白山 この所「疲れた」を連発する天女です 500歳を超えたとはいえまだ老け込む年齢ではありません これは運動不足に違いないと分析した錆鉄人は かつての疲れを知らない天女を蘇らせるべく 天女サイボーグ化計画を立案 愛妻家の錆鉄人は (愛妻家;錆鉄人の枕詞ですから・・・) 美しい白山に天女を連れて行き 心身のリフレッシュを図ることにしたのでありました |
どうやって行くの | ||
いつもならとっくに別当出合までの道路が開通しているのですが、今年はまだ市ノ瀬までしか通行出来ません。昨年は能登沖地震による大量の落石が道路を占拠していたのでしかたがありませんが、今年は行政の怠慢でしかないのではないかと思いました。 という事で、大野・勝山を経由して市ノ瀬まで片道約75kmの道のり、燃費の良い天女のムーブで行くので往復でも10リッターまで、1,450円程度で1日遊べるという素晴らしいフィールドです。 |
3時半に起きて4時に出発すると計画を話しておいたら、天女は3時10分に自分の目覚ましをセットしてお茶とおにぎりを作ってくれた。いつもながら天女の心配りに感謝の錆鉄人でありました。 |
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通行止めのゲート | ||
管理センターの前の駐車場ではなく、ゲートのそばの駐車スペースまで行って、天女の車道歩きを少しでも少なくする愛妻家の錆鉄人でした。広いスペースもあったのですが、この日は天女のムーブで来たので、大きい車に譲って、軽しか停められない狭いスペースに駐車しました。準備を整えた所で、出発前にトイレに行ておいたほうが良いと言って管理センターの所のトイレまで戻り、もう一度同じ所に駐車。 5時21分、ゲートの横を通って橋を渡って登山に出発。橋の上流50m程の所にある砂防ダムから落ちる水の水しぶきがかかります。 |
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車道歩き | ||
5分ほど歩くと、釈迦新道の登山口があります。観光新道に合流するので、マイカー規制の時はここを下るのも良いかもしれませんが、この時期は登山者もなく、観光新道を含めて通行は困難ではないかと思われます。 |
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別当出合 | ||
今年初めての登山である天女ですが、車道歩きは錆鉄人が100mほど歩いて天女を待ってまた歩き出すという感じのまあまあのペース。 別当出合から下の駐車場へ行く道路に看板があって、「登山者の皆様へ、工事で通行止めなので下の駐車場のほうから回って下さい」という内容の注意がありました。地球人の行動をよく理解していない天女は素直にカンバンに従って下に行こうとしましたが、「今日は日曜日だから工事をしている訳がないから。」と言ってそのまま登山センターへと進みました。工事と言っても通行止めにしなければならないような感じではなく、あっけなく別当出合に到着。 トイレは閉鎖されていて、冬用のトイレは相当汚れていたので、錆鉄人だけが利用しました。水道の蛇口も外されたままです。 |
という事で、6時30分ちょうど、別当出合を出発。射し込み始めた太陽が後光のようになる位置で天女を撮って、「優しくしてね!」と拝む錆鉄人でした。(優しくしてね!と言うと、いつも「これ以上優しくできません!」と答える天女ですが・・・) |
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登山道 | ||
出発しようとすると、中から登山者が出てきて付いてきましたが、登りが急になるとすぐに離れて行きました。 情報通り、登山道には雪はなく、一輪草がたくさん咲いていました。といっても、この時は早朝なのでまだ花が開いていません。花びらの外側がピンクだったので、ピンクの一輪草があるのかと思いましたが、帰りに見たら、全部白かったです、外側だけのようですね。 |
中飯場のベンチで腹ごしらえ。錆鉄人と違って造りが高尚な天女は起きてすぐは食欲がないのです。ここのトイレも閉鎖中で、水も出ません。ここからは、大きな滝が良く見え轟音も聞こえますが、その下には複雑な形をしたビルのような砂防ダムが威圧しています。ここだけで恐らく百億円も使われていると思いますが、何の効果があるのでしょうか。 年崩れる土石を食い止めて洪水を防いでいると説明するのでしょうが、白峰の町まで20km近く、途中の河原で十分堆積してしまうと思います。それを砂利や砂として活用すれば一石二鳥の筈だと思うのですが・・・ 毎年、この砂防ダムを見るたびに官民癒着に腹が立つ錆鉄人ですが、典型的な日本人なので、すぐに忘れるという悲しい習性の持ち主です。 |
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中飯場 | ||
中飯場を越え、2つ目の林道のトンネルの上で初めて雪の上を歩きます。その先は夏道が出ていますが、徐々に雪があらわれて、やがて雪の上の足跡を辿るようになります。 しかしながら、ゴールデンウィーク中は完全な雪の上だった地点も、今は融雪が進み、ブッシュがあらわれているので、足跡がブッシュに突入する事数度、何とか通り抜けて、完全は雪上歩行となります。この辺りで天女にアイゼンを装着しました。 |
この時間雪面は凍ったままですが、錆鉄人は足跡の凸凹を利用してノーアイゼンで登ります。天女のアイゼンにダブルストックでノープロブレム。でも、もう少し早く登って欲しいと願う錆鉄人でした。(が、口には出しません。) |
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別当覗 | ||
別当覗きの標識が出ていたので、天女が追い付くまでに覗いてみました。相変わらず崩壊が続いているようですが、それが自然というものでしょう。ところが、天女は盲目的に錆鉄人の後に付いてきたので、覗いて見る?と聞きましたが、見ないと言いました。5m歩けばいいのですが・・・ |
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甚ノ助ヒュッテ | ||
いう事で、間もなく甚ノ助ヒュッテに到着。雪は屋根のすぐ下の積雪時の出入り口からは1m近く下がっていて、ここからの出入りは相当難しそうでした。その下の板が足をかける為か相当に痛んでいました。雪面より数メートル下の本来の出入り口は、少し雪かきをすれば出入り出来るようになると思いますが、この時期、ヒュッテに泊ってスキーをする人とはいないのでしょう。
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よくこのヒュッテの屋根に腰をおろして休憩している人がいますが、アイゼンを履いたまま登って屋根のトタンに穴をあけてしまう人がいるようです。注意しましょう。 |
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エコーラインへ | ||
陣ノ助ヒュッテからは、夏道とは違ってほぼ真っすぐにエコーラインに出て、弥陀ケ原を斜めに歩いて五葉坂の取り付きに進みます。昨年はルートを誤って、カチカチの氷の斜面をアイゼン無しで渡るはめになったので、今回は慎重にルートファインディング。って、しっかりした足跡が雪面に踏まれていて、ルートミスのしようもない位でした。 この辺りで3人がしきりに登山の話をしていましたが、我々が追い越して行った少し後から別れて歩き始めました。登ってくるのは2人でしたが、一人はかなりペースが遅いようでした。 |
相当急な登りです それでも南竜への巻き道を超えると、長さ数百メートルのかなりの急斜面があり、この時間は雪面も硬く天女は恐る恐る登ってきます。というか、今年初めても登山(運動)なので既にバテバテのようで、少し歩いては休憩しています。 追いつくのを待っていると「登山なんて苦しいだけだわ。私、白山はこれで最後にしますからネ!」 |
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御前峰が見える | ||
ようやくエコーラインの急坂を登って尾根に出ると、やっと頂上が見えてきます。青空にくっきりと聳え立っています。前方に登山者は見えません。弥陀ケ原の手前に小高い丘がありますが、右を巻いて五葉坂の取り付きに進みます。 | 右下には南竜の小屋などが見えます |
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五葉坂 | ||
五葉坂はルートが一本化せずに、足跡がいくつも並んでいます。下山する時、自分の足跡を残したいと言う衝動でしょうか。(錆鉄人も下山時に足跡を辿りませんでしたが、錆鉄人はポン、ポンと飛ぶように斜面を駆け下りるので、合う歩幅などないからでした。) |
天女は休み休みでしたが、五葉坂はそれほどの登りではありません。やがて室堂の屋根が見えたので天女を元気付けました。室堂の管理棟には入らずに、左に進んでトイレに行きました。トイレを出て雪をさらって手を洗いましたが、表面の数センチは柔らかかったです。 |
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室堂 | ||
屋根の間から正面に出ると、鳥居の下はまだくぐるのが困難な雪の量です。鳥居の前で神社と頂上に向かって手を合せてお祈りして出発。 |
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青石 | ||
錆鉄人の記憶ではたいてい青石が積雪の境だったのですが、もう少し上まで雪があり、所々は石畳みの上を歩きながら、高天原の辺りで天女のアイゼンを外しました。もう一度アイゼンをはめるのは面倒じゃない?という天女でしたが、この上はほとんど雪がなく(ただし、夏道を外れて直登すればほぼ雪渓の上を歩いて頂上に行けるので、そのルートにも足跡がありました。)下山時も雪は柔らかくなっているので、もうアイゼンはいらないと思うよ、と言いました。 |
という事で、「足が軽くなったわ!」と喜ぶ天女ですが、目に見える効果(スピードアップ)はありませんでした。でも、ここからは1度も休まずに頂上まで歩きました。 |
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頂上 | ||
頂上の手前で天女を追い越して、まずは奥宮にお参りしていつもながらの厚かましいお願いの数々。お賽銭は持って来ていたのですが賽銭箱はありませんでした。さすがにこの時期ともなるとエビのシッポもありません。 先に御前峰に行きましたが、天女は錆鉄人よりもっと長いお願いをしているので、なかなか登ってきません。 |
頂上には先に到着して大汝峰方面を撮影、翠ヶ池はまだ厚い雪の下でした。北アルプス方面は雲に覆われていて残念ながら展望はありません。 |
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御前峰 | ||
天女が登ってきたので撮影、この時はなぜか風が収まっていました。これも天女効果でしょうか。 交代して錆鉄人を撮影してもらいました。下界からはるばる持ってきたビールをザックの中から取り出すと少し暖かく感じました。
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左手に持つはスーパードライ 交代して錆鉄人を撮影してもらいました。下界からはるばる持ってきたビールをザックの中から取り出すと少し暖かく感じました。 |
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別山と室堂 | ||
頂上からの別山も別格(って、一応シャレのつもり)、稜線の融雪が進んでいるのが4月末とは違った印象です。 |
雪に埋もれた室堂はゴールデンウィークの頃とあまり変わっていない感じです。 |
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室堂の中 | ||
風が強いので長居は無用とばかり天女は先に下り始めました。果たして、天女の下り足は健在のようでした。 青石の辺りで、甚ノ助ヒュッテの上で追い抜いた男性2人組の一人から声を掛けられました。早いですねと言われたので、「嫁さんが今年初めての登山だったのでバテバテでした。」と言うと、「バテバテでこれですか」とビックリされたので、錆鉄はちょっといい気持ち。山登りの話を始めましたが、天女はお構いなしでずんずん下って行きました。5分以上話をしていたかもしれません、飛んで下って天女に追い付きました。雪は足首の上程度までしか潜らないので、いくらでも飛ばせます。 |
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雪の下の水場 | ||
天女のザックのサイドポケットに入れておいたペットボトルが抜け落ちていたので、水不足になりそうなので給水に行きました。(室堂で給水可能なのは調査済みです。) 水場はいつもの辺りだろうと右のほうに行きました。水場の標識が出ていますが、数メートルの雪の上。そこにスコップを持った人がいたので、室堂の人だろうと思い「水場は何処ですか?」と尋ねると、そこですと指さしてくれたのは、雪の穴倉。 |
地下に潜るようにトンネルが掘られていて、下りて行くとパイプから水が流れ出ていました。ペットボトルに給水し、有難うございましたとお礼を言って戻りましたが、どこから流れてきているのでしょうか。 |
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下山開始 | ||
出口では3人の男性が除雪作業中、ここでも有難うございましたとお礼を言って下山開始。エコーラインの末端まで見えますが、登山者は数人、ゴールデンウィーク中とは大違いです。五葉坂はふつうの人の2倍位の歩幅の足跡をスタンプして下ったのであっという間でしたが、天女はゆっくり下りてきました。 |
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尾根歩き | ||
向こうまで続いているようにも見えますが、 この先から右に下ります。 |
形容しがたい天女のお姿 |
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エコーライン取り付きの急斜面 | ||
甚ノ助に戻る手前のエコーラインの取り付きの急坂も、予想通り雪は柔らかくなっていて、滑落の恐れはありません。天女は慎重にストックを突きたてながら恐々下りてきますが、錆鉄人は靴スキーを楽しんで下りました。(1回バランスを崩してコケましたが・・・) |
横から斜面を写すと結構急斜面ですね! |
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甚ノ助ヒュッテ戻る | ||
甚ノ助ヒュッテの手前で、夏道ルートのほうから戻ってくる年配の登山者と遭遇。なんでも黒ボコ岩を越えて弥陀ケ原まで行ったけれど、自分の実力ではこれ以上無理だと思って引き返してきたとの事。 この時期に黒ボコ岩まで登るのは、急斜面のトラバース・直登があるので、ものすごく怖い筈。まして、そこを下るのはもっと怖いと言うか、経験がないと危険だ思われますが、無事戻って来られて良かったです。錆鉄人なら、戻りはエコーライン経由にしますが・・・。 この時期の登山ルートを知らないで夏道を辿ったのでしょうか?このようなしっかりしたトレースがエコーラインのほうにあったのですが、頂上へ行くルートではないと判断されたのでしょうか?スキーの人も含め99%は頂上目指して歩いていると思うのですが・・・。錆鉄人には謎の行為で、この時期の白山登山の情報を収集していないのではないかと思いました。 |
というような事を話しながら、甚ノ助を通過。天女がスパッツのゴムを登山靴の紐掛けで引っ掛けてコケそうになりましたが、ゴムが切れたので無事でした。そうしているうちに、もう片方も引っ掛けてゴムが切れたので、ブラブラ下がっているのも危険かもしれないと思い、スパッツを脱ぎました。 「スパッツを取ると蒸れなくていいわね!」と天女は言いますが、一応イスカのゴア製品なのですが・・・。錆鉄人のスパッツはゴア製品が初めて出てきた頃、30年ほど前に買った骨董品なのですが・・・。いかに錆鉄人が物を大切にしているかの証明です。(数回しか使っていないので勿体なくて・・・) |
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中飯場 | ||
要塞のように見える無駄の塊り 恐らく何百億円も捨てられています |
足跡のメインルートを辿りながら下りますが、時々別れていて、やがてブッシュに突入。「お父さん、こんな所登っていないわよ」と天女は不安がりますが、10mも進むと足跡が合流して太くなりました。というような感じで登りと違って数段楽な下りの藪漕ぎを2〜3回したら夏道に出ました。すぐに中飯場の上のトンネルです。 |
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中飯場 | ||
結構急斜面なんだな〜と思いました。 登山道は撮影場所から右に下っています。 |
崩れても何の被害もない山中に作られている 巨大な砂防ダム |
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一輪草 | ||
錆鉄人と天女は二輪草です |
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別当出合に戻る | ||
やがて吊り橋が見えてきて、別当出合です。吊り橋の踏み板にはチョークのようなもので番号が書いてありましたが、500枚以上あったのですが、最後(戻りでは最初)の板の数時を見なかったので何枚あるかは報告出来ません。 |
13:04 別当出合に到着 そのまま林道を下山しました。 自転車が数台、ポールにチェーンで留められていました |
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林道歩き | ||
実は登る途中から錆鉄人の靴は水が浸みこみ始め、グチョグチョになって下山していたので、またしても足の裏が水膨れして痛みを堪えながら下山していました。同じメレールの革製登山靴(どちらもアウトレットの半額で買ったのですが・・・)なのに天女は何ともないのですが、こんな所まで天女効果でしょうか?錆鉄人が天女の靴に念入りに防水スプレーを掛けた効果だけの違いとは思われません。(錆鉄人はハズレだったのでしょうか?) さらに、錆鉄人は白山ぐらい・・・と舐めていたので、大量にあるカカトのない(破れて擦り切れている)靴下を履いてきたので、カカトを立てて雪面をガツガツ下った衝撃でマメまで出来ていたのでありましたが、「辛いのは我慢して、痛いのは無視する」錆鉄人の登山哲学を実践、足の裏全体の痛みを堪えながらの車道歩きでした。 |
今年唯一?の落石 でも通行の支障にはなりそうもありません やはり行政の怠慢でしょう |
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市ノ瀬に戻る | ||
という事で、14:01 車に戻って靴下を脱いだ時はホッとしました。でもふやけた足は数時間は戻らないので、痛いのは続くのですが・・・。トイレに寄って用を足した後、手洗いで顔を洗ってスッキリ。
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いつものように、白峰の白山神社の前のお店でアイスを買おうと思っていましたが、なにかのイベントがあったのか、観光客が至る所にいて駐車場も満杯だったので素通り、途中で車を停めるのも面倒なのでそのまま直帰しましたが、「お父さん、アイスは切れているわよ」と心配してくれる天女でした。(ところが翌日分かったのですが、冷蔵庫の中に1個残っていたとは!天女の千里眼も衰えてきたようです。) |
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百万貫岩 | ||
白峰に戻る途中に百万貫岩と呼ばれる巨大な岩が河原に鎮座しています。 車中からいつもと違うように感じたので停まってみると、上流方向には石が敷き詰められて、さらに遊歩道のようになっていました。 |
高さが3階建ての家ぐらいある巨大な岩です |
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帰宅すると阿鼻叫喚の我が家でした! | ||
しかたがないので(と言い訳しつつ)錆鉄人はビールを飲みました。登山に持って行ったあられを破ってもう1本飲んでいると、天女の悲鳴が! シロアリが大発生していたのです。去年、遂にボイラーの下の配管からの水漏れを発見して修理したので3、今年は大丈夫だと思っていたのでしたが・・・。天女は眠気も忘れて、台所・風呂場・居間・玄関のシロアリ退治に躍起になっていますが、錆鉄人は酔いが回ってきたこともあって、今さら騒いでも遅い、来年発生しないようにする事が大事とばかりで天女に任せっきり。天女はしきりに動きまわったので筋肉痛にもならないでしょう。 |
さて、シロアリ対策はリフォームの欄で報告しますが、震源地と思われる風呂場付近の床板を取外し式にして定期的に薬剤を散布する事と、床下の乾燥の為に換気扇を日曜大工で取り付ける事を考えています。 いよいよ今年も左甚五郎の弟子、でも何でもない自称「左甚苦労」の出番です。昨年の台所のリフォームで床張りが途中になっているのですが、ちょうどその下もシロアリ発生が疑われる部分です。錆鉄人はそこまで予想して床を張らなかった訳ではありませんが・・・ |