恐れずに足らず 空木岳

05.10.01

空木岳(2,864m)

空木岳は日帰り困難な山として知られています。
Webで登山記を読んでも日帰りはほとんどなく
「迷い尾根」などという物騒な名前の尾根もあり
下山時には注意しないと・・・というような記述もあって
錆鉄人は空木岳の日帰りを恐れていたのでありました。

しかしながら百名山完踏には避けて通れません。
10月1日五竜岳に登り2日に空木岳に登る計画を立てていましたが
前線の通過で北のほうは1日から曇りの予報で、
南のほうは9時ごろまで晴れの予報が出ていました。
夕方の天気予報で最終確認した後、
南に向かった錆鉄人は天女に
「明日空木岳を登って、夕方には帰るからバーベキューをしよう」
と告げたのでした。

錆鉄人はバーベキューが大好きなのでありました。
(天女は錆鉄人の健康を考えて高い肉は買いません。)
(さらに半分以上は自家製の野菜ですからすごく安上がりです。)
(しかも、終わった後に鉄板を綺麗にするのは錆鉄人の任務です)

という事で明るいうちに帰る予定でした。


どうやって行くの?
中央道の駒ヶ根ICで下りて西へ向かい、林道で空木岳登山口に向かいます。(以下の案内を参照下さい)
さて、愛車ステップワゴンは当て逃げ事故で修理中で、代車のMOBIRIOに乗っていましたが、前日夜に助手席シートをフラットにして2列目シートとつなぎ、2列目の背もたれを寝かせた後、座布団などで調整して寝られる事を確認し、金曜日は装備を載せ会社に出勤しました。上記のように天気を判断して空木岳にのみ登る事に決めて6時前には会社を出発。国道8号線を南下し、来年の木曽駒もあるので一応地図もあったほうが良いかと思い途中の本屋さんで地図を買いました。(ついでに車の雑誌を立ち読み)
鯖江ICまでは10分足らずで、高速も駒ヶ根まで250kmほどなので2時間半、それからは30分以内で登山口に着くと思われるので時間が余っていました。それで「金無し」錆鉄人は関が原まで下道で行き、「日本一安上がりの百名山登山」の名誉を守ることにしました、一応、距離的にも20km程度は短縮出来て、時間的には1時間程度余分にかかりますが、高速代金は1,750円も安くなります。

帰りは12時05分頃に高速乗りました。3時過ぎには家に帰る見込なので、さつまいもを収穫するつもりでいましたが、ラジオで敦賀−今庄間の下りが通行止めとアナウンスしたので、帰りも関が原ICで下りて国道365号線で帰りました。帰りも木之本からの峠越えで前にトラックがいましたが、これはかなり早いトラックで進行の妨げにはならず、4時少し過ぎには家に帰りました。という事で往復で3,500円も高速代がセーブ出来てしまいました。しかも、MOBIRIOの燃費計は16.5km/Lを表示していましたので、ガソリン代も安く済みました。
MOBIRIOの燃費の良さに(ガソリンの高騰もあって)ステップワゴンでなくスパイクでも良かったかなと思う錆鉄人でありました。(ただし、このMOBIRIOは代車で6万km近く走っているせいか直進性に問題がありました。)

【費用】
走行距離560km(600km)燃費16.5km/Lで4,250円、高速料金4,450円(6,200円)×2(往復)=8,900円
合計13,150円でした。
( )内は武生から高速に乗った場合の料金です。

管の台へ
高速を下りて一般道に出たら、駒ケ岳の方向に坂を登って行きます。
すると右の大きな標識があるので左折します。その先は管の台で、ロープウェーに乗って木曽駒に登る人達の為の大きな駐車場となっています。(以下道案内の写真は下山後に撮影)

管の台

池のほとりに駐車場やキャンプ場が広がっています。



池の右のほうには噴水がありました。かなりの高さです。
分岐1
管の台での分岐ポイントの写真を撮り忘れましたが、左の方向「古城公園」向かえば良いでしょう。

さらに走ると、右の写真のポイントに来ます。木の標識には「右−古城公園経由・池山・空木岳」と書かれていますが、車からは確認出来ないかもしれません。

分岐1
やがて、右の写真のポイントに来ますので、右「池山口」方面に向かいます。ここでは「池山口」とは出ていますが、「空木岳」とは出ていないので、車を停めて地図を確認しました。
基本的には池山登山口=空木岳登山口と理解すれば良いと思います。(ただし、錆鉄人は空木岳の途中に池山があると勘違いしていたので・・・)
この先しばらくで舗装道路は終わりますが、未舗装の林道はこれでいいの?と思うほど路面が荒れていて、轍があるばかりではなく、所々石が飛び出していたりするので慎重な走行が必要です。

駐車場
さて前日の武生からの道路に戻りますが、今庄を越えて峠越えの曲がりくねった道路になると、前方に大型トラックがいて走行スピードがガクッと落ちました。最後まで道を譲ってくれませんでしたので、結構時間をロスしました。
さらに木之本を越えて米原に向かう所で、前方に随行車がいる超大型トラックが行く手を遮りました。これは話にならない程遅く、しかも大型トラックとのすれ違いには停まる場合もあり、米原ICに到着した時間は30分以上遅くなったと思います。
そんな事があって、登山口の駐車場に到着したのは、午後11時を回っていました。駐車場は数台分を除いて埋まっていました。車中泊の人の邪魔にならないようにすぐに車のライトを消し、ヘッドライトを点けてシートを調整して寝る準備を整えました。

登山口
登山口の出発は5:52でした。
写真は暗く写っていますがフラッシュを焚いた為で、実際は上の写真のような明るさで、ヘッドライトも不要でした。
さて、空木岳に「恐れを抱いていた」錆鉄人なので、食料はパン・おにぎりで2食分に非常食、飲料水はコーヒー・ポカリ・水を2.8リットルと缶ビール。勿論、雨具にエマージェンシーシート・ヘッドライトなども詰め込みましたので、ザックはかなり膨らみました。

こもりが沢の岩窟分岐 6:03
「光前寺開山本聖上人修行の岩窟」と書かれています。
天女の影響ですっかり宗教づいた錆鉄人は、帰りに見学して来ようと思い、写真だけ撮影して進みました。


(下山時の写真)
鷹打場で道間違い! 6:07

鷹打場に6:07到着。何の変哲もない場所であるが、四方に道標が伸びていて、そのうちの一つは「池山山頂(急峻)」と書いてあり、朝早くで頭が死んでいたのか、錆鉄人は「急峻なルートなら早く着くだろう。」と考えて進みました。

   
それが右のほうの不確かなルートです。少し進むと笹が覆ってきて登山道が隠れています。が、かろうじてルートが判別できる状況でしたが「急峻なルートだからみんな来ないんだな。」と錆鉄人はのん気に考えて進んでいました。「それにしても足が重く今日は何て調子が悪いのだろう。」と思いながら頑張って登っていたのですが、道を間違えていたなんて!
空木岳登山道の表示板
   
6:25「右:池山山頂・左空木岳登山道」の標識に遭遇。ここでルートを間違っていた事が分かりました。勿論、左に進みましたが、前にも増して笹が行く手をさえぎり、しかも下りなので所々階段になっている部分に土止めの木があって不意に足を取られます。
何よりも稼いだ高度をグングン放出して下るので、情けなって来ました。


6:32普通の空木岳登山道分岐に到着
「池山からこちらに来るルートが
あっただけでも良かった」と思うことにしました。
水場
鷹打場から登山道に合流する地点までを25分かかりましたが、帰りには正常な登山道を通って僅か12分でした。この間の正常な登山ルートは急な登りなどありませんから、錆鉄人の歩き方では登りも下りもほとんど差がないと思いますので、13分無駄に時間を費やした事になりました。それ以上に精神的なショックが・・・。勿論足も余分に疲れました。(トホホ)

6:39 水場に到着
水は細いのでマグカップになかなか溜まりません。と思ったら、取っ手の取れた取付穴から漏れていました。指で塞いで水を汲んで飲みました。
ここでズボンとシャツを脱ぎ、短パン・Tシャツの錆鉄人スタイルになりました。この時点では木漏れ日が当たっているように雲はほとんど見えないので、日焼け止めをしっかり塗り込みました。
6:47 出発


左奥100m程の所に小屋が見えます
水場からの登り
登山道は良く整備されていています。(池山山頂へのルートを除き!)ここだけではなく全般に整備状況は良いと思いました。

尻無
何故「尻無」というのかは分かりません。ここへは手前から来ましたが、左のほうのルートも同じ距離が書かれています。でも、踏み後は手前のほうがしっかりしていますので、帰りも左には進みませんでした。
危険地帯
大地獄・小地獄と呼ばれる難所にさしかかりました。「この先500メートルは危険でヤセ尾根の為、転落・滑落事故が多発しています」と書いてあるので、事前にこの名称を知って恐れを抱いていた錆鉄人は、気を引き締めて進みました。
橋・階段・・・
      
しかしながら、登山道はほとんどはこんなふうに良く整備されているので、危険な所はないと言っても良く、どこで滑落するのだろうと思いながら進みました。ただし、岩の間をすり抜ける部分で足に擦り傷を負いましたが、注意して通過すればそんな事もないと思います。

迷い尾根

危険地帯の頂上側には不気味な「迷尾根」の標識が・・・


ここを直進すると迷います!
こちら側にも同じ注意看板がありました
尾根からの木曽駒
出発時には雲ひとつなかったのですが、今や空は雲に覆われ、宝剣岳にガスが掛かり始めていました。
空木岳避難小屋分岐からの空木岳

8:19 避難小屋の分岐に到着。空木岳頂上がかなり近付いてきました。


上の写真とは木曽駒の見える角度が
かなり変わっています
南アルプス

8:30 尾根から振り返ると南アルプスが雄大に横たわっていました。

尾根の巨岩
尾根には巨岩があって、宇都宮大学のワンゲル部の人達が登っていました。女性も。(宇都宮大学だという事は下山途中で聞きました。)
錆鉄人は先を急いでいましたので登らずに進みましたが、この付近で下りてくる中年夫婦から声を掛けられたので(短パン・半袖で勇ましく登っていたので)しばらく話をしました。巨岩の辺りから頂上までは20分位かと目算しましたが、案外遠かったです。

尾根からの駒峰ヒュッテと頂上
頂上が近付き駒峰ヒュッテがその下に見えてきました。この稜線は所々に花崗岩の巨岩があり、それを縫うように登山道が付けられています。
駒峰ヒュッテ

8:51駒峰ヒュッテに到着しました。巨岩のあたりで頂上まで20分と思いましたが、ここまでで20分以上かかっていました。


空木岳100mと表示されていますが
倍はあるような気がしました。
空木平避難小屋までは1.5kmとありますが
逆にこれはもっと近いように感じました。
ちなみに池山9.9kmです。
頂上
100mなら3分位だろうと思って進みましたが、頂上についたのは8:57でした。距離だけでなく高低さもかなりあるのでしかたがないでしょうか。上の写真では頂上が見えていたのですが、頂上に到達する頃にはガスに覆われてしまいました。
無人の頂上で写真撮影し、手前の石に腰を下ろして昼食にしましたが、じっとしていると寒いので長袖シャツを着ました。(ズボンは靴を脱ぐのが面倒なので短パンのままでした)

9:06 パンとおにぎりを1個づつ食べたところでガスで何も見えずに寒いだけの頂上を下りる事にしました。(駐車場までの半分位も降りた地点で、ビールを飲まなかった事に気が着きましたが、そこからではいくら激しい運動をしても飲酒運転になると思ったので自粛しました。)


ズボンとシャツも入っているので
25Lのザックは満杯状態でした
駒峰ヒュッテに戻る
9:10 駒峰ヒュッテの前まで下りてきました。無人だと思っていましたが寝袋が干してあったので、こんな天気で大丈夫かなと思っていたら、おばさんが出てきて片付けはじめました。顔を見合わせましたが何故か挨拶をするタイミングを逸してしまい、黙って避難小屋のほうに向かいました。
空木岳避難小屋方面
田qにの先のほうに避難小屋が見えていて、小屋から1.5kmもあるようには思えません。鳳凰小屋ではありませんが、登山者が駒峰ヒュッテに泊まらずに避難小屋に行ってしまうのを恐れて実際よりも遠く表示しているのではないかと勘ぐってしまいました。
でも、下りてみると結構ありましたので、上の想像がゲスの勘ぐりというやつだと思います。階段が整備さてれい増したが、雨で流されている部分もありました。
小屋にかなり近付いた地点で、登山途中で追い越した人に会い、「さすが、早いですね。」といわれました。どちらの人ですかと聞いたら長野県の人でした。(上田?)でも、この人も10時ごろには頂上につくと思いますから、5時間は切って頂上に着くのではないかと思いました。かなり小さなザックでした。


谷奥の白っぽい所が避難小屋
空木岳避難小屋へ
      
駒峰ヒュッテからの登山道を振り返る


小屋に近付くと三脚を持った中年男性が出てきて
辺りを撮影しはじめました。
空木岳避難小屋

「紅葉はどうなんですかね」と聞くと、「やや過ぎているかもしれない、一部かれている所もありますから」と自分と同じような考えでした。


中はとても綺麗でした。
こもりが沢の岩窟

信心深い錆鉄人は、大聖人が修行したという岩窟をお参りしなくてはと思って、寄り道しました。あまり立寄る人が多くないのか、笹が道を隠しています。


岩窟からもどる途中
ここも笹の下に土留めの木があり
歩きなれていない人は危険です
駐車場に戻る
11:29 駐車場に戻りました。
出発から5時間37分でした。道間違いとこもりが沢の岩窟見物をしなければ、5時間20分は切っていたと思います。(休憩時間を含み)


車はそれ程増えていません
(ほぼ満杯ではありますが)
トイレ
駐車場入口部分にトイレがあります。大と小に別れています。紙はありません。
下りは上りよりも下回りを打つ可能性が高いので、より慎重な運転が必要です。林道は約5km程あったと思いますが、かなり時間をかけ、ブラインドカーブではクラクションを鳴らして曲がりました。
高速に乗ったのはちょうど12時頃で、ラジオの道路情報で敦賀−今庄間の通行止めをアナウンスしていたので、米原ICで下りて家に着いたのが4時頃でした。

                      HOME

inserted by FC2 system