湯の台登山口から 鳥海山

07.08.11

鳥海山(m)


地球人と仲良くなるために某観光施設で働いている天女ですが
頼み込んでもらって登山シーズン中で唯一の連休が当りました。
そこで、出来るだけ遠い所の百名山を済ませてしまおうと考えて
残っている中では北海道を除けば一番遠い
鳥海山と月山に登る計画を立てたのでした。

錆鉄人一人ならば
山伏の修行にも劣らない超絶登山計画を立ててしまう所ですが
天女が「次の登山も楽しみ」と思うように
観光と温泉選びにも頭を絞る愛妻家の錆鉄人でありました。

なにせ、錆鉄人は
一人遊びが苦手なのでありました。


どうやって行くの?
会社から家に帰って天女を乗せて出発するので、直接会社から出発した2年前と比べ、出発時間が1時間以上遅くなってしまうので、時間最優先で山形道も高速に乗ろうと考えました。
北陸道を最北端の中条1Cまで走り、その後は下道で鶴岡市まで走り、鶴岡ICからさかた港ICまで高速に乗って時間短縮を図り、湯の台登山口に行く計画を立てていました。
前回はカーナビに任せて走っていたら、中条ICから鶴岡までは、海岸沿いの急カーブが多くて平均スピードが上がらない道路を延々と走らされたのですが、地図を見ると少し遠回りになりますが、内陸部を走る国道7号線があり、道路はそれほど曲がりくねっていないようなので、今回は「寝ている天女が楽なように」7号線を走ろうと考える愛妻家の錆鉄人でありました。
なお中条ICまで400kmを超える距離なので計算してもりと、得意のETC半額を駆使しても、全線の深夜3割引のほうが安くなる事が分ったので、途中で少し寝て行く予定でした。


という事で、計画は18時30分自宅出発の予定でしたが、15分遅れで出発。北回りの時は、少しでも高速代を浮かせる為、福井北ICで乗るのですが、今回は時間優先なので鯖江ICで乗りました。(約10分の短縮)
高速も、今回は燃費を無視してスピード違反で捕まらないギリギリのスピードで走りました。事前に新潟と山形のガソリン価格情報を調査して、新潟は安く、山形は高い、高速はもっと高いと確認済みなので、中条ICで高速を降りた所で給油し、山形から戻ってきた所でまた給油して高速に乗る計画でした。
事前調査の成果は大正解。7号線沿いのスタンドは137円!しかも非常に走りやすい道路でした。(ただし、夜中なのに帰省のペーパードライバーが制限速度通りで走っていたので、後続のドライバーはイライラして走っていました。)
正し、帰りは反対車線に137円のスタンドがあったのですが、走行方向のスタンドに入ろうと思っているうちに中条ICを通り越してしまい、そのまま7号線を走りましたが、142円しかありませんでした。(ちょっと残念!)
黎明の湯の滝口
高速の途中で天女に1時間程運転を変わってもらって30分程寝ました。そして、予定通り黒埼PAで車中泊をしようとしましたが、暑くて寝られません。(錆鉄人は地球のために停車中はエンジンをかけません)
しかたなく、中条ICを午前0時過ぎに出られる時間までいて出発し、カーナビの指令を無視して9号線を鶴岡まで走りました。さすが9号線は走りやすくお勧めです。(というか、カーナビがおかしい)
鶴岡IC手前からペーパードライバーがいなくなって、しかも2車線のバイパスとなってスイスシ走れたので、少し遠回りになる高速には乗らずに進みましたが、バイパスなので信号も少なく、高速に乗った場合とほとんど変わらなかったのではないかと思います。


本当は新月だったのですが・・・
出発


登山口は左の写真のトイレからほんの少し下った所です。
4:26 出発です。(デジカメの記録したタイム)
写真では暗く見えますが、登山口を出発した時からヘッドランプはザックに仕舞って歩けました。
橋はどうって事はありませんが、寝ぼけていて落っこちないように気をつけましょう。天女は寝起きですぐにハードな登山を繰り返しているので、心配ありません。

滝の小屋
滝の小屋は駐車場からすぐなので必要ないように思いましたが、錆鉄人のような車中泊出来る車ばかりではないので、案外利用されているのかもしれません。
向こう側が入口になっていて、水も豊富にあり帰りに飲みました。

渡渉
小屋の少し先で渡渉します。水量は多くなく、天女でも石の上を不安なく歩いて渡れました。

斜面からの御来光

登山道はほぼ南斜面なので、途中で御来光が見えるかと期待していましたが、遅くなって斜面から光が差してきました。


朝靄の中に浮かぶ山並み
墨絵のような眺めでした。
月山

さらに右手には緩やかな斜面で盛り上がる月山の存在感が際立ちます。


景色に見とれた後、
足元だけを見つめて登る天女。
この辺りはやや急な斜面でした。
影鳥海
左側に目を転ずれば影鳥海が!
海に映るのかと思っていましたが、海霧がスクリーンになって聳えていました!


登山道その2

その先に行けば、完全な形の影鳥海が見えるかもしれないと思って急に頑張りだした天女。でも、完全に見える場所はありませんでした。


お花畑の中のゆるやかな道。
河原宿
5:19 朝日が当たってまぶしい河原宿に到着。
数名の登山者が休憩していました。この先トイレがないかもしれないのでトイレに行き、手前の川で手を洗いました。

小屋からの眺め

小屋の前からは心字雪渓(タツノオトシゴのように見えます)と小雪渓(その右上)がよく見えます。頂上はまだ見えません。


ついでに流れる水でリフレッシュ!
出発
ルートは小屋の前を小川沿いに進み、その先で渡渉します。(右上のロープは?)
上の写真の左隅に白く見えるのが、ルートを踏み外さないように張ってあるロープの支柱です。

心字雪渓の横を登る

何となくカールの底を思わせる石の群れです。雪渓横の斜面に雪渓と並行にニッコウキスゲが咲き連なっています。


心字雪渓を登るのだと思いましたが、ルートは雪渓の左側を登って行きます。
ニッコウキスゲ
という事で、雪渓と並行に咲くニッコウキスゲをアップで撮影。
天女自慢のサングラスは見る角度によっては虹色に見えてカッコイイのですが、マラソンに凝っていた時に買ったものです。

心字雪渓のトラバース

まだ時刻が早い(5:52)ので雪渓の表面はカチカチに近い状態。でも、スプーンカットになっているので、慎重に渡ればアイゼン無しで何ともありません。


ダブルストックなので全然不安はないはずですが、ロープを持てば安心だと思った天女。もしこけたら切れるのではないかと思うのですが・・・
渡渉
雪渓を渡った先で渡渉します。ここも石の上を簡単に渡れました。
コントラスト
振り返ると雪渓をはさんでお花畑が広がっています。
向こうの斜面の上部の黄色い帯に見えるのが、ニッコウキスゲが並んで咲いている所です。

小雪渓
小雪渓も先行者が歩いている地点でトラバースします。

あざみ坂

6:23 いよいよあざみ坂に突入。かなりの急登で、登り切る頃にPROTREKを見ると、棒グラフが3本しか立っていませんでした。


小雪渓で先行していた2人
あざみ坂2

急坂をぐんぐん登ったことが良く分ります。日光が当たらなくて涼しかったのが救いです。


あざみ坂のあざみ
あざみは天女の好きな花です
外輪山の稜線

やっと七五三掛からの外輪山ルートに合流しました。
新山(頂上)が見えてきましたが、まだ遠く見えます。


外輪山は険しくそそり立っているので
そこにトラバースルートがあるとは思えない程です
トラバースルート

トラバースルートへは外輪山からハシゴで下りますが、注意していないと分岐を通り過ごしてしまうかもしれません。


大物忌神社がまだ遠くに見えます
険しいトラバースルート
トラバースルートの上はほとんど垂直に岩がそそりたっています。けれども、登山道自体はほぼ水平に移動出来るように付いていて、道幅もちゃんとあって不安なく歩けます。そして、結構花もたくさん咲いていました。


チョウカイアザミはちょっとグロテスク
天女も普通のアザミがいいわ!
ガレ場

大物忌神社への登り(向こう側)の前にガレ場を横断します。


慎重派の天女なのでこういう所は
普通の人の何倍も時間がかかります
大物忌神社

ガレ場からは、きれいに並べられた石段を登ると大物忌神社前に到着します。(7:17)
ここまで3時間近くかかっていますが、ほぼ予定通りでした。

お参り

月山や湯殿山を考えると、写真を撮っても良かったのかしら?と不安になってしまいますが・・・。写真を前にもう一度お祈りをする錆鉄人でありました。


例によって天女の祈りは長い!
新山へ

新山は岩の積み重なった山という感じで、こういう所は苦手な天女なのでどうなることかと思っていたのでしたが、案外怖がらずに登りました。


一旦岩の割れ目へ下ります。
そして左回りに頂上へ続きます
鳥海山登頂

頂上直下を登る天女


という事で天女は
百名山登頂70を達成しました
下山開始
案外空気が淀んでいたので、頂上からくっきりした写真は撮れませんでした。頂上でのんびりしていたら、声が聞こえてきて、しばらくすると数名の登山者が頂上に登って来たので、狭い頂上を明け渡して降りることにしました。

→は2方向に向かっていましたが、我々は元来たルートを辿ります。(もう一つは七高山のほうへ行くルートだと思います。)

下山その2

こんな感じで岩を登ってきたのでした。


天女を見つける事が出来る人は
相当な天女のファンです!
新山をバックに記念撮影

ビール(500mL800円)を買って新山をバックに記念撮影。この後を右に行った所がトイレですが、天女は戻ってくる時に山小屋がどうなっているか見たいと言ってちょっと中に入り、休んでいる人と話をしました。山小屋なんか珍しくないと思うのですが・・・天女は20年近く前に槍ヶ岳山荘に泊まっただけなのでありました。(八ヶ岳の赤岳天望荘に泊まりたいという「意志表示」かもしれません。)そういう錆鉄人もお付き合いを含めた5回位しか山小屋には泊っていないのですが。


トラバースルート下山口

ここの小屋では横でゴミを燃やしていて
ちょっと気になりました。
という事で
ビールの空き缶は持って下山しました。
トラバースルートを戻る
   
日焼けが嫌いな天女に好都合のトラバースルートでした。


ハシゴを登って外輪山へ
工事中

登山道の脇にあった観音様
かなり風化していましたが、口は閉じているけれども微笑んでいて、天女は今度はこんな顔のほぐし絵を描きたいと言っていました。


例によって天女の祈りは長い
伏拝より

年賀状の写真にでもと思って撮ってもらいましたが、大物忌神社は全く見えないし・・・天女を立たせて構図を見てから取ってもらえば良かったと思いましたが、後の祭りでした。


アップで撮影
御浜ルート
外輪山から御浜ルートの写真を撮影。外輪山の上に鳥の海が見えているのですが・・・(心眼!)
鉾立登山口からは、外輪山の手前の七五三掛で右の千蛇谷ルートと外輪山ルートに分かれますが、どちらもコースタイム的にはほとんど差がありません。「千蛇」というと白山にも千蛇池があったり蛇塚があったりと、信仰の山には付き物の地名でしょうか。

下山

あまり大きくなくてかわいいわ
コバイケイソウに満足の天女

心字雪渓を下る
雪渓は日光でキックステップが可能な状況(まだやや硬い状況ではあったが)だったので雪渓を直下降することにしました。何といっても、雪渓の上は涼しいので気持ちがいいです。
という事で、横の登山道を登る登山者をしり目に、スイスイ下りました。
終り頃の所で、登山者が雪渓に入ってきたので、「アイゼン無しではきついと思いますよ。」と言ってあげました。

ガス
河原宿の手前で何人もの人が三脚を立ててカメラを構えていましたが、だんんだんとガスが出てくるようになりました。天女はいい写真が撮れるといいですねと声を掛けていました。
登山口に戻る

表面がほぼ平なので歩き易い石畳


登山口には11:05に戻りました。
予定より30分早く出発して
ここで1時間近く余裕が出来ましたが
次の羽黒山では予定を大幅に超過しました。

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