帰ってくると なんじゃコリャ!(ジーパン刑事風に)

08年8月9日

幌尻岳


百名山中最難関の幌尻岳を難なく踏破した天女は
幌尻の真珠と呼ばれる七つ沼を見に行かない?
それとも早く下山して東大雪荘の温泉に入って御馳走を食べる?
という錆鉄人の問いかけに
間髪を入れず「御馳走!」と答えた天女でした。

山よりダンゴの天女ですが
山より天女の錆鉄人なので
天女の仰せの通り下山開始
長い長い林道歩きに飽きた天女を励ましながら
登山口の駐車場に戻ると
とんでもない事が起こっていたのでありました。

なんじゃコリャ!

ところでジーパン刑事って何十年前だったかしら?



???
登山口で写真を撮って車の所に歩いて行くと、大勢の登山者がこちらを注目していました。無理もない、錆鉄人は短パンにTシャツだから・・・と思っていましたが、そのうちの一人から声を掛けられました。
見ると!
なんじゃコリャ!

錆鉄人のステップワゴンのスライドドアの窓ガラスが粉々になっています。スライドドアのガラスは上下にスライドする部分と後ろ側は羽目殺しになっているのですが、両方とも割られていました。

ガーン!
冷静な錆鉄人も現場写真を撮影するのも忘れて、まだ残っていたガラスの破片除去に取り掛かりました。(って、普段からちっとも冷静ではないのですが・・・


被害状況


スライドドアの前側

という事で、ほとんどガラスを取り去った所で
気が付いて撮影しました


後ろまで割る事はなかろうに・・・

普通のセダンのように
こちら側にロックがあると思って最初に割ったのでしょう
あんた盗みのプロでしょうが!
破片の除去

これはクーラー不要だね!


シーツの上にもガラスの破片が・・・
中は凄い事に!

中の配線が切断されています
(分かるようにかなり感度アップしています)

配線が切断されているのには衝撃!
エンジンが掛からなかったらどうしよう・・・
キーを差しこんでひねるとエンジン音が!


      無残に割られたダッシュボード

「車上荒らしは仕方がない、エンジンが掛かっただけで十分だ。」と言う錆鉄人に、天女は「すごいプラス思考ね!」と驚いていました。
錆鉄人的には、自分の不注意で事故ったとか言うんじゃなく、防ぎようもない事なので(山登りをしていなければ・・・北海道に来なければ・・・起こっていなかったに違いありませんが、それは錆鉄人の生き方を否定するようなものですから)錆鉄人的には「なってしまったものは仕方がない」で済ませてしまう事項なのでした。
「秋葉原で無差別殺人に遭ったのと比べれば、どうって事ないよ!」
被害届け
駐車場にはタクシーの運転手(後で知りましたが、地元の山岳会の副会長さんだったらしいです)がいて、タクシーの無線で警察に連絡してあげようかと言われましたが、こんな状態で待っているのも厭だったので、国道まで戻って近くの警察に届け出する事にしました。
平取の駐在所に到着すると鍵が掛かっています。不在の時は電話をして下さいと書いてありましたが、電話すると中の電話が鳴っているだけでした。天女が機転をきかせて(天女もいざとなると凄いものです!こういう方面はまるで駄目だと思っていたのですが・・・)隣の消防署に話しに行って、そちらから本署に連絡してもらいました。何でも30分以上はかかるとか。

警察の人が現れるのを待ちながら、まずは保険屋さんに連絡。3年前の当て(られ)逃げ事故で、それまでの車対車衝突の車両保険では保障されない事を知った錆鉄人は、その年の更新から、それに特約が付いた保険に変更していたのですが、免責五万円以外は保険が出るというお話しで、ほっと安心する錆鉄人でした。これも天女の加護に違いありません。
しかしながら、カーナビに関しては時価になるかもしれないとの一抹の不安も・・・
次に、車を買った営業の人に電話で修理を相談。土日は部品の注文も出来ないし、注文してもガラスが届くのに2〜3日かかるだろうからお盆休みになって修理出来ないのでは・・・との返事。戻ってきて全部纏めて修理されては?との話も、単に商売上手という事ではなく、保険会社との関係も面倒がなさそうです。修理出来るまで待っているのは性にあわないし、修理日に合わせて戻ってくるのも無駄なので、(あるいは何処かの町の修理工場と決めても、まだこの後どうするか考えていない錆鉄人なので、その町を決められないし、修理日決定まで気の遠くなるような電話が必要じゃないかと考えて)そうするしかないかなと思いました。

やがて、警察の人が現われて、中に入って調書の作成をしました。その人も親切な人で、支所長のSさんとも顔見知りとの事でした。
被害の場所と時間を尋ねられましたが、時間は1分単位じゃなく、5分単位ぐらいで記述すると初めてしりました。確かに、うろ覚えの時間なので、1分単位で書いて、正しい時間との整合性が取れなくなると問題がありそうです。

調書作成が済むと、今度は指紋採取をするとの事で、犯人の指紋と区別する為に、錆鉄人の10本の指全部の指紋を取りました。天女からもやはり10本全部を採取。「もう悪い事は出来ないわね」と観念する天女ですが、悪い事を出来るくらい図太かったら、うつ病寸前になんかなったりしません。
ちなみに、この指紋はこの事件だけで使用するだけで、後で廃棄されるとの事でしたが、錆鉄人が総理大臣だったらそんなことはしません。全部登録するばかりではなく、全国民の義務にして、悪い事をしたら即座に犯人が見つけられるようにします。勿論、指紋が残らないように、悪者はみんな手袋なんかをするでしょうが、それは自分が悪人だと表明しているようなものですから。

ところで錆鉄人の会社では、パソコンで25台までのカメラをコントロールして、動きを検出して録画を開始したり、メールを飛ばしたり出来る機能を持ったソフトを開発して販売していますが、登山口駐車場への最後の分岐点に監視カメラを設置してあれば、犯罪もかなりの確率で減少させる事が出来るのではないかと思いました。国会議員さん、犯罪抑止の見地から、監視カメラ設置の法律を作ったら如何でしょうか。(って、自分の為ですが・・・安全登山が出来て、会社が儲かるという一石二鳥です。)
   


指名手配犯なのに喜んでいる場合じゃないでしょ!

顔で笑って、心でも笑っている錆鉄人
被害の事などメモリーから飛んでいます。
天使の優貴君とお友達なのが分かるでしょう
親切なSさん、有難うございました
本署から警察の人が到着するのを待っている時に、同年配の女性が現われて、麦茶を御馳走になりました。さらにその後には特産のトマトとトマトジュースを持って来て下さいました。

そして、ガラスが修理出来るまで、そのままではいられないでしょうからとおっしゃって、丈夫なゴミ袋とガムテープ、さらには段ボールまで持って来て下さいました。
ここの役場の支所長をなさっていて、すぐ近くに住んでいるとの事でした。
錆鉄人は被害に遭った事よりも、親切な人に巡り会えた事がうれしかったです。
トマト、とてもおいしかったです。(15日夜、洞爺湖で札幌の人に一袋あげましたが・・・)Sさん、有難うございました。




Sさんに頂いた特産のトマト
現場検証に戻る

という事で天女を残して
パトカーに乗ってもう一度幌尻岳の駐車場へ。

入口のほうは結構車がまばらですが
時間的に下山した為と思われます。

ガラスの残骸

現場検証の後
錆鉄人は板切れで後方に片付けました
駐車中の車

みなさん、ご無事でありますように・・・
と願う心の広い錆鉄人でありました

という事で、現場検証も終えて再び林道を約30kmほど走って平取町の派出所に戻りました。この間に、天女が割れた窓にSさんから頂いたゴミ袋を貼って修理していました。待っている間、心細かったに違いありません。
盗まれたカーナビの品番や製造番号が分かったら連絡下さいと言って名刺をもらい、警察の人が本署に戻って行った時には、もう薄暗くなっていました。


山よりダンゴの天女の為に、まずはすぐ近くのコンビニへ歩いて行って、食糧を調達。東大雪荘のおいしい晩御飯が、コンビニ弁当に化けてしまいました。
さて、これからどうしようか・・・・・
こんな窓では無人の登山口に車を置いて登山など出来そうもありません。「登山は諦めて観光中心に旅行しよう」と天女に告げました。
という事で、まずはトムラウシ登山の後行く予定だった然別菅野温泉に行く事にして、北へ向かいました。時速60km位になると、ゴミ袋がバタバタとうるさく音を立てるので、おとなしく走っていると後ろに車の列が出来てしまいました。直線区間になったら全部追い越して行きましたが・・・
という事で、この日は道の駅樹海ロードで車中泊しました。ゴミ袋の窓が不安なので、周辺で車の少ない所も探してみましたがありません。度胸を決めて、キャンピングカーの横に駐車しました。すぐ近くのコンビニへ行って、天女が発泡酒を買ってきてくれたのを飲んで寝ましたが、窓が気になる錆鉄人でした。ゴミ袋1枚なので、音がほとんど素通りなのです。(といいながらも、案外すぐに寝てしまいましたが・・・)

ゴミ袋で補修したステップワゴン

帯広へ下る途中で撮影


ゴミ袋は着てても(纏ってい)心は錦
どんな車よりも大事だよ!
(いっぽんどっこの歌風に)



     ハザートスィッチの修理を試みる

配線が切断されてウィンカーも点かないので、錆鉄人は何とか修理出来ないかと苦心しました。ハザートスィッチがコネクターから抜けて、接点が抜け掛かっていましたが、これを修理して差し込めば、同じウィンカーを操作するものだから回線的には治るのではないかと考え、分解し、苦労して再組立てしました。
「メカに強い夫で良かっただろう!」と言いながらコネクターに差し込みましたが、残念ながらウィンカーは点灯しませんでした。配線図があれば何とかなったかもしれませんが・・・。それでも、お父さんは凄いわね!と言ってくれる天女でありました。
しかたがありません、前後に車がいる時は手信号で交差点を曲がっていました。

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