バス日帰りで仙丈ケ岳と甲斐駒ケ岳

06.11.03

仙丈ケ岳(3,033m)

仙丈ケ岳は二女とのランデブー登山の為に長衛小屋で幕営し、
翌日、天女と一緒に北沢峠から登って帰宅しましたが
一般人が乗れるバスで来られる登山口とはいえ
幕営しているので
百名山全山日帰りに異議を唱えられる可能性があると考え、
出来れば今年中に日帰りしたいと思っていました。

しかし、安達太良山で一応の全山日帰りを達成した後は
それまで家事をないがしろにして登山にうつつを抜かした報いで
家事が山積
全山日帰り達成!という達成感もあって
もういいかな・・・と思っていたのでありましたが、
11月3日からの3連休で唯一3日だけ公式な用事がなく
しかもすこぶる好天の天気予報となったので
急遽登る事にしたのでありました。

登る事に決めたら
そこはコストパフォーマンスとタイムパフォーマンス大好きの錆鉄人なので
甲斐駒ケ岳も一緒に登ってしまおうというのは
自然な考えでありました。



どうやって行くの?
コストパフォーマンス重視の錆鉄人なので、木曽駒ヶ岳に登った時の高山〜木曽福島町〜権兵衛トンネルで伊那市に着き、そこから長谷村(今は合併して伊那市になってしまっていますが・・・)の戸台口に行きたい所でありましたが、高山から木曽福島町に至る狭い曲がりくねった国道を、夜なのでほとんど対向車はないと思いますが、もう一度走るには気が進みませんでした。錆鉄人も歳を取ったのかもしれません。

という事で、高速利用となりますが、今回はETCカードの活用を考えました。即ち錆鉄人流百名山ケチケチ登山の奥義「通勤半額の術」です。
会社を終えて高速に乗り下りる時間帯と、登山を終えて最終16:00の林道バスに乗って戸台口に戻り、高速に乗る時間帯がうまく「午後5時〜8時」の通勤半額時間帯になるのでした。
研究熱心な(ビンボーでケチなと言ったほうが当っていますが・・・)錆鉄人は、寝るのを忘れて乗り継ぎの免許皆伝を目指したのでありました。
ETC通勤半額を極める
普通に高速に乗っていく場合、鯖江ICで乗って伊那ICまで290km6,600円ですが、米原で一旦下りれば85km2,350円が半額で1,200円、さらにETCカードをかえて米原で乗り瑞浪で下りれば95km2,600円の半額1,300円で済みます。しかし、この後、瑞浪で高速に乗って伊那まで走ると、ETCカードは2枚しか持っていないので2回目となって通勤半額時間帯であっても通常金額となり、110km3,250円かかって合計5,750円とお得感がありません。これなら普通に駒ケ岳SAで車中泊して深夜3割引にしたほうが、料金は4,600円となってお得なのでありました。
従って2枚のカードを使った後は、下道を走る事によってのみお得感がアップするのでありましたが・・・、恵那山を越えて飯田方面に向かう道路はしっかりと山岳路の様相を示し、国道とはいえすれ違い出来ない道だったらどうしよう?と不安がよぎる錆鉄人でありました。
従って、SAで車中泊するしかないかなと思っていたのでありましたが、伊那市は権兵衛トンネルを出た所であった事に気付いた錆鉄人は、権兵衛トンネル経由という「ケチケチ登山の奥義を発見」したのでありました。

【注意】
普通、ICでETCゲートを出た後すぐの所に反対側の入口がありますが、後続車がいる場合は衝突事故を誘引します。ETCカードの差し替えも必要なので、一旦左のスペースに停車して、車の流れを確認しながら反対側に移動して下さい。

2区間通勤半額を利用するとなると、鯖江−米原間は85kmと短いのですが、次の大垣ICまで行くと102kmとなってしまうのでした。
そこで、またまた秘伝「武生IC乗りの関ヶ原IC下りと関ヶ原IC乗りの恵那IC下り」を編み出す錆鉄人でありました。鯖江ICと武生IC間は5km程しかなく、田舎なので渋滞もなく走れます。この場合は、関ヶ原まで96km2,650円の半額1,350円と恵那までの96km2,650円の半額1,350円合計2,700円で済み、戸台口には全区間高速の場合と比べても、たったの1時間遅れで到着となるのでした。このルートは一般道もR19に権兵衛トンネルと良い道路ばかりで安心です。途中で眠くなっても道の駅がほぼ15km毎にあるのでした。
という事で、図に乗った錆鉄人は帰りの研究にも執念を燃やし、「伊那IC−恵那IC、恵那IC−関ヶ原IC、関ヶ原からはR365を利用して走行距離も短縮出来る高等戦術」を編み出し、自己満足に浸ったのでありました。
伊那−恵那間は92kmなのに恵那山トンネルがあるためか、2,900円もするのが悔しいところではありますが、権兵衛トンネルを通って恵那ICから高速に乗って往きと同じように乗り継ごうとした場合、中央道から名神への合流地点での渋滞が予想され、米原での乗り継ぎが通勤半額の時間帯を過ぎてしまう恐れがあります。関ヶ原からのR365は走りなれた道路でもあり(急カーブと一部トラックとの離合不能な狭い部分がありますが)、伊那ICから高速に乗って帰る計画にしたのでありました。

以上、錆鉄人は夜も寝ないで研究した成果として、往復の高速料金13,200円を5,500円で済ます事が出来たのでありました。
駐車場
という事で、権兵衛トンネルを出て最初のコンビニ(サークルK、ここを右折して進むと甲斐駒ケ岳登山口の桂木場に行く)で食料を買って一路仙流荘を目指したのですが、伊那市内を越えてからもコンビニはたくさんあり、もっとこっちに来てから買えば冷たいビールが飲めたのにと後悔する錆鉄人でありました。(ステップワゴンにはエアコンを利用するクーラーボックスがありますが、ビールを冷やすだけの為にエアコンを入れるのは地球の為に良くないと考えて、我慢する錆鉄人なのでありました。)
午後11時を回った頃、仙流荘の先の南アルプス林道バスの駐車場に到着。
広い広い駐車場には車が十数台しかありません。錆鉄人はバス乗場の近くに駐車しました。

写真を撮るのを忘れていましたが、駐車場の手前にバス乗場のお土産屋兼切符売り場があり、その山側にはバスの車庫があり、その向こう(仙流荘側)にトイレがあります。
到着後、まずはトイレに行って、コンビニで買った500mLのスーパードライを飲み、さらにチューハイを飲んで寝ました。毛布と布団で十分暖かく寝袋には入りませんでした。夏の暑い時期とは良く寝れたように思いました。
バス乗場
アラームは5時にセットしましたが、それより先にちゃんと目が覚める錆鉄人でした。(単に歳をとったという事かも?)
まずは混まないうちにとトイレに行って戻ると、次々と車が到着し、登山姿をした人を吐き出し始めました。
やはり一番のバスで行きたいので、慌てて着替えをして準備に取り掛かりました。
急いでバス乗場に行くと、既に10人ほどの列が出来ていて、60L程度の大きなザックが並んでいました。錆鉄人は20Lほどの小さなザックですが、荷物代200円も徴収され往復2,600円を支払って列に並びました。

「どちらが前ですか?」と聞くと、「あちらじゃないですか」と仙流荘のほうを指して言うので、その人達の後に並びましたが、錆鉄人はバスのドアは左側だから仙流荘のほうは後ではないかなと思っていました。(前回バスに乗った時どうだったかは忘れていました。)
6時少し前、バスが動き出しました。そしてバス乗場に来ると、やはり錆鉄人が並んだところが前で、後から先に並んだ人達が来て先に乗り込みました。という事で15番目位に1番バスの乗り込んだ錆鉄人でした。なお、一番バスは2台発車しました。
北沢峠
という事で、1時間はかからず6時50分過ぎに北沢峠に到着。ほとんどの乗客は大きなザックを背負った幕営する人達なので、長衛小屋のほうに歩いていきます。
数人がウロウロしていましたが、錆鉄人は今日のスケジュールが決まっているので、トイレに入ってすぐに出発です。

登山口 6:56
登山口はトイレのすぐ横です。
トイレの壁に「クマ注意」の張り紙があったので、上体を左右に揺すりながら熊避け鈴が良く鳴るように歩き始めました。
ガンガンと勢い良く登ったのはほんの数分で、猛烈にお腹の調子がおかしくなってきました。

四合目
歩き始めに下痢気味で調子が出なかった事は今までもありましたが、我慢して歩いているうちに調子が良くなったものです。しかし、今回は回復どころかさらに苦しくなってきました。
我慢出来ずに登山道から離れて雉打ちをしました。これですっきり良くなるかと思ったのですが、回復しません。我慢しながら休憩を繰り返して登っていました。
何回目かの休憩のついでに日焼け止めを塗っていると、なんと錆鉄人よりも年上の人が追い越して行きました。登山中に追い越された事などほとんど記憶にない錆鉄人は、しかも年上の人だったのでムキになって追い越し返そうと思いましたが、調子がまだ回復しません。しかたなく後を着いて行きますが、着いて行くのがやっとという有様でした。

大滝頭 7:57
一時はリタイヤを観念する位でしたが、錆鉄人は特技の「超回復」を徐々に発揮し、大滝頭の辺りからは楽に着いていけるようになったのでありました。
    


大滝(帰りのバスの車窓から撮影)
甲斐駒ケ岳
小仙丈ケ岳への登りの途中、見晴らしが良い所に出たので早速撮影です。山はいつガスが出るか分かりませんから、撮影出きる時に撮るのが鉄則です。
甲斐駒ケ岳が背後に白く聳え、その後には八ヶ岳が見えていました。気持ちの良い快晴に、調子が悪い事はさておき、来て良かったと思いました。

雷鳥
登っていると前方に1羽の雷鳥が出現。
写真を撮りたかったのですが、前の人は写真を撮るのでもなく、登山道を離れて雷鳥を追い込んで行きます。

  
    拡大写真:中央に雷鳥がいます!
     見えない人は眼科検査を


登山道は少し手前から左の尾根を登ります
小仙丈ケ岳
残念ながら、横から雷鳥を写すしかなかったのですが、雷鳥はハイマツの中に消えていきました。
ここで登山道に近い錆鉄人が先に歩くようになりましたが、超回復した錆鉄人は快調に登り、みるみるうちに差が出来てしまいました。「あのおじさん、どうかなったのかな?」と思いましたが、それまで錆鉄人がいかに不調だったという事だと思います。
という事で、小仙丈ケ岳に8:31到着。
ここまでの雪の上に足跡を着けた先行者が休憩していました。その人は小屋に泊まったとの事でしたが、錆鉄人がバスで来たと聞いて、早いですねと驚いていましたが、錆鉄人の計画では1時間で小仙丈ケ岳の予定だったのでした。

小仙丈ケ岳からの仙丈ケ岳

サイコー!
仙丈ケ岳頂上
しばらく小仙丈ケ岳で写真を撮って、錆鉄人が先に出発しました。ここからは薄く積もった新雪の上に、最初に足跡を着けて行くので気分が良かったです。

という事で、頂上には 9:03 到着。
2年前、磐梯山での強烈捻挫から1週間、内出血して腫れあがった足で天女と一緒に登った時でも、1時間50分しかかからなかったのに・・・。
錆鉄人的には登山記録から抹消したいような気分でありましたが、前回は全くのガスの中だったのに対して、絶好の眺望に気を取り直して写真撮影をしました。

甲斐駒ケ岳

八ヶ岳が高くなっていますが、ほとんどガスに隠れてきました。下に避難小屋が見えていますが、小屋に泊まった人はいなかったようです。小仙丈ケ岳で休憩していた後続の登山者はまだ見えません。
北岳と富士山

心眼でなくても富士山がちゃんと見えますよね!(北岳の左肩を注目、雲でもシミでもありません。)木曽駒の頂上からの富士山と比べ、かなり小さいように思いました。
南アルプスの山々
逆光でしかも空気がもやっているのが残念ですが・・・
北沢峠に戻る
という事で大満足の仙丈ケ岳ではありましたが、絶不調のせいで登頂に時間が掛かり過ぎたので長居が出来ません。9:15に下山を開始しました。小屋に泊まった青年には5分位下った所で会いましたが、一度抜かれたおじさんは、15分近く経ってやっと逢ったので、思わず「どうしたのですか?」と声を掛けてしまいました。
何組かの登山者とすれ違いながら下り、3合目と4合目の間あたりで逢ったグループから、「見晴らしが良い所まではどれ位かかりますか?」と聞かれたので、「普通なら1時間位でしょう」と言って少し話しをすると、「最終バスの時間は1時だと言われた。」と言って迷っている様子なので「そんなはずはないですよ。インターネットで確認しましたが、これから甲斐駒ケ岳に登って最終の4時のバスで帰るつもりです。」と言いましたが、「聞いて確認した。」と言います。そして、バスがなかったらどうするのかと聞かれたので、「その時は歩いて戻ります。」と答えたら驚嘆していました。
と見得を張った錆鉄人でしたが、下っているとだんだん不安になってきました。暗くなった林道を延々と歩いていて熊に出会ったら怖いな〜と恐怖にかられた錆鉄人は、2合目から長衛小屋に直行するのはやめて、北沢峠まで戻って確認することにしました。そして、4時のバスが出ないのなら帰ってしまおうかなとまで思っていたのでした。


10:29 北沢峠に戻る
甲斐駒ケ岳へ
北沢峠に戻って誰かいないかと思って見回しましたが、テントには誰もいません。小屋に聞きに行こうとした所、運よく関係者が歩いてトイレのほうに来たので確認すると、「4時のバスは出ますよ。」という事だったので安心しました。
トイレで用を足して長衛小屋のほうに歩き出しましたが、10分位は無駄になったのではないかと思いました。

以下は甲斐駒ケ岳の項に続きます。

【林道歩きについて】
バスがなかったら歩いて帰るといいましたが、ちゃんと午後4時のバスが出たので乗って帰れました。ちなみに下車する時、運転手さんに聞いたら21kmあるとの事でした。急げば3時間という所でしょうか。
ところで、帰ってからヘッドランプでプランターの水遣りをしていたら、しばらくして明りが消えてしまいました。一応予備の電池も持って行っていたのですが、充電済みだと思っていたのにそれもカラでした。歩くはめにならなくて良かったです。(満月に近かったのでランプなしでも歩けたとは思いますが・・・)
ところで、仙丈ケ岳は年末年始でも雪はそれほど多くなく、登る人が多いようですが、その場合は林道ではなく川沿いを歩くようです。錆鉄人は光岳に行こうとして薄着で稜線に出てしまい、凍えて撤退したことがあります。その場合も自己責任で。

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