強風濃霧の 十勝岳

05.06.24

十勝岳(2,077m)

十勝岳は前日登った旭岳から縦走も出来る山ではありますが、
4日で北海道の百名山5山征服の野望を持つ錆鉄人には
縦走した場合に旭岳まで戻る時間が障害になります。
さらに、ここでは富良野観光をする予定でいたので、
如何に早く十勝岳に登ってしまうかという事が重要でした。

従って旭岳を下りた後は、
明るい間に山の様子を見ようと
一目散に十勝岳の登山口「望岳台」まで走りました。



どうやって行くの?
旭岳からはトムラウシ経由で40km程の縦走で、錆鉄人なら1泊2日で縦走も可能かもしれませんが、クマが怖い上に今年は残雪も多く、北海道の山初体験の錆鉄人には歯が立ちそうもないと諦めて、当初から最短距離のピストンにしました。
登山口は望岳台と十勝岳温泉がありますが、残雪の多い今年は十勝岳温泉からのルートは谷沿いのルートなので、かなり雪が残っていて登山は困難ではないかと考え、尾根登りの望岳台からが良いだろうと思っていました。

旭岳からは美瑛経由で60km余りのはずですが、カーナビの設定方法が良く分からないので十勝岳温泉を目的地にしたからでしょうか、レンタカーのカーナビは上富良野から十勝岳温泉に入るコースを指示したので、そのまま走り約20km程遠回りしてしまいました。
でも、途中どこまで下ればコンビニがあるかをしっかり頭に入れて行きました。十勝岳温泉の分岐から望岳台の途中にはあの有名な「吹上露天の湯」があり、横目で駐車場を間ながら通過しました。車は7〜8台いました。
望岳台
望岳台に到着したのは18:30頃でした。東京の人のデリカと春日部の人のエスクードが車中泊態勢で、車の後ろで食事を作っていました。30分程登山情報などの話をしました。
デリカ氏は毎年北海道に来ているようでいろんな山に詳しく、今日は十勝岳の頂上付近の雪渓でスキーをしていたとの事。登山道は一部に雪渓があるが問題ない事を話してくれました。
エスクードは中年の女性2人組で利尻岳に登って来たとの事、十勝岳の後はトムラウシも考えているようであった。後席は荷物で一杯で、前席のシートを倒して寝るとの事でかなり厳しい。もっとも普段は温泉ホテルなどに停まるとの事であった。
薄暗くなる前に、吹上露天の湯に入ってきますと言って出発しました。

駐車場は広大です。
頂上はこの奥に見えるらしいが
翌日も登山中はガスに覆われていました
吹上露天の湯

吹上露天の湯は、「北の国から」で宮沢リエが五郎と一緒に入った露天風呂という事で有名です。が、無料であります。
駐車場には車が4〜5台あり、砂利道を100m程下った所が露天風呂です。仕事が終わった地元のおばさんも水着を着て入りに来ました。

翌日、十勝岳の下山後にも入りましたが、その時は地元の青年がいて、「北の国から」のファンだと言うと、エピソードを誇らしげに語ってくれました。
それから、ここで衣服と一緒に車の鍵も盗まれ、家族が持って来るまで1週間も待っていた人の話も聞き、それ以来、衣服は見える所に置く事にしました。さらに、触っただけでも音がするアルペンのビニール袋に入れる事にしました。
温泉から上がった後は、片道20km近く走って、麓の上富良野まで食料とビールを買いに行き、8時半過ぎに戻ると2台ともすでに就寝体制に入っていましたので、離れた所に駐車して、焼肉弁当を食べビールを2本飲んで寝ました。

この上にも半分位の露天風呂があります
宮沢リエが入っていたのは
もう少し右かもしれません
別にどうでもいい事ですが・・・
山中ですが不快な虫もいなくて
気持ちよく長湯が出来ました

駐車場はすごく広いです
登山口
翌日は薄暗い間から登山者の車が駐車場に入ってきました。山は完全にガスの中ですが、手際よく準備をして出発して行きます。
錆鉄人も降らないだけいいかと気を取り直して、昨日コンビニで買ったソバを食べ(朝食は何故か麺類が多いのですが、行動食や非常食はパンやおにぎりばかりなので違うものを食べたいという欲求です)そそくさと準備をしました。寝袋やエアーマットなど生活用品を詰め込んで送った50Lのザックなので、数時間の登山装備を詰め込んでもスカスカでカッコがつかないので、昨日コンビニで買ったポテトチップスの袋を2つ詰め何とか形を整えました。
エスクードの2人組はコンロを出して朝食の準備をしていましたので、5:20挨拶をして先に出発しました。



登山時の駐車場
数台車が増えています
レストハウスは閉鎖されていて
左側にトイレがあります(使用可)
登山道
さて、望岳台からの登山道は、車道と思われる広い道を避難小屋まで歩きます。途中でこの車道をショートカットする登山道があったのですが、登るときは気付かずにそのまま歩いてしまいました。


ガスが低く垂れ込めていました
避難小屋
避難小屋には5:52に到着。先発した2組が休憩していました。

中にいる人達は皆さん60代と思われる人達で、何故か話しが合ったのでかなり長い間話をしていました。この前登った光岳の小屋がきれいだった事や、これからの予定を話し、錆鉄人のホームページの事もチョッピリ宣伝しました。

それで小屋を出発した時間は分かりません。


分岐
小屋を過ぎて少し行くと、小さな雪渓(10歩程)のトラバースがあり、そこからはやっと本格的な登山道になります。登山道には10m置き位といってよいほど頻繁にマークがあり、地図には濃霧時迷い易いと書いてありますが、全く心配はありません。(視界が数mの場合でも、足跡を辿れば次のマークに到達出来そうでした。)
ガスの中、何も見えず無心に登っていきました。風も強く、メガネがあっという間に曇ってしまうので、フィンガーワイパーで登りました。
右の分岐点の辺りにくると傾斜もゆるやかになり、もうこの調子で頂上があるのかと思いましたが、甘い期待でした。

縦走路の分岐ポイント
避難小屋から1.3km
十勝岳頂上まで1.6km
頂上付近
傾斜の緩やかな所を登りきった所に雪渓がありました。ガスはますます濃くなって風も強く、この雪渓を登るのは嫌だなと思ったら、登山道は雪渓の右側にありました。傾斜も一気に急になり、強風も直に吹き付けるので大変です。フィンガーワイパーは休みなく動かしましたが、諦めてメガネを外しました。もちろん帽子はとっくにザックに仕舞っていました。
頂上まで数分の所で、1人の登山者が下りてきました。全員追い越して登ってきたと思っていたので、小屋に泊まった人かもしれません。挨拶を交わしてすれ違いました。

火山灰の所もありました
雨でヌルヌルでなくて助かりました
頂上
なぜかヘトヘトになって7:14頂上に到着しましたが、風が本当に強くて、ザックを下ろしたらザックが飛んでいってしまいそうに思えたので、ザックも下ろしませんでした。写真を撮るために、ピッケルだけ岩の間に下山方向を指し示して置きました。
デジカメを出しても、あっという間に表面がびしょ濡れになるので、サッと出してサッと撮ってサッと仕舞いました。
待っていてもガスが晴れる見込は全くなく、早々に退散しました。風に吹き飛ばされないように注意しながら下りました。

雪渓の所で数人のパーティが雪渓の上を登ろうとしているのがかすかに見えたので、声を掛けて誘導しました。

十勝岳と書いてないので
イマイチ本当に頂上かな?
と危ぶみながら撮影しました。
下山
地図に濃霧時は迷い易いと書いてある尾根です。このようにマークが頻繁にある上に、足元も見分け易いので、迷うことはまずないと思います。
この付近で下山中に中年女性2人と逢いました。ガスは少しずつ薄くなっているようでした。彼女達はあまりの強風で登山を諦めたとの事で、頂上を目指した残りのパーティの事を聞かれたので、立ち止まってしばらく話しをしました。今日は富良野観光をして明日、雌阿寒岳と斜里岳に登る予定だと言ったら、「富良野の観光、私達もしたいけれど、時間がない。明日は私達も雌阿寒岳なので、雌阿寒岳で逢いましょう。」と言われました。レンタカーでホテル泊まりで移動しているようでした。しかし錆鉄人は「北の国から資料館」を見てから、予定を変更したので逢うことはありませんでした。梅干しのアメをもらい、先に出発しました。

下山その2
2人と別れてすぐに避難小屋が見えてきました。ここもしっかりペイントがあります。左下に見えるのが唯一の雪渓のトラバース部分ですが、1〜2週間でなくなると思われます。

   中央が避難小屋

唯一の雪渓トラバース部分です
駐車場
小屋まで戻り、登る時は車道を通ってきましたが、真っ直ぐに車道をショートカットする登山道で下りました。ショートカットする登山道はもう一つあるのですが、何故か頂上直下で逢った登山者が車道を歩いていたので、車道に戻った時は15mほど後になりました。すると彼は時々走ったりして急ぎますが、錆鉄人の大股ペースにジリジリと差を縮められ、遂に道路脇の石に座って休憩しました。軽く挨拶をして先に下山し、8:40駐車場に戻りました。
車はさらに増え、マイクロバスまでいました。
それからはもう一度吹上露天の湯に入って、富良野観光に行きました。

   北の国から博物館に進む
   雌阿寒岳に進む
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マイクロバスは観光客か?

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