スキーリフトで短縮 真冬の荒島岳

04.02.01

荒島岳(1,523m)

今年最初の登山は荒島岳とした。
往復1〜2時間の日野山や鬼ヶ岳では
準備のほうに時間が掛かってしまいそうだった。
この日は好天が予想されトレースも期待出来たのが理由である。
それでも安全(トレースの確保)を考えて少し遅く出発する事にした。

スキー人気は今や哀れな位であり、
勝原スキー場の駐車場もガラガラのことが多いが
この日は芦原町のスキー大会が催されていた模様で
町の車が駐車して、さらに参加者と思われる車でやや混雑していた。

荒島岳は豪雪地帯にあるとはいえ
このスキー場のリフトで30分はショートカット出来る事もあって
冬場でも荒れていなければ土日は登山者が相当いるという事は
県外の人には案外知られていないのかもしれないが、
頂上から眺める純白の白山は息を呑むほど美しい。

また、荒島岳の最新の情報に関しては
百名山でも一番ではないかと思われるほど
熱心に情報を掲載し続けている荒島岳On-Lineがあり
県外の人でも天気予報と荒島岳On-Line情報をチェックして来れば
まずは登山可能である。
冬の荒島岳はお勧めです!

どうやって行くの?
冬場にトレースが期待できるのは、勝原(カドハラ)スキー場からだけだと思います。
県外からは福井インターで下りて大野市を目指し、手前の美山町で標識に従って白鳥町方面に右折し、大野市外を迂回して九頭竜川沿いに進みます。福井インターからは約1時間程度だと思います。勿論、スタッドレスは必須です。
上にも書いたように、駐車場はほとんどの場合空いていて、リフトもほとんど待ち時間無しで乗れます。下山時に乗ることが可能かどうかは知りませんが、気温が低い場合、ゲレンデの下降にはアイゼンが必要です。
スキーリフト券売り場
錆鉄人は歩く事は嫌いではありませんが、スキーヤーが滑っているツルツルに凍結したゲレンデをアイゼンを着けて登る気持ちにはなりません。
従って、安直にリフト券を購入して乗ります。
リフト券売り場はゲレンデの最上部である登山ルートまで乗せてくれるリフト乗り場(ゲレンデに向かって一番右手)にはなく、100mほど左にあるので無駄足にならないようにして下さい。

   (下山時撮影)
中央の小屋が券売り場
右手の林沿いに右上の山の上まで続くリフトに乗って登山口に着く
リフト

    (下山時撮影)
リフト乗り場は閑散としていて待ち時間なし。一番書き入れ時と思われる2月の第一日曜日でこの有様であるから、潰れるのは時間の問題ではないか。登山者の為に潰れないことを祈る。
リフト券を出すときに登山者がどれくらいいたか聞くと教えてくれます。8:35リフトに乗りました。

青い空
無人のゲレンデ
無人のリフト
登山口
リフトで着いた所はスキー場の最上部。歩き出せばすぐに暑くなるからと軽装でリフトに乗った錆鉄人は途中でしまったと後悔しました。リフトは高い分風が強く、しかも風を切って進みますので、面倒でも防寒着を着用してリフトに乗り、少し歩いた所で脱ぐことをお勧めします。
リフト降り場の標高は680m位で、駐車場からの標高差は350m位です。ここからの眺めも結構素晴らしいので、準備がてら見渡しましょう。

といっても、錆鉄人は準備するものはありません。アイゼン・スパッツもザックにいれたまま8:42出発です。(普通スパッツはするべきですが、自分の場合はこの程度の山では登山靴に雪が入っても体温で溶けて靴の中が湯たんぽ状態になるだけなので気にしません。もっと寒い山の場合はそうはいかないと思いますが)

荒島頂上からの滑降に出発するボーダー
しっかりした踏み分け道があることが分かります
右上は小荒島岳
しゃくなげ平 1,204m
リフト降り場からはブナ林の中を歩きます。降雪がある場合は、日光に溶けた雪が首筋に落ちてくる場合があるので肩をすぼめて歩きます。粉雪の付いたブナ林は太陽の光を透かして幻想的な雰囲気です。
冬はしゃくなげ平に登らずに、左の山腹に巻き道があるのですが、今回は見当たらず、しゃくなげ平に直登。この登りは結構急で途中で休憩する登山者もいますが、登りきったしゃくなげ平からの白山を楽しみに頑張りましょう。
途中で数人、しゃくなげ平の登りで数人の登山者を追い着き、そのまま到着。9:30

しゃくなげ平からの白山
しゃくなげ平2
しゃくなげ平には冬の日曜日にはテントがある場合があります。御来光目指して登るのではないかと思います。周囲が木で覆われているので、案外風も防げるのかもしれません。
それにしても、みなさん立派な防寒具を着て登山している。錆鉄人はいつも通り、ブレスサーモの下着の上にボタンシャツを着ただけでも汗をかいているというのに。しばらく話をして10分程で先に出発した。

逆光の荒島岳頂上
頂上へ
しゃくなげ平からは一端鞍部まで50mほど下ります。ここからの登りは結構急で、トレースは尾根の裏側の林の中をジグザグに登ります。尾根から左側は手がかりもなく積雪も多いので登るのは難しいのでしょう。ここで単独行の登山者を追い越した。「速いですね」と言われた。
やがて尾根に出ると、そこからはもう急な登りはありません。写真のように左側には雪庇が出来ている場合が多いので、くれぐれも左側はあるかないでおきましょう。尾根は風も強く気温も低いので雪が締まった上に新雪が積もっていることが多いのですが、一晩で1mも積もる事もあるのが北陸の山です。

雪庇の向こうに頂上
10:11
頂上 10:15
さて尾根に出たらすいすいと進んで頂上です。以前は巨大な電波反射板や廃屋があったのですが、百名山の印象を悪くするという事で撤去されたので、目印になるのもがありません。唯一の祠も雪に埋まっていることが多いです。
という事は風を遮るものがなにもないという事で、冬場はちょっと厳しい山頂です。



手前が登ってきた稜線
右上が純白の白山
何時見ても高貴な姿である
誰かが掘り出したのでしょう、屋根の一角がかろうじて顔を出していました。積雪は1mちょっとという所でしょうか。
この前に腰を降ろしてパンを食べていると、餅が壁で追い越した人が登ってきて横に座った。しばらく話をしたが、学校の先生という事で、結構いろいろな所に登っているようだった。

シュカブラ
この日は結構気温が低かったこともあって、シュカブラが一面に拡がっていてきれいでした。足跡を着けるのが勿体ないと思いながらも撮影ポイントを探して歩き回りました。
そのうち、しゃくなげ平で一緒だった一行も頂上に到着。つまり、8時のリフト運転開始に乗ったとして普通の登山者でも3時間で頂上に着くという事です。自分としてはいつもより結構長い間頂上にいたことになります。11時を回った所で下山開始。
下山は一気に小走りで下りたので、餅が壁の急斜面ではステップを所々壊してしまいましたが、コケずに下りました。
リフト降り場からのゲレンデは斜面がカチカチに凍っていて登山靴をはいたままスキー状態でした。何とかゲレンデを横切って踏み固められていない端のほうを歩いて下りました。
駐車場到着11:45、普通はこの倍(往復5時間程度)は時間がかかると思ってください。この日の登山者は約20人でした。

雪紋

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