恐怖の利尻島 錆鉄人は利尻島,が恐怖の島であるとは知りませんでした。 新千歳空港で利尻空港行きの2便を待っていると 1便は機体の整備に時間がかかり運休になったとアナウンスされ 2便は大丈夫かと危惧しましたが無事に利尻空港に降り立つ事が出来ました。 しかし、 利尻岳登山の後、礼文島の観光をして利尻島に戻り 利尻富士温泉に入っていると 同じく利尻岳に登ったという人がいて情報をくれたのでした。 17日は濃霧の為に飛行機の着陸が出来ず2便とも欠航となり、 今日もこの状態では着陸は出来ないので欠航の可能性が高いとの話でした。 帰れなかったらどうしよう!と青ざめる錆鉄人でしたが、 その頃から徐々にガスが晴れ上がり空が見えるようになってきました。 結果、1便は欠航でしたが、 錆鉄人が予約していた2便は無事運行され 夜には札幌に入り 翌日の展示会に無事参加することが出来たのでした。 錆鉄人は幸運にも(天女の加護のおかげで) 3日間で6便あるうちの2便しか飛ばなかったまさにその2便で 利尻島に降り立ち新千歳空港に戻ることが出来たのですが 多くの人は足止めをくらったり フェリーに乗り換えて稚内から新千歳に向かったと思われます。 このように利尻島は入る事も出ることも困難な恐怖の島なのでした。 |
欠航が多い理由は? | ||
これは良く分かりません。 今の飛行機は計器着陸が出来るので濃霧など問題ないと思っていたのですが、利尻島は計器着陸の設備がないか、それとも利用する機体が古いので計器着陸が出来ないのかのどちらかでしょう。 しかも1便のほうは、いまどきプロペラ機との事で(屋久島でさんざんお世話になったので錆鉄人は驚きませんが)、16日の整備不良があったのではないかと思われます。 |
幸運な錆鉄人 という事で、錆鉄人は天女の加護のおかげでしょうか、無事利尻岳登山と礼文島観光を終えることが出来たのですが、確率的に考えてもかなり幸運であったと言えます。 こういう時に宝くじを買うと当るのかもしれませんが、一応技術者である錆鉄人は、確率的に損だと思っているので買いません。ヒーヒーハーハー汗を流す事が人生だと思っているので、一攫千金は錆鉄人の流儀にはないのでした。 |
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出発 | ||
さて、テントを立てて夜中に撤収するのは面倒なので、トイレの間の腰掛の上に寝た錆鉄人は、ビールを飲んで寝たにもかかわらず2時間程で目が覚め、それからも20〜30分置きに目が覚め(開放された空間で寝るというのはぐっすり眠れないものです。)ては時計の時間を確認するという作業を繰り返していました。 一応、腕時計のアラームは12時半にセットして1時に出発する予定でいましたが、12時過ぎに目が覚めた時に、もう寝るのは諦めて寝袋とマットを片付け、トイレに行きました。 それから食料を胃袋に詰め込んで出発ですが、フェリーターミナルを出発してから温泉までコンビニがなかったので、食料は何も買えなかったのでした。用意周到な錆鉄人はこういう事もあるのではないかと考えていたので、チップスターをザックに入れて福井から持ってきていたのでした。1箱で700Kcal程あるので、ほぼ1食分のエネルギー摂取が出来るという考えです。(チップスターよりもポテトチップスのほうがカロリー対価格比が良いのですが嵩張るのでやめました。)しかしながら、テレビを見ながらなら1箱でも食べられるのですが、ご飯の代わりに食べようとすると何故か半分も食べられません。すぐに胸がつまりそうになり、ひっきりなしに水を飲みました。さらにチーカマ(4本100円の品)を取り出して1本食べて、これが出発前の腹拵えでした。 0:43 自慢の17LEDヘッドランプを点けて出発。さすがに明るく照らしてくれます。 |
すぐ先に甘露水があるので 水はそこで汲むつもりで出発しました |
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6合目 | ||
甘露水は北麓野営場から僅か500m(フェリーターミナルから少し歩いた所の道路標識によると)なので、0:50 あっという間に到着です。ここまでは単なる遊歩道です。 まずは名高い甘露水を手にすくって飲みました。残念ながら甘くはありません。それから天女が梅酒用の焼酎を買った時の入れ物をくれたのでほぼ満タンまで水を汲みました。(約2L)これはplatypusの2リットルタイプとほとんど同じで、ややビニールが薄いだけの品で、破れないかちょっと心配でしたが何ともありませんでした。(platypusの2リットルタイプがあるのにこれを持って来るとは?) 甘露水からは登山道の雰囲気ですが、ヘッドランプで登っていたので全体的な印象は分かりません。木々の上に月が見えていて、その後何度か月と利尻岳をカメラに収めたのですが暗すぎてうまく写っていませんでした。 早く出発した分早く頂上に着いて、寒い中で御来光を待つのは厭なのでいつもよりスピードを落として登りました。 6合目に1:43分に到着。鴛泊港の明かりが良く見えました。 |
6合目の標識 辺りはハイマツだったように思います |
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利尻岳山小屋到着 | ||
2:39 利尻岳山小屋に到着。誰かいても起したら迷惑になると思い素通りしましたが、誰もいなかったようです。 小屋の先に雪渓をトラバースする所がありましたが、利尻富士温泉で聞いた通り登山者の足跡で黒くなっていて、というよりもすぐ先に登山道が見えていて、ほとんど平坦な所なのでアイゼンなどは不要です。 |
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夜明けが近づく | ||
3時近くなって東の空が赤くなってきました。 これは4時よりも御来光が早いかもしれないとちょっと焦りました。しかし、この辺りから登山道は足場が赤土で滑りやすく、さらに頂上付近になったら軽石が堆積していて1歩1歩がズルズル後退するばかりでなく、スパッツをしていない足首から小石が靴の中に入って来て、邪魔になって歩けません。しかたなく靴を脱いで小石を出しましたが、ここまで来てスパッツをつける気にはなりません。汚すのは靴下とズボンだけで良いという錆鉄人の地球に優しく、天女にも優しい考えです。(単なる面倒くさがり) |
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頂上到着 | ||
という事で、ちょっと難儀しながらも 3:33 頂上に到着。 当然、誰もいません。ご来光もまだ始まっていません。 とりあえず頂上の祠にお賽銭をあげて、いつも通りたくさんのお願いをしました。(無茶苦茶にコストパフォーマンスが高い!) 風も強くないので石の上に腰を下ろして、御来光までにエネルギー補給をする事しました。この後の事も考えて、冷えて風邪をひかないように長袖シャツを上に着ました。(ここまで登山ズボンを足首まで折り返し、上半身はいつものマラソン用の薄手のTシャツでした) 出発のときの食べ残しのチップスターとチーカマを1本食べましたが、やはりチップスターを食べるには大量の水が必要になります。 椹島からの悪沢岳と赤石岳周回を日帰りする時の食料にしようと思っていましたが、再考が必要かも知れません。歩きながら少しずつ食べると良いのかもしれないと考えたりしました。 |
ザックは50L テントから着替えまで担ぎました |
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御来光 | ||
やがて、御来光が近づきました。残念ながら地平線には雲があるのでその上からのお出ましでした。 |
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御来光2 | ||
という事で、良く分からないかもしれませんが御来光です。 荘厳な瞬間を頂上で独り占めでした。 錆鉄人はほとんどの場合日帰りなので、滅多に御来光を見ることもありませんが、やはり今日が生まれてくる瞬間は感動です。人類の平和を願う気持ちのなりませんか? |
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代官山 | ||
御来光の撮影が終わって、辺りを撮影することにしました。 登山道のほうを見ると、代官山からはるかかなたの登山口辺りまで見えました。 |
ご安心下さい! 登山道はこの険しい岩壁の裏ですから |
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南峰とローソク岩 | ||
南峰のほうはにも明瞭な足跡がついています。一瞬行こうかなと思いましたが、地図には危険なので登山禁止になっていると書いてあったのを知っているので思い留まりました。 帰ってきてからちょっと後悔しています。かなりの人が行っているようなので、錆鉄人に行けないはずがないと思います。でも一人だったので、もし滑落しても誰も気付いてくれなくて、白骨になるのは厭だなと思ったのでした。(登山届も出していなかったのでした。) |
南峰とローソク岩 |
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下山 | ||
4時ちょうどに下山開始 こういうガラガラの所は足の着き方に工夫します |
ここは止まりませんでした またしても靴に小石が入りました |
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避難小屋を望む | ||
小屋が良く見えたので写真を撮りましたが、このサイズでは良く分かりません。(心眼!) 中央の設計の左端が薄く縦に黒くなっている所が登山道で、小屋はそのすぐ先の鞍部にあり赤い屋根が見えるのですが・・・。 |
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登山道 | ||
9合目の少し上の登山道の様子です。足元はそれほど滑りませんが、頭にも注意が必要です。 | ||
9合目 | ||
9合目に4:21 到着。登る時は9合目の標識の右側を登って、おかしいと思って下りてきましたが、今なら間違いません。 丸いものは携帯トイレを利用するための建物です。 避難小屋のところにもありました。中を覗いてみようかと思いましたがやめました、こういうところで登山者のマナーが試されるのですが、不心得者がいるんじゃないかと思ったからです。日帰り特急登山の錆鉄人には必要ありません。 |
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避難小屋 | ||
唯一の雪渓横断箇所 2週間程で消えるのでは? |
実は左の雪渓の所まで下りてきて写真を撮ろうと思ったらメモリーが一杯で撮影できないと表示されました。(4:30頃) パソコンにUSBケーブルをつなぐと自動的に写真が送られるのでメモリーから消えていると思っていたのですが、実際はコピーされただけでそのまま残っていたのでした。撮影を諦めて小屋のベンチに腰掛けて、いろいろいじっていると消去の仕方が分かりましたが、最初は1280で撮っていたので相当な枚数を消す必要があります。バッテリーも気になったので50枚程消して左の写真の所まで戻りました。 |
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工事中 | ||
甘露水 | ||
ポン山・姫沼への分岐は甘露水の数百メートル上で、そのまま姫沼のほうに行こうかとも考えましたが、まずは給水と思って下りました。甘露水の少し上には東屋があって、アベックが休憩していましたが、錆鉄人が下りてくる時ちょうど出発しました。 6:10 甘露水に戻りました。 ザックを下ろして水を飲み、例のplatypusまがいの容器に水を汲みました。そして地図を取り出して姫沼までのコースタイムを確認、フェリーの時間までには十分なので行くことにしました。 分岐まで数百メートル戻り、左に進みます。ポン山との分岐まで階段登りが続きますが、1段を1歩では歩き難い階段の幅でした。ポン山分岐からは地図をみても分かるように、直接姫沼のほうに下りずに延々と利尻岳の斜面を時計回りに横移動します。当然、小さな谷がありますからその度に20m前後標高を落としまた登るの繰り返しで、途中からはほとんど整備されていない状況でした。やっと下りだした所も傾斜が急なのですが、ステップなどはなくスリップ注意です。 |
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姫沼 | ||
鳥の鳴き声が聞こえてきたら姫沼に到着です。沼の周囲は木道で囲われています。どちらに行けばよいかと迷いましたが、勘で右に行ったら正解でした。こういう場合、地図を出して確認しないと失敗する場合があるのですが、沼への到着地点は右よりだったというだけの事です。 さらに進むと売店のようなものがありました。様式がなかったので、ここでも沼に沿ってさらに進むか右に離れるか迷いましたが、売店があるという事は駐車場から近いのだろうと思い右に進みましたが、またしても正解でした。 地図を見ればすぐに分かりますが、こういう「勘察力(錆鉄人の造語)」を養うことも自然相手の登山においては重要であると思います。(自然相手とはいっても、道は人間が作ったものですが) |
ガスがかかって神秘的な姫沼 残念ながら利尻岳は映せません |
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思い出橋 | ||
少し進むと思い出橋という吊橋がありました。姫沼からこの下の川に滝のように水が落ちているので大きな水音がしています。 その先は駐車場で立派なトイレもありました。ここからは、車道を下ります。歩道も付いていますが、車も来ないので車道を歩きました。歩きながら天女に下山してフェリーターミナルに向かっている事を告げ、「名物のウニ丼を食べようかと思うけど、コルステロールは高くない?」と聞くと「ウニは高くなかったんじゃない?折角だから食べたら!」と有り難いお言葉でした。 やがて、サイクリング道路が横切っていました。車道は海岸まで曲がりくねって下って海岸沿いを鴛泊港までいくようです。サイクリング道は丸い島の内側にある事になるので、数学が得意な錆鉄人は「半径が小さい分円弧の長さが短くなるので、鴛泊港まで少し近いはずだ!」と計算しました。 しかしながら鴛泊港に下りる所は、港をかなり通り過ぎた所にしかなく、はっきり言って1km以上遠回りをしてしまいました。 歩いていて驚いたことには、この誰も利用しないようなサイクリング道には、立派な休憩所があり、200m置きにはご丁寧な標識があり、長さ200mで高さは50mほどもある橋が2つも掛かっていました。 遠回りさせられた腹いせに、何十億円も掛かっているのに利用する人は年間数百人で、維持費だけでも年間数千万円もかかるに違いないと思いながら歩きました。 |
思い出橋は揺れます! |
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これが3,500円のウニ丼だ! | ||
という事で、やっと鴛泊のフェリーターミナルに到着しました。 とりあえずビールを買って飲みながら、窓口で礼文島までの切符を買おうとしたら、「まだ発売していませんが、横の自動券売機でなら買えます。」との事でした。 切符を買って、利尻岳登山記に度々出てくる有名な2階の丸善食堂に上がりました。誰も客がいなかったので、食事ができますかと聞いたら出来ますとの事で、もうウニは解禁になってますかと聞いたら、ハイという事なのでテーブルに着きました。 ウニ丼を注文しようとしてメニューを見て魂消ました。 何と!3,500円もします!金無し錆鉄人は迷いに迷いましたが、冥土の土産にと清水の舞台から飛び降りる気持ちで心の中で天女に謝りながら注文しました。 それは評判に違わぬ美味でしたが、ほかで食べたことの無い錆鉄人は比較のしようがありません。ただ3,500円という金額に有り難く頂いておりました。 すると、ドヤドヤと4〜5人の中年おばさん軍団が現れ、テーブルに座るなり、「おかみさん、やっぱりここのウニ丼が一番おいしかったわ。」と言っています。どうやらこの食堂を経営している旅館に泊まった人達らしく、コーヒーがサービスのようでした。 それを聞いた錆鉄人は、一人納得してゆっくり味わいながらウニ丼を食べました。 |
感動の3,500円ウニ丼! |
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礼文島へ | ||
ウニ丼を食べて食堂を出ましたが、まだ空腹感が残ります。 時間があるのでターミナルの前に出てお土産屋を覗いていましたが、今のうちに食べておいたほうが時間が無駄にならないと思い、並びの食堂に入りました。 ここでもウニ丼があって確か3,000円だったと思いますが、さすがにもう一度大金を出して食べる気にはなりません。という事で今度はホタテ丼(950円?)を注文しました。ホタテがたくさん入っていました。ようやく満腹になった錆鉄人がフェリーターミナルに戻るとすでにフェリーが着眼していて、すでの大勢の行列が長い列を作っていました。最後のほうに並んだ錆鉄人は途中で制限されないかとビクビクしながら2本目のビールを飲んでいましたが、無事乗船できました。 |
2等客室の空いている所に入り、ザックから雨具の袋を取り出し枕にして寝る体制に入りました。出航するとすぐに寝たようです。目が覚めた時はもう香深港の近くで、窓の外では乗客がカモメ?にエサを手渡しでやって戯れていました。 以下は 礼文島 に続きます |