよく歩いてロープウェーに乗って登ってくる成就からのルートと合流しました。合流地点には木の鳥居がありました。
ここからロープウェーの上駅と思われる建物などが遠くに見えますが、ここにあった道標では成就まで3km、土小屋まで4kmと書いてありました。我々は国民宿舎の下から来たので3km程度でしょうか。到着は11時05分、ここまで1時間5分でした。急げば40分以内だと思いました。
鎖場というものがある事は説明していましたが、天女はこの時点ではまだ実態は知りません。錆鉄人が少しもせかさないのでご機嫌そのものでした。

二の鎖分岐

鳥居から少し登ると、二の鎖と迂回ルートとの分岐がありました。二の鎖のほうは踏み跡も僅かで通る人が少ないことが分かります。
何も知らない天女は、錆鉄人に言われるままに二の鎖のほうへ進みました。

死者何人とか書いた方が良いのでは
二の鎖取り付き
二の鎖の取り付きには2本の鎖がぶら下がっていて、右側は登り専用になっています。上を見上げた天女はビビリながらも登り始めました。

少し登った所の岩の隙間で休憩
ここを天女の踊り場と命名します。
二の鎖途中

気合を入れて再出発
左足はポーズを取っているわけではありません。

なかなかの高度感
岩の割れ目は接着剤で補強されていました。
二の鎖

鎖には寄進した人と思われる名前が掘ってありますが、かなり摩滅して判別出来ないものが多かったです。天女は軍手をしていましたが、錆鉄人は素手だったので(ザックに入ってはいたが出すのが面倒だったのと、錆が付くのが嫌だった)とても鎖が冷たかったです。この時期、手袋は必須でしょう。

遂に二の鎖を制覇
余裕のVサイン
(顔の硬直が解けません)
三の鎖
少し進むと三の鎖の表示がありそちらに進みます。すると現われたのが鎖ではなくロープが垂れ下がっていて拍子抜けします。
二の鎖制覇で自信がついた天女はサッサとロープに取り付きました。

ロープに頼った危険な登り方
三の鎖取り付き
いよいよ三の鎖の取り付きです。

途中には逆ハングになっている所もありますが、足を掛ける金具があります。しかし2本の鎖が絡まっていて邪魔になりました。天女に写真を撮るので「手を振って」と言ったら一瞬だけ手を離してすぐにまたしがみつきました。
三の鎖
下を見下ろすとほとんど垂直なのが分かります。二の鎖はどこだか分かりませんが、上のほうに成就からの登山道が見えます。
残りは僅かです。お年寄りがおりてくるのを待ちました。天女は怖くて下が見られませんが、もう登るしかありません。
三の鎖最後
写真は一部順番が違っているかもしれませんが、これは三の鎖の最後の登りです。まさに空に向かって登って行く感じがします。

登りきると、弥山の社のすぐ横に出ます。
弥山
11時40分、遂に鎖場を征服、30分の苦闘でした?(普通はもっと早いと思いますが、天女が岩と戯れていたので時間がかかりました。)石鎚山頂上である弥山の頂上に到着。しかし頂上部は御神体として祭られているので、登ることは出来ません。


石鎚神社の拝殿にお参りしました。
無事登れた御礼と
家族の幸せを祈りました。

写真右のほうが三の鎖からの通路です
天狗岩

頂上からは弥山がカッコイイ

あそこまで行くと言ったら、「私はここで待っている」という天女を、連れて帰らないと脅して無理矢理行くことに。弥山の頂上から下りる所がかなりの難所で、10m程ですが、登る人がいるときは下りられません。
頂上には50人以上がいましたが、弥山まで行く人は一部だけです。

天狗岩

天狗岩への最後の登り
濡れていなければ全く問題ありません
     天狗岩頂上にて
手を上げていないのは上をカットして写してもらおうと思っていたのですが・・・
天狗岩
天狗岩まで行くと、その向こうにも同じようなピークがあり、何人かの人がいます。ひょっとして向こうのほうが高いかもと思い、向こうまで行く事にしました。私はここでいいという天女をまたまた説得して行きました。

真ん中が天狗岳で、その左肩の部分に弥山の社が写っています。
天狗岩

戻ってビールを買いました。550円
飲酒運転にならないように
天女に半分飲んでもらいました。

今回はガスコンロもコッヘルも水も忘れませんでした。天女が「箸は?」と聞くので一瞬忘れたかと思いましたが、カップラーメンと一緒に入っていました。(登山の準備は錆鉄人がほとんどしているのです。)カップうどんも食べて、コーヒーを飲んでいると、団体さんのリーダーが「1時45分集合なので、その前にトイレに行く人は行って下さい。」と言っているのが聞こえたので、あわてて天女をトイレに行かせて片付けにかかった。
頂上小屋
弥山の裏のほうに頂上小屋があります。写真に写っている団体さんが出発したのでこの写真を撮って我々も出発したのですが、登ってきた所の横に下山口があると勘違いしていたので、かれらは揃ってどこか違う所へ行くのかと思っていました。
三の鎖で登ってきた所には他に下りる道はありませんでしたので、小屋の前に行ったら、その向こうに下山ルートがありました。
結局下山開始は13時25分でした。

下山
下山ルートは写真のように鉄板の階段です。40人の団体さんが左側を占拠していたので、右側を駆け下りたら、ここは片側通行だと注意されました。でも登って来る人はいないのでもんだいはないと思いました。それよりも、そんな大勢の団体がノロノロ歩いて邪魔をしている事こそ問題で、10人以下に分けて歩くべきだと思いました。
団体を追い越すとき以外は普通に歩いて、14時36分車に戻りました。石鎚山は鎖場を迂回すれば安易なルートです。


国民宿舎と大駐車場
途中から国民宿舎とその下の大駐車場が見えます。(写真は登る時撮ったものです。)
大駐車場の上の広場のような所が駐車した所です。それから国民宿舎の建物の右上に白く建物が写っている所が土小屋です。

石鎚スカイラインからの石鎚山
車の戻ったら靴を履き替えてすぐに出発し、土小屋へ車を停めてトイレに行きました。この時も車は満杯でした。ここから、今度は道後温泉を目指して石鎚スカイラインを下ります。
インターネットで見て知っていましたが、石鎚スカイラインからの石鎚山はとてもカッコイイのです。ほとんど右のほうを見ながら走って何回も車を停めて写真を撮りました。

この後は
面河渓と大山祇(おおやまづみ)神社を参照して下さい。(観光だけですが)

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