憧れの 屋久島を満喫(1日目)

平成17年4月22日〜24日

巨大なウィルソン株

屋久島

錆鉄人は昔から巨木に興味を持っていた。
いったん根を生やしたなら
寒暖風雨を避ける事が出来ない樹木なのに
何故、数千年もの寿命を永らえる事が出来るのだろうか?
その理由は分からないものの巨木も持つパワーに惹かれた。
そんな事から巨木の代表「縄文杉」をいつか見たいと思っていたのだった。

しかし、屋久島ははるかに遠く
福井からのツアーは3泊4日10万円以上が相場であった。
天女を連れて行くためには3日以上は不可能であり、
得意の前夜発夜間走行で時間を稼ぐ計画を考え
登山が趣味の天女の弟Fさんを誘って
長距離走行の安全と費用削減を計る事が出来たのであった。
→ 屋久島遠征計画

憧れの屋久島は期待通りであった

どうやって行くの
これは日程(タイムパフォーマンス)的にもコスト(コストパフォーマンス)的にも究極の屋久島遠征計画だと自信を持って言えます。

自宅−鹿児島港間約1,100kmを夜間走行し、鹿児島港からトッピーで屋久島に渡り、帰りも同じルートで戻る2泊5日で、白谷雲水峡・屋久杉・宮之浦岳登山とさらに観光もしようというのスーパーハード&欲張りな計画でした。
【移動時間表】
往き
自宅出発21日18:20−Fさん宅18:30−武生IC18:50−(高速をかなり飛ばして走行)−鹿児島北IC22日5:25−コンビニで買物−鹿児島港駐車場6:00−鹿児島港出港8:00−(トッピー)−宮之浦港10:08−タクシー(鹿児島港で予約)−白谷雲水峡
帰り
宮之浦港出港24日10:20−(トッピー)−鹿児島港12:55−コンビニで買物−鹿児島北IC1:45−(高速をかなり飛ばして走行)−武生IC24:25−Fさん宅24:40−自宅24:50
(後片付け後ビールを飲みながら写真を見て寝たのは3:00)
ウルトラ超格安!屋久島旅行
【かかった費用】
高速(武生−鹿児島)往復  28,600円
トッピー(回数券6枚)   35,000円
タクシー料金
(宮之浦港−白谷雲水峡)  2,800円
(淀川登山口−安房)    6,000円
レンタカー(アルト免責含) 6,040円
ガソリン代        約26,000円
キャンプ場(青少年旅行村) 1,470円 
   合 計       110,510円
ひとり当たり     約37,500円

食費を入れても、一人4万円で済みました!
【備考】
高速料金は往復共ETC深夜3割引(通常42,000円)
トッピーは往復1人12,600円である
レンタカーは5,040円+免責料1,000円
ガソリン代は推定
 高速燃費≒11km/Lと想定
 総走行距離2192kmで200L
 レンタカー

屋久島で料理屋さんで1回食事、帰りにSAで1回食事をした以外は、コンビニのパンやおにぎり、テントでのα米ラーメンなどであり、1人当たり40,000円程度で済んでいると思われます。(別途お土産代金有り)
トッピー
高速をかなり飛ばしたので鹿児島へ入った辺りで燃料警告が点きました。けれどもなかなかSAがなく、やっと最後のSAである桜島SAに入ったのですが、何と早朝だった為か(5時半頃)閉まっています。反対側のスタンドは電気が点いていたのですが・・・。
ヒヤヒヤしながら高速を下り、まだ数リッターは残っているから大丈夫だとは思いながらスタンドを探しますが、やはり早朝なので閉まっています。やっと見つけたスタンドに入りましたが、リッター128円と聞いて20Lだけ給油しました。

さて屋久島には空港もありますが、船で入るほうが一般的だと思います。
フェリーもありますが、足が遅く鹿児島−屋久島間が4時間もかかり、車両運行料金も高い上に1日1便しかないのが難点です。
今回は屋久島での行動時間確保が一番重要であり、ジェットフォイルのトッピーに乗りました。片道約2時間と短く1日4便もあるので予定通り進まなかった場合でも行動が可能です。インターネットから予約が出来、予約状況を見ると連休中は満席表示がありましたが、この週は満席にならないと思われたので(天候によっては行かない予定であった)予約はしませんでした。

  いよいよトッピーに乗り込みです

鹿児島港の駐車場には6時頃には到着。駐車場は2割程度の駐車状況で、トッピー乗り場に一番近い所に駐車しました。駐車場はガラガラ、ほぼ2割程度の駐車率でした。(乗り場から遠い別の駐車場はもっと空いていたと思われます。)
乗船券の発売は7時からで、帰りの便の予約を行い、まつばんだタクシーに携帯で予約を入れました。さらに座席指定は7時半からでした。
ここに置いてあった屋久島の案内パンフレットは内容が充実していて大変重宝しました。
状旋律は50%以下でした。
開聞岳
8時出発のトッピーは指宿に寄ってから屋久島に行きます。
指宿を出るとまもなく、右手に懐かしい開聞岳が見えてきます。我々の入った山川の砂蒸し温泉も見えました。
ちなみに、天女の弟のFさんも、一昨年暮れ我々の数日後に九州の百名山登山に行きましたが、彼は指宿の砂蒸し温泉に入ったそうです。

一度は洋上から見たいと思っていた
端正な開聞岳
タクシーで白谷雲水峡へ
トッピーを下りると、岸壁に「ワタナベ様」と書いた紙を持った運転手が待っていてくれました。
すぐにタクシーに乗り込み、白谷雲水峡へ進む車の中で、翌日淀川登山口に午後1時半に迎えに来てもらい、安房でレンタカーを借りたいと言って、無線でレンタカーの予約もしてもらいました。
天気を聞くと、飛行機の飛んだ後の雲がすぐに消えないから天気は大丈夫だと言いました。雲水峡までの道路はやはり狭い所が続き、タクシーにして良かったと思いました。

白谷雲水峡の入口
自然保護の為に入山料が必要
(1人300円)
白谷雲水峡
白谷雲水峡はたくさんの巨木があり、もののけ姫の舞台になったという苔むした森があり、たくさんの観光客が訪れています。
Fさんは巨木には興味がないのですが、付き合ってもらって原生林歩道を進みました。弥生杉はかなりの遠回りになるので諦めました。



飛流おとし
白谷雲水峡へは上の写真右側にある建物の左から入って行きます。天女の弟さんは本格的な山男ですが、我々のように速くは歩けないと謙遜するので先頭を歩いてもらい、天女・錆鉄人の順番で進みました。錆鉄人は写真撮影をするので、進行が乱れるので最後が都合が良いのでした。
ガイドブックを今見ると、すぐのところに「白たえの滝」と書いてありますが気付かずに進んでしまいました。
この一帯は散策コースなので観光客がたくさんいます。白谷側の左岸を登っていくと、橋があり、その上から飛流おとしが勇壮でしたが、Fさんと天女は橋に寄らずに散策路を一目散に登って行きました。
いつもは錆鉄人の前を歩く天女は、登山道がどうなっているかを気にせずにFさんの後を付いていくだけなので気楽に歩いていますが、久しぶりのザックの重さをこぼしていました。
二代大杉
二代大杉は、一代目の切り株の上に落ちた種が芽を伸ばして成長した屋久杉です。なにかもののけ姫に出てきそうな木の妖怪のような姿だと思いました。
樹高32m、胸高周囲4.4mですが、天女は先に行ってしまったので比較が出来なくて残念です。
三本足杉
写真のような不思議に成長した木や名前のついていない巨木などがたくさんある中を進みます。
次には三本足杉があり写真を撮った記憶があるのですが、写っていませんでした。三本足杉は切り株に杉の木が生え、古い切り株が朽ちてなくなり根上りになったものです。

びびんこ杉

「ほのぼのしい」って言葉
初めて聞きました
三本槍杉
三本槍杉は傾いた杉の木の枝が成長し、三本の親杉になったものです。
この辺り、Fさんと天女はさっさと歩いて行ってしまったので人間と杉の対比が出来なかったので大きさの実感がわかないと思いますが、いずれも巨木です。

奉行杉
樹高24m、目通り幹周り8.5m、白谷雲水峡で最大の巨木で、旧藩の見回り奉行がこの樹の根元に腰をかけたことからその名が付いたといわれ、幹には試し切りの跡があるとの事です。
結局、利用には不適として切り残され現在に至っています。

二代くぐり杉
倒木の上に新芽が着生して成長したもので、根っこの中は空洞になっていて、見上げれば杉の枝を見ることが出来ます。
(かなりブレています)
くぐり杉
二代くぐり杉を過ぎると、原生林歩道は奉行歩道と合流し、辻峠への道となります。
これも出来たのは同じ理由でしょうか。ちなみにくぐり杉は屋久杉ランドにもあるようです。


白谷小屋
くぐり杉の咲きに白谷小屋がありました。遊歩道から20mほど右手にありましたが、先を急いでいるので寄らずに進みました。
七本杉

逆光で・・・

幹が高さ10m位の所で
7本に分かれているのが名前の由来
もののけ姫の森

白谷小屋から辻峠までがもののけ姫のモデルになったという原生林だそうです。

それまでも充分幻想的な森でした
辻峠
辻峠は標高979m。白谷雲水峡の入口からのコースタイムは1時間40分ですが、原生林歩道を通った場合は2時間位ではないかと思います。
峠には反対側から登ってきた人が数人休んでいました。我々もザックを下ろして、鹿児島のローソンで買ったおにぎり等を食べました。
ここで太鼓岩に行こうかどうか迷いましたが、せっかくだから以降という事になりました。

ベンチもありました
太鼓岩

太鼓岩は往復30分程度です。太鼓岩は想像していたよりは小さな岩でしたが、眺めが良いので時間があったら行く事をお勧めします。

宮之浦岳は結構遠く感じます。
下には赤っぽい葉の木がたくさんありました
楠川分かれ
辻峠からの下りはやや急な下りです。やがてトロッコの軌道が見えるとそこが楠川分かれです。
ここからは軌道を歩いていきます。レールの間には板が敷いてあるので案外歩き易いのですが、すれ違うことは出来ない幅です。
軌道と屋久鹿

鹿は横を過ぎる時
岩の上に逃げましたが
至近距離で逃げずにいました
大株歩道入口
軌道敷きは結構長い距離です。縄文杉を見て戻ってくる大勢の人とすれ違いました。
かれらは5時に宿を出て6時に荒川登山口を出発したそうです。コースタイムは標準で10時間なので普通の旅行客にはたいへんだと思いますが、やはり縄文杉を見たい一心で歩いたのでしょう。
翁杉
大株歩道を少し歩くと翁杉です。翁と呼ばれるだけあって、今までで一番古ぼけた感じがしました。よく言えば風格を感じました。
天女は、看板がある所や景色の良い所ではちゃんと前に立ってすっかりモデル気分です。でも毎回ピースサインばかりでは芸がないと思います。


ウィルソン株(1)
胸高周囲 13.8m(切株)樹齢(3,000)年と言われ、大株歩道沿いの標高1,030m地点にあります。約400年前に伐採されたと言われていますが、こんな大きな木をどうやって切ったのでしょうか?全長15mほどのノコギリを作ったのでしょうか?どうやって運んだのでしょうか?
想像するだけでワクワクします。
ウィルソン株(2)
ウィルソン株は縄文杉と違って、その周辺や切り株の内部に立ち入る事が出来るので、その巨大さをさらに実感します。
中の空洞には泉が湧いている程の巨大さで、我々もその水を飲んでみました。


   内部の祠にお参りする天女

ウィルソン株の内部に寝そべって株の上を写した写真です。この切り株をよじ登る人がいてコケなどの生態が損傷するので止めるように書いてありました。この感動を多くの人に味わってもらえるように、そのような暴挙は止めて欲しいものです。生命の神秘に対する冒涜だと思います。
夫婦杉
大株歩道の次は夫婦株です。標高1,230m地点で数mの間隔をおいた2本の巨木の枝が10m程の高さでつながっています。
実際は低い位置にある妻のほうが樹高がありますが、上端では夫と同じ高さになっており、周辺の樹木と同じ高さで林冠を構成するという強風地帯に育つ屋久杉の特徴をよく表わしていると言われています。

樹高 妻25.5m 夫22.9m
胸高周囲 妻5.8m 夫10.9m
樹齢 妻2,000年 夫1,500年
年上の妻は苦労をして痩せっぽちで、夫は肥満?

 
大王杉
さて、大株歩道はほぼ木道が整備されていますが、結構急な斜面が続きます。縄文杉を見る為にここを往復した中高年のおばさんは大変だったのではないでしょうか?(最近はおばさんの方が元気らしいけれど、縄文杉を見ようと思われる方は階段登りや長時間のウォーキングなどをする事をお勧めします。)

大株歩道からは少し離れていて、手前に木があって全体を写すのはこんなです。
大王杉は急な斜面にたっており、株元の上端と下端では5.3mもの落差があり、下からあおぎ見るとその巨大さがよく分かると言われていますが、あまり人が訪れていないように感じました。(我々も歩道から見ただけでした。)
縄文杉が知られるようになる前は、最大の屋久杉といわれ、「大王杉」の名にふさわしく屋久杉のシンボルとして君臨していたそうですが、人間の移り気を嘆いているかも知れません。




樹高 24.7m 胸高周囲 11.1m
樹齢 3,000年 標高1,190m
縄文杉へ!
「縄文杉はまだかな?」と思って歩いていると、目の前に何やら立派な木製階段とその上に台のようなものが見えてきます。きっとここが縄文杉に違いないと思いながら期待一杯で階段を上りました。
やはりそうでした。
憧れの縄文杉は、時間も夕刻に迫っていたおかげで他には誰もいませんでした。
縄文杉!
遂に本日のクライマックス!憧れの縄文杉です。
縄文杉の写真は何度も見ていますが、ここまで汗を流してきて見る感動はひとしおです。表面のこぶや色艶もなにか風格を感じさせてくれます。
柵の向こうに見えると思いますが、踏み荒らされて痛んだ根を回復させるためでしょうか、土止めが幾重にも施されていました。
  樹高 25.3m 胸高周囲 16.4m
  樹齢 2,000年〜7,200年
昭和41年に岩川貞次氏によって紹介され、縄文時代からの生きた化石であるという事から、縄文杉と呼ばれ樹齢は7,200年と言われていましたが、2千数百年前に全島に影響する大噴火があった事が分かり、それ以降の生育で樹齢2千数百年とも言われていますが、本当の所は誰も分かりません。
この日楠川分かれから上で出会った人は100人以上に達しましたが、年間では10,000人以上もの人々が訪れているそうです。
案外少ないのはこの距離と時間のせいだと思います。だからこそ、本物を大自然の中で見る事に大きな価値があると思います。

巨木のパワーを背に受けて
この後カクテルパートナーで乾杯
縄文杉!その2
   
もう一つの左側のベンチから写した写真です。
風格があります。パワーを感じて下さい。

左の写真の上の部分
枝分かれしている部分から
急に細くなっています
高塚小屋
縄文杉から数十メートル登った所に休憩所がありました。東屋で窓ガラスはありませんが、万が一の場合はここで夜を明かすことも出来そうでした。
さらに少し登った所に高塚小屋がありますが、写真のように小さく、これで定員20人?と思う大きさでした。この時点では7〜8名しかいませんでしたが、途中で追い越した4人組と、ここから新高塚小屋へ登っている間に「一杯だったから」と言って下りてきた何組かのパーティを入れると20人は超えたのではないかと思います。小屋の手前にテントを立てている日t後もいました。
新高塚小屋
新高塚小屋へは16時30分過ぎに到着。すでにテントが3つ立っていました。一応中を覗いてみると、一杯だという割には通路の部分は空いていました。
しかし、まだテントなしで来る人もいるだろうと考え、我々は予定通りテントを建てることにしました。夜は恐らくイビキの大合唱だと思いますし、夜中に遠慮せずにトイレに行く事も出来るので、テントのほうが住み心地は上なのです。

小屋を通り過ぎたテラスの上から
右のテントは×のパーティのものです
幕営
我々もテラスの上でテントを張る事を考えましたが、写真の所に何とか2つテントを晴れそうなスペースがあったので、ここにしました。
この手前を右に20mほど進むとトイレがあり、夜はうるさいかと思いましたが、夜中にトイレに来る人は少なかったです。宮之浦岳への登山道はトイレの手前から左に尾根を登って行きます。

またこのテラスから逆に左に10m程行くと水場です。


屋久島2(4月23日)に続く

昨日18:30に家を出発してからの
長いタクティスクがやっと終了。
満足感一杯のひと時です。

夕食はカップラーメンと五目めしのα米
Fさんはブランデーを持って来ていて、
お湯割をもらいました。
お湯割りは体が温まって良いそうです。
我々はカクテルパートナーと梅酒でした。
小屋のほうは騒がしいかと思いましたが、
暗くなる前に静かになり、
我々もすぐに寝ました。

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