火葬場で大宴会 会津駒ケ岳

05.09.25

会津駒ケ岳(2,133m)

いつだったか忘れてしまったが
余りにもつまらない会議だったので、会議中に百名山を数えてみた事があった。
何回数えても99しか数えられなかったので帰ってから調べた所、
記憶していなかった山がこの会津駒ケ岳であった。
何故記憶していなかったかは今も分からないが
存在自体が頭になかった。

福井からはアクセスの困難な山であり、
平ヶ岳とセットで効率よく登る計画を立てたが
平ヶ岳から桧枝岐村に向かう途中で当て逃げされてしまった。
どんな理由でも事故に遭うというのは嫌なもので
錆鉄人も会津駒ケ岳の登山を止めようかとも思った。

しかしながらそこはやはり、
金無し暇無し休憩無しのヒーヒーハーハー登山がキャッチフレーズの錆鉄人。
気分は悪くても
金と時間をかけてもう一度来るという事は主義に反するのであった。

ということで、
事故の現場検証から再び桧枝岐村に戻り
駒の湯の露天風呂に浸かってから
会津駒ケ岳の登山口に向かったのであった。



どうやって行くの?
福井からは小出ICで下りて只見湖の周囲をいやになるほどジグザグに走って桧枝岐村に入るルートが一番近い。途中に平ヶ岳があるので、セットで登るのが一番効率が良いのですが、道の悪さには覚悟が必要です。そこを登山者や釣り人だけでなく、一般人も通るのですから・・・
錆鉄人のように貰い事故に気をつけましょう!

駒の湯
桧枝岐には日帰り温泉はたくさんあります。燧の湯や温泉プールまで付いたアルザ尾瀬の里などが有名ですが、燧の湯は600円もするのに露天風呂がない、アルザ尾瀬の里は風呂のみ750円(プールも利用なら1,500円)もします。(このHPの為に再度調査したら露天風呂もあるようです)
という事で、錆鉄人は躊躇なく500円で露天風呂付きの駒の湯に入ろうと決めていたのでしたが、当て逃げ事故の届け出に行った派出所のすぐ後にあって、土地勘が出来ていたことも大きかったです。
さて現場検証から戻ってくると、派出所の前に現場から赤色灯を回して先に出発して麓の警察に帰ったと思っていたパトカー(ジープタイプ)が停まっていました。前を通り過ぎようとすると、呼び止められて「何か連絡することがあるかもしれないから」と言って聞かれたので携帯の番号を教えました。
駒の湯の入口はは、国道に「露天風呂」と書かれたのぼりが1本立っているだけで標識のようなものはありませんが、横にはJAのマーケットがあり、入口付近にはJAのガソリンスタンドがあるので分かると思います。
駒の湯は、翌日会津駒ケ岳から下山後にも入りました。


夕方だったので相当ブレています
腕が悪いだけですが・・・
17:40頃に来ましたが入浴客は数人でした
駒の湯男風呂
   
会津駒ケ岳下山後、どこの温泉に入ろうかと一瞬考えましたが、やはり露天風呂のある駒の湯しかないと思って、再度入りました。(この時点では燧の湯には露天風呂はないと思っていました)
10時15分頃に行きましたが、入浴客は誰もいませんでした。朝6時から開いているので、本日の最初の客という事はなさそうですが、貸切露天風呂そのものでリッチな気分に浸っていました。


露天風呂の外は数十メートルの崖で
下を流れている川音が聞こえます。
駒の湯女風呂

会津駒ケ岳下山後、温泉に入って出てきた時も入浴客は自分しかいなかったので、管理人さんに「ホームページで紹介したいので女風呂も写真を撮らせてもらえませんか?」と聞いた所、OKをもらって、管理人さんも一緒に来てくれて写真を撮ったものです。決して「不正」に撮影したものではない事をご理解下さい。

桧枝岐歌舞伎
写真を撮って戻ると、管理人さんから「お気に入りに入れておいて下さい。」と言われた。自分のホームページなんかをお気に入りに入れてもいいんかな?と思いながらもロビーのパソコンで「錆鉄人の感動人生」を出し、「これが自分のホームページです。先週も登ってまだアップしてない山があるので、2〜3週間以内にはアップしますから。」と言って見てもらった。
管理人さんも「ホームページをしたいんだけど。」と言うので、「簡単ですから是非作ってください!」と言ったら「60の手習いだからどうかな?」と不安がっていました。管理人さんは桧枝岐歌舞伎の役者という事で、お気に入りに入っていた桧枝岐歌舞伎のリンクを開いた所、「これが自分、これも、これも・・・」とたくさん写っていました。きっと千両役者に違いありません。
桧枝岐歌舞伎(国指定重要有形民俗文化財)
駒の湯の管理人さんが写っているHPです。いくつも教えて頂きましたが、確実に覚えているのは最後の「義経千本桜 鳥居前の場」です。

帰り道に関して、管理人さんが「60里越えを走ったらどうですか。」と言われたので、地図を見ると10〜20km遠回りですが、国道の番号が200番台であり、地図の道路幅も広かったので、そちらに回りましたが大正解でした。すれ違い困難な場所は1ヶ所もありませんでした、錆鉄人もこちらのルートをお勧めします。安全性が高い上に時間的には早いかも知れません。


眼下の清流
露天風呂から上がって
涼風に吹かれながら清流のせせらぎを独り占め
豪華な時間でした!
駐車場
時間は前夜に戻ります。国道を東に下っていくと「駒ケ岳登山口」の大きな表示があり、入って見ます。すぐの所に立派な公衆トイレがありましたが、付近には駐車場はありません。登山口の駐車場はトラブルが多いと聞いていましたし、トイレがあるかどうかもわからないので、国道に戻って良く見ると「テニスコート駐車場」に駐車して下さいと書いてありました。すぐ横がそうかと思って上がったら旅館でした。テニスコートが何処か分からないので、一端駒の湯の方に戻りましたがそれらしきものはなく、再度国道を下ると登山口の表示よりも500mほど下った所にやっとありました。車は1台停まっているだけでしたが、良く見ると、一番奥に建物があり、そこでランプを点けて食事をしているのが見えたので、自分も一角を借りてカップラーメンを作って食べようと車を走らせました。「すみません、横を貸してください。」とか何とか言うと気のいい返事を頂き、早速横でお湯を沸かし始めました。
酒田市のHさんご夫婦
すると、「こちらに来て一緒にやりませんか」と誘って頂き、お言葉に甘えてご馳走になりました。最初はお名前も聞かずにご馳走になっていて、自分の事も話していたのですが、後で酒田市のHさんご夫婦と聞きました。株式会社を経営されたいたそうですが、数年前に解散して今は2人だけでのんびりと仕事を続けているとの事でした。
奥さんは「年に1回だけ登山に付き合ってあげているの。」とおっしゃっていましたが、ご夫婦でマラソンもなさっているとか。奥さんは今度の山岳耐久レースにも出場されるとの事で、自分も出場した事を話すと、靴の事などを聞かれました。
子供のことやいろんな事をおいしいワインやブランデーを頂きながら話しているうちに、錆鉄人18番の「天女自慢」になってしまいましたが、やさしく聞いていて下さいました。



奥さんが凄くお若いですねと言うと
最初は同じですとおっしゃっていましたが
後で自分よりも1つお若い事がわかりました。
火葬場で大宴会!
飲みながらHさんが「ここは・・・」と言い出すと奥さんが慌てて止めましたが、入口の横には右のプレートがありました。翌日もHさんは煙突が見当たらないから火葬場ではなくて、葬儀をする場所ではないか」とおっしゃっていましたが、どちらにしても都合の良い屋根があったので助かりました。
お陰でとてもいい人と知り合いになれましたが、錆鉄人がその場で持っているものといったら、スナック菓子とチューハイ位でお返し出きるものを持っていません。御礼をしたいのでと住所を書いてもらいました。(28日に天女米を送りました。)下の息子さんが大同工業に入社されるという事なので、小松に住むことになるのではないかと思われるので、是非我が家にも足を延ばして寄って下さいとお願いしました。
翌朝、天気を見ながらお二人は登山を迷っていましたが、自分は登る事に決めていたので、今度はカップ焼きそばを作って食べました。別れ際に記念に写真を撮らせてもらいましたが、奥さんから「奥さん(天女)にお逢いしたいです」と言われました。かなり酔っていたので天女の自慢ばかりしていたのかもしれません。(済みませんでした!)
という事で、火葬場で大宴会の巻でした。
家に帰ってから天女に報告して、「僕らももう少し時間的な余裕も持って、もう少しリッチな食事もしたいね。」と言いました。タイムパフォーマンスに拘る錆鉄人ですから、今までは夜中走って短時間の睡眠で普通の2倍の登山をして、さらに夜の10時ごろまでかけて次の登山口に移動するというムチャクチャな登山を繰り返してきましたが、果たしてどうなる事でしょう?

駐車場
という事で、本題の会津駒ケ岳登山になかなかなりませんが、ここからが本題です。
テニスコートの駐車場に車を停めたままで、そこから歩こうかと思いましたが、台風の接近も危惧された週末だった上に、この雨の中登る人はほとんどいないのではないかと考え、登山口まで車で行ってみる事にしました。
国道からは曲がりくねった登りが続きますが、それほど狭い道路が続く訳ではなく、比較的すれ違いはしやすそうです。
上って行くと、右カーブの左側に奥深い駐車スペースがあり、1台のキャンピングカーが駐車していたので、これが登山口の駐車場だと思い、その車の横に駐車しました。しかし、ここの登山口の駐車場はトラブルが多いと言われているのは、この奥深い駐車場の奥に駐車した前に後から来た車が駐車して出られなくなるという事ではないかと考え、写真のような駐車場の端で車の長さしか奥行きのない場所に駐車し直して登山の準備をしました。
いったん歩きだしたのですが、もっと上に本当の駐車場があるのかもと思い、登山靴のまま車を走らせると、カーブを曲がって200m程進んだ所が登山口で、その前に3〜4台分の駐車スペースがあり、2台駐車していました。ラッキーと思い車をバックで駐車して登山開始です。


かなりな雨ですぐにレンズが濡れてしまいました
登山口
登山口の駐車スペースは自分が駐車した後は、軽自動車ならもう1台可能な感じでした。(普通車には奥行きがやや不安)
帰ってくると、写真の右奥のカーブの懐の所に1台車が停まっていました。
雨がやまないので、今回は時間的にも急ぐ必要もないので傘を差して登ることにして、通勤で使う折畳みの傘をシートの下から出して出発しました。


7:02 有名な登山口の階段
距離標
登山道は適度な傾斜を保って作られているので、歩くのは非常に楽でした。しかも、4〜500m置きに写真のような距離標があって、国道まで○km頂上まで×kmと書いてあるので、登山者の頑張りが距離として理解出来るので良いと思いました。ちなみに、登山口から頂上までは5.3kmです。
実を言うと錆鉄人は傘を差して登山するのは始めてでしたが(まず雨の時は登らない上に、雨が降ってきても雨具を着ると汗だくになるので、いつも雨など気にしないで登山しています)非常に快適な登山が出来ました。


水場
山頂まで2.9km地点に水場があり、大勢の登山者が休憩していました。朝駐車場に2台の大型バスが駐車していましたが、それが運んできた登山者の1団だと思います。
登山道はこのように林道のような感じで結構広いのですれ違いも容易です。ただし、中央部がえぐれていて雨が降っているので水が流れていて、その両脇はステップが切ってないので滑りやすいという所も多かったですが。

ここは立ち止まって写真を数枚撮って通過しました。

頂上まで1.2km地点
ここにはベンチがあるのできっと見晴らしの良い場所だと思うのですが、あいにくの雨とガスでなにも見えません。
小屋の前の登り
上の写真を少し進むと、目の前に草原が広がり丘を登った所に小屋が立っているのが見えました。丘を2/3ほど登った所に、6〜7人の登山者苦しそうに登っているのが見えました。
小屋の下のベンチであえいでいる先行グループに「お先です」と声を掛けてそのまま通過しました。


左端に小屋が見えます
右側の山が会津駒ケ岳頂上です
分岐
真っ直ぐ行くと中門岳、実後に曲がり少し登ると会津駒ケ岳の頂上になります。
頂上
8:12 頂上に到着。出発時間を確認していなかったので、1時間半を切ったと思っていましたが、実際は1時間10分でした。途中ですれ違った登山者に1時間半を切って登りましたと言っていましたが、実際はもっと早かった事になります。
これは、この登山道が急な傾斜のところが全くなく適度な傾斜のまま頂上まで続いている非常に登りやすい登山道であり、錆鉄人は今回は全然急がずに傘を差しながら登っていたので、記録を作るつもりで登っていたら1時間を切って登れたと思います。それくらい、登り易い山でした。


頂上からのパノラマ
   
頂上では雨は小止みになっていましたが、ガスで眺望はありません。このパノラマガイドで我慢しましょう。何と、真ん中に「富士山」と書いてあります。


福岡のIさん
頂上一番下りはこの福岡のIさんでした。上の写真はIさんに写してもらったものです。
福岡から百名山を目指すのは大変そうですが、エンジニアで東京出張の後、越後湯沢まで新幹線で来てレンタカーを借りて来たそうです。昨日平ヶ岳に登っていたそうで、自分が追い越して行ったと言われましたが、覚えていませんでした。姫ヶ池の所で反対に行こうとする所を教えてくれた人だったような気がします。現在82だそうで、これが84座目の錆鉄人は親近感もあり、2人で結構長い間山の話をしていました。
そこへ、小屋の前で追い越した一団が登ってきましたが、折立から1泊2日で黒部五郎・鷲羽・推奨・雲ノ平と回って幕営した話をIさんにしているのを聞いてすごいと目を丸くしていました。
Iさんが下りかけたので、自分も下りることにしました。
8:44 下山開始。頂上には32分もいたことになります。


60前後の年配ですが健脚です
小屋
   
帰りは小屋に寄りました。登山道は下に見える池の横を通って頂上に向かいます。


登山者と小屋番の人が話をしていました
草黄葉
   
実は数ページ上の小屋の前の登りという写真を写した場所とほぼ同じ場所から反対側を写した写真です。草黄葉がとても綺麗でしたが、写真ではうまく見えません。心眼!!


クローズアップした花の写真も
何枚も撮りました
水場
      
上の広場には「水場3分」と書かれていますが、半分位で降りられます。靴跡がなかったので、この日はこれまで下りた登山者はいなかったようです。酒のビンが置いてあったので洗って水をくんで飲みました。冷たくてとてもおいしかったです。2杯飲みました。という事で、ここで往復5分位かかったかもしれません。


水場からの登り
滑りやすくて少し大変ではあります
登山口に戻る
9:59 登山口に戻りました。すると、あのIさんが左端の車にいるではないですか。Iさんも、何処で追い越したのかな?と不思議がっていました。
往復2時間57分でした。(頂上でIさんと話していた時間も含む全所要時間)
実際の登山時間:
登り:1時間10分
下り:1時間05分
合計:2時間15分

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