錆鉄人流 急ぎ働き登山の極意

04.09.08 更新

急ぎ働き登山

急ぎ働きとは「ミ〜ハ〜登山隊が行く」から拝借しました。
もともとは鬼平犯科帳に出てくる言葉ですが、
自分達夫婦の登山を表すにふさわしいと考え拝借しました。

私達夫婦の登山は
「金無し」「時間無し」ですが百名山登山を目指していますので
当然登山中は「休み無し」です。

最も効率良く目的地に達し、
最も効率良く登頂し、
最も効率良く下山し、
最も効率良く帰宅する。
それは「コストパフォーマンス」と「タイムパフォーマンス」を最大限に高めた
「崇高な登山の一様式」
であると自負しています。

今後私たちの登山形式を真似る方々が続出すると思いますが
このように急ぎ働きの極意を体系化して実践しているのは
我々夫婦が元祖であると考えますので
「錆鉄人流急ぎ働き登山の家元」を称します。

入門希望者は下記宛に最近の登山のタイムチャートと
かかった費用を記入し、入門願書を提出して下さい。



急ぎ働きの定義
急ぎ働きとは、盗賊が計算し尽した手順で押し入って短時間で金品を盗み出すと同様に、コストパフォーマンスとタイムパフォーマンス(錆鉄人の造語)を最大限に高めた登山を行う(頂上を盗む)ことを「錆鉄人流急ぎ働き」と称します。
ただし、「時間が余ったから結果的にもう一つの山に登った」というような場当たり的な登山は「錆鉄人流急ぎ働き」の範疇には属しません。
「計算尽くした行動計画」「天気予報の推測」プラス「日頃の行いに伴う好天気の保障」がなくては実行出来ない超シビアな山行であります。
登山内容による定義

1.コストパフォーマンスが高いこと
往復にかかる高速代・ガソリン代が必然だとすれば、1回の遠征で如何に多くの山に登るかが問われる。車での移動も含めた事前の調査と計画が重要となる。
2.タイムパフォーマンスが高いこと
前夜発と長時間過重労働型登山によって、通常2日分の行動を1日で実践すること。あるいは山行に2日かけるなら3〜4山に登ることで、1百名山当たりのタイムパフォーマンスは高くなる。当然、上記のコストパフォーマンスも高くなる。
3.山から帰った翌日の仕事に支障を来さないこと
これは日頃の鍛錬が必要である。その鍛錬がない錆鉄人は、やせ我慢しながら平然とした顔で行動するのである。
必要条件その1 車
車は急ぎ働き登山を実施するうえで重要な役割を果たしています。それは登山口までの移動手段であるばかりではなく、就寝手段としても利用するからです。
このような用途に利用出来る車は余り多くありません。錆鉄人が独自の偏見によって評価したのが下記の表です。

車中泊用自動車の考察
軽ワンボックスカーを最高の急ぎ働き登山用自動車と考えます。
錆鉄人の現行の使用車
→平成9年式ホンダステップワゴン(FF2000cc4ATノーマル)平成16年6月27日17万km達成。8月車検も取って20万kmを目指しています。
錆鉄人はお金をかけて「改造」は行いません。(お金がないからでもあります。従って4WDでもありません)ドレスアップ等は急ぎ働きには不要であるばかりではなく、登山口までの荒れた林道走行を考えた場合はマイナスになる可能性が高いのです。ステップワゴンの最低地上高は15.5cm、あと2cmあったら最高なのですが・・・
一時は外形の大きなタイヤに交換することを真剣に考えました。標準の195/65-16を195/70-15にすると外径が約2cmアップするのです。勿論お金はかけられないので、ホイールはそのまま使いますが、これ位のサイズアップなら車体と干渉することはないと考えています。
必用条件その2 装備
「急ぎ働き登山」には装備が重要です。選択のポイントは軽量化(ウェイトパフォーマンス)多用途性(ユースパフォーマンス)ですが、常に費用対効果を考えた判断(=あきらめ)が必要です。ただし、これが度を過ぎると悲惨な結果に陥ることがあります。

誤算と後悔(安物買いの・・・)
錆鉄人は「安価!」「特売」「○○限り」には目がなく、ガラクタの山を築いております。(かといって捨てられないケチな性分です。)

【登山靴】
未だに皮製の高くて重い靴に対する妄信が幅を利かせています。残雪期〜秋山にかけてなら、テントを担いだ縦走の場合でも軽登山靴で充分だと考えます。一般の百名山ハイカーがそのような重装備の登山靴が必要な季節に登山を行う筈がなく、専門店は単に利幅の大きなブランド物の高い皮製登山靴(重くて疲れる)を売り込んでいるだけだと考えます。
【ザック】
ザックもまた「ブランド」が幅を利かせていますが、錆鉄人はアルペンの「サウスフィールド」シリーズが機能とコスト面から圧倒的なザックだと思っています。(2〜3倍のコストパフォーマンスがある。ただし、04年のモデルは機能面で退歩しているので買わない)
【ウエア】
登山用ウエアは高い!
何故?本当に?と考え込んでしまう。特売や売れ残りで半額以下でなければ買う意味はないと思います。ウールのボタンシャツ等はデパートの冬物一掃セールで2〜3000円(登山用品店では1万円以上)で買えますよ!
ゴアの雨具だけは登山用品店以外では余り売っていないので、特売セールを活用しましょう。
【その他】
その他の装備は特に重要とは思いません。軽量化の為、山では調理をしませんから、コンロ・コッヘル類は不要です。
必要条件その3 食事対策
急ぎ働き登山は「コースタイムの半分で歩き、休憩時間は考えない」のが基本です。従って昼食にコンロでお湯を沸かして・・・等という悠長なことをしている余裕はありません。
登山前に買ったコンビニのパンやオニギリで充分です。美しい自然と空気の中、何を食べてもおいしいはずです。
時間がなければ歩きながら食べましょう。もっと時間がなければ、下山するまで食べなくても人間は死にません。シャリバテしたという話を聞きますが、これも経験と訓練で克服出来ます。
人間が原始人だった頃は、何も食べなくても朝から晩まで獲物を求めて歩き続ける生活だったはずです。そういう事にも対応出来る身体能力を獲得することによって、サバイバル能力が増し、どのような困難に遭遇してもあなたはだけは生き延びられる可能性が高くなります。
「コンロをもたない」という事による軽量化
ガスコンロのヘッド:約150g
ガスカートリッジ  :約400g?(計ったことがない)
コッヘル       :約500g
豪華な食事     :500g以上
余分な水      :1000g?
ざっと2kg以上、この差は大きい!

時間の軽量化
コンロを出して何か作って食べるとなると、最低でも30分以上はかかります。普通なら1時間以上かもしれません。パンやおにぎりなら10分もかからずに済みます。この差は大きい!
必要条件その4 体力・気力
急ぎ働き登山は「長時間過重労働型登山」が基本なので当然普通以上の体力が必要です。体力が足りない分は気力で補う必要があります。
普通の登山の場合、実際には体力の限界まで使っている訳ではなく、自分で限界だと思うことが限界を低くしていることが明白です。

さらに大切なのは、絶対にやり遂げるという「モチベーション」であります。

体力の養成方法
錆鉄人の限界理論

登山”道”
最も必用なものは「歩き続ける意思」です。
それから、他人からは「そんな山登りをしてどこが楽しいの?」とか「そんなのは登山とは言わない!」とか言われますが(陰ではバーカみたいと言われています)自分は崇高な登山”道”の修練(柔道・剣道などと同じ”道”)をしているのだと信じこむ事が重要です。
こうすることによって生み出されるものは「時間と体力」です。あなたの行動力をさらに高めることでしょう!

必要条件その4 良き妻
錆鉄人が自慢出来る最高のものが(ものではありませんが)「妻」です。(妻に読まれることを期待しながら・・・)

急ぎ働きを一人でやっているとかなり空しく感じますが、妻と一緒なら充実した楽しい山行になります。コストパフォーマンスも倍に高まります。
急ぎ働きは妻の理解・協力がなくては、とても実行出来ないのです。

【錆鉄人の妻】
疾き事風のごとく(速く歩き)
動くこと機関車のごとく(疲れを知らない)
助ける事天女のごとく(天女の部屋参照)
眠る事泥のごとく(いつでもどこでもいつまででも寝ていられる)


錆鉄人の急ぎ働き「ベスト5」
いずれも真似をして命を落とさないように気をつけてください。(順不動)

1.78時間で九州百名山5つを登頂
2.2日で5つの百名山登頂
3.2日で黒部五郎・鷲羽・水晶・雲ノ平を踏破(折立から一周)
4.聖岳日帰り
5.早月尾根から剣岳日帰り

人間とは奥の深い存在であることを自分自身をモルモットとして実感した。錆鉄人は性格的に調子に乗って突っ走る所があり、一般的には無謀な挑戦であっても、それを達成した途端に、さらにそれを上回る無謀な挑戦にチャレンジするのであった。
しかし、そこには何処かに本当の限界があるはずであるが、錆鉄人には一般人にある危険信号(もう駄目〜と感じること)が発信されないか、または発信しているが受信出来ない特異体質なのかもしれないと思うので、自らの判断で限界を設定する必要があると考えている。

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