五竜岳(2,814m) 10月14日・15日と親孝行旅行で山陰に旅行に行くのですが 天女の10月の土日の休みはもう1日あり、それが9日でした。 百名山完踏宣言以来、錆鉄人は毎週1人で百名山を登っていましたが 愛妻家の錆鉄人は毎週寂しく留守番していた天女を 天気が良ければ山に連れて行こうと考えていたのでした。 10月は錆鉄人と天女の結婚した月であり、 結婚20周年はヒーヒーハーハー涸沢日帰り紅葉見物をした事を思い出し ちょうど紅葉も見頃と思い五竜岳に行く事にしました。 この日はジャパンのラトビア戦があったので試合終了後に出発するつもりでしたが、 後半の途中余りの凡戦に見る気をなくし9時ごろに出発しました。 白馬村の天気予報は6時が曇りで9時から3時は晴れだったので期待していたのですが あいにくの天気で一度も五竜岳の山容を眺める事は出来ませんでした。 しかし、おかげでブロッケン現象にも遭遇し 差し込む光で万華鏡のように浮かび上がる紅葉を眺め 天女が心臓がバクバクしたという岩場をいくつも乗り越え (天女にとって今まで一番の岩場だったかも知れません) 頂上に着いた感動(恐怖)を天女は忘れないと言っていました。 という事で 結婚25周年記念登山第二弾も思い出に残る登山となりました。 |
どうやって行くの? | ||
福井からは北陸道の糸魚川ICで下りて、国道148号線を南下します。この国道は昔は曲がりくねった狭い道路でしたが、今はトンネルとスノーシューで整備され、曲がりくねった区間はほんの一部になり、ほとんど信号もないために快適な走行が可能です。(前方を遅いトラックに遮られた場合を除く) 白馬から右折して遠菱駐車場を目指しますが、そのような標識があるわけではないので地図を準備しないと無理だろうと思います。 錆鉄人は、カーナビに遠菱駐車場までの林道が表示されていたので、目的地に設定して行きました。この林道は、他の登山口に向かう林道と同じく、狭く曲がりくねっているので慎重な走行が必要です。 |
境川PAに11時半頃到着して車中泊し、4時15分にアラームをセットして寝ましたが、3時に目覚めたので出発しました。外は雨でしたが、国道の連続したトンネルを抜けて長野県に入った所では道路は乾いていました。 白馬村のコンビニで食料を2食分購入し(朝食は天女の作ったおにぎり)林道に入りました。グングン高度を稼ぎ、眼下に広がる町の明かりが見えたのですが、やがてものすごいガスになり、視界は10〜20mしかない中を延々と登りました。カーナビが道路のカーブ状況を示していますが、道路の端も分からない時もありました。という事で4時半頃やっと駐車場に到着し、もう一度寝ました。 |
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駐車場 | ||
車の音で目が覚めると辺りは明るくなり始めていて、本当の駐車場が道路の反対側にある事が分かりました。いつのまにか雨が降っていました。 まずトイレを探しましたが、登ってきた道路の先に広場(リフト乗り場の広場の奥)にありました。それから車を駐車場に移動しましたが、写真のように車が並んでいて、駐車可能なスペースは僅かでした。(ただし、トイレの付近の駐車場や、道路反対側の濃霧の中で駐車したスペース等も駐車可能だと思いますので、まだ何十台も駐車可能だったとは思います。 駐車した後、おにぎりを食べ、ポカリを500mLのペットボトルに移しかえ、食料と共にザックに入れて準備完了です。 今回は長丁場なので 食料2食分+α:天女の作った食べ残りを含めおにぎり6個、パン4個にお寿司1パック(+非常食、嗜好品) 飲料水:錆鉄人2.4L、天女1.5L その他装備:エマージェンシーシート、雨具、薄手セーター(天女のみ) |
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登山口 | ||
6:13 登山口を出発しました。 服装は 錆鉄人:下はマラソン用短パンの上に薄手の登山ズボン、上はマラソン用の薄手の速乾Tシャツの上に量販店で買ったウール100%のボタンシャツ 天女:下は量販店で買った登山ズボンもどき、上はブレスサーモの長袖シャツ+綿のボタンシャツ 気温は8度前後でしたが、2人共ぺーすが早い分発熱量が多いので歩き出せば寒くはないのです。 小雨が降っていましたが、雨具は着ずに出発しました。 |
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オリンピックスタート台 | ||
この頃には前が止みましたが、ガスに包まれています。 登山口からしばらくは上の写真のような砂利のゆるやかなのぼりですが、このスタート台の手前数百メートルはコンクリート舗装の急激な登りとなっています。 天女は歩き始めはいつも貧血気味になるので生あくびを繰り返しています。錆鉄人は出発する時にガムを噛んでいたのですが、この激しい登りでハーハー息をしながら天女に喋りかけた時に思いっきり舌先を噛んでしまい、激しく出血して止まらないので、口から舌を突き出したまま30分程歩いていました。カッコ悪いですが、誰にも逢いませんでした。 舌先の出血は30分程で止まりましたが、4日経ってもまだ痛いです。【教訓】登山中はガムを噛むのはやめましょう(錆鉄人はガムを捨てずに飲み込むます) ここからはトレッキングコースの表示がありました。 |
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ゴンドラ駅 | ||
これが一番上のリフト駅です。向こうの霞んでいるのが乗り場です。まだ動いていないのでひっそりとしていました。 | ||
アルプス展望台 | ||
6:50 アルプス展望台に着きましたが、ガスで眺望はありません。案内板のような眺めを帰りに期待していましたが、やはり見えませんでした。 | ||
八方池 | ||
八方池も写真のようなガスなので、帰りに期待して横を通過しました。この辺りはゆるやかな登りです。 | ||
紅葉その1 | ||
紅葉もガスの間に間に見えますが、日光が差していないので映えません。 しかし、ガスの切れ間から太陽が差し込みました。(天女効果!)紅葉はスポットライトを浴びたように浮かび上がり、次々と赤や黄色やオレンジを燃え上がらせました。まるで万華鏡を見ているような瞬間でした。写真を写そうとしましたが、その瞬間は過ぎてしまいました。いぇン如は5年前の涸沢よりも綺麗かもしれない!と言っていました。 天気予報は9時から3時まで晴れの予報だったので、これからだんだん天気がよくなると思い、日焼け止めを塗りました。ついでに出発の時に少ししか食べなかった天女が、お腹が空いたというのでおにぎりを食べました。 |
天女も思わずピース(いつもピースだけど) |
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紅葉その1b | ||
スポットライトを浴びた瞬間 |
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紅葉その2 | ||
少し登った地点での紅葉です。 この辺り、このようなゆるやかな登りが続きます。 |
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雪渓 | ||
何と!今時雪渓が残っていました。登山道のすぐ向こうでしたが、寄らずに進みました。 | ||
紅葉その3 | ||
さらに登った所の紅葉です。 | ||
雷鳥その1 | ||
雷鳥の夫婦?のお出ましです。手前に1羽、這い松の陰にもう1羽いますが、分かりますね? 天女が「こっちを向いて」と呼びかけましたが、恥ずかしかったのかむこうを向いたままでした。 |
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岩場その1 序章 | ||
かなり険しい所ですが、橋がかかっている上にガスで下が見えないので天女は平気で通っています。右側の岩は落石避けのネットが張ってあり、下のほうにかなり石が詰まっていました。 | ||
唐松岳頂上山荘 8:48 | ||
上の岩場から約10分で唐松岳頂上山荘に到着しました。(こちらは山荘の裏側です)五竜岳は尾根沿いに左に進みます。 遠菱駐車場から2時間35分ですが、コースタイム的には4時間程度ではないかと思います。 |
小屋の前に回りこんだ所 トイレは写真の戸を開けた左にあります。 トイレはきれいで手洗い付きです! ここで休憩してトイレと間食をしました(約10分) |
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岩場その2 いきなり強烈な鎖場の下降 | ||
山荘から5分程進むと、いきなり強烈な岩場が現れました。取り付きには「ストックは片付けましょう」と書いてあり、天女のWストックを錆鉄人のザックにしまいました。 岩場には鎖が連続しています。久しぶりの岩場で歩き方を忘れた天女は、岩にしがみつき、へっぴり腰で恐る恐る下りていました。 |
手袋は左手を2つ持って来てしまった! |
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感動のブロッケン現象! 9:09 | ||
上の岩場を移動中にブロッケン現象に遭遇しました。 錆鉄人は岩場を下りた所だったので、数メートル上にいる天女と一緒ににブロッケン現象に写る姿をを撮影しようと呼びましたが、天女が岩にしがみついているうちにブロッケン現象は終わりました。その間1分足らずだったように思います。 でも、天女も自分の姿を見ていたようで、手を振ったらブロッケンの影も手を振ったと言っていました。数メートル離れていても、お互い違うブロッケンを見ているとは知りませんでしたが、二人とも始めて遭遇したブロッケン現象に大感激でした。 |
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岩場その3 険しい下りは続く | ||
ブロッケン現象の時、天女はこの岩の上で岩にしがみついていました。 岩場がやっと終わり普通の登山道になったと思ったら、今度は急激な下りが延々と続きます。天女には唐松岳頂上山荘と五竜小屋の間に下りが相当ある事を告げていましたが、もう下りたくないというほど下り、結局、唐松岳頂上山荘から標高で約350m〜400m程下降しました。しかもやっと登りになったと喜んだのも束の間、また下り(ガスで先が見えないので)ようやく登りになります。 |
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五竜小屋 | ||
10:35 五竜小屋に到着。天女はトイレの場所を聞いて行きましたが、戻ってきた時は「ここのトイレは汚かった」と言ってパスし、唐松岳頂上山荘で入りました。 | ||
雷鳥 | ||
登山道を歩いていると、「グェー」という声がしました。振り返ると岩の上に雷鳥が立っていました。雛も相当成長したのではないかと思いますが、監督しているように立っていました。 |
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再び岩場に突入 | ||
小屋から20分程はなだらかな登山道でしたが、いよいよ岩場に再突入です。ここでまたストックを仕舞って岩登りです。 ここから登りが始まります。再びの岩場に天女は意気消沈です。 |
これは戻る時の写真ですが なかなかの高度感です。 マークがはっきりしているので 岩場の通過は安心出来ますが 岩はもろいものもあるので 3点確保の基本を守る必要があります。 |
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岩場は続くよどこまでも | ||
岩にしがみついている天女は、必要以上に力が入って疲れ果ててしまいました。それでもどうにか頂上が見えてきて最後の力を振り絞って登りました。 右の写真は女性4人に1人の男性がリーダーとなっていた中高年のパーティでしたが、岩場の始まり辺りで追い越したと思いますが、かなり時間をかけています。リーダーが細かい指示をして岩場を通過していました。一つの岩場を通過したら「筋肉が疲れているから」と言って休憩させていたのが印象的でした。 小屋から頂上に登り、下りてくるのが遅い人と出会う時間帯だと思うので、10人ぐらいの下山者と出会いましたが、こんな岩場で交通渋滞に遭わなくて良かったです。 |
下山時、頂上方向を振り返る この付近ではガスの上に出ています |
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偽頂上 | ||
しかし、標識のようなものが見えたので遂に頂上だと思って登りましたが、本当の頂上はまだ100m程先でした。 天女は力尽きて、「私、もう行かない」と駄々をこねました。愛妻家の錆鉄人は「もうあそこなんだから」と優しくザックを取って標識に架け天女の背中を押しました。 |
頂上から偽頂上を写す(最奥の凸部) |
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やっと頂上に立つ! | ||
やっとの思いで頂上に立った天女ですが、写真を撮るときはやはりピースサインでした。 辺りには誰もいないので、「結婚25周年記念登山だからチューしよう。」と言いましたが、「こんな怖い所につれて来てイヤ!」と拒否されてしまう可哀想な錆鉄人でありました。 それでも、お寿司やパンを食べてどうやら元気が回復したようで、機嫌も直ってきました。 |
後は剣の頭ではないかと思いましたが? |
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唐松岳 | ||
五竜岳の頂上には15分ほどいて戻りました。 途中でガスの中から山が頭を覗かせました。最初は白馬岳でも見えているのかと思いましたが、良く見るとガスとの境目辺りに小屋が見えました。どううやら唐松岳頂上山荘のようでした。 という事は・・・ 想像以上に唐松岳は遠く、その間に横たわるガスの中には、地獄のような鞍部の下りと登り返しが待っているのでありました。 |
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五竜小屋に戻る | ||
ここでビールを買いました。 自動販売機で冷えています。 500mL800円でした。 瞬間350mL550円よりはお得と判断しましたが 道々計算してみるとやや割高でした。(><) |
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唐松岳頂上山荘に戻る岩場 | ||
五竜小屋からかなり下った後、延々と登り返して、再び岩登りです。錆鉄人の名コーチのおかげで天女も少し岩から体を離せるようになりました。でも必死でピースをしている顔が引き攣っています。 |
ブロッケンを見た岩の所を今度は登ります。 |
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唐松岳頂上山荘に戻る | ||
14:35 唐松岳頂上山荘がやっと見えてきました。ここから後は遠菱駐車場までほぼ下るだけです。 ここでトイレに入り、またパンなどを食べました。ここからは2時間位なのでビールは自粛しました。 |
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唐松岳 | ||
小屋の前からの唐松岳。写真では遠くに見えますが、稜線を歩いている人が良く見えます。近いのですが案外高度間もあり、小屋はいい場所に立っていると思いました。 | ||
下山道 | ||
この時間でも結構登ってくる人がいます。みんな唐松山荘に停まるようでした。下山している人もいます。声を掛けたら京都の若い夫婦で唐松岳の日帰りでした。ゴンドラの時間が4時過ぎとの事で結構あせっているようでしたが、奥さんがバテ気味ですぐに見えなくなりました。 |
最初というか一番高い所のケルン 下山道は標識の所を右に下ります |
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八方池 |
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ガスは登りの時よりもきつかったのですが、やはり回ってみました。この辺りで小学生低学年と思われる家族連れに追い着きましたが、一番小さい子が最後でその前をお父さんが歩いていくのはどうかな?と思いました。泥だらけになった木道は結構滑るので、その子のお尻は泥だらけでした。八方池を回ったのでもう一度追い着いたときのその子は見事に尻餅をつきましたが、泣きもせず歩き出しました。子供は軽いので怪我もしにくいのかなと思いました。 |
15:50 神秘的な八方池から現れたような天女 |
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黒壁の急な下り坂 | ||
最上部のリフト駅が近付いたときにスピーカーから「後10分少々で運行が終わります・・・」とのアナウンスがありました。16:10分頃だったと思います。あの教徒の夫婦は大丈夫かなと思いながら歩きました。 下山道はリフトの横をジグザグになっていて、しばらくしたらリフトから子供の歓声が聞こえたのであの家族連れだなと思いました。 やがて、オリンピックのスタート小屋に到着。右の上から続くリフトは下の駐車場まで繋がっているようです。小屋の左のリフトも運行していて、これは遠菱駐車場まで下りるものでした。 ここからの下りは写真では実感が出ていませんが、ものすごい下り坂です。膝の弱い人は下ることは無理だと思います。このコンクリート舗装の道路が終わると傾斜も緩やかになり、やがて左のほうに曲がって行きます。 |
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駐車場へ戻る | ||
16:48 登山口に戻りました。計画は16:00で実際はもっと早く戻れると思っていたのですが、岩場の通過が予想以上に時間がかかって遅くなりました。 この後は「みみずくの湯」に入る予定でしたが、天女は汗もあまりかいていないし早く言えに帰りたい」というので温泉に入らずに帰ることにしました。 今回もカツ丼を食べようと有磯海SAに入りましたが、軽食コーナーにはカツ丼はなく、「有磯海いかが」とかいういくら丼定食みたいなものとアナゴ丼を二人で分け合って食べました。 高速は燃費運転で100km程度に抑えて走り、家に着いたのは午後9時過ぎでした。 という事で出発して10時間35分で戻りました。錆鉄人1人なら8時間程度かなと思いますが、天女と二人で来て100倍良かったと思います。 |
正面が黒壁第三ペアリフト その後にトイレがあります 駐車場で京都の夫婦に逢って挨拶をしました |