天女の鳥倉林道日帰り 塩見岳

07.09.08

塩見岳(3,047m)

5年前
ワンゲル部で南アルプスを縦走する二女に逢うために
鳥倉林道から三伏峠を超えてはるばると南下し
荒川小屋で幕営して再会、
翌日悪沢岳に登って帰宅した。
その時、天女に塩見岳を教えたので記憶に残っていたようである。

このコース、往復のコースタイムは15時間位あるが、
錆鉄人は01年の6月初め、残雪で迷いながらも昼過ぎには下山して
夕方には芦原温泉の宴会に出席した事がある。
その時、実際のコースタイムはもっと短かくて良いように思った。

もう、2週間もすれば紅葉となって
山は再び混雑する事になるだろう。
静かな南アルプスで修行せんとする錆鉄人と天女であった。






どうやって行くの?
中央道松川ICで下りて東に向い、大鹿村で案内表示に従って鳥倉林道を上がって行きます。(よく案内板を見落として迷ったと書いてありますが、注意力が必要です。)

林道は1車線+ですが、全線舗装されていて、車止めゲートの所には30台位の駐車場があります。
以前から車止めはありますが、錆鉄人が2001年6月に来た時はゲートが解放されていたので、登山口に車を停めて登山出来ました。ゲートから登山口までは約2km、コースタイムは30分ですが、もう少しかかると思います。

計画では、天女が疲れ気味なのでペースを落とし、5時頃登山開始し、暗くなる前の16時半頃に駐車場に戻りたいと考えていました。

武生IC〜松川IC間は約250kmあって、金無し錆鉄人のケチケチ作戦「通勤割引乗継の裏ワザ」を使っても安くなりません。恵那山さえなかったら、後は夜中の国道を走るという手段もあるのですが、中津川ICからの山越えは厳しそうです。
かといって、恵那で下りて中央アルプスの西を北上し、権兵衛トンネルを通って伊那市に出て、松川まで戻るとなると、伊那市−松川館は約30kmあるので片道60kmも無駄に走る事になるのでした。高速代を千数百円セーブするために、ガソリンを700円程余分に使い、時間は2時間以上余分にかかるという事になるので、「金無し」よりも「暇無し」への影響度が大きくなるので、ここはオーソドックスに途中のSAで車中泊して、深夜3割引を使うという事になります。ちなみに通勤半額乗継+残りを深夜3割引としても同じか逆に高くなってしまうのでありました。
という事で、片道5,950円の所、4,150円となって1,800円のセーブとなるので、帰りにおいしいものを食べることにしようと思います。
温泉
大鹿村には鹿塩温泉があり、帰宅ルート付近にありますが、夕方は日帰り入浴が出来ないので、まつかわ温泉「清流苑」を探しだしました。
松川ICの近くにあって、400円で8つだか9つの温泉が楽しめるとか。レストランは大したものはないようでしたが、生ビールを飲んで車中泊し、翌朝までに帰宅しようと考えました。(9日は天女が仕事の為)

という事で7日午後7時頃に出発、いつも通り養老サービスエリアでトイレ休憩して、無料のお茶を飲みに行くと、TVで剣岳の放送をしていました。しばらく天女と一緒に見ていましたが、続きはカーナビで見ることにして車に戻り、発進。
番組の終り頃に夫婦が記念撮影をして「また一つ思い出が出来た。」というような事を言っていたので、すかさず、「僕らも72の百名山に72の思い出があるね!」と言うと、天女は「私、ほとんど覚えていないわ!」とショッキングな発言
まあ、そういう事もあって、このホームページを作っているのでありまして、天女は復習の為に必ず見るので「愛妻家の錆鉄人、愛妻家の錆鉄人」を連呼して、天女の洗脳に努めているわけであります。
いつか100の思い出になりますように!
登山開始

鳥倉林道の駐車場のゲートを4:42に出発。


帰ってきたのは16:44
休憩を含み往復12時間02分でした。
登山口

   登山口 5:11
ゲートから先も林道は舗装されていて、登山口が近づくと傾斜が急になり、舗装が終わると、300m程先が登山口です。登山口には結構広い駐車スペースがありますが、現今の登山ブームでは満杯となり、先行車の迷惑を顧みずに無法駐車する者がいて、広い駐車場のある現在地までゲートが下げられたのではないかと考えました。


16:09 元気に戻ってきました!
急いで戻れば駐車場まで25分ですが
遊びながら帰ったので35分かかりました。
登山道

登山口より1km地点、三伏小屋まで2km2時間と表示されています。
天女は今回も不調で、30分も登った頃に「もう登りたくない」とこぼし、「私、身体がどこか悪いのかしら」と心配しているので「身体が悪かったら剣岳の日帰りなんか出来るはずがないよ」と安心させ、「ゆっくりでいいから」、と今回は(剣で懲りたので)何処までも優しい錆鉄人でありました。


まだ薄暗かったのでブレていますが・・・
ハシゴ場

ハシゴ場が連続します。その辺の丸太を利用しているので、この日のような雨に濡れた状態では注意が必要です。

水場 6:33
登山口から3/4位の地点?に水場があります。この日は台風による大雨の後だったので、水量が豊富でした。
剣の日帰りで水不足でセーブしすぎて、軽い熱中症気味になった錆鉄人は反省して、今回は2人で水6.4Lとビール(発泡酒)2本を持ってきているので、ここで給水はしません。

登山道

水場の先にもハシゴ場が連続します


6:53 麓のほうが望めました
塩川小屋分岐

疲れきった天女の顔。どうやら低血圧のようです。


7:07 8/10地点
三伏峠 7:21

ようやく三伏小屋に到着。
ここで食事タイムにしましたが
天女は食欲がありません


お約束の撮影場所
「日本一高い峠」標高2615m
トイレ

エ〜!6,000万円は高すぎる!
協力金なんかで償却出来る金額じゃないし、山小屋の収益でも償却出来る筈がありません。という事は、裏に政治家や土建屋の利権がらみの補助金の為、実際の数倍の金額がかかっているという事でしょう。情けない国です。


天女がきれいだったというので
わざわざ撮影に行きました。
政治家と役人は情けない国だけれど
きれいに掃除して下さる小屋の人は偉い!
塩見岳−荒川岳方面分岐
小屋の前を少し下って行く(標高では50mもありませんが、どちらもロングコースなので、下らなくて良いルートを開発して欲しいものです)と、塩見岳と荒川岳方面との分岐があります。
前回は重いザック(荒川小屋で幕営の為)を担いで右に行きましたが、今回は軽いザックで左に進みます。

三伏山

三伏山に登る途中で日焼け止めを塗りました。錆鉄人は手足丸出しなのでたくさん必要ですが、1本しか持ってきていなかったので、セーブして塗りました。


振り返ると同じ位の高さに三伏小屋が見えます。
本谷山
三伏山からは標高で100m位ダラダラと下って、ダラダラと登ると本谷山です。ダラダラ登りでも天女は不調なので座り込んでいます。
ここで、数日前にNHKで低血圧にはコーヒーが良いと言っていた事を思い出し、ザックの中にあった小岩井牧場のコーヒー牛乳を出して天女に飲ませました。
以前、01年6月6日に登った時、森の中で残雪が多く迷ってしまいましたが、どの辺りだったのかなと思って歩きましたが、分りませんでした。

塩見新道分岐
コーヒー牛乳の効果か、本谷山からは、再びだらだら下りの効果もあって、天女は回復気味。小さな小川を渡って登りになりましたが、休憩しないでも登れました。
やっと、塩見新道分岐に到着。

尾根歩き

分岐からはすぐに塩見小屋があったように思っていましたが、尾根をひとつ乗り越えます


左の三兆のすぐ下が三伏小屋
まん中が三伏山
右が本谷山
結構遠くまで来たものです
塩見小屋

10:09 塩見小屋に到着。もう閉まっているのかと思っていましたが、どうやら営業しているようです。


小さい小屋なので収容力不足でしょうか。
横に大型テントが2つ立っていました。
小屋の向こうに天狗岩、
その奥が塩見岳
天狗岩の登り

天狗岳は険しく見えますが、
横を巻きながら登るので案外楽です。


とは言え、こんな感じです
続天狗岩の登り

天女の華麗なテクニック?


天狗岩を登ったと思うと
塩見岳がそそり立っています
塩見岳本体の登り

登山者発見!


天狗岩を振り返ります

天女は「剣岳より怖い」
と言いながら登りました。
頂上

塩見本体に取り付いていた一行は不調な人がいたらしく、途中で追い越してしまい、11:17塩見岳西峰3,047mに到着。
という事で、この時は誰もいなかったので天女だけを撮影しましたが、戻ってきた時に岐阜県の人が登ってきたので撮影してもらいました。

向こうに見えるのが、最高峰の東峰ですが、100mほどしか離れていません。途中の高低差もほとんどなく、1分で到着する距離です。東峰で一行が到着するのを待って撮影してもらいました。天女もそれまでの不調を忘れてノリノリでした。コーヒー牛乳が効いてきたのかもしれません。
これから熊ノ平小屋まで行くとか。1人顔が真っ白の人がいましたが、登るも地獄、戻るも地獄なら登ったほうがいいと思って登ってきたとの事。吐きそうだと言っていましたが、後は下りだから大丈夫だったでしょう。


東峰 3,052m
前日凍らせて
レジャークーラーに入れて持ってきたお陰で
ヒエヒエのビールでした
下山

11:52 下山開始


怖いワ!
というので下山は錆鉄人が先行
足運びを指示して安全に下山です
下山
  
紫色のきれいな岩だったので撮影したのですが、全然色が違っています。天女は岩ノカケラを奇麗だわと言って拾って帰りました。


天狗岩を通過して
塩見小屋へと下ります
休憩

12:35 塩見小屋に到着。小屋では宿泊者がトイレ使用?の説明を受けていました。その後、下山中に続々とパーティに遭遇したので、かなり混雑したのではないかと思われます。


小屋は通過して小川の所で休憩。
ここで2本目のビールを飲みました。
天女ももう怖い所はないから
と言って一口飲みました。
障害物

登山路を倒木が遮断
左を迂回し振り返って撮影


足の長い天女はひと跨ぎ
本谷山

登山者が休憩していたので撮影してもらいました。その人の話では富士山も見えたとか。
ここで、西峰で写真を撮ってもらった岐阜の人が追い付いてきたので、4人でしばらく話をしていました。岐阜の人に先に行ってもらいましたが、その後も記念撮影などしながら進んだので追いつく事はありませんでした。


少し進んだ所から
ガスが出てきたので見える間に撮影
三伏小屋

来た時は1張りだったテントは10張り位に増えていました。1張りだけ人が出ていましたが、後はひっそり。すでに睡眠モードでしょうか。


小屋では宿泊者がのんびり。明日の天気を聞くと今日より悪そうとの事でした。天女も日帰りだったので驚いていた様子でした。
14:55 出発
下山

良く整備された登山道を下ります
明るい間に戻って
直売所で安いリンゴを買いたい天女は
快調に飛ばします


木の密度が少なくて明るい感じ
が塩見の特徴ではないかと思います。
登山口に戻る

という事で、16:09 下りは快調な天女が元気一杯戻ってきました。三伏小屋から1時間15分でした。


正面の鳥倉山の中央
やや白く見える所が駐車場
天窓橋
明るい間に高速の入り口付近間に十分に戻れる時間なので、ここからは急がずに歩きました。

良く見ると、こんな所によく道路が造れたなと感心するほどの急斜面に道路がつけられています。この天窓橋の山側は200mほどの垂直の岩壁。川側も200mほどの急斜面で谷底まで、思わず後ずさりしたくなります。所々、アスファルトには亀裂も入っていて・・・、崩落して通行止めとなりませんように。

駐車場に戻る

という事で、コースタイム30分の林道戻りを35分も掛けて、16:44 駐車場に戻ってきました。


岐阜の人の駐車跡と思われる所を除き
駐車場はちょうど満杯でした。
車の向こうの屋根は立派な水洗トイレ
天女も感激していました
しおかわ温泉
鳥倉林道の下り急カーブで、パンを食べながら運転するという高等テクニックを駆使し、麓まで下りましたが、スピードを出せる区間は僅か、トンネルを超えると再びダム湖の湖岸をなめて走るカーブの連続となりますが、天女は助手席でスヤスヤ。対向車はほとんどないので、アウトインアウトで出来るだけ遠心力がかからないように走る愛妻家の錆鉄人でありました。
松川の市街を抜けて高速向かって登ると、左右にリンゴの直売所がありましたが、小規模な所や閉まっている所もあって、諦めようとしてスピードを上げた所、左側にたくさんリンゴを並べた所があったので、愛妻家の錆鉄人は「戻る」という行為が大嫌いではありますが、わざわざユーターンして戻りました。
感じの良いおばさんがむくリンゴとなしを試食して、つがるを1袋、名前を忘れましたが赤くておいしそうなリンゴを2袋、合計1,500円購入し、天女は大満足。車に戻ろうとすると、台風で落ちて売り物にならないリンゴだけど、と言って一部傷がついたリンゴを2つくれました。

という事で、次はまつかわ温泉「清流苑」です。高速手前県剣道を右折して数百メートル、看板に従って左折しましたが、「左折(して)200m」かと思った看板は「200m(先を)左折」が正解で、狭い道を通ってその道路に復帰、僅かに進むと施設が並んでいたので、何所が温泉だろうと思いましたが、ここで天女が「向こうの車が一杯の所じゃない?」というので行ってみると、まさしく正解。一緒に20万km位走っていると思いますが、初めて正しいナビをした天女でありました。
道路の両側にも駐車しているので大丈夫かなと思いましたが、天女は「シャワーの順番待ちでもいいわ」と芋の子を洗うような混雑を覚悟、1時間後に休憩所で落ち合う約束で突入しました。入浴料は一人400円。
ところが、温泉は空いていました、どうやら大量の車は他の施設の客だったようです。洗い場は半分以上空いています、露天風呂も数人。屋外には直径2m位の樽風呂があって、錆鉄人はこれが一番気に入りました。屋内には普通の温泉以外に、ジェットバス、薬湯、ラジウム温泉、名前は忘れましたがまっ白い泡のような温泉もあって、これで400円はすごくお得な気分でした。ところが地元の人と話をすると、町民は無料だとか!どうせ町長が再選目当てでした政策に決まっています。税金を無駄遣いせず、受益者負担を徹底して欲しいものです。
これだけが「まつかわ温泉・清流苑」唯一の不満でありました。
食堂にて
集合予定時間の5分前に上がった錆鉄人は、天女を待ちながらスーパードライ500mLを1本飲みました。天女は温泉を堪能して遅れてきましたが、大人の錆鉄人はそんなことでは腹を立てません。
という事で、食堂に移動。と、売店でリンゴを売っています。しかも1袋450円、3袋では1,300円!こういう時は「早まった!」と後悔するのではなく、直売所だから新鮮な良質のリンゴなので高くてもしかたがない」と自己防衛しましょう。
まずは、生ビール「大!」を注文。伊那牛の焼肉というものがあったら食べたかったのですが、普通の食堂なのでヒレカツ定食1,100円が一番高いメニューでした。錆鉄人はトンカツ定食900円、天女は田舎定食?650円位だったかを注文。いつも通り食べっこをしましたが、どちらも美味しかったです。もう少し何かを食べようとメニューを見ると、鯉料理があったので、注文。これが最高においしくてさらに満足でした。

という事で、無事73山目の思い出が出来たのでありました。


敷地内で車中泊してアルコールを抜いてから出発しようと思っていましたが、温泉の駐車場では落ち着かないので天女の運転で高速に乗り、恵那SAまで走って車中泊しました。
という事で朝方まで寝る予定でしたが、暑くて11時頃に目が覚めてしまい(アルコールの効果がなくなった)、さらに天女の運転で養老SAまで走り、そこから運転を交代して自宅に着いたのは午前2時少し前でした。サーカーを見ながらビールを飲んで3時頃に寝ました。

天女の運転もかなり上手になって、横で見ていても安心出来るようになってきたので、これからはさらに行動範囲を拡げることが出来るかもしれません。

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