雨雲と競争 日光白根山

撮影日 04.06.06

日光白根山(2,578m)

昨日の尾瀬横断から今日は男体山に登って
帰りがけの駄賃に日光白根山も登ってしまおうという
いつも通りの欲張り登山(急ぎ働き)である。
花のシーズンには
シラネアオイやコバイケイソウが咲き誇っていると思われる。

山頂にはたくさんの登山者がいたが
天候の急変を告げている雲行きにも係わらず
のんびりしている人が多いのに驚いた。
みんな、いい雨具を持っているのかな?


どうやって行くの?
福井からの場合、尾瀬と同様に沼田インターで関越自動車道を下りて国道120号線を東に進み、尾瀬には左折せずにおのまま国道を直進し金精道路を上っていけば登山口の菅沼に到着します。
自分達はこの日の朝、男体山に登った帰りなので、反対側から金精道路を登り登山口に到着しました。
登山口
トンネルを越えて少し下ると、左手に大きなドライブインがある。最初、そこが登山口の駐車場だと思って入ったが、良く見ると、その手前に舗装されていない道路があって、そこにたくさんの車が駐車していた。ドライブインに停めて登山するのは悪いのでユーターンして本当の駐車場に入った。およそ30台位駐車していて、右側はほぼ満車状態だった。その時、登山口に近い左側の車が出て行ったのでその後に入った。
9:22 駐車場を出発
案内板
駐車場から200m程急な車道を登ると、公園のような広い場所に出ます。新緑がとてもきれいでした。
登山道は案内板の前を右に進みます。しばらくは平坦ですが、すぐに登りになります。案外急な登りかもしれません。最初は写真に見える山が日光白根山かと思っていましたが、頂上はここからは見えません。
男体山を下りた時は、しばらくすると雨になるかと思いましたが、持ち直して空は明るく青空も見えたので安心して登り始めました。

9:27
案内標識
登山口から2km、弥陀ヶ池まで0.8kmの標識です。1km地点にもありました。距離が書いてある案内標識はこの日光白根山が関東の山で初めてでした。
雨が心配なので1km20分のペースで登りたかったが、妻のご機嫌をそこねるわけにはいかないので、黙って後を付いて行きました。この辺りから時々残雪が現れました。

10:15
弥陀ヶ池
登山口から2.8km弥陀が池に到着です。岩がごつごつとした頂上の雄姿が始めて現れました。
弥陀ヶ池の横は遊歩道のようになっていて、沼の奥のほうは浜辺にも降りられるようになっていてとても感じの良い所でした。
シラネアオイの保護活動
弥陀ヶ池の右側の斜面で7〜8人の人が保護柵の設置作業をしていました。鹿などの動物対策だと思います。


五色沼との分岐
弥陀ヶ池の奥は、頂上へのルートと五色沼との分岐になっています。右に進んで登り始めましたが、登り始めの所に20mほどの雪渓のトラバースがありましたが、急な斜面ではないのでどうってことはありません。そこを登った鞍部を右に進むとロープウェー駅に行くようです。頂上へは鞍部を左に進みますが、かなり傾斜が強く中年のおじさんが途中で休憩していました。
コバイケイソウの大群落
五色沼との分岐を越え登り始めた頃からコバイケイソウが見えていましたが、鞍部を越えた辺りからは一面にコバイケイソウがビッシリとはえていました。もう数週間もすればすごい花盛りだと思われます。
そして、さらに進むといよいよ岩場の登りとなります。とたんに妻の悲鳴が始まり、スピードがガックリと落ちました。特に頂上付近はかなり険しく手を使わないと登れませんでした。

一目数千株のコバイケイソウ大群落
頂上
頂上付近はこのような岩が折り重なっていて、かなり狭く、ほとんどの人は写真を撮るだけで、一旦20m程下った向こう側の少し低くなった広場のほうに移動して行きます。

登山者
向こう側の頂きへの降り口も岩場になっていて結構急ですが、妻が下りられたということは誰でも下りられるという事です。
ここは山頂が爆発して2箇所に分かれたような場所ですが、直径100m程の広場のようになっています。一帯には数十人が休憩していましたが、我々とは違うルートから登ってきた人も結構いるようでした。
ここで食事(といってもパンを食べる程度)をしたあと、後の老年夫婦に写真を撮ってもらいました。その人達も撮ってくれと言うので写真を構えましたが、間に一人入れる位離れて立っているので、もっと近づいてと言いましたが、年配の方々だったのでちょっと寄っただけでした。折角の写真、もっと仲良くくっついて収まればいいのにと思いました。
我々はずうずうしくくっついて写真を取ります。(何故かくっつくのはいつも夫の方から・・・)

雲に隠れる男体山

のんびりしていると急に雲が低くなってきて男体山の頭が雲に隠れた。間もなく雨が降ってくると感じたので、急いで下山することにした。もともと五色沼を経由して戻ろうと思っていたが、妻があんな岩場を下りるのはコリゴリだというので噴火口のへりを回って五色沼へのルートを取った。

    噴火口
頂上は中央部の一番高い所で、休憩した広場がある部分はその左側の一段低い部分である。写真では分からないが、この広場には小さな祠がある。
下山路
五色沼への下山路はこのようなガレ場のような所をジグザグに下ります。スリップを怖がる妻はへっぴり腰でこわごわモードで下るので、雨が心配な自分としてはつい「もっと速く」と言ってしまいました。「だってスリップしたらどうなるの」というので、「スリップする前に次の足を着いてしまえばスリップなんかしないのに」と言いました。下手にゆっくり下りるとズルズル滑ってかえって下りにくいものです。
とはいえ、慎重な妻は自分の誘いには乗りませんから、相変わらずこわごわモードで下りました。

下山路はほぼ五色沼を眺めながら下ります。
周辺部や中央で色が違って
上から見る五色沼はとてもきれいでした。
避難小屋
こわごわモードの妻も雨には逢いたくないので、ガレ場を過ぎたとたんに小走りモードに切り替えて進みます。
やがて避難小屋に到着。中を開けてみると。2段になっていて毛布などが置いてあり、「ネズミが出ます」と注意書きがしてあった。
ここから五色沼へは短いけれど林の中を通るで、所々に残雪が残っていました。先に登った男体山では登山道が荒れていて分かりにくかったので、妻のルートファインディング能力が向上したと思っていましたが、この林の中でも1回ミスをしました。

五色沼
五色沼の手前には五色山への登り口があり、2人の青年が登って行きました。
避難小屋から五色沼はすぐに到着します。弥陀ヶ池とは違って自然の中にそのままあるような感じでした。
登山道はこの池を左に捲いて中央に見える鞍部を登ります。地図では五色沼から弥陀ヶ池までは10分になっていますが、この低い峠?を乗り越える途中で休憩している3人組がいて、こんな位で休憩しているなら、登ってくるのにどれ位時間が掛かったのかなと思いながら横を通り過ぎました。

天女のポーズ
弥陀ヶ池に戻る
鞍部を越えたらすぐそこが弥陀ヶ池でした。右のほうに中年のおばさん2人連れが腰を下ろしてのんびりと食事をしていましたが、空模様を見ていないのでしょうか。この頃は白根山の頭も早い流れの雲に襲われかなり逼迫した空模様だったので、途中で降ってくるかもしれないと思っていました。でも、のんびりとするのはとても良い場所ではあります。
ここも左に回ってもと来た道に戻り、木道を通って池の向こうに行き、振り返ってみると、頂上はガスの中でした。きっと雨も降っていたに違いありません。

弥陀ヶ池の天女
ほとんど同じポーズをしている
駐車場へ戻る
弥陀ヶ池からはスリップしそうな所もなく、妻も快調に下って車に戻るまで雨に逢わずに済んだ。半分程下った所で登ってくる中年夫婦に出会ったので、思わず「今から登るんですか?すぐに雨ですよ。」と聞いたら、「行ける所まで行こうと思います。」との答えだった。まあ、自分達も福井からここまで来ている事を考えると登ったに違いないが、我々の倍は時間がかかりそうに思えた。
車に戻って着替えをして、隣のドライブインへ車を停めた途端に大粒の雨が落ちてきた。例によってアイスクリームを買って食べながら運転し、ちょっと遠回りではあるが、妻がとても良かったというので昨日のと同じ「花咲の湯」へ向かった。

車は半分程に減っていた
花咲の湯
着いた時は相変わらずの大混雑だった。
昨日とは男女が入れ替わっていて、今度は左側が男風呂だった。こちらは露天風呂が2つに分かれていて、色とりどりの花もたくさん咲いていた。上がってから、妻は昨日のほうが良かったと言った。休憩室に入って食事を頼んだ。これからまだ5時間程運転しなければならないのでビールが飲めないのが辛いところであった。
この後は、妻には後で気持ちよく寝るだけの至福の時間であったが、夫は気合を入れて走り続けるのであった。

入った時は駐車場も満杯だったが・・・

                      HOME

inserted by FC2 system