紅葉と烈風 朝日岳

08年10月11日

大朝日岳(1,870m)


金無し暇無し休憩無しがキャッチフレーズの錆鉄人は
昨年の鳥海山・出羽三山・山寺・蔵王大露天風呂の時でさえ
金曜夜出発の土日2日間でこなして翌日は仕事に行っています。

という事で、
旭岳・吾妻山ならもう少し手前なので楽勝かというと?
たった1年ですが歳のせいか、睡眠不足が堪えるような・・・
それこそ歳、歳・・・と言っているので
自己暗示にかかっているのかもしれませんが・・・

ところが体育の日の3連休は土曜日が全国的に雨で
日月は良いという予報になったものですから
土曜日の夕方出発なら時間は早く出来るので
睡眠時間も確保出来ると考え
天女の残っている百名山のなかでは最遠の
朝日岳・吾妻山に行く事にしたのでありました。




どうやって行くの
錆鉄人が登った時は、1日目に鳥海山と月山に登り、2日目は朝日岳に登り、3日目飯豊山の予定は天候悪化と足のマメで中止して、結局2日で帰ったのですが、そういう行程だったので、月山ICの所から南下して古寺鉱泉に行きました。
ところが、下山後には飯豊を諦めて帰宅すると決めた時に、カーナビの設定を距離優先で設定した為か、行けども行けども谷川沿いのすれ違い出来ない曲がりくねった道路を走らされたので、今回は絶対にそこを通らないルートを調査しました。
その結果、もう少し北のほうで、2箇所、距離にして数キロは狭いけれど、それ以外は普通に走って古寺鉱泉の近くまで行ける何とか温泉経由のルートを発見しましたが、前回の経験がPSDとなっている錆鉄人は、20〜30km長くなりますが鶴岡周りで月山IC付近から入るルートで行こうと決めていたのでした。

自宅出発は5時頃を想定していましたが、する事もないんので4時頃に出発。それじゃ少し下道を走って高速代をセーブしようと加賀インターまで走りましたが、深夜4割引になる事を考えると500円程安くなっただけで、途中工事で遠回りさせられた事もあって1時間近く余計に時間がかかったのが、翌日甚大な影響をしたのでありしました。

それでも、ほぼ当初の予定通りの時間に中条IC手前のSA(とは名ばかりで、トイレしかありませんが・・・)で車中泊。2時15分に目覚ましを鳴らして、トイレに行って出発。
事前のGOGOGSで調査済みの9号線沿いのGSで給油して北上しましたが、カーナビは標準ルートで長井市経由で東から古寺鉱泉に向かうルートを案内していました。目的地までの距離が事前に計算していたよりも短かったのを見た錆鉄人は、魔が差してしまい9号線から右折してしまったのでした。(短かったのは、例の魔のルートを指示していたからとは、この時気付かなかったのでありました。)
それでも順調に内陸部を北上続けた所までは良かったのですが、カーナビが左折を指示する所の標識は、あの忌まわしい魔のルートの途中の地点を表示しています。
という事で、せめて左に書いた何とか温泉経由のルートを行きたいと、カーナビの指示を無視して北上を続け、もうそろそろいいだろうと思って左折して橋を渡ったのですが、カーナビは無情にも南下を指示。どうしてもあの忌まわしい魔のルートを走らせようとする悪意を感じながらも、腹を決めてカーナビに指示通りに走りました。
予想通り、あの魔のルートに・・・。
1車線の曲がりくねった道路を前方を注意しながら(夜間なので、まず対向車があるとは思えないルートですが・・・)低速で走行し、朝日鉱泉の分岐付近からやっと2車線になりましたが、峠を下りていよいよ古寺鉱泉の取り付き道路に入ると、1車線の道路に戻ります。
ビックリ、感激
という事で、艱難辛苦の運転の末、やっと古寺鉱泉の駐車場にたどり着きましたが、駐車場手前の路側に何台も車が駐車していたので、予想された通り駐車場は満杯でした。
引き返して路側に数台の車が駐車していた後ろに何とか駐車し、準備を開始。出発前にもう少し車を寄せられるだろうと動かそうとすると、隣に車が停まって男性が降りてきて何か言っているようでした。車を移動させてから外に出ると、「Wさんですか?」と問いかけられ、「はい」と答えると「鈴木です」と言われました。
何と、今年の天女米の当選者の鈴木さんが、今日古寺鉱泉に来るという事をHPでご覧になって、仙台から逢いに来て下さったのでした。駐車場で待っていたけれども、福井ナンバーの車は1台もなかったので、予定が変わったのかと思って日暮沢のほうへ引き返そうとした所、天女を見つけたとの事でした。
せっかくお逢いできたのですが、Sさんが停車している所は通行する道路そのもの、登山者の車はその後も入ってきそうなので、落ち着いてお話しも出来ませんでしたが、2人ともすごく感激しました。

という事で、鈴木さんと別れたあと「いい人にもらってもらえて良かったね。」と話しながら駐車場から古寺鉱泉へと歩いて行きましたが、今日もいい登山が出来そうだなと思っていました。

ところが・・・



後日、メールを頂きましたが、Sさんは何回も古寺鉱泉から登られているとの事ですが、あんな混雑は初めてだったとの事です。従って、日暮沢の駐車場に駐車出来るか心配しながら車を走らせたけれども、なんとか滑り込めたとの事でした。
駐車場
駐車場は満杯でユーターンしたのでしたが、歩いてくると、簡易トイレの後ろ側に駐車出来るスペースがあった事を発見。下山してくると、ちゃっかり数台の車がそこに駐車していました。

駐車場から古寺鉱泉までは1〜2分ですが、川沿いの道は狭く、車は通行出来ません。鉱泉の資材を運ぶための幅の狭いエンジン付きのトレーラーが停めてありましたが、幅はせいぜい40〜50cmなので何程も積めないと思われます。しかも、鉱泉へは橋を渡る必要があるのですが、高くなっているのでトレーラーはその手前までしか運搬出来ません。
一輪車のほうがよほど使い勝手もいいのに、第一安いし・・・と思いながら橋を渡りました。


5:31 鉱泉前を出発
天女絶不調!
古寺鉱泉の前を通って、いよいよ登山道ですが、取り付きは傾斜のきつい登りになります。
5〜10分登った所で天女が「貧血でもうダメ」と言ってストックにもたれかかりました。それまでは快調に登っていたのですが、天女曰く「身体が覚えているのでいつも通りのペースで登ったけれど、身体が付いてこなかった」という事です。これも更年期障害かしら・・・と言っていますが、天女も500歳を超えると、いろいろとガタが出て来るようになったのでしょうか。
何れはいたわり合って生きていく必要が出てきますが、今は朝日岳に登るという大目標の為に心を鬼にして、天女の回復を待つ錆鉄人でありました。
「マラソンのインターバルトレーニングをした時のように、耳が痛くて心臓が焼けるような感じ。」と言いながらも、少し経ったら登り始めました。ところが、ほんの少し歩いただけでまた立ち止まります。一度抜いたおじさんにも抜かれ、何度も立ち止まっている間に、どうみても初心者と思われるアベックの若い女性にまで抜かれてしまいました。

それでもそのうちに最悪期は脱したのか、ゆっくりペースではありますが、休憩無しで歩けるようになりました。やがて、抜かれた若い女性が休憩している所を抜き返しました。その女性も天女にライバル心を燃やしたのか、すぐに歩き始めましたが、数十歩でまた休憩していました。まだ登山口から30分も歩かない所ですから、あれでは無理じゃないかな・・・と思いました。
帰り道ですれ違わなかったので、、諦めて戻ったのだろうと思います。

合体の木

天女は下を見て歩いているので
この木の存在さえ知らずに歩いていました。
ゆっくりと歩く

急な登りは終わりましたが、天女のペースは上がりません。


一服清水 6:40

天女は置いてあるカップは使いません。
ザックに付けたマグカップを取って飲みました。
「冷たくておいしいわ!」
でも、天女の復活はありませんでした。
紅葉に癒されて

雲間から朝日が射し込み
紅葉が照らし出されました。
天気予報ではこれからだんだん良くなるハズです。

ところが・・・


紅葉のトンネル
三沢清水


三沢清水 7:11

ホースで水が引かれていました。
天女はこういう水は飲みません。
(エンビのパイプはOKみたいですが・・・)
古寺山 7:29

右奥にあるはずの大朝日岳はガスの中です


薄日が射してもハッとするような・・・
小朝日岳巻道 7:47
やがて、小朝日岳の巻道の分岐に到着。錆鉄人は前回、往復とも巻道だったので今回は小朝日岳に登りたいと思っていましたが、天女の様子を見ていると、とても言い出せません。

ところが、天女はいつも下しか見ないで歩いているので、巻道を見落としてそのまま小朝日岳のほうに歩いて行きます。
しかしながら、愛妻家の錆鉄人は「チャンス!」とは思わず、すかさず「こっちだよ」と天女を呼び止め、巻道に誘導したのでありました。



小朝日岳分岐 8:00

巻道を10分ほど歩くと小朝日岳からの下りと合流する地点に達しますが、ここからは急斜面の下りになります。



小朝日岳の斜面

急な下りを過ぎると、紅葉真っ盛りの小朝日岳の斜面に出くわします。
少し行った所で、斜面を眺めながら食事にしました。朝食はほとんど食べていなかったので、いつもならもっと早くお腹が空いたという天女ですが、ここにも異変が現われていました。


天女もようやく食欲が出たようです
朝日岳遠望

ようやく大朝日岳が近づいてきました。
避難小屋も見えます。

降りてきた人が頂上はすごい風だと言っていました。


記憶にある石畳の階段

人為的なものなのに
自然のままの登山道より歩きにくいのが理解出来ません。
白い部分は雪です。
登山道

振り返ると小朝日岳が立派です


平坦になって天女は蘇りました。
が、
強風が行く手を遮ります。
避難小屋 9:04
    
避難小屋に到着。ここでも、頂上はすごい風だと言われました。その人にザックを置いて行ったらと言われましたが、「重い方が良いかと思うので」と天女は答えましたが、愛妻家の錆鉄人は不調の天女の為に重いものはほとんど錆鉄人のザックに移していたので、天女のザックにはパン1個とおにぎり1個とポテトチップス(ペッタンコはカッコ悪いので膨らませておく為です)しか入っていないので、ザックを含めて2kgもありませんが・・・
小屋の右側を回り込んで頂上へ向かおうとしましたが、前に進めないほどの強風で、風の弱まる瞬間を待って前進しました。



霧氷がハイマツを覆っていました。
強風の中、山頂へ

天女は42kg!
羽衣がなくてもこの強風では
飛んでいってしまうのではないかと心配する錆鉄人でした


9:15 両足を踏ん張っても飛ばされそうな頂上
天女の百名山も89山になりました。
写真を撮ったらすぐに小屋に戻りました。
頂上から下山



カメラを取り出した瞬間
同じポケットに入れていた地図が飛び去りました

霧氷は登りの時よりも成長しているような・・・
小屋に戻る 9:24


    
小屋に戻って入口の床に腰かけてパンを食べていると、登山者のグループは入ってきました。錆鉄人は立ち上がって場所を空けました。写真を撮ろうとカメラを取り出す時に、デジカメをコンクリートの上に落としましたが、無事撮影出来ました。この後、トイレを撮影しようとして、もう一度カメラを落としてしまいました。手袋をせずにいたので、手がかじかんでいたからかと思いましたが、米沢城跡の公園でも落っことしたので、軽い脳卒中か何かで手がうまく動かなくなったのかと内心恐れましたが、心配し過ぎのようで、紀伊半島旅行では一度も落っことしませんでした。

記念に鐘を鳴らす天女


小屋の横の天場にはテントが一つ
うまく風を避ける場所に設置されているようでした

9:36 出発

今頃咲いている花を発見!

小朝日岳

頂上の風が嘘のようなのどかさです

小朝日岳の手前の谷


巻き道分岐

巻道分岐に戻ってきました


古寺山が見える所で、またま食事
天女復活「山よりダンゴ」
紅葉に酔いしれて

雲が流れて万華鏡のように色が変わります。
いくら見ていても見飽きる事がありません。


完全に晴れるのを10分以上待ちましたが・・・
紅葉



朝日岳が姿を現す


ガスが晴れる瞬間が出てきました!
右の肩に避難小屋も見えます
古寺山へ



11:10
大勢の登山者が休憩中でした
下山

日暮沢小屋からの分岐 11:34


左が日暮沢への登山道
日暮沢から登って来た筈の鈴木さんとは
再会出来ませんでした。
避難小屋の中にいた時に
頂上へ行かれたのでしょうか?
一服清水

11:42

帰りも水を飲みました。
ザックには1.5リットルも残っていましたが



快調な下り

飛ぶように下る天女
天女の下り足は健在でした。



合体の樹

錆鉄人と天女のように寄り添って生きてきたのでしょう


尾根道
古寺鉱泉に戻る 12:15

     秘湯!古寺鉱泉
錆鉄人は前回入りましたが、源泉は冷たく、浴槽のお湯は水で薄まっているような気がしました。浴槽が1つしかないので、秘湯ブームもあって混雑時はかなりの待ち時間という話しだったので、入らない事にしていたので素通りしました。


錆鉄人が小学3年生まで通った分校のような建物です。
満杯の駐車場



路側にも停められる所は車で一杯
いよいよ米沢牛!
錆鉄人の今回の遠征の目的の一つは「米沢」です。といっても、ステーキは一万円以上もするという事を知ったので、メニューに「米沢牛」と書かれてさえいれば、産地偽装のオージー牛でも何でもいい、米沢牛を食べたと信じ込もうと覚悟を決めていた錆鉄人でした!


行く先は検索で見つけた「りんご園」です。

米沢観光

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