酒田からの眺めは名峰に恥じず 鳥海山

05.09.17

鳥海山(2,236m)

鳥海山は東北随一といわれる優美な山容を誇り
豊富な残雪でも有名でありますが
福井からは何といっても「遥かに遠い」のでした。

しかしながら「百名山完踏宣言」をした錆鉄人は
根がせっかちな性格なので
遠いところから手当たり次第に征服する計画を立てたのです。
(ちなみに岩手山と早池峰は天女と来年登ります)


折角の大金をかけた大遠征をたった1人で行う
という罪悪感に苛まれた金無し暇無し錆鉄人は
1日目に鳥海と月山を登り
2日目には朝日山を登って川入まで160km移動して
3日目には飯豊山まで日帰りして家に帰る
という「スーパー心臓ときめきスケジュール」を作成したのでした。

さて、その結果は如何に?


どうやって行くの?
裏日本の悲しさ!新潟から先の日本海側に高速は伸びていません。僅かに鶴岡から酒田まであるのみです。
新潟から磐越道・東北道を走り一般道経由で山形道に乗るというコースも考えられますが、金無し錆鉄人でなくても費用対効果が疑われるので、蔵王とかとセットでない限り利用する人はいないと思われます。
という事で、新潟市の少し先で高速を下りた後は、延々とした道を走る必要があるのでした。
さて、錆鉄人は5時35分には「お先!」と言って会社を出たのですが、国道8号線を走っていて携帯を会社に忘れてきた事を思い出しました。渋滞の中をユーターンして会社に戻ったのは6時を回っていました。
8号線の渋滞はさらに進んでいると考えて、田圃の中を遠回りして福井ICに着いたのは6時半頃でした。今回もスケジュールが厳しいので結構高速を飛ばして走り、新潟市を越えた最後のPAで(深夜3割引適用になるように時間稼ぎの)車中泊。
数年ぶりに電池を入れた目覚まし時計を2時半にセットして寝ましたが、何故かベルが鳴らず目が覚めたのは3時過ぎていました。
高速を下りて一路鶴岡を目指し走り続け、カーナビの指示に従って鶴岡から高速に再び乗って(予定より遅れていたので乗りましたが、夜中だったので一般道も80km程で流れていたので必要なかった!)酒田港で下りてブルーラインを登りました。
鉾立登山口
さて、高速で酒田辺りを走っていると、くもの中に鳥海山のシルエットが浮かんでいましたが、実に優美な姿でした。(走行中なので写真はありません。)
南からブルーラインを上って行くのですが、地図を見るとまず大平登山口があり、数キロ先に鉾立登山口があります。登山ルートも距離的にはほぼ同じように見えたので、錆鉄人は最初この大平登山口から登るつもりでした。
しかるに「もっと遥かな山旅を」の鳥海山の項を見ると大部分が鉾立からになっています。不思議に思って地図を良く調べると、鉾立からのほうがコースタイムが短いという事が判明しました。
という事で、錆鉄人も鉾立から登ることにしたのでした。

駐車場から階段を上がって
道路を横断した先が登山口です
駐車場
鉾立には100台位可能と思われる大きな駐車場があり、料金も無料です。早朝なのでまだ車は多くありませんが、それでも30台近くあったと思います。

ブルーラインを登って来る途中に大平登山口がありましたが、大平国民宿舎の駐車場からはかなり遠く(歩いて15分位?)登山口の駐車場は数台が駐車出来るスペースしかありませんでした。

登山準備をしている間にも次々と登山者が出発して行きました。

6:01登山口を出発

右手はビジターセンター
その横にトイレがあります
御浜小屋
脳天気な錆鉄人は、出発前の誓いを忘れてヒーヒーハーハーほぼ100%近いスピードで登り続けました。数年前と比べていやに遅くなったと自覚させられながらも、次々に登山者のグループを追い越していきました。朝日は鳥海山の遮られていたので、どこかで影鳥海が見られるかもしれないという淡い期待が急がせていた原動力でありました。が、結局かげを見られるような場所はないまま御浜小屋に6:52到着
ここでトイレに行き、日焼け止めを塗りこみました。登山ぺーすはどんなものかと地図を出して確認、何とコースタイムの半分以下でここまで来ていました。思いっきり飛ばしたお陰か、両足のかかとにマメが出来かかったようで、これでは駄目だとこの後は少しぺーすを落とす事にしました。(ここで10分休憩)

小屋の前からの鳥の海
七五三掛
なだらかにうねった登山道を進むと前方に急な登りが迫ってきます。
手前の広場で休憩している人がいました。ここは「七五三掛(しめかけ)」という所で、少し登った所が千蛇谷と外輪山への分岐点になっています。

千蛇谷ルートのほうが近いと思っていたので、そちらに進みましたが、いきなりの急降下があり後悔しながら下りました。しかも頂上のほうは逆光でよく見えませんが、かなりの急勾配に見えました。

雪渓
千蛇谷の底にはまだ雪渓が残っていて、登山道はその上をトラバースするようになっていました。
下りてみると、足跡が見当たりません。一番乗りだ!と思って恐る恐る足を乗せると雪は堅く締まっていました。それで思いっきりガンガンと足を踏みつけて足跡を付けて渡りました。
しかし、渡った先の岩の上を見ると濡れていました。まだ先に人が登っていたのでした。ここからの登りで2組の登山者を追い越しました。

幅5m長さ10m程度の雪渓
大物忌神社
8:05 大物忌神社に到着。鳥居を潜って中に入り、右の写真の所で単独行の男性と会い、写真を撮ってあげてしばらく話をしました。新参には行かず七高山に行くと言っていました。

神社の建物は全て閉め切られていました。

大物忌神社の奥
上右の写真をさらに進むと大きな岩が目の前になって石の上に石仏がありましたが、つい最近(数年前)置かれたような感じ何か有り難味がありませんでしたが、お社のほうは閉まっていてお参りできなかったのでここでお参りしました。
ここから見える新山には所々矢印が見えました。
その矢印は左手のほうにあったのですが、見落としていたのかもしれませんが、鳥居の辺りでは新山頂上への標識は見なかったので、ここから戻って右のほうに回りこんだので、岩の上を適当に飛びながら矢印の所へ行きました。はやり、鳥居の前で左側に進むべきだったのだと思います。
頂上へ
良くWebでも紹介されていますが、岩のごつごつした所をいったん登った後、この狭い岩の門を通るために10m近く下ります。

新山頂上
もう一度岩を登って8:25新山の頂上に到着しました。まだ誰もいない頂上でした。

頂上から登山道を見下ろす
外輪山(七高山)
神社で会った人が外輪山は眺めが良いと教えてくれたので、外輪山に向かうことにしました。
神社の付近まで下りた所からの外輪山です。頂上の所に数人の登山者が見えました。

水場

神社から少し進んだ所に水場と書いてありました。

しかし、岩の横のエンビパイプは割れていて水の気配もありません。(中央)外輪山の上り口の所の雪渓の融雪水は飲めそうでした。
七高山 8:46
ここは新山の頂上とほとんど高さが変わりません。ここで大物忌神社で写真を撮ってあげた人と再会。ここでも写真を撮ってあげる事になりましたが、バッテリーが弱っていた為、切れてしまい、再度電源オンして撮影しました。
そんな縁もあってここでしばらく話をしていました。ここには、60代後半位の人がいて、錆鉄人と同じような登山をしていたと言っていましたが、小屋に泊まったと言っていたので?単に百名山に登っていたという事かもしれません。
「自分はビンボーなので日本一安く登っていると思っている」と言うと、その人は又も「記録を取っていたけれど、一山当たり1万円位だった。」と言っていました。小屋に泊まると10年前でも6,000円位はしたはずだから1山当たり1万円ではとても出来ないのではないかと思いましたが、反論はせずに「自分は9,000円位だったと思います」と話した。

新山と大物忌神社

神社はここに見えます。

しばらく話をしていて、9時を回ったので「この後、月山に登るので」と言って出発しました。

新山頂上はこのように見えます。
神社と新山頂上 9:13
少し離れると、神社と頂上が印象的に見えました。

ハシゴ場
ハシゴ場もありますが、そんな険しい場所ではありません。案外下りにくいハシゴでした。しかもザックに付けた熊避けの鈴が一段毎に足場に当たるのですごく気になりました。
このようなハシゴが数箇所あったのですが、気が付いたら熊避け鈴を付けた紐がちぎれて鈴が無くなっていました。貴重なツェルマットの土産品だったのに・・・

外輪山からの新山 9:22
進むにつれて神社は小さくなります。当たり前ですが。

河原宿分岐
上と同じ場所ですが、ここは河原宿への分岐です。しかしながら「鉾立」と書いた標識はありません。少し離れた所に柱が立っていて、それには七五三掛・御浜と書いてあり安心しましたが、もう一つ分かりにくい標識だと思いました。

外輪山からの新山 9:33
ここからはもう大物忌神社は見えません。正面の斜面に千蛇谷からの登山道が見えていて、登山者が見えました。やはり、ほとんどの登山者は千蛇谷を登るようです。
ここから外輪山を下りて七五三掛に下りて行きますが、かなり急な下りです。登ってくる登山者も何組かいました。

七五三掛 9:45
七五三掛には10分程で着きました。
そこで休憩していたグループから「どちらが楽ですか」と聞かれたので、千蛇谷は下りがある分損をしているような気がして、「外輪山のほうが楽ですよ」と告げましたが、外輪山から一度神社まで下る必要があるので同じかもしれません。第一、下っていただけだから楽なのは当たり前で、本当はどちらが楽なのかは分かりません。
錆鉄人の言葉で外輪山を登ったのなら御免なさい。
中央の険しい崖沿いに登った先が分岐
御田ヶ原 10:02
頂上が遠くに見えます。

御浜小屋 10:09
ここで再びトイレを借りました。登ってきたときは鏡のようだった鳥の海にはさざ波が立っていました。

白糸の滝
御浜小屋からは石を敷き詰めた登山道を下って、やがて遊歩道のようになると右手はものすごい谷になっていて、やがて展望台があります。
右手の影になっている斜面に白糸の滝があります。(心眼!)
鳥海山ははるかに遠く霞んでいて、つい2時間前にあそこにいたとは信じられません。

東雲荘
駐車場からほんの少し登った所に東雲荘があります。TDKの創業者が社員の健康増進の為に立てたという看板がありました。
駐車場から歩いて1分じゃ健康増進にならないのではないかと思いますが、これを作ったときにはブルーラインはなくてここまで数時間登ってきていたのかもしれません。

駐車場に戻る 10:51
予定の11時には余裕で到着。出発して4時間50分、錆鉄人は休憩が不要なので、目一杯急げば4時間以内が可能な気がしました。
駐車場はほぼ満杯になっていました。ここで熊避け鈴がないと心配だと思って、ばずビジターセンターへ歩いて行きましたが、前に来たらそんなもの打っている幹事がしなかったので、駐車場奥(左手)の大きな土産物屋みたいな建物まで行きましたが、売っていませんでした。
車に戻ってカーナビをセットしたら、また高速に乗る案内になったので一般道優先にセットしなおして出発しました。

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