荒島岳(1,523m) 一昨年に日本人初の百名山全山日帰りを達成した後、 二百名山とか三百名山を目指す気持は全くなく 一緒に登ってきた天女の百名山登頂数を増やす事に努めてきたが 天女は仕事の関係で長い休みを取って遊びに行く事が出来ず 従って北海道に行けるのはリタイヤ後となるので、 モチベーションが上がらない錆鉄人でありました。 ところで、2人目の孫が生まれて天女は12月25日以来横浜へ行っていてるので 錆鉄人は「自宅単身赴任」が4週間にもなろうとしているのでありました。 という事で、一人でお風呂を沸かすのも面倒だったのでシャワーで済ませていました。 たまにはお風呂につかりたいなという事で温泉に行く事を考えました。 一番近い温泉は河和田のラポーゼですが、近すぎて知り合いが多いのが難点 次はどこが近いか分かりませんが、いずれも30km以上はありそうで 温泉だけで遠出するのは合理主義者の錆鉄人には無駄にしか思えません。 (単にケチなだけ!) という事で、一人では遊べない錆鉄人ですが 土日に天気が良ければ温泉のついでに荒島岳に登ろうと考えたのでした。 |
地 点 | 駐車場 | 登山口 | シャクナゲ平 | 頂 上 | シャクナゲ平 | 登山口 | 駐車場 | 合 計 | |
時 刻 | 10:15 | 10:41 | 11:33 | 12:14 | 12:48 | 13:19 | 13:29 | 3:14 | |
休 憩 | − | 0:02 | 0:02 | 0:05+ 0:05 |
0:08 | 0 | 0 | 0:22 | |
区間タイム | − | 0:26 | 0:50 | 0:39 | 0:20 | 0:23 | 0:10 | 2:52 |
どうやって行くの? | ||
我が家から荒島岳登山口のカドハラスキー場までは約45km、大野市街を除けばほとんど信号がないので、途中のコンビニで昼食を買ってちょうど1時間位の距離であります。 スキーリフトを利用すれば、錆鉄人なら登り1時間半、下りはリフトに乗れませんが、1時間という計算です。(普通は、この2倍と考えて下さい。) 問題は、去年もこんなんで潰れないの?と思った程のスキー客の少なさで、営業を中止しているのではないか、という事です。福井新聞のスキー場の積雪案内にも、何故かカドハラは載っていないのです。(去年も載っていなかったのですが、一応営業はしていました。情報を出してもらう為の資金がないのではないでしょうか?)) そこから旧和泉村の「平成の湯」までは9kmという所です。 |
18日夜、天気予報をチェック。ウェザーニュースは晴れでしたが、Yahooと天気JPは曇り。しかもウェザーニュースで雨雲の動きを見ると、舞鶴沖の日本海に雨雲があって、夜中には福井県に広がって来る予想でした。(Yahooもほぼ同様) という事で、錆鉄人は快晴に近くなければ登る気がないので、駄目だろうと思ったのですが、一応6時に目覚ましをセットして寝ました。 目覚ましで起きて、早速外に出て空を見上げると「曇り」、やっぱり駄目かと一人寂しくご飯を食べ、コタツを暖かくしてテレビをぼんやり見ていましたが、9時の天気予報で「晴れ」と言っているので外を見ると、何と晴れているではありませんか。 という事で、10分で準備をして出発したのでありました。 |
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カドハラスキー場 | ||
乗っているのは代車のシビック。(横浜へ行った時に、不注意で当ててしまったものですから、修理中です)ステップワゴンとは重心が低くコーナリングは得意のはずですが、ハンドルのガタが大きく、スタッドレスの状態も確認していないので、カーブや凍結路に信頼がおけず、ゆっくり目に走りました。 走りながら、詰め込んだ装備を頭の中で再確認。日焼け止めを忘れた事に気が付き、コンビニで昼食用のパンと一緒に買おうと思いましたが、立ち寄ったコンビニには置いてありませんでした。半分以上は林の中で日光が当たりのは往復1時間ちょっとぐらいだろうから、もう1件のコンビニに寄って探すのは止めました。(家にはたくさんあるので) という事で、10時を回った所で国道からカドハラスキー場駐車場への分岐に到着。ちゃんと除雪してあるので安心して上がっていくと駐車場には車が約10台!らくらく駐車可能です。 |
リフト前のメイン駐車場 |
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スキーゲレンデ | ||
早速、奥に駐車して、リフトに乗っている間の防寒用にセーターを着込み、登山靴を履きながらリフトを見ると、何と!左の短いリフトが動いているのみで、登山口までのリフト(写真には右上に支柱が何本か映っていますが・・・)は止っているではありませんか。 ガーン!それでも、決然とセーターを脱いで、ゲレンデ歩きを覚悟する錆鉄人でありました。(好天なのに登山者が少なかったのはリフトが止まっていたのも一因かもしれません) スキーヤーの皆さん、カドハラスキー場はいいですよ!リフト待ちもありませんから!3000円の1日券で100本以上滑れますよ!体力があればですが・・・(登山者の為に、潰れないようにと願う錆鉄人でありました。) |
(キラキラ輝くゲレンデの雪) という事で、遅まきながら10時15分駐車場から歩き始めました。左の写真の右上から滑り降りるコースとの合流地点の少し手前を登山者が歩いていました。ここから出発したのではない事は明白、視線を後ろにずらすと、ギンレイ荘の駐車場に車が数台停まっているのを発見。リフトが動いていないので登山者は向こうに駐車したようです。 あそこのほうが標高で30m程は高くて距離も短かそうで、「シマッタ!損をした」と反省しながら歩く錆鉄人でした。その登山者を最初のカーブでキャッチアップ。2か月ぶりの登山(運動)なので調子が出ないというか、はやくも足の疲れを感じる軟弱な錆鉄人でありました。 |
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登山者用リフト降り場 | ||
別に登山者用リフトっていう訳ではありませんが、天気が良ければ、ひょっとしたらスキーヤーよりも登山者の利用のほうが多いかもしれないカドハラスキー場ですから・・・ 錆鉄人の場合、リフト降り場で写真を撮るのは恒例となっていますが、足跡は1つのみ、ほとんどの登山者は黙々と頂上を目指して一直線のようです。 錆鉄人はブレスサーモの薄手シャツに量販店で買ったウール100%のボタンシャツ、下は量販店で買ったタイツに夏でも穿く登山ズボン(これだけ登山用品店で買ったもの)という井出達ですが寒くはなく、むしろタイツは脱ぎたい気分でした。 |
【登山口】 下山時にリフト降り場まで来て戻った人もいるようで、こちらの足跡は複数。というか、往復+こちらから登山口に行った人と合計3つという感じでした。 登山ルートの足跡はたくさんあって安心。ここしばらくはほとんど積雪もなかったので、トレースがないという心配はなさそうです。 というのは、雪が降った後の土曜日は、餅が壁辺りでラッセルの先頭に追い付いてしまい、カンジキも持っていないから先にも進めない・・・という事があるのです。 錆鉄人は2回ラッセルの追いつく経験しましたが、そのうちの1回は皆さん時間が遅くなったので戻ると言うので、膝上まで潜る雪をスパッツも着けずに一人だけで登頂しました。 |
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シャクナゲ平 | ||
途中でスキーを担いだ3人組を追い越してシャクナゲ平に11:33到着。シャクナゲ平を迂回するルートはありませんでしたが、あっても錆鉄人はシャクナゲ平に登って白山の写真を撮ってから頂上を目指すつもりでした。 いつ雲に隠れるかもしれないので最初に白山の写真を撮り、頂上までのルートを見て登山者を確認。腰も下ろさずに通過します。 白山が雲に隠れないうつに登頂出来ますように! |
頂上の前に控える餅が壁の急斜面 登っている登山者の姿が見えました。 前夜に若干でも雪が降ったら 樹氷が楽しめたのですが・・・ |
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餅が壁の上 | ||
雪が堅くても軟らかくても登るのが大変な餅が壁ですが、錆鉄人は荒島岳ぐらいでは決してアイゼンを付けません。(「これまでは」ですが・・・) ちょっと雪があるとすぐアイゼンを付ける安易な考えでは、雪上を歩く技術は上達しません。アイゼンなしで滑らず雪上を歩く技術を身につければ、夏道でスリップなどするはずがないのです、とカッコヨク言いたい所ですが、単に装着するのが面倒なだけ、一応ザックには放り込んであるのでした。(装備に頼るのは良くないというのは錆鉄人の本当の考えです。でも、歳を取って体力や注意力などが衰えた時には使おうと思いますが・・・) ルートはいつも通り(毎冬微妙に違うとは思いますが)右のほうに迂回して餅が壁の上部へと続きます。 右の写真は急な部分は終わって頂上まで緩斜面が続く場所ですが、ここまでで数名の登山者を抜いたら、どうやら本日のトップに立ったようで、飛ばされた雪で足跡が消えている所がありました。 さすがに稜線では風が強く、耳に雪が入ってきたので、帽子を飛ばされないように深くかぶりました。(耳あて付の防止をかぶってきたのですが、ダラをして上で止めていました。) |
ちょっといい感じ 「僕の前に道はない、僕の後に道は出来る」 と言いたい所ですが・・・ |
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頂上 | ||
という事で、12時14分、かろうじて(ゲレンデを歩きだした途端にこりゃだめだと思いましたから)2時間を切って山頂に到着。 風が強くて寒いので、早速セーターを取り出して着用。(カッパのほうが風を遮るので本当はいいのですが、袋の中から出すのが面倒だったものですから・・・) 恐れていた通り、だんだんと雲が増えてきていました。あとから登ってくる人たちは見られるか微妙な感じでした。 |
この方向だったっけ?槍穂は 雲の中にうっすらと山並みが見えたのですが・・・ 妄想ではありません。心眼! |
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頂上その2 | ||
登山ルート方向 |
頂上の先、足跡はありません 一旦腰を下ろして風を避け、パンを食べようとしましたが、風を遮る所がないので諦めて、頂上滞在5分ほどで下山開始。 |
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雪庇はありません | ||
今年の雪庇はどうかなと端に寄って撮影。全然発達していません。それでも、登山の足跡は5m程離れて着いています。 |
ここで福井の多田さんとお逢いして、しばらく話をしました。追い越されてビックリしたとおっしゃって歳を聞かれましたが、その後一生懸命登ってこられたようで、顔から汗が流れていました。 山岳会に入るといろいろ制約されるので単独で登山されているとの事でした。錆鉄人も日帰りばかりだし、コースタイムの半分で歩くのでペースが合わないので・・・などと話しました。 |
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小荒島岳 | ||
もう少しで餅が壁の下りになる所で撮影。 餅が壁の途中で、スキーを担いだ3人組が登ってくる所に遭遇。「スキーする人はスキーの分重いし、登山靴とは歩き難いから大変だな」と思っても口には出さず、同情しながら道を譲りました。 追い越した所からまだここまでしか登っていなくて、頂上まで行けるのかしらん?帰りは早いかもしれないけれど、餅が壁などスキー出来ない所も多いから、結局錆鉄人の下山タイムよりも時間がかかるのではないかな?と思いましたが、誰も滑っていない斜面を滑る醍醐味は格別なものがあるのでしょうね。 |
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シャクナゲ平に戻る | ||
という事で、シャクナゲ平に12時49分到着。白山は薄いベールの中です。 ここで昼食タイムとしました。いつものようにペットボトルをサイドポケットに入れてこなかったので、ここまで1滴の水さえ飲んでいないという修行僧のような登山をしていた錆鉄人なのでありました。錆鉄人にしては高級装備品であるテルモスを取り出して、まずはお湯(10分で出発したのでお茶とかを作る余裕がなかったのです!)を飲みました。とても甘いような・・・お湯にさえ満足感を覚える錆鉄人は悟りの境地でありました。 |
急斜面上部を上るスキー組を見ながら昼食。パン3個の貧しい食事ですが、すでに悟りの境地の錆鉄人は「知足」。 2個食べた所で満足して(というのは嘘で、やはり菓子パンは2個も食べると気持ちが悪くなって来て、一気に3個は食べられないという所でした。)、もう一度お湯を飲んで、セーターを脱いで下山開始。 いつもながらの錆鉄人得意の下り足。大股で飛ぶように進みました。従って、シャクナゲ平から先のコースタイムはかなり早いほうだと思いますが、危険ですから記録に挑戦しようと思わないで下さい。 |
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ブナ林 | ||
この辺りは歩きにくかった所です。標高の低い分、雪が溶けて再凍結した上に雪が少し積もっていて、時にムチャクチャ硬く、時には(踏み抜いた)クレーターが隠れていたりするからです。 |
ブナの巨木の周りは雪がありません。 |
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登山口 | ||
という事で登山口に13:19到着。そのままリフト降り場には寄らずに下山。ここも快調に大股下りで行きました。 |
【スキー場の惨状】 駐車場の車はリフトの前が17台、夏の登山の時の駐車場のトイレの所に2台、ギンレイ荘の所に3台、この5台は登山者でしょう。関係者の車も数台あると考えると、スキーヤーの車は僅か10台余り・・・。ゲレンデのすきーやーの数も簡単に数えられそうで、どう考えても売上は10万円に届きません。 来年も潰れていませんように・・・と祈る錆鉄人は、駐車場の除雪の心配をしていたのでありました。 |
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駐車場に戻る | ||
という事で、13時29分(リフト乗り場の時計も29分を指していました)駐車場に帰ってきました。上のリフト降り場からちょうど10分、リフトの下を早足で下りる姿をリフトに乗ったスキーヤーが面白そうに眺めていました。 ここで一瞬、家とは反対の方向にある平成の湯まで行くのは勿体ない、地球の為にも良くない・・・と思いましたが、あくまでも登山は温泉のついで。温泉が本来の目的なので、予定通り平成の湯へ。駐車場から坂を上がって、上の出入り口の所から国道に出ましたが、ここはカーブ地点で前後が見えないので、出るのが怖い所です。(といっても、ほとんど車が通っていませんから) |
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平成の湯 | ||
帰る時に撮影(14:37) 前回は行ったのは10年以上前、旧和泉村であった奥越マラソンで割引券が当たったので帰りに寄ったのでしたが、立っているのがやっとのような大混雑しか記憶に残っていなかったのでした。今回もスキー帰りで満杯かもと恐れていたのですが、時間的に混雑前だったのでしょう。休憩所に数人、温泉には5〜6人。身体を洗ってからまずは露天風呂にと外に出ると、貸切!温泉はツルツル感も十分で湯温もちょうど。腰掛け岩の上に寝そべって快適露天風呂を味わいました。一度中に入って洗髪し、もう一度露天風呂を満喫。 気持ちいい露天風呂(HPより拝借) |
(台数は錆鉄人が駐車した手前を含め約10台) 最後に中の温泉も味わってから上がろうと思い、まず誰もいなかったジェットバス(と言っても1本出ているだけですが・・・)に入りましたが、熱すぎます。しかも、ツルツル感もなく、ひょっとして唯のお湯かしらん?という感じ。 もう一つの広い内湯に入りましたが、こちらは少しツルツル感がありましたが、平成の湯は露天風呂が一番泉質がいいようです。30秒ほど浸かっていると、浴槽に腰かけていた70歳位のおっさんがお風呂の中に倒れこんできました。近くにいた人と一緒に助け起して、床に上げましたが、そこに横になっていました。 もう一人の人は一緒に来た人だろうと思って、錆鉄人はすぐにお湯から上がって、ペットボトルを1本買って飲みました。するとその人も出てきて、「一人で来たらしいけど、大丈夫かな」と言って奥さんはいないかとか探していたので、錆鉄人はお任せして、タイヤキアイスを買って出ました。 |
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大野盆地からの荒島岳 | ||
という事で、今回の出費は温泉入場料500円+ペットボトル150円+アイス110円+パン3個(400円弱)という所でした。 錆鉄人はアイスを食べ、コーラ(これは1.5リットルを持ってきたもの)を飲みながら、慣れないシビックなので慎重に走っていると、もみじマークのラクティスが後ろにピッタリくっついてきて嫌な感じでしたが、法定速度を守りながら走りました。決して嫌がらせをしていた訳ではありません。 その車も人家のある所に来たらいつのまにかいなくなっていました。九頭竜川の橋の上ともう少し大野市街に寄った所と2回停まって荒島岳を撮影する余裕の錆鉄人でした。 自宅には3時45分頃に帰り、早速濡れたものを洗濯する「自宅単身赴任」の錆鉄人は、天女が帰ってくる日が待ち遠しいのでありました。これからは、少しは天女の家事の手伝いもしようかな・・・(きっとしないと思うけど・・・) |
餅が壁の急斜面の雰囲気が出ている大野市街寄りの写真を採用しました。すっかり曇ってきています。 |