ママチャリでヒーヒーハーハー 礼文島

06.06.17

礼文島

稚内の宗谷岬は日本最北端として有名ですが
実は利尻島の北に横たわる礼文島も日本最北端という標識があります。
地図を眺めると宗谷岬のおうが北にあるように思えますが・・・

礼文島は歌にも出てくるレブンウスユキソウ等の高山植物が
平地に咲いている花の島でもあります。

コストパフォーマンス・タイムパフォーマンスを重視する錆鉄人は
利尻まで行ったなら礼文島にも行かなければ気がすみません。
という事で
礼文島に上陸!




どうやって行くの?
錆鉄人は利尻島から礼文島に上陸しましたが、一般的には稚内からフェリーで礼文島に行きます。地図を見て礼文島にも飛行場がある事を知った錆鉄人は、礼文島から直接新千歳空港に戻れば無駄がなかったのにと大いに後悔したのでしたが、良く調べてみたら飛行機は飛んでいないみたいで、慌てて利尻島から戻る飛行機を解約しなくて良かったです。
10:05鴛泊港を出航し10:45香深港に到着するフェリーで束の間の睡眠を取った錆鉄人は、張り切って礼文島に上陸しましたが、フェリーターミナルから一歩足を踏み出すと、そこにはツアーの観光バスやレンタカーのお出迎えで満杯でした。


さて、事前調査でこの時間香深についても最北のスコトン岬にむかうバスがない事は知っていましたが、ターミナル前の混雑をみると観光業者と結託してバスの時間をわざとズラしているのではないかと思いたくなりますが、翌日、利尻富士温泉で礼文島から来た人に聞いた話では、稚内からのフェリーにはバスがあるとの事でした。
それなら錆鉄人は全部歩いてスコトン岬まで行こうと考えていました。礼文林道から「愛とロマンの8時間コース」をつなげばスコトン岬です。約30kmあるので時間的に厳しければ澄海岬から九種湖キャンプ場に行って、翌朝早くスコトン岬に行き、一番のバスで香深に戻ろうと考えていましたが、利尻島の北麓夜営場で会ったバイクの人の話では、8時間コースの南側4時間分は何にもないとの事だったのでやめようと思っていました。
レンタル自転車で島を縦断
調査では礼文島にはレンタルバイク・自転車があるとの事だったので、フェリーターミナルの前の商店街を見ると左端にレンタルバイク・自転車の看板を見つけました。
レンタルバイクはムチャ高くて普通のレンタカー並みでした。利尻で3,500円のウニ丼を食べた錆鉄人は、ここは財布の口を締める必要があると考えました。ヒーヒーハーハーが好きな錆鉄人には、バイクよりも自転車が似合います。貸し自転車は4時間以上2,000円と書いてありました。という事は何日でもいいの?とツッコミたい所ですが、善良な錆鉄人は明日の朝までならいくらですかと聞きました。9時55分のフェリーに乗るので明日の9時までという事で3,000円にしてくれました。(2日なので4,000円と言われても文句が言えない所ですが・・・)大きなザックを担いでいるのを見た店長さんは、何処のキャンプ場か聞くので北にある湖の所と答えると、さらに携帯の番号まで聞かれました。そして「山にはいかないで下さいよ。」というので、礼文島に登るつもりはなかったので「ハイ」と答えました。
という事で、駅前をママチャリで出発。ちょっとうれしい事に3段変速付でした。大きなザックを担いで快調にペダルを漕いでいると、本格的なサイクリング自転車の中年に追いついたので、錆鉄人はライバル意識をむき出してブッチギリました。しかし数分行くとコンビニがあったので、利尻島の悲劇を思い出した錆鉄人は食料を買い込みに入ったのですが、その後九種湖まで会わなかったのは不思議です。九種湖まで20km余りですが、買物を除けばほぼ1時間で行き、まずはテントを張ってザックを下ろそうと受付に行きました。(12:00頃)


九種湖キャンプ場(500円)
芝生の上に寝転んだり
裸足で歩いたりして気持ちが良かったです
ペグを持っていかなかったのですが
管理人さんが貸してくれました
レブンアツモリソウ(ラン科)
芝生の上に寝転ばっているといい気持ちでしたが、意を決して出発。さすがにザックがないとペダルが軽く感じました。スコトン岬のほうに進み、まずは観光客がこの花を目当てにやってきているという「レブンアツモリソウ」の群生地へ左折します。
駐車所には観光バスがいましたが、帰る時間らしく観光客は戻っていました。監視小屋があって、横に自転車を停めて行こうとしたら、「もう終わりかけているけど、あの辺りが一番いいよ」と教えてくれました。(右の写真)その後、遊歩道になっている所を歩きましたが(一方通行です)、前にレンジャーがいてなにやら調査していました。とその間にまたも観光バスが来て大勢の観光客を吐き出しました。
【抜書き】
アツモリソウの和名は、袋状の唇弁を持つ花の姿を平家物語で有名な平敦盛の背負った母衣(ほろ;後方からの矢を防ぐ武具)に見立ててつけられているとの事で、礼文島にだけある変種なのでレブンアツモリソウと呼ばれる。
草丈は25-40cm程度で花の色は淡いクリーム色。5月〜6月に開花し唇弁は大きな袋状で長さ3.5〜5cm。


不思議な形のレブンアツモリソウ
澄海岬
レブンアツモリソウの群生地から丘に登り、海岸に下りた所が澄海岬です。標高100m位の丘ですが、ザックがないのでペダルも軽く自転車を漕いで上りました。(海側は傾斜が急なので帰りは押して上りましたが)
駐車所には観光客がいて、一角にはお土産屋さんがありました。何とウニ丼が2,500円であるではないですか・・・。しかし、錆鉄人は一番おいしい所で食べたのだから高くてもしかたがないと言い聞かせました。
駐車場からは澄海岬の展望台へ階段を上がっていきます。標高30m位の展望台から見る澄海岬はとても綺麗でした。また反対側の礼文島の眺めも、海岸の絶壁の上には薄緑色の草原が全体に広がり、優しげな雰囲気がとても良かったです。


この時期はコンブの大発生で
海底が茶色く見えるのが残念
最北端のスコトン岬
澄海岬を見物した後はバスで丘を上がっていく観光客を尻目に自転車を押して上り、そこからは一気に東側の道路まで下り、左折して海岸縁を日本最北端のスコトン岬を目ざしました。スコトン岬の直前までは海岸沿いで平坦ですが、最後は標高50m程の上りでした。ここは無理をしないで最初から歩き、平坦になったところで自転車に乗りました。
岬の手前にはかなり大きな駐車場があり、観光バスが数台と車が駐車していました。そこから、50m程進んだ所がスコトン岬です。「日本最北端」に来たんだという感激がこみ上げてきました。
向こうの島には、小屋のようなものが見えましたが、漁師の小屋でしょうか、人は住んでいないとの事でした。


向こうは無人のトド島
最北端のトイレ
「日本最北端」に来たんだという感激に打ち震える錆鉄人は、「最北端のトイレ」にも感激。記念に用を足しました。
最北端のソフトクリーム
あらにお土産屋さんに入ると、「最北端のソフトクリーム!」のキャッチコピーが・・・。ソフトクリームに目のない錆鉄人は、風が少しあって寒いくらいなのに注文しました。バニラと昆布がありましたが、勿論「昆布」です。
昆布とはいっても、昆布が細切れに入っているわけではなく、粉末状のものが混ぜ合わされているようで、色がやや緑色(表現の難しい色です)をしていました。それほど昆布の味を感じませんでしたが、錆鉄人は「最北端のソフトクリーム!」というブランドだけで大満足でした。


今ソフトクリームを作っている所です
テントに戻って
という事で、最北端のスコトン岬に大満足した錆鉄人は意気揚々と戻りについたのでした。
戻りは上りはないので楽ですが、普段長時間サドルに座ったことのない錆鉄人はお尻が痛くなってきたのでした。
3時半頃テントに戻り、それからはテントの中は暑いのでテントの影の草むらに寝そべって、買ってきたビールを飲みながら地図を拡げて、明日はどうしようかと計画を練りました。
そして、やはりレブンウスユキソウを見に行こうと決めました。レブンウスユキソウの群生地は礼文林道の奥にあり、香深から1時間位かかりそうなので、遅くとも5時には出発しようと決めました。


テントは数張り増えていて、奥のほうに散歩に行った時に単独行の人と話をしました。錆鉄人は利尻から来たけどバスがないのでレンタママチャリで来たと話すと、その人から「利尻からフェリーで来るとバスの便がないけれど、稚内からフェリーで来るとスコトン岬までのバスが丁度良い時間にあるから、先に礼文島に来た。」と聞かされました。でも、時間のない錆鉄人は千歳から飛行機で利尻に入るしかなかったのでしかたありませんが、これからこの2島を目指す人は考えたほうが良いと思います。
夜明け
3時半ごろには明るくなって、錆鉄人は撤収の準備を始めました。テントの中にはかなり水滴がついていたので、タオルで拭って水分を取りました。
向こうの3組の夫婦連れが騒がしかったのですが、案外早く午後8時頃には静かになったので何故だろうと思っていたら、今朝は撤収だったようで、錆鉄人の撤収と同じ頃から騒がしくなってきました。一組は錆鉄人の真似をして水滴を取り始めました。
4:10頃 最北の自衛隊駐屯地の辺りから御来光。撮影した後、テントの横の板の上に荷物やテントを移動させ、テントを畳みました。
キャンプ場の管理人さんはまだ来ていないので、借りたペグを水洗いして紙に包み、有難うございましたと書いて、入口の戸の下に置いて自転車で出発。4:30頃だったと思います。


キャンプ場の中央まで行って撮影
レブンウスユキソウ
自衛隊駐屯地の横の坂は歩きましたが、香深のフェリーターミナルのすぐそばまで20km余り、快調にペダルを踏んで約1時間で到着。途中、香深井で、礼文林道にはこちらから入ったほうが良いかと停まって地図を出して確認しましたが、香深からのほうが良さそうなのでそのまま進みました。
香深からは山の中に入っていくのでドリンクを購入して進みました。車道を上るのですが、傾斜が強い所は歩きながらやがて礼文林道の取り付きに到着。舗装してあるかと思っていたのですが、砂利道です。自転車を置いていこうかと迷いましたが、押していく事にしました。林道沿いにはいろいろな花が咲いていましたが、デジカメで写真を写すには昔の画像を消す必要があり、バッテリーが持つか不安になったので撮影を我慢しました。
入口には自動車の通行がご遠慮下さいとありましたが、○○ホテルと書いたマイクロバスが走ってきました。自転車でも避けなければすれ違い出来ない道です。宿泊客で満杯でした。
そうしているうちに小山があり、その裏に小屋のようなものが見え、そこまで細い道が続いていました。その向こうが群生地に違いないと小山を回りこんでみると、何とその小屋に到着。小屋は監視員の為の建物でした。自転車を停め、小道を歩きましたが先ほどの所まで到着、レブンウスユキソウは咲いていません。おかしいなと思いながら、必死で斜面を探し回って遂に発見!


真珠のような朝露をまとった
高貴なレブンウスユキソウに出会えて
苦労して来た甲斐がありました。
礼文林道から

林道からは洋上を埋めたガスの上に利尻富士が浮かんでいました。レブンウスユキソウを撮影できたので、いつバッテリーが切れても良いと撮影開始。まだまだ撮影出来ました。


優しげな礼文島!
群生地から少し戻ったところの
辺りでは一番高い山に登って北のほうを撮影
礼文島はほとんど木が生えていなくて
このような柔らかな草原の島でした
礼文林道分岐
という事で、感激しながら礼文林道を戻り(途中で数台の車が前後から来ました)、7:25林道の分岐に到着。

まだ時間があるので、ここで地図を取り出して、近くの桃岩展望台まで行く事に決定。半分自転車を押しながら進みました。
桃岩展望台の標識があって、右のわき道にすすむと、やがてトイレがあって数台の車が停まっていて、ザックを担いだ人が歩いて行こうとしていました。道路はまだ続いていましたが、錆鉄人はここが駐車場だと思って自転車を停めて階段を登り始めました。すると車道に出て、車が行き来しています。しかし、そのまま道路を横切って、さらに階段を登りました。

桃岩展望台
遂に桃岩展望台に到着。
写真ではそれほどではありませんが、見事な眺めでした。ちなみに桃岩とは写真の左側の山が桃のように見える所から桃岩と呼ばれるとの事ですが、錆鉄人はこの谷の景色が素晴らしいと思いました。谷には霧が出たは消えていました。駐車場の左彼方には利尻富士が優美に浮かんでいて、遊歩道の周辺にはたくさんの花が咲いていました。


礼文の花たち
もっとたくさん咲いていたのですが・・・
ペシ岬展望台
桃岩展望台からの「絶景を見て得した気分で錆鉄人は下るだけの道路を香深のフェリーターミナルに戻りました。ママチャリを返還してフェリーの切符を買い、2回の食堂に行こうと思いましたが、まだ営業していません。ターミナル前も土産物屋さんばかりです。(2階に食堂があるのかもしれませんが)
仕方がないので、食事は利尻に戻ってあの客のいない温泉の食堂で食べてあげようと思い、スーパードライの500mLを買って飲むことにしました。決してビールばかり飲もうとしているわけではありません。カロリーがあれば何でもいいと考えました。

という事で、香深発9:55のフェリーで鴛泊港に10:35到着。船の中では札幌からのご夫婦と話しをしました。利尻岳には4月に登ったことがあるとか!
利尻に戻ったら後は飛行機に乗るだけです。
まずは港の横のペシ岬に登る事にしました。標高は50m位でしょうか。ちょっと登りり口が分かり難くてウロウロして1周してしまいましたが、ペンションか喫茶店みたいな建物の階段を上がればよかったのです。


あいにくのガスで灯台も霞んでいます
会津藩士の墓

中腹には会津藩士の墓がありました

スフィンクス岩
海岸沿いの遊歩道(港の裏側)からは、ちょっと変わった形の岩が見えます。錆鉄人はかってに「スフィンクス岩」と名付けましたが、結構それっぽいと思いませんか。そうやって宣伝すれば観光バスが停まる観光ポイントになるのにと思いました。

時間があるので、もう一度温泉に入る事にしました。紳士である錆鉄人は、行機に乗る前にヒゲを剃って頭も洗いキレイな服に着替えようと思ったのです。時間があるのに、一生懸命歩いてしまうのは錆鉄人の癖で、汗だくになって温泉に到着。
すぐに温泉に入りました。露天風呂では山に登りにきた人たちと長話をしました。そして、機能は2便とも飛行機が飛ばなくて、今日も危ないという話を聞かされました。しかし、そう言っているうちにだんだんとガスが晴れてきました。

利尻富士温泉からの利尻岳
温泉から上がった錆鉄人は、ここの客のいない食堂の為に今日初めての食事(=朝食と昼食を兼ねて)をしようと思って来たのですが、何と張り紙がしてあって「私用で夕方まで休む」と書いてあるではありませんか!
またしてもスーパードライを飲むしかない錆鉄人でした。まだカロリーが少ないのでアイスクリームも買って食べましたが、かなり不足かもしれません。


休憩室の外からの利尻岳
利尻空港からの利尻岳
バスで空港に来る間も、利尻岳がカッコ良く見えていてシャッターを切りました。
空港の食堂が最後の望みでしたが、その前に空港からの映尻岳を撮っていたらチェックインが始まってしまい、喫茶店みたいなものがあったのですが、結局食べずに飛行機に乗り込みました。
15:20利尻空港を離陸、千歳空港には16:05に到着。

結局、この日の食事はホテルに入ってから2食分を食べました。出発前は早朝の日本ブラジル戦を見ようと思っていたのですが、どうせ駄目だろうからと思って目覚ましは6時にセットして寝ました。

仕事もしました!
翌朝19日はちゃんと6時に起きて風呂に入り朝食のバイキングを食べて、スーツに着替えました。すると、何と名刺入れがありません!後の会場もあるので、天女に電話をして仙台のホテルに送ってくれるように頼みました。(帰ってキャリーバッグを整理すると、中のポケットから名刺入れが出てきました。天女から「お父さん、しっかりしてよ!」と言われてしまいました。ゴメンナサイ天女様!)

20日は札幌から仙台への移動日です。
ホテルにあったオリックスレンタカーのパンフレットでSクラスが日帰り4,400円とあったので、19日のうちに予約して朝一番にホテルに届けてもらい、積丹半島を観光することにしました。

20日の積丹半島に続きます

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