旭岳(2,290m) 大雪山系の最高峰は旭岳であり 即ち北海道の最高峰という事になる。 旭岳温泉からはロープウェーで 層雲峡方面からもロープウェーとリフトがあり縦走も容易であり、 その間のお花畑は見事という事であるが、 金無し暇無し休憩無しのヒーヒーハーハー登山の錆鉄人は ひたすら効率よくピークハントする事しか眼中になく 残念ながら縦走する余裕もなく 旭岳温泉からのピストンを決めていたのでした。 ところでロープウェーの南側は 「天女ヶ原」という湿原が広がっています。 ヤマケイの登山情報では 天女ヶ原は雪が多くて登山道が分からないので 下りた人も迷った末にやっとロープウェー駅に着いているので 地図読みが出来る人でないと駄目と書いてあった。 錆鉄人は自慢ではないが 地図は持っていてもザックからほとんど出したことがない。 従って地図読みといわれても・・・ しかし、天女の嫁さんを持つ錆鉄人としては 天女が原を通らない訳にはいかない。 決死の覚悟で下山したのでした。 |
どうやって行くの? 札幌からだと旭岳温泉に行き、ロープウェーに乗って姿見駅まで行き、そこから往復するのが一般的だと思います。 さて、錆鉄人は札幌の駅裏のホテルに泊まっていましたたが、チェックアウトの時に聞いたら、すぐ横の道路を北上して札幌北ICで乗るように勧められましたた。確かにルートとしては簡単でしたが、レンタカーのカーナビで旭岳温泉をセットしたら駅を通り越して南下して札幌IC付近を通るルート案内をしたので、そちらのほうが若干近く高速も1区間短くなるのでカーナビの案内に従って走る事にしました。 しかし、地図の縮尺が違っていた事と案内のタイミングの微妙なズレもあって、何回も曲がるポイントを通り越してしまいました。普段使う縮尺で走るべきでした。 |
ところで、レンタカーの付いていたカーナビはサンヨーのゴリアで、かなり古いタイプのように思われました。(高速道路に乗っても道路のない部分を走っている時がありました。) ホテルにレンタカーを持って来た人(自転車を積んできてそれに乗って帰った)に、目的地のセット方法を簡単に聞いただけなので、本当は他にも機能があったのかもしれませんが、高速道路を使う設定が出来ませんでした。 札幌ICで道央道に乗っても、すぐに下りる案内をしますが、旭岳温泉は旭川ICまで行くのが一番早いだろうと考えていたので、そのまま旭川ICまで走りました。しかし、途中で高速を降りるルートの到着予想時間も高速を下りた時の予想時間もあまり変わりがなかったので、その後に景観した北海道の一般道のスピードを考えると、実際には下道で走ったほうが早く到着したのではないかと思いました。 |
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その前に「ジャパン!」 | ||
ホテルを出発する前に戻りますが、23日未明はコンフェデ杯のブラジル戦があったのです。 錆鉄人は出張先ではいつも良く寝られず、朝早くに目が覚めてしまうのですが、22日も3時過ぎには目が覚めてしまいました。22日夜は懇親会の後、ホテルには9時過ぎには戻り、すぐに寝たのですが、やはり3時過ぎには目が覚め、予定通り?ブラジル戦を見ました。 コンフェデ杯の最初のメキシコ戦は完敗で、やはり力の差は歴然かと思っていましたが、何と次の試合では、ヨーロッパチャンピオンのギリシャに1-0で買ってしまったのでした。しかもラッキーではなく堂々と勝利したのでしたから、ひょっとしたら?という期待を抱かせるジャパンに変身していたのでした。 しかしながら、見る試合見る試合が拙攻続きで、枠に飛ばないシュートを見続けた錆鉄人は、過大な期待をかけるには相手が偉大すぎる事もあって、大負けせずに1-2で負けてくれれば上出来と思っていたのでした。 |
しかし、ジャパンは本当に変身していました。退屈な守備陣へのバックバスばかりを繰り返し、テキトーに前線にロングボールを放り込む確率の低い試合運びが消え、中盤でボールがワンタッチがつながり、前線まで運べるではありませんか! サッカージャーナリストが言うように、まさにアジアモードから世界モードに大変身を遂げていたのでした。今までとは得点の入りそうなチャンスの数が違います。 そして、1点、2点・・・終了間際も惜しいシュートが入らずに2-2の引き分けで終わりましたが、王者ブラジルを本気にさせ、慌てさせたのでした。 相変わらずジーコの起用法には疑問符が付きます(大黒を何故先発させないのか等)が、ギリシャ戦では初めて?評価に値する戦法を取り勝利したように、ジーコはひょっとしたら監督としての能力もあるのかもしれないと思わせるものでした。 何れにしても、今までジャパンの勝利は実力ではなく「ジーコ力」という摩訶不思議な力だけで勝っていたと酷評されていただけに、うれしい変身ぶりでした。 終了後少しでも寝ようと思ったのですが、興奮しているので寝られませんでした。 |
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駐車場 | ||
登山口の旭岳温泉までの道路は、すれ違いが不可能なところもなく、道路標識も完備されているので間違うことはありません。ただ、札幌からは富良野経由で来たほうが、もっと早く安く来れたのではないかと思います。 とはいえ、11時40分頃に駐車場に着き、200m程先のロープウェー乗り場に急ぎました。 |
左手が無料駐車場、右手は登山案内所 旭岳までの残雪の様子などが 詳しく書かれていた。 |
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ロープウェー乗り場標高1,100m | ||
小屋のような建物は駐車料金を取る建物です。料金は500円ですが、下がガラガラなのにそれなりに車が停まっていました。北海道に来る人はお金持ちが多いのかも?錆鉄人は500m位までなら間違いなく無料駐車場に停めますが。 ロープウェーの料金は片道1,000円、往復1,800円と往復がかなりお得です。受付の女性に天女ヶ原の状況を聞きましたが分からないとの事。でも下りは天女ヶ原を下りたいと思っていたので、片道だけ買う事にしました。これで谷川岳のように帰りも乗ったら200円の損になってしまいます。 12:00ちょうど出発の便に乗りましたが、乗客は7〜8人でした。ここの標高は1,100mです。 |
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姿見駅標高1,600m | ||
ロープウェーが姿見駅に到着すると、下りた所でビデオでガイドをしていましたが、先を急ぐ錆鉄人は目もくれず進みました。しかしどこが登山口になるのかわからずウロウロして、結局もう一度下りた所まで戻ると、登山をするのなら記帳して行けと言われてしまいました。ノートを見ると今日は五十数人も団体さんが登っている事が分かりました。 そこの案内図を見てから12:18再出発。残雪が多くぬかるんだ所も多いので、一般観光客には長靴を貸し出していました。(100円) |
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姿見池 | ||
駅から雪の上を10分程歩くと展望台に着きます。雪はシャーベット状のところもありましたが、事前にクリームをしっかり塗ってきた錆鉄人の登山靴は(安物ですが)水をしっかりとはね返していました。 ここからは噴気が上がっている所が見え、音も聞こえます。でも残念ながら頂上は見えませんでした。ここから間違えて隣の展望台に行ってしまいましたが、そこには高山植物が咲いていました。 姿見の池とは旭岳の姿を映すからとの事ですが、まだ雪が詰まっていました。 |
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6合目 | ||
さほど急ではない登りが続きます |
ロープウェーの姿見駅がかすかに見えます |
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7合目 | ||
久しぶりの単独登山になったので、錆鉄人はペースがつかめないまま、ヒーヒーハーハー登っていました。(最近はいつも天女と一緒で、天女を先にして天女のペースで歩いているので、ヒーヒーハーハーになった事がありません。相当登歩力が低下しているように感じました。) それでも棒グラフは3分毎に立つので、9分で100m以上登っている事がわかります。(標高は合せてない) |
7合目には12:50に到着。標高は1,980mと書いてありました。天気が悪いので登山者はほとんどいません。ここまでで一組のアベックに逢っただけでした。 ガスに火山ガスも混じっているのか、刺激臭を感じましたが、阿蘇山で感じたような息が出来にくくなるという事はありませんでした。 |
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8合目 | ||
8合目に着くと同時に団体が下りてきました。地元の小学生の一団でした。 何十人もの子供達がみんな「コンニチワ」と声を掛けてくるので、それに答えないわけにはいかず、ヒーヒーハーハーで登ってきた錆鉄人は、本当に息が切れてしまったのでした。 しかもこの辺りからは傾斜がきつくなり、足元も富士山のような軽石の細かくなったような感じの小石(砂)でズルズル滑ります。 |
先頭で下りてきた先生と児童 |
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9合目 | ||
いよいよガスは濃く、近くに金庫岩があるはずですが、ほとんど何も見えません。しかも吹き飛ばされそうな強風が吹きつけるようになってきました。先ほどの子供達は良く無事に下山出来たと思うほどでした。天気予報は旭川地区は晴れだったのでしたが・・・ |
いかにもズルズル滑りそうな砂 |
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頂上 | ||
時々ピッケルを突いて耐風姿勢になりながらも、やっと頂上に到着しました。ガスと強風の世界でした。 写真を撮ったら長居は無用と、タタタタターと駆け下りましたが、どうも様子が変です。遂には記憶にない雪渓に出くわしてしまいました。 「これはおかしいぞ?」と考えた錆鉄人はすかさずもと来た道を登り返しました。無駄の嫌いな錆鉄人ですから、無駄をしたという後悔もあって足取りが重くなります。 |
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お花畑 | ||
しかしながら、そこには登る途中にはなかったお花畑があって、錆鉄人を優しく慰めてくれるのでした。 | どっちが上だったか分かりません・・・ |
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再度、頂上に | ||
間違えたことをすぐに察知した錆鉄人は、セオリー通り戻りました。すぐに気がついたことを「さすがベテランの域に達したか」と考えようと思いましたが、ベテランなら間違う前に確認して行動しています。ちょっぴり落ち込んだ錆鉄人でありました。 13:35下山開始。強風の中、慎重に下りました。 |
間宮岳と書いてあるでしょう! (ほとんど消えてます・・・トホホ) 確認して行きましょう! |
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金庫岩 | ||
登るときにはガスが濃くて見えなかった金庫岩です。これが金庫なら何兆円入るのでしょうか。 ちなみに錆鉄人家にも金庫はあるのです。ほとんど必要はないのですが、アクセサリーのようなものです。(ホームセンター |
こちらは偽金庫岩と思われます | |
ガスの晴れ間 | ||
途中でガスが晴れてきました。というよりはガスの下に降りて来たという事かもしれませんが、如何にも「ホッカイドー!」という景色が広がりました。(如何にもといっても、初めて見たのでしたが・・・) 足を止めて晴れ上がるのを待とうとしましたが、しばらくしてもそういう気配はなく、せっかちで待つことの嫌いな錆鉄人は、すぐに下山を再開しました。 |
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石室 | ||
やがて8合目ですれ違った小学生の一段が登山道を占拠して休憩していました。でも錆鉄人は岩の上を飛ぶように進むのが得意なので、ピョンピョン迂回して通りすごしました。 少し進むと前方に石室が見え、観光客の姿も見えてきました。 14:08石室に到着。下山は走った訳でもないが、たったの33分でした。 |
この辺りはなだらかな登山道 中央に石室が見えるのですが・・・ |
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姿見の池 | ||
石室の付近には自然観察員?のおじさんが歩いていて、花が咲いていました。写真を撮った後、もと来た道(姿見駅までの近道)を戻りかけましたが、気を取り直して遊歩道を1周する事にしました。 |
キバナシャクナゲ? 白いので黄花ではないかも? |
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噴気孔 | ||
最初は噴気孔です。遊歩道からは50m程突き出た所にあります。、登る途中ですれ違ったアベックがいました。この写真を撮りたかったのですが、いつまでも動かなかったので斜めからしか写せませんでした。 昔は上のような姿をしていたけれども大爆発をして今の姿になったとの事です。爆発前は2,500m以上あったのではないでしょうか。 |
目の前でゴウゴウと噴気を上げています 右のほうは硫黄が堆積していました |
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遊歩道で出会った花 | ||
一面のシャクナゲ |
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夫婦池 | ||
大きいほうが鏡池と書いてありますが、この時期、どちらが大きいのか分かりません。でも左側は如何にも「すり鉢」という形状なので分かります。 |
擂鉢池 鏡池 |
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観光撮影ポイント | ||
何番目の展望台かは忘れましたが、方位盤がある所が観光客用に撮影ポイントのようでした。ここは逆回りすれば姿見駅からは近い所にあります。 あと一息で頂上が見えそうなのですが、見えません。 |
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天女ヶ原を下りる | ||
姿見駅に戻って登山者ノートに下山時間を記帳しました。係りの人は、ここでも15m程の風だったから頂上は20m以上はあったでしょうと言っていましたが、もっとあったと思います。天女ヶ原の様子を聞こうかと思いましたが、やぶ蛇になると悪いので止めて、様子を見に行いました。 石室までの近道のほうを少し歩いた所から、右に天女ヶ原への下山口があります。(標識があった)その先は大きな雪渓で、よく見るとかすかに足跡の痕跡があった。さらにストックの穴も所々にあったので、基本的にはこの足跡を辿れば下りられるだろうと思って、14:40天女ヶ原を下りることにしました。 |
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渡渉 | ||
足跡は微かで時々見失ってしまいますが、注意力と勘を働かせて進路を見つけました。もしガスが出て視界が限られていたらルートを見つけられなかった可能性は高いと思われます。したがって素人の方は下山厳禁です。錆鉄人も素人ですが、道を間違えても何時間でも戻る体力を持っているので、雪渓の踏み抜きさえ注意すれば良いと思っていました。 やがて雪渓が途切れて夏道が出ている所があり、渡渉したり水が流れている登山道を歩いて進みました。でも、すぐに雪渓になり、ルートファインディングをしながら下ります。ほとんどの場合、良く捜すと赤いテープが見つかりました。 |
渡渉ポイント |
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天女ヶ原 | ||
やがて木道に出ました |
雪解け跡には ミズバショウがちらほら出ていました |
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雪渓 | ||
木道の先は再び雪渓です。この辺りに来たら比較的新しい靴跡があったので心強くなりました。 |
遂に1合目の標識が現われました! 今日か昨日という足跡もありました。 もう迷わないだろうと一安心。 雪も少なくなっています。 |
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登山道それとも川 | ||
雪渓はだんだん薄くなり、下で水音も聞こえるので踏み抜きに注意しながら進みましたが、数回踏み抜きました。しかし、注意深い錆鉄人なので、はまって水浸しになる事はありませんでした。 やがて登山道は川になってしまいました。足を広げて両側を歩いたり、笹薮の上を歩いたりして登山靴が濡れるのを防ぎながら歩きました。 |
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自然観察員の人 | ||
前方に動く物体を発見。一瞬、熊かと思ってザックに手を回して鈴を鳴らしながら進むと、パトロールしているおじさんでした。ひと言、二言声を交わして通り過ぎてから、写真を撮ろうと思って少し待って写真を撮らせてもらいました。自然観察員にはロープウェーを降りた所、遊歩道、ここと3人に会いましたが、すごく旭岳を大事にしているのだなと感じました。 再び木道が現れて、前方にロープウェーの乗り場が見えてきました。この時期、天女ヶ原の下山はかなり大変です。孫悟空がお釈迦様の手のひらの上から飛び出せなかったというような故事を思い出しながら、錆鉄人はどの谷に下りるのか迷いながら、天女の裳裾で遊ばされたように感じました。 |
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登山口に戻る | ||
15:40ロープウェー乗り場横の登山口に戻りました。 駐車場に戻った後、道路の向いにあった自然観察館?に寄りましたが、姿見駅からの登山道の様子が細かく書かれていたので、再度、みんなが旭岳を大事にしているのだなと思いました。 この後は十勝岳の様子を見たくて温泉にも入らずに望岳台に急ぎました。 |
(入口の注意書き) 「多積雪のため、現在、夏山の登山道は、現れていません。特にこの付近の地理に慣れていない方、または視界不良の時は遭難の恐れがあります。・・・」 |