日本初の百名山全山日帰り達成に到った経緯


錆鉄人のキャッチフレーズは「金無し暇無し休憩無しのヒーヒーハーハー登山」です。
普通のサラリーマンにとって百名山を登る上で足りないものは、「お金」よりも「暇」ではないでしょうか。
お金は無駄遣いをやめることによって何とか捻出できても
全国の百名山に登る暇=まとまった休みは、
会社を首になる覚悟なら別ですが、普通ではなかなか作れません。
従って、嫁さんに遠慮しながら、月に1回土日の休みを登山に使い、
年に1〜2回は有休を使ってでも2泊3日の縦走を行うというのが一般的でしょう。

錆鉄人は福井県に住んでいる普通のサラリーマンですが、
お百姓さんもしているので、土日には農作業をしなければならない場合も多く、
さらに、田舎なので強制的に出なければならない共同作業・会合等も多く
普通のサラリーマンと比べると、余程休みが自由になりません。

という事で、「百名山には登りたいが土日のうちの1日だけしか使えない」という事が多く
必然的に
「前夜自宅(又は会社)を出発し、登山口で車中泊し、百名山を日帰りしてそのまま帰宅、翌日は仕事をする」
という強行スケジュールで登山するしかありませんでした。

錆鉄人はもともと「登山とは苦しさに耐えて山に登る事」だと考えていましたので
ほとんど休憩もせずにヒーヒーハーハー登山する事こそ本当の登山だと思ってました。
日帰りという事は、当然山小屋などには泊まりませんので費用も少なくて済みます。
天気予報が悪ければ行かなければ済みますので、ほとんどの場合青空のもとでの登山が出来ます。
さらに、日帰り登山は「排泄物」というやっかいものを山に残さない生態系に優しい登山なのです。
つまり、日帰り登山は
「効率が良くてお金がかからず、好天気のもとで登山本来の達成感が得られ、
   さらに生態系に優しい登山が出来る」

「サラリーマンにとって究極の登山形態」なのであります。

しかしながら、
「ただひたすらヒーヒーハーハー登っていれば日帰りが出来るか」といえばNo!です。
これまでの経験値と現在の体調から、
自分の体力・持久力・精神力の「本当の」限界を求め、
コースの状況やコースタイム、帰宅までのスケジュールを計算しながら
最高のパフォーマンスを発揮する必要があり、高度に頭を使う登山形態なのであります。

つまり百名山日帰りは、
単なる百名山登山とは全く違った
「知的登山」でもあると言えます。

このような形態での登山をしながら百名山を登っていましたが
だんだんと目的の山が遠くなり、往復の時間が長くかかるようになってきました。
お金よりも時間が貴重なサラリーマンですから、
高速道路が使える所は使って移動時間の短縮に努めましたが
その高速料金も嵩むようになってきました。
「コストパフォーマンス」という言葉が大好きな錆鉄人には、
1山当りの費用が嵩むことは我慢が出来ません。
やむなく天女の了解を得て、
前夜発1泊(車中泊)2日で複数の山の日帰り登山をする事にしました。
この頃には子供が2人共県外の大学に行って、夫婦2人だけ(両親は数年前に永眠)になっていたので
天女の休みを月に1回は土日の連休があるようにお願いして
それに合わせて山の計画を立てるようになりました。
天女は某観光施設に勤めているのですが、
担当が2人しかいないので、土日の休みは月に2日程度しかもらえず、
有休さえないかわいそうな天女ですが、
錆鉄人がビンボーサラリーマンなので我慢してくれています。
というか、
毎週一緒に休みがあったら、錆鉄人家は破産しているかもしれません?

【前夜発1泊2日 日帰り登山】
夜行日帰りと同様な準備をして、前夜出発し登山口で車中泊
翌日登山をした後、次の登山口に移動して車中泊、
2日目も登山をしてその日のうちに家に帰り、3日目はちゃんと仕事をする


錆鉄人はこのようにして百名山を登ってきましたが、
百名山完登を目前にして、平成18年の登山計画を作成しながら、
「百名山完登を果たした人は多いが、全部日帰りをした人はいないかもしれない。」
「いたとしても、非常に少ないだろう。」
と思い、「百名山全山日帰り」を実行しようと考えたのでありました。

その後、いろいろ検索をしてみましたが
百名山全山日帰りをしたという記録は見当たらないので
錆鉄人が「日本初」を名乗らせて頂きます。
なぜ見当たらないかと考えるに
今まで誰もそんな「お馬鹿な事」を考えなかった
という事が最も大きな要因ではないかと思います。

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