越後駒ケ岳(2,003m) 越後駒ケ岳は、その高さから3年前には多くの人が登ったらしい。 次は2017年の雲取山までない。 しかし錆鉄人は技術者なのでそのような年号合わせとか 干支の山に登るという考えは「あまり」ありません。 (神社や祠では神様が厭になる程お願い事をするのですが・・・) 5月27日〜28日に天女と一緒に越後駒ケ岳と巻機山を登る予定でしたが、 悪天候の予報だったので新潟行きを断念したのでした。 それで目指す百名山の完登のためにいつ行こうかと機会を狙っていました。 天気予報を見ていると魚沼地域の週末は天気が良さそうです。 日曜日は築の農家組合の作業(イノシシ避けの電柵作り)に出なければならないので 土曜日1日しかありませんがこの際贅沢は言っていられません。 天女の了解を得て錆鉄人一人で行く事にしました。 (天女は土日が仕事なのです) しかしながら、金無し暇なし錆鉄人なので 1日で越後駒ケ岳と巻機山に登ってしまえないかと無謀な計画が浮かんできたのでした。 車での新潟往復と2つの山の登山口の往復で約11時間(休憩無し) 越後駒ケ岳のコースタイムが12時間45分(休憩無し) 巻機山のコースタイムが8時間45分(休憩無し) これを金曜日午後5時半に仕事を終え(実際は5時50分でした) 新潟に走りサービスエリアで車中泊(ETC深夜3割引を適用させる為)し 翌日には戻ってきて日曜日は作業をする必要があったのでしたが、 錆鉄人が慎重に計算した所 車の移動時間はヘリにでも乗らない限り短縮出来ませんが 登山はコースタイムの半分でやっつければ 暗くなるまでに下山出来るという楽観的な結果が出たのでありました。 という事で・・・ |
どうやって行くの? | ||
越後駒ケ岳と巻機山のどちらに先に登るかという事は、かなり重要な判断項目です。それは駐車場問題なのでした。越後駒ケ岳の一般的な登山口の枝折峠はまだ通行止めの為、駒の湯登山口から登るひつようがあるのですが、この駒の湯登山口の駐車容量は5台程度と言われています。従って、朝一番には駐車場に着いていないと駐車できない恐れがあるのでした。 これに対して巻機山の桜坂駐車場は、有料ですが50台位のキャパがあるとの事。この時期に登山者の車が50台にもなるとは思えません。 という事で、越後駒ケ岳に先に登って、その後巻機山に登る事にしたのでした。 |
国道8号線の渋滞を恐れた錆鉄人は、福井インターではなく、田圃の中を走って一つ向こうの福井北インターから乗る事にしていました。(料金も安くなるという1石2鳥の策です) 越後駒ケ岳の登山口に最も近いインターは小出インターですが、距離が360kmしかなくそのまま走れば午後10時過ぎには高速を出てしまう事になるので、直前のSA・PAで車中泊しETC深夜3割引になるようにします。どこで寝るにしても車中泊は同じなので、トイレや自販機の完備したSA・PAのほうが登山口の駐車場より便利なのです。しかし、登山口の駐車場が余り遠い所だと着くまでに時間がかかって駐車場が満杯になる可能性があるので、その辺りも考慮する必用があります。 直前の堀之内PAは狭く、前回利用した時にすぐ横の高速道路を走行する車の騒音が気になったので、もうひとつ手前の越後川口SAで車中泊する事にしました。今回は超ハードなので少しでも時間を短縮しようと制限速度+20km+αで走行しました。いつも通りトイレは走って往復して時間短縮に努めたので、越後川口SAに着いたのは午後9時半過ぎでした。 |
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登山口の駒の湯へ | ||
愛妻家の錆鉄人は、越後川口SAに着いたらすぐに天女に電話して着いた事を知らせました。そしてビールを2本飲んで10時過ぎには寝ました。目が覚めた時、目覚まし時計の針がほぼ一直線に見えたので、まだ0時半頃かと思いましたが、実際は2時45分頃だったみたいで、すぐに3時15分にセットしておいた目覚ましが鳴りました。腕時計のアラームは3時45分にセットしたのに、目覚まし時計はセットし直すのを忘れていたのでした。 という事で、結局もう眠れずに腕時計のアラームが鳴り、トイレに行って出発しました。 |
小出ICから少し走った所に唯一のコンビニがあった事を覚えていたので、今回は福井では夜食の分しか買いませんでした。そこでおにぎり4個と寿司とパン3個を買い、寿司を運転しながら食べました。 | |
駐車場 | ||
小出インターで降りて、国道352号線から湯之谷温泉方面に向かいますが、その前にコンビニで食料の買出しをします。この先、平ヶ岳や会津駒ケ岳方面に向かう場合も、このコンビニしかありませんから、必ず調達する必要があります。錆鉄人は、ここでパン・おにぎり等を買い込みました。 さて、国道を進み湯之谷温泉を過ぎ、シルバーラインの分岐を左に見てさらに進み大湯温泉までは立派な2車線の道路ですが、大湯温泉を過ぎると急に「これが国道?」状態になります。やがて、枝折峠への分岐がありますが、事前の調査通り通行止めになっていました。簡単なバリケードなので自分でどけて進むことも可能でしたが、山で出会った人の話ではその先ブルドーザーでトウセンボされているとか。この辺りから道の脇には雪があり、ちょっとビビリます。 1.5kmほど進むと駒の湯の到着です。その前の道路に数台車が停まっていました。錆鉄人もスペースに車を止め、おにぎりを食べながら情報収集に出かけました。隣の車の人も準備中でした。登山口の所まで行ってから戻って話をしました。秩父の山に登る予定だったけで、こちらは天気が良さそうなので変更してきたとの事で、相当昔に登ったことがあるそうです。雪でルートが分かるか心配だと言ったら、ここは一本道だから心配ないとの事、先に登った人がいると聞いてひと安心して準備を開始しました。その人はすぐに出発しました。 |
右100m先が駒の湯 奥に見える車の所が登山口 |
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登山口 | ||
先の車の所に登山ポストがありますが、ここでいいの?という感じです。(左は林道が延びています)4:55出発 |
数メートル先のピラミッドが道標で 左林道、右駒ケ岳登山口とあります |
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吊橋 | ||
森の中を進むと、すぐに吊橋があります。勢い良く足を運んだらグラグラ揺れました。 橋の先はすぐ数メートルの登りになり、登った所は真直ぐに踏み後が伸びていてそちらに進みましたがどうも怪しい雰囲気を感じ、すぐに戻りました。すると左に登る道があり、良く見ると真直ぐのふみ後のところは朽ち果てた木が何本も横たわっていました。通行止めの標しだったのでしょう。 ここからは結構な登りです。 |
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駒ケ岳が見える | ||
やがて隣の車の人に追いつきました。(5:18) ちょうど木の間から駒ケ岳が見える所で、左の枝折峠からの尾根も見えると教えてくれました。さらに進んで、一番最初に出発した人も追い越しました。 |
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尾根道 | ||
登山道は尾根道で恐れていた雪はありません。大きなブナが生えていました。小倉山の着くまで2箇所ほど雪の上を渡る所がありましたが、ほんの数メートルで勿論アイゼンなど不要です。 |
(帰りの撮影) |
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小倉山が見える | ||
やがて小倉山が見えてきました。ほんの少しですが下って小倉山の登りますが、この登山道の脇には、カタクリやショウジョウバカマ、イワカガミなどがたくさん咲いていました。 |
写真は何故は真っ白ですが 淡いピンクのイワカガミ |
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小倉山 | ||
という事で、花を撮影しながら6:33小倉山に到着。登山口から1時間38分でした。(標準コースタイムは4時間20分です) 頂上といっても三角点があるだけで、頂上の標柱などもなく、広場もありません。単なる通過点という感じです。 |
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小倉山からの越後駒ケ岳 | ||
小倉山からは、藪の上に越後駒ケ岳が見えます。この先は広い雪原が広がっていて登山道は出ていないように見えましたが、目指す所が見えているので大丈夫行けると思いました。ところで駒の小屋はどこにあるのかなと思いましたが、ここからは見えませんでした。 この先雪原歩きが続く事を予想して、さかいやスポーツで買った嵌め込み式のサングラスをメガネに装着して出発しました。 |
なかなかカッコイイ眺めです |
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百草の池 | ||
ところが、小倉山を下りると、雪原は尾根の左に広がっていますが、尾根沿いに登山道が出ていたのでそちらを進みました。所々ぬかるんでいるところや、水が流れている所がありましたが、それほど問題ではありません。登山道が雪の隠れている所もありましたが、雪原の右端のほうを歩いているとすぐに登山道が見つかりました。 7:04 百草の池の標識に出くわしました。勿論、百草の池は雪の下で何処にあるのか分かりません。 ここを越えると、写真のようにかなり広い雪原を横切る必要があり、何処へ向かえば良いか分かりませんが、足跡の痕跡らしきものを発見してその跡をたどりました。雪原の先の登りは少し急な所もありましたが、アイゼンなしでも問題なく登れました。 |
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岩場 | ||
小屋の近くには越後駒ケ岳の登山記に必ず書いてある鎖場がありますが、特別意識する程の難所ではありません。むしろ、すぐ横に雪の壁がせり出していたので、それが障害といえば障害でした。(でも、すぐに溶けて邪魔にならなくなると思います) 登った先に小屋が現れました。 |
鎖場を下りた所から小倉山方面 |
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駒の小屋 | ||
7:42 駒の小屋に到着。 なかなか立派な小屋です。頂上まではすごい雪原ですが、左に登山道が露出している所を登るようで、その先は右の頂上まで雪原歩きかな・・・と思いました。 |
後の雪渓が見事です |
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駒の小屋の水場 | ||
小屋の左に水場がありました。ワンカップのビンが2つ置いてあり、その横のパイプから水が出ていました。ワンカップを取っていっぱいになった水を飲みました。キューンと冷たくて、汗だくの身体に浸み込んで行きました。もう一杯合計500cc程飲んで出発しました。 噂では、「うるさい」小屋番さんが登山者名簿を書いていけとか、しつこく質問するとかいう話でしたが、誰もいなくて拍子抜けでした。 |
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偽駒ケ岳 | ||
という事で、雪の消えた登山道を進み、雪原に出るとポールが立ててあり、はっきりした足跡もありました。 やがて、駒ケ岳とかいた標柱が立っています。 一瞬、ここが頂上?かと思いましたが、道標には、(右)駒ケ岳300mと書いてあります。(駒の小屋の写真の左側のコブの部分) |
右のほうをみても明らかにここより高いことが分かります。 そこまでのルートには雪はありません。進みだしましたが300mもありません、長くて200mだと思います。1〜2分で頂上に到着です。 本当の頂上 |
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越後駒ケ岳頂上 | ||
7:55ちょうど3時間で越後駒ケ岳の頂上に到着。ほぼ快晴の頂上から360°の展望を楽しみました。 |
頂上からの八海山 圧倒的な存在感でした |
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登山ルートを見下ろす | ||
頂上からの雪原の先に小屋があり(良く見ると屋根が少し白っぽく見えると思います。小屋からは右側に雪渓のある尾根をたどって、その先は左につながる尾根をたどり、白く尖ったように見える所が小倉尾根で、駒の湯へは、そこから左側の尾根を下ります。小倉山から右の折れ曲がって雪を被っている尾根をたどり、さらにその先で左に尾根を曲がった先に枝折峠がありますが、さすがにそれは「心眼」以外見えません。 頂上からは360°の展望ですが、錆鉄人が糸目で分かる山は燧ケ岳しかありませんでした。地図を拡げて燧ケ岳を頼りに山座同定を試みましたが、確信が持てませんでした。方位盤があるといいのになと思いました。 ここでおにぎりを1個食べました。 頂上には10分余りいて8:10分下山開始。 |
右奥白く光っているのは奥只見湖 | |
小屋に戻る | ||
という事で小屋に戻って、また水を飲み、ペットボトルに水を汲んでいると中からゴソゴソ音がしました。 小屋に泊まったご夫婦が、「早から戻ってきたのね!」と言いながら出てきました。 そして、噂どおり小屋番さんが出てきて登山者名簿に記入するように言われました。でも、噂のようなそんなしつこい感じでもなく、錆鉄人はいい人だと思いましたよ。名簿にはそのご夫婦の名前がありましたが、宿泊者は2人だけだったようです。 小屋番さんから登山道の様子を聞かれたので、「ほぼ90%は登山道が出ています。」と答えましたが、そのご夫婦から聞いていなかったのでしょうか。それよりも小屋番さんが登山道のよう数を聞くという事はしばらく通っていないのだと思ったので、「いつ小屋に入ったのですか?」と尋ねると、ゴールデンウィークの前に小屋に入ったとの事でした。ゴールデンウィーク中は少しは宿泊者もあったでしょうが、一人で寂しいことだなと思いました。錆鉄人は気が狂いそうです。登山者はどれくらいいたかと聞かれたので2人追い越してきましたと答えました。 ご夫婦さんに「早いですね、何時に登ってきたのですか」と聞かれたので、福井から夜走ってきて明日は仕事があるので今日帰らなければならないけれど、折角来たのだから、下りてから巻機山にも登ってから帰ろうと思うと答えたら、小屋番さんもビックリしていました。そんな話(馬鹿者)は聞いたこともないようでした。 という事で、ここで10分位話をしたりしていたでしょうか。 |
一緒に写真に入ってもらおうとしたら いいんですか?と遠慮がちに言われました。 小屋番さんはいい人だと思います。 |
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枝折峠からの尾根 | ||
恐らく8時20分頃に小屋を出発したと思います。 錆鉄人は雪渓の下りが得意なので帰りは極力雪渓の上を下りました。ストックはなくてもいいのですが、ダブルストックで大またにダッダッダッと下りました。 右の写真は小倉山に着く直前の雪原から枝折峠からの尾根を撮影したものです。左に尾根が折れ曲がった真ん中辺りにちょっとしたピークがあり、その先の鞍部へ左から斜めに道路が見えましたので、そこが枝折峠だろうと思いました。 という事で、8時50分ちょうど、駒の小屋からほぼ30分で小倉山に到着しました。 |
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花 | ||
イワカガミとカタクリの群落 |
ショウジョウバカマ |
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登山口へ戻る | ||
小倉山からの下りでは結構登山者に出会いました。ほぼ20人位だったと思います。かなり下のほうでも6〜7人のグループに会ったので、久しぶりに小屋もにぎわうのでしょうか。 登山口近くに下りて、木の間から駒の湯が見えたので、写真を撮る場所を探していましたが、結局全体が見える場所がなく撮影できませんでした。 9時50分、出発して4時間55分で登山口に戻りました。コースタイム12時間45分の38.6%、実際に歩いていた時間だけなら約4時間20分なので34.0%という自分でも驚くスピード登山でしたが、これがつぎの巻機山で災いしたのでした。 登山口の所の車が増え、自分が停めた橋の傍も車が一杯になっていました。駐車場のスペースは約10台という所ですが、道路脇とかにもおけそうでした。 |
バイクは山菜採りの人でしょう |
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巻機山へ | ||
さて、本当は駒の湯に入りたいのですが、今日のうちに巻機山に登って福井へ帰ることを考えると、ここで温泉につかって一服という心の余裕がありません。(実際はコースタイムの半分で戻る計画だったので1時間以上も余裕が出来たのでしたが・・・) 登山靴を脱いでスリッパをはき、車の中で生温くなったコーラを飲みながらカーナビを巻機山キャンプ場に設定しました。(勿論、エンジンはかけていません) |
カーナビは関越道を使うコースを推奨してきましたが、短い区間の高速利用はバカ高いので避け一般道で設定。小出IC〜六日町ICは17.5kmで600円ですが、出入りを考えると10分以上はかかります。下道でも恐らく20分位なので、僅か10分の為に600円を出す気にはなれません。 という事で、10時ちょうどに駒の湯登山口の駐車場を出発しました。 →巻機山へ |