滞在24時間25分の大活劇 屋久島
平中海中温泉・宮之浦岳・モッチョム岳
06.05.13〜14

宮之浦岳(1,936m)

昨年は札幌の展示会に参加させてもらって
その後の木・金を休みにして日曜日までの4日で
北海道の百名山5つ登りましたが
そのA社の展示会に今年も参加することになったのでした。

今年は5月12日(金)が沖縄で
土日を挟んで15日(月)が福岡というスケジュールでした。
そこで、この土日の移動日を利用して
昨年白谷雲水峡から縄文杉と回って新高塚小屋で幕営して登った宮之浦岳を
日帰りで登ろうと思いスケジュールを作成したのでした。



どうやって行くの?
残念ながら 那覇から屋久島に直接行く交通手段はなく、飛行機で鹿児島に飛び屋久島に戻るしかありません。
当初は鹿児島空港から鹿児島港に移動して、昨年利用したトッピーに乗る事を考えていましたが、時間的に厳しいので、飛行機にすることにしました。
鹿児島空港と屋久島空港の間は珍しいプロペラ機による運行です。那覇空港10:55鹿児島空港12:10、ちょっと待ち時間があって、鹿児島空港14:30屋久島空港15:05でした。
鹿児島空港で飛行機を待っていると、スーツ姿は錆鉄人ともう一人いただけかなり場違いな感じです。
隣に座っていた女性3人組が屋久島の地図を拡げて楽しそうに話していたので、錆鉄人も計画を決めようと登山用の地図を取り出し眺めていました。やがて搭乗案内があって、本当に久しぶりに乗り込んだプロペラ機は狭くうるさく不安定でした。

帰りは日曜日のうちに博多に入っておく必要があり、屋久島空港15:30鹿児島空港16:00の搭乗券を取っていました。従って、屋久島滞在はたったの24時間25分しかなかったのでした。

レンタカー
屋久島を観光するならレンタカーが標準的です。
昨年は白谷雲水峡から入って淀川登山口に下りるという行程だったのでタクシーを利用しましたが(3人だったので一人当たりの負担は小さくなります。安房に戻ってからレンタカーを借りましたた。)今年は一人だし、宮之浦岳の日帰りが目的だからピストンで良いので、最初からレンタカーの予約をしておきました。
屋久島のレンタカー会社はいくつもありますが、錆鉄人は昨年もお願いした地元のまつばんだレンタカーさんで予約しました。ここは昨年屋久島に行く計画を立てた時に3年連続で屋久島に行っている二女に教えてもらった会社ですが、もちろん屋久島のレンタカーで検索すれば出てきます。

どこのレンタカー会社も空港や港まで迎えに来てくれますが、まつばんだレンタカーは宮之浦・安房・空港と3箇所に拠点があるので、借りた所と違う所で乗り捨ても可能です。
ところで登山情報をインターネットで調べたら、安房から登山口に至る道路が工事の為20:00以降通行止めと出ていたので、通行止めになる前に登山口に行き車中泊しようと思い(そうでなくても車中泊したと思いますが・・・)、メールでやり取りをしてバネットバンを借りる事になりました。24時間で6,825円+免責1,000円でした。
話は違いますが、利尻島の計画を立ててレンタカーを借りようかと調べたらムッチャ高かったです。
レンタカーのハプニング
屋久島空港に着陸したら歩いて建物に入りますが、ロビーなどもとても狭かったです。
出口でまつばんだレンタカーの人が名前を書いた板を持って待っていてくれましたが、もう一人の人がなかなか現れず、他のレンタカー会社の人はすっかりいなくなってから現れました。とはいっても、空港の目の前に事務所があるので時間はかかりません。
もう一人の人は軽自動車でした。書類に記入していると、去年利用した者ですがと言ってメールで予約したのが通知されていて、何と!1割引です。幸先の良さに錆鉄人はニッコリ!
書類に記入した後は、去年はあったボディの傷の事前確認もなく、男性社員から「満タンになってますから、満タンにして返してください」との説明であっさりしスタート。

エンジンを掛けると、ホームページにはバネット1500とあったのですが、ディーゼルでした。そのまま走り出して数km程走って何気なくメーターに目をやると、何と燃料計が3/4付近を示しているではありませんか!
時間が惜しいのでそのまま行ってしまおうかとも思いましたが、思い直してユーターン。「燃料満タンではありませんよ!」と言うと慌てて隣のスタンドで入れてきてくれました。この間10分程時間が無駄になり、無駄が大嫌いな錆鉄人としてはちょっと気分を害していましたが、顔には出さず再出発。錆鉄人も大人になったものです。
平中海中温泉へ
実は屋久島に行ったら、昨年行けなかったこの平中海中温泉に入れないかと考え、インターネットで干潮時間も調べておいたのでした。まつばんだレンタカーの事務所でも聞くと「○時○○分です。明日は○時○○分です。」と教えてくれました。それだけ行く人が多いという事です。
夜の干潮時間を聞くと午前1時過ぎとの事で、「夜のほうがいいですかね?」と言うと、「夜中でも満杯ですよ」との事で、とりあえず言ってみようと出かけたのでした。
島を1周する道路を走っていると標識が出ていて左折しましたが、その先の分岐には案内がありませんが、見当をつけて進むと、行き止まりに数台の車が駐車していました。その横に車を停めて行って見ると、数人しか入っていません。しかし脱衣所もない事がわかり、車に戻ってスーツのズボンを脱ぎ短パンに履き替え、上半身は裸になってタオルだけを持って行き、岩陰(といっても完全に隠れる所はありません)で短パンを脱いで待望の温泉に!
話をすると地元の人でした。「いい所だと言わないでくれ。観光客が来なければいい所なんだけど!」と言われてしまいました。でも悪気はなく、入る時も滑るから気をつけるようにと言ってくれて色々と話をしてくれました。


錆たポールの辺りまで海水が来るらしい
平中海中温泉その2
温泉は海中から出ている干潮の前後2時間位だけしか入る事が出来ないという究極の秘湯ですが、時間さえ合えば誰でも簡単に入れる所がミソです。なお、利用料は寸志となっています。
入っていると観光客と思われる一団が現れ、代表者が見学させてと言ってきて大勢が遠くから眺めていました。やがて海水が押し寄せてきて一番したの温泉から海水が入ってきましたが、地元の人2人はそのまましばらく浸かっていました。

もうそろそろ終わりだという頃、観光客の若者数人がやってきました。入れ替わりに錆鉄人は温泉から上がりましたが、彼等は頑張って?入っていました。

    もう温泉は完全に水没寸前です。
荒川登山口へ
平中海中温泉を堪能した後は、少し戻った所にある尾ノ間のJAのマーケット(去年ここで買物をしたので土地勘があった為)で食料とアルコールを大量に買い、さらに安房まで戻り、左折して登山口につながる道路に入りました。
途中、工事箇所があり通行止めの表示もありました。工事箇所の前後はすれ違い不可能な狭い道路が続きます。安房から30分程で、荒川別れといって荒川登山口と淀川登山口へと向かう3差路に到着。錆鉄人は荒川登山口からぐるっと一回りして淀川登山口に下りて、林道を歩いて荒川登山口に戻ろうと考えていたので、右折して荒川登山口に進みました。
道路は途中から下って、やがて貯水湖が左手に見え、しばらく進むと荒川登山口に到着です。午後6時45分位だったと思います。ここは結構広い駐車場があり、立派なトイレもありました。車を停めて、まだ明るいのでビールを飲みなが、再度地図を広げて一回りのコースタイムをチェックしたら、何と計算ミスしていてもっと長い事に気がつきました。
荒川登山口から縄文杉・宮之浦岳をまあって淀川登山口まで14時間30分。淀川登山口に運よくタクシーがいれば良いのですが、さらに荒川登山口までの林道歩きを含めると約20時間、飛行機の離陸は15:30で、登山口から空港まで1時間半程かかることを考えると、13:30には荒川登山口に戻る必要があり、コースタイムの半分で計算しても、タクシーを頼んでいない限り無理だと判断して、急遽淀川登山口からのピストンに変更して、車を出しました。


荒川登山口にて
レンタカーのバネットバン
トイレは撮影位地の後のほうにあります
20台以上駐車可能です
淀川登山口
という事で、
荒川別れまで戻り、そこから結構長い距離を走って淀川登山口に着きました。荒川別れから淀川登山口までの道路はわりと道路幅があり安心出来ます。(といって、この時間に通る車は1台もありませんでしたが)
淀川登山口につく頃にはかなり暗くなっていて、駐車していた2台の車(右の写真の両端のキャンピングカーとハイエース)はすでに就寝の様子。ガラガラとうるさいディーゼルをすぐに停めようと、キャンピングカーの手前(写真左)へバックで駐車しビールを飲みました。
それから後のトイレに行こうと外に出ると、後ろにロープに「大型バスの転回スペースですから駐車しないで下さい」と書いてあります。自分のところはギリギリセーフかなと思いましたが、バスに迷惑をかけてはいけないと思い、ご近所さまにはしばらく辛抱頂いて2台の間に駐車しなおしました。そしてトイレに行きましたが、戻ってくる時に「こんな狭い駐車場だから1台でも多く駐車出来るようにしよう」と、再度ご近所様に辛抱頂いて、車をハイエースのほうに寄せました。(キャンピングカーが斜めに駐車していたので、写真より狭く、もう1台はギリギリでしたが、奥まで入れば広くなる状況でした)。


下山時撮影
キャンピングカーは車を動かしたようです
南国でも高地は寒い
という事で、もう1本ビールを飲み、寿司やおかず類を食べて早々と寝る事にしました。
今回は飛行場でバックが出てくるまでの時間がもったいないので、荷物を機内持込のキャリーバックだけにしたので、登山用具のスペースがほとんどありませんでした。従って、登山靴はやめて富士登山競争用にかったゲルフジ(前足部にプラスチックのスタッドが数個着いているマラソンシューズ)に、登山用ズボン、Tシャツ、長袖シャツ、登山用靴、雨具(上のみ)、ザック(ランナーズのマラニックザック、20L以下)と、マットのみでした。(後席を畳んだ荷台は汚かったので結局シートで寝る事にしたので不要でした)
寒さで目が覚めたら、まだ午後11時前、ほぼ2時間寝ただけです。早速、雨具を着ましたが足が寒くて寝られません。もう30分は経ったかなと思って時計のランプを点けますが10分も経っていない・・・を延々と繰り返して・・・(途中、少しは寝たかもしれませんが)4時頃、最初の車が上がってきました。聞くと通行止めはなかったとの事。インターネットには土日は通行可とは書いてなかったのですが、通行可能なら下でもう少し観光して車中泊していたと思うので、寒さに震えながら朝を待つという事はなかったはずでした。


すでに駐車場は満杯で
出発したグループも数組。
錆鉄人はヘッドランプさえ省略したので
まだ出発できなかったのでした。
出発
5時20分、辺りは写真より相当明るくなってきて、もうヘッドランプなしでも大丈夫そうなので出発する事にしました。
このコースは去年下ってきているのですが、雨の中だったのであまり覚えていません。小さなアップダウンのあと、結構大きく下り淀川小屋に向かいます。途中、いくつかのパーティを追い越しました。


手振れ防止をONするのを忘れていました
淀川小屋
淀川小屋に5:38到着。小屋に泊まったと思われる人が朝食を作っていましたが、挨拶をして先を急ぎました。
小屋の先には橋があって、その下の水は今年も透き通っていました。でも、まだ薄暗いので、うまく写らないのではないかと考え、帰りに写真を撮る事にしました。
靴も軽くザックも軽いので、軽快に進みました。

小花ノ江河
6:14 小花ノ江河に到着。


錆鉄人は小花ノ江口のほうが好きです
花ノ江河
6:19 花ノ江河に到着。
去年とはほぼ1ヶ月遅いので、花など咲いているのではないかと期待していたのですが、緑は増えていますが花にはまだ早かったようです。

ツツジ
花ノ江河の花はありませんでしたが、いたる所にツツジが咲いていました。サクラツツジでしょうか。
シャクナゲ
2週間後の27日は屋久島恒例の「シャクナゲ登山」ですが、残念ながらシャクナゲもまだ咲いていません。錆鉄人は歩きながら目をフル回転させましたが、登山道近くでは右の写真が一番開花間近かだと思います。
錆鉄人が家で育てている西洋シャクナゲの場合は、下のつぼみのような状態になったら数日で満開になったので、1週間後ならかなりの花が咲いていたのではないかと思います。谷川岳のシャクナゲは、つぼみの色が赤かったように思います。
     
      ちょっと不完全な蕾ですが・・・

奇岩
屋久島には様々な奇岩があり楽しませてくれます。
良く台風が来る屋久島で縄文杉が生き続けているのはすごいと思いますが、右の岩が落っこちないのも不思議です。

くりお岳

最後の水場の表示が出てきたら、頂上はもうすぐです。このコースは数箇所に水場があるので、錆鉄人はペットボトル500mL2本持って登り、頂上までで1本飲んだだけでしたが、帰りにここで給水しました。


くりお岳は宮之浦岳直下です。
目と鼻の先に宮之浦岳が見えます。
宮之浦岳

くりお岳から目と鼻の先の宮之浦岳


7:17 頂上に到着
淀川登山口→頂上1:56
永田岳の展望
頂上は強風でした。ここまでメッシュのTシャツ1枚でしたが、長袖シャツを着込みました。そして永田岳や焼野三叉路のほうに登山者がいないか見ようとしましたが、強風に煽られて涙が出てきてよく観察出来ない程でした。
カメラを構えても風でカメラが動くので、ブレてうまく写らないのではないかと思いましたが写っていて良かったです。残念ながら今回も種子島は見えませんでした。
岩陰でパンとおにぎりを食べながら、この後の予定を考えました。時間があったら永田岳に登ってこようと思っていましたが、去年登っているのでモッチョム岳に登りたくなりました。ただし、登山口まで往復1時間程度余分に時間がかかる上に、コースタイムも往復4時間50分なのでギリギリの感じです。とりあえず、登山口の千尋の滝まで行ってみて登るかどうか考えようという事で、頂上には10分程いただけで下山を開始しました。


頂上からの永田岳
下山

宮之浦岳から淀川登山口への下山路


去年は赤いコケがとても綺麗でした
水は透き通っていました
岩場
   
淀川登山口からの登山コースは、このような岩場が数箇所あり、ロープがかけられています。その中でもここはロープがなければ登るのが難しい場所です。逆に言えばロープがあるので簡単に登れます。

   
なお、登山道は水が流れている岩の上を歩くことも多いのですが、岩はほとんど滑らないので神経質になる事はありません。
むしろ、登山靴を濡らさないように足を置く場所に気をつける必要があります。
3人組との遭遇
下り始めて3〜40分程経った頃から登山者に出会うようになりました。最初は単独行の人で、そのうちにグループにも遭うようになり、みんなから早いと驚かれました。
8時15分頃、3人組の女性グループと遭い、また早いですねと声を掛けられて、しばらく話をしました。そして、「スーツを着ていた人ですか?」と聞かれて、錆鉄人も鹿児島空港で横に座っていた3人組だと気付きました。彼女達が何かの付録のような屋久島の地図を拡げていたので、錆鉄人も地図を取り出して眺めていたのですが、彼女達は「なんでスーツ来た人が登山用の地図を持っているの。あの地図欲しいわね。」と言っていたそうです。
何処の人か聞き忘れましたが、錆鉄人のホームページに乗せますと言って記念に写真を撮りました。


左の人はザックを上げたほうが楽だと思います
淀川小屋手前の橋

8:52淀川小屋手前の橋に到着。小屋は橋を渡るとすぐのところにあります。この時間には誰もいませんでした。


柔らかい緑と澄みきった水
屋久島の穢れない自然の象徴です
工事中

小屋からは結構きつい登り返しがありますが、
登山道は良く整備されています。


カウンターが現れたらそこが登山口
(写真は登山口側から撮影)
登山口に戻る
という事で、9時13分登山口に戻りました。出発してから3時間52分、頂上での休憩と途中での何回かのおしゃべりを除けば、3時間35分位で往復したことになります。ヒーヒーハーハーで飛ばしたわけではないので、一般観光客を考慮した甘々のコースタイムなのかもしれません。
正面の駐車場は出発前に満杯になっていましたが、さらに車が増えて、すぐ先の林道終点まで車が詰まっていました。

さて、ここから安房まで戻るのに1時間、さらにモッチョム登山口の千尋の滝まで30分位かかると思われますので、ゆっくりは出来ません。トイレに行っただけで車を動かしました。

川上杉
とはいえ、巨木が好きな錆鉄人なので、途中の巨木では車を停めて撮影しました。
【川上杉】
根回り   10m
胸高周囲  8.9m
樹高    27m
樹齢    2,000年
(以下は屋久島REALWAVEからの転載です)
急斜面で弱い地盤を抱えるようにして立っている。樹皮も若々しく、樹冠もしっかりしており、かなりの樹勢を感じる。
林道を引き込む際、この川上杉を残すため、計画を変更したということで担当者の名がそのままこの杉の呼び名となった。


淀川登山口から5分程下った所です。その部分は道路が狭いので手前に車を止めました。

紀元杉

樹高 19.5m
胸高周囲8.1m
樹齢3,000年
安房林道沿い標高1,230m


さらに5分程下った所が紀元杉です。
去年は激しい雨の中だったので、タクシーを停めて撮影しただけでしたが、今日は雨も降っていないので観光客がたくさんいて、大判カメラを持った人も何人かいました。ここまでタクシーで来ている人が多いようでした。
今回は根元まで行って写真を撮ってもらいました。

(以下は屋久島REALWAVEからの転載です)
頂部は枯れているが、斜面の下側から見るとまだまだ元気にみえる。観光バスも通る道路のすぐ下にあって、最も大勢の人が訪れる巨木。

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